1943年10月21日、神宮外苑で行われた出陣学徒壮行会。学徒たちは徴兵猶予を解かれ戦地に向かうことになった。彼らはあの日何を思い、何に苦悩したのか。日映ニュースとは異なる映像をもとに壮行会に参加した人々の56年目の証言を綴る。
生命誕生の源になる物質を運んできたとも言われる彗星。それは地球に衝突し破壊をもたらしたが、逆に進化を促進する刺激となったともいう。誕生・絶滅・進化、生命と広大な宇宙との深い結びつきが、いま解き明かされようとしている。
広大な宇宙に生命の住む星は地球だけなのか。木星の衛星エウロパ。探査の結果、大氷原の下に海が広がっている事が確認された。生命が存在している可能性もある。SETI@home。宇宙からの呼び声を捉えようとする新たな試みも始まっている。
最近NASAは、20年以内に火星に人間を送り込む構想を発表した。地球のすぐ外側を回る赤い星、火星。最新の調査では、水も生命も存在する可能性が高いという。往復8億キロの遙かな冒険に旅立つ日は近づいている。
今世紀前半、火星に到達した人類は移住を開始、この不毛の星を改造し、もう一つの地球を作り上げていく。そして、人類自身にも変化が訪れる。私たちの子孫は、新たな進化へと踏み出していくのかもしれない。
夜空を彩る華やかな星雲の数々。一生を終えた星々の姿である。150億年の間、広大な宇宙のあちこちで、様々な星が生まれ死んでいった。実は、この星々の生と死が、100種類を越す元素を生みだし、私たち生命が生まれる源を作ったのである。
今、宇宙の中で、惑星が次々と見つかっている。しかし、それらは、地球とは全く違った姿をしていた。私たちの星「地球」は、希な存在なのだろうか。それとも、極ありふれた星で、同じような惑星が数多く存在するのだろうか。
何でも飲み込み、まるで、宇宙の落とし穴のように描かれてきたブラックホールが、実は、銀河の中心に存在し、意外にも重要な役割を果たしてきたのではないかと考えられるようになってきた。この銀河中心の巨大ブラックホールに迫る。
宇宙に終わりはあるのか、それとも、永遠に存在し続けるのか。宇宙が加速的に膨張を続けているという最新の観測結果の中で、太陽の終わり、銀河の終わり、そして、宇宙全体の終わりがどのようなものか科学的に描かれようとしている。
生命が生まれた星は地球だけなのか。宇宙に他の文明は存在するのか。この謎に満ちた問いを解き明かす手がかりを私たちは手にしつつある。大宇宙を舞台に人間・生命の起源と行方に迫る壮大なストーリーを描く。
不況や少子高齢化の進展など地方自治体は今大きな課題に直面している。小泉改革では、地方の自立を柱のひとつにしている。NHKが行った全国の地方自治体へのアンケートを軸に、直面する課題にどう取り組み解決するのか手がかりを探る。
被爆から57年、被爆者の平均年齢は70歳を超え、被爆体験の風化が叫ばれるなか、広島市とNHK広島放送局では今年、「原爆の絵」の募集を呼びかけた。これまでに寄せられた絵は725枚。広島では28年前にも「原爆の絵」の募集が行われ、2200枚あまりの絵が今も残されている。今回集められた絵をあわせ、3000枚に達する「原爆の絵」が、いつ、どこの場所を描いた光景なのかを確認し、データベース化する作業が着々と進められている。
アメリカで今、「要塞町」と呼ばれる高級住宅地が次々と出現。町の周囲に塀を築き、閉ざされた環境で、勝ち組ビジネスマンが豪奢な生活を謳歌する。しかし、常に転落の不安に怯える日々。アメリカ社会の激烈な競争主義の最前線に迫る。
2千年7月、巨額債務で経営破綻した大手デパートそごうは、わずか2年半で再生計画を終了し蘇った。厳しい時代の再建はどう行われたのか。辣腕の新社長が社員の仕事への姿勢、取り組みのすべてを問い直していく、その詳細を取材した。
約1100年前、バグダッドは世界最大の都市で「平和の都」と呼ばれて栄えていました。中心に周囲7キロの円形の城がそびえる街には、イスラムの教えのもとに多民族が共存。最先端の科学や医学、高度な貨幣経済が発達し、世界に名高い文学「千夜一夜物語」の舞台でもありました。その繁栄はどのように成し遂げられたのか。第6集は大いなる知恵が集ったイスラム帝国の都・バグダッドが繁栄を極めた秘密を探ります。
今も和平への出口が見えない聖地エルサレム。この聖地にかつて平和が訪れた時代がありました。十字軍の戦いのさなか、一人の若者が武力に頼らず、エルサレムに10年間の平和をもたらしました。ローマ教皇に破門されながらも、イスラム王朝と平和条約を結んだ、神聖ローマ帝国の皇帝・フリードリッヒ2世です。第7集は激しい憎しみが渦巻く時代、若き皇帝はどのように和平を実現したのか、その険しい道のりをたどります。
去年3月、世界がまだ新型肺炎SARSの存在に気がついていなかった時、一人の医師が未知のウィルスと格闘していた。ベトナムのWHO事務所の職員、カルロ・ウルバニだ。ウルバニは院内感染の広がるハノイ市内の民間病院に留まり、ウィルスの脅威を世界に発信し続けた。世界はウルバニからの情報で、対策に動き出すが、ウルバニ自身は感染し亡くなっていった。ウルバニがSARSと闘った27日間を証言とメールで辿る。
アメリカの所得の地図を見ると、都市中心部が貧しく、郊外が豊かな、所得格差によって分れて暮らす町の姿が浮かび上がった。失われた地域の絆や人々の希望。町を甦らせるために、今何が大切なのか。データマップを手がかりに見つめていく。
東京裁判(極東国際軍事裁判)開廷から60年。戦後体制の見直しが唱えられる中、裁判の意味と戦争責任の問題を問い直す声が強まっている。 妖怪漫画家・水木しげるさんは青年時代、二等兵としてラバウル戦線にいた。昭和40年代、「ゲゲゲの鬼太郎」で脚光をあびるが、心の奥底では、目の前で死んでいった戦友たちの無念をいつか漫画化したいと思っていた。そんな戦争に対する水木さんの怒りを結実させた作品が、昭和48年夏に発表した初の自伝戦記漫画「総員玉砕せよ」。 ドラマでは、自身の戦争体験を漫画化しようと葛藤する昭和40年代の水木しげる(香川照之)の姿と、「総員玉砕せよ」中の日々を交差させながら描いていく。 おなじみ「ゲゲゲの鬼太郎」のキャラクターもアニメで登場!
2002年(平成14年)、世界最強と称された登山家・山野井泰史は、妻の妙子と共にヒマラヤのギャチュンカンに登頂した後、下山途中に雪崩に襲われ、凍傷で手足の指の多くを失った。登山家として致命的なダメージを負いながら、2人は残った身体機能でトレーニングを積み、2007年(平成19年)、白夜のグリーンランドで標高差1,300メートルの大岩壁に挑んだ。夢を諦めず、限界に挑む姿を記録した感動ドキュメント。 音楽:五木田岳彦 語り:上川隆也
オイルマネーの流入で、いちやく経済大国となったロシア。去年秋の金融危機以降、プーチン首相のもとで進む経済対策、支配の強化によって、財界はかつてない大混乱に陥っている。 ロシア経済の繁栄を支えてきた外国資本が一気に去り、頼りは国家が貯めこんだ資金だけとなった。ソ連邦崩壊後、市場経済化の中で急成長してきた新興財閥は巨額の負債を抱え、国の支援を受ける代わりに国から送り込まれた監視役を受け入れざるを得ない状況に陥った。プーチン首相は、国家が蓄えた巨額の資金を振り分ける企業を選別する「プーチンのリスト」の作成を指示。財閥たちはリスト入りをかけて熾烈な争いを繰り広げ、そのことがプーチンによる財界支配を強化していく。 取材班は、リーマン・ショックの前から財閥に密着。激動の瞬間をカメラに収めながら、ロシアの内部で起きている知られざる闘争と変貌を見せていく。 この20年、社会主義から資本主義へと転換し、国の財産を我がものとした財閥が跋扈した時代から再び国家の統制する時代へと舵を切ったロシア。そして今、「プーチン流の国家資本主義」ともいわれる異質な大国へ姿を変えようとする様を、経済の最前線の取材から明らかにしていく。
真珠湾の海底で3つに解体された潜水艦が発見された。潜水調査の結果、真珠湾攻撃で出撃した日本軍の特殊潜航艇であることが確認された。当時大本営は、潜航艇が戦艦アリゾナを撃沈したと発表。搭乗員は「軍神」と称揚された。しかし近年、情報操作が秘められていたことが明らかになってきた。真珠湾での潜水撮影、日米海軍の証言から、国家の戦略に翻弄(ほんろう)された特殊潜航艇の悲劇を描く。
今から約5000年前、エジプトの砂漠地帯に忽然と現れたピラミッド。その後500年あまりに渡ってピラミッドは建造され、その数は現在確認されているだけでも100個を越える。その中でも最大規模を誇るのが、世界遺産にも登録されている「クフ王の大ピラミッド」。高さ147メートル、底辺の長さ230メートル。世界最大の石造建造物である。 平均2.5トンの石を300万個積み上げて造られている大ピラミッド。地上60メートルの場所には、重さ60トンもの巨石も使われてる。クレーンもない時代に、この巨大ピラミッドをいったいどうやって造ったのか? 古来、様々な研究者が謎解きに挑んだが、そこ答えは出ず、古代エジプト史上、最大の謎とされてきた。ところが今回、ついにこの謎を解き明かしたという人物が現れた。フランス人建築家ジャン・ピエール・ウーダン氏である。彼は、最新技術を駆使し、建築家の視点から、「内部トンネルを使って建設した」という独特の説を世界に発表した。番組では、ピラミッドの登頂調査をはじめ、ウーダン氏のピラミッド調査に同行取材、神秘に満ちた、大ピラミッド建造の謎を興味深く解き明かしていく。
「坂の上の雲」の時代に一気に世界の表舞台に躍り出た日本。それからわずか30年あまりで戦争への道を突き進んでいくことになる。日本はなぜかくも短期間のうちに世界の趨勢から脱落することになったのか。太平洋戦争70年の年に問いかける大型4回シリーズ。 戦後、軍関係者や研究者が、国策決定に関わった旧軍人や外交官を対象に膨大なヒアリング調査を実施した。その「幻の肉声」の山を手がかりに、第1回は、なぜ日本が孤立していったのかを探る。 満州事変の対処において世界の潮流を見誤り、国際連盟を脱退。さらに、孤立を避けようと最も危険なドイツ接近を選ぶ。当時の外務大臣をはじめとする数々の証言と最新の研究から、外務省と陸軍が二重外交を繰り広げて国際的な信用を落とし、さらに、入手した情報を共有せず国家戦略なきままに外交を展開するというミスの連鎖が浮かび上がってくる。
世界の表舞台に躍り出た日本が、なぜわずかの間に世界の趨勢から脱落し、太平洋戦争への道を進むようになるのか。太平洋戦争70年の年に問いかける大型シリーズの第2回。 戦争を引き起こした戦犯とされる日本陸軍は、なぜ、いつから暴走したのか。人事記録や幹部の発言を子細に追う最新の調査の結果、浮かび上がってくるのは、エリート官僚集団が徐々に変質し、中心なきまま迷走していく姿だ。当初、世界から遅れぬよう“改革”を叫んだ若手の軍官僚たちは、軍の枢要なポストを独占し思い切った机上のプランを実行に移すようになる。そして軍事戦略の違いから派閥抗争を繰り返し、やがて、現地が東京の軍中央の統制が効かないまでに混乱が広がる。 巨大エリート組織が暴走した“錯誤のメカニズム”を、まさにその組織の最前線にいた当事者が赤裸々に語る。
エジプトやチュニジアで相次いだ長期政権の崩壊。大きな役割を果たしたのが“フェイスブック”や“ツイッター”など、新たなインターネット・ツールを駆使して言論統制の壁を破った若者たちだ。弾圧によって押さえつけられた民衆の怒りは、ネットでどのように増幅し、それを潰そうとした政権に対して若者たちはどう闘ったのか。初めて語る中核メンバーや政府関係者への取材を通して政権崩壊までの知られざる攻防に迫る。
「坂の上の雲」の時代に世界の表舞台に躍り出た日本が、なぜわずかの間に世界の趨勢から脱落し、太平洋戦争への道を進むようになるのか。開戦70年の年に問いかける大型シリーズの第3回。 日本が戦争へと突き進む中で、新聞やラジオはどのような役割を果たしたのか。新聞記者やメディア対策にあたった軍幹部が戦後、開戦に至る時代を振り返った大量の肉声テープが残されていた。そこには、世界大恐慌で部数を減らした新聞が満州事変で拡販競争に転じた実態、次第に紙面を軍の主張に沿うように合わせていく社内の空気、紙面やラジオに影響されてナショナリズムに熱狂していく庶民、そして庶民の支持を得ようと自らの言動を縛られていく政府・軍の幹部たちの様子が赤裸々に語られていた。 時には政府や軍以上に対外強硬論に染まり、戦争への道を進む主役の一つとなった日本を覆った“空気”の正体とは何だったのだろうか。日本人はなぜ戦争へと向かったのか、の大きな要素と言われてきたメディアと庶民の知られざる側面を、新たな研究と新資料に基づいて探っていく。
なぜ日本は無謀な戦争への道を選択したのか。太平洋戦争70年の年に問いかける大型シリーズ。最終回は、いよいよ開戦を決定した1941年をとりあげる。 今回見つかった当事者たちの戦後の証言テープからは、驚くべきリーダーたちの実態が明らかになった。日本の国策決定の場は、全ての組織の代表者が対等な権限を持つ集団指導体制で、全会一致が建前。常に、曖昧で、玉虫色の決定が繰り返された。各組織のリーダーたちは、戦争に勝ち目がないことを知りつつも、戦争できないと言うことが自らの組織に不利益を与えると考え、言い出すことができない。海軍、企画院、陸軍、首相、それぞれが互いに責任を押しつけ合い、重大案件は先送りとなっていく。しかし、日米交渉が暗礁に乗り上げ、妥結の見通しがみえない中、首脳部は、国力判断、すなわち国家の生産力・戦争遂行能力のデータを総動員して、譲歩か、戦争かの合議を行う。結論は、各組織の自壊を招く「戦争回避」より、3年間の時間を稼ぐことのできる「開戦」の方に運命を賭ける。 日本のリーダーたちは、国家の大局的な視野に立つことなく、組織利害の調整に終始し、最後まで勇気をもった決断を下すことはなかったのである。
国内史上最大のマグニチュード9.0。 巨大地震とそれによる大津波が、日本列島に未曾有の被害をもたらしています。 被災者への取材、専門家の解説などを交え、今回の大震災の最新情報を生放送でお伝えします。
大震災からまもなく1か月半。壊滅的被害から立ち直り、復興につなげるため、何をすべきなのか。自治体代表と政府の復興構想会議委員が緊急討論し、復興への青写真を探る。
NHKスペシャル「ホットスポット 最後の楽園」で案内役を務める福山雅治さんのリポートやナレーションには、命に対する謙虚さや自然の不思議に対する好奇心が溢れ出ている。その背景には、自身が育んできた自然や命への特別な想いがある。番組ではマダガスカル、ブラジル、日本で福山さんが撮影した未公開の写真や現地でのロングインタビューを紹介しながら、旅を通じて発見した驚き、感動、自然観などをたっぷり語ってもらう。
3月11日、三陸沖の海底で何が起きたのか。そして巨大津波はどのように発生し、海岸の町や集落を襲ったのか。 番組では、NHKや各地の人々がリアルタイムでとらえた映像と、住民の証言や専門家の分析から巨大津波襲来の全ぼうを浮かび上がらせる。そして、その間に人々は何を考えどう行動していたのか。巨大津波から命を守るために私たちに何が必要なのかを見つめていく。
ギリシャ・コルフ島で、写楽の肉筆画が発見された。ギリシャ人外交官が20世紀初頭のパリで収集したコレクションの中に埋もれていたのだ。新発見の肉筆画は、写楽の実像に迫る重要な手がかりを与えてくれることになった。 写楽ほど謎に包まれた絵師はいない。江戸中期の画壇に突如現れ、大胆な構図の役者絵で鮮烈なデビューを飾るが、わずか10ヶ月活動しただけで忽然と消えた。歴史資料には、その素顔を伺わせる記録がほとんど残されていない。「写楽は誰だったのか?」。その正体を巡って、歌麿説、北斎説など40近い数の仮説が提起され、日本美術史上最大の争点のひとつとなってきた。だが、ギリシャの肉筆画が、その論争に終止符を打とうとしている。謎の絵師・写楽の正体とは?
増え続ける児童虐待の中でも、大きな問題となっているのが「虐待の世代間連鎖」。全国児童相談所長会の調査によると、虐待する親の3割が幼少期に虐待を受けていた。虐待の連鎖を食い止めるにはどうすればよいのか…。わが子を虐待してしまうことに悩む「世代間連鎖」の親・200人以上と向き合ってきた東海学院大教授・長谷川博一さんの取り組みに密着、解決のヒントを探る。 長谷川さんは、世代間連鎖を断つには、かつて自分を虐待してきた親と「対峙」しなければならないと考えている。虐待された子どもは親から嫌われていると思いたくないため「自分が悪い」と親への怒りの感情を封印しており、それを解き放ち親に向かって感情を吐き出す必要があるという。その長谷川さんもとで一昨年からカウンセリングを受けているのが、作家の柳美里さん。柳さんは幼い頃から父親の暴力を受け、母親からは暴言を吐かれ、心の傷を負った。その後、文学作品を書くことで心の傷も癒されたかに見えた。しかし、10年前に子どもが生まれてから虐待の影が再びちらつき始めた。 両親と対峙して柳さんの「世代間虐待」の鎖は解かれるのか、柳さんの葛藤を記録したカウンセリングドキュメントである。
400年前から鯨を糧に暮らしてきた和歌山県太地町(たいじちょう)。沖合に、黒潮と陸潮(おかじお)がぶつかる豊かな漁場があり、そこに集まる鯨が、今もこの町の経済を支えている。 しかし今、その暮らしが危機に直面している。一昨年7月に公開された映画「ザ・コーブ」をきっかけに、海外の反捕鯨団体が町に常駐し、漁師たちの動きを監視している。狙いは、鯨の命を絶つ瞬間だ。カメラでとらえた映像をインターネットで公開することで、反捕鯨の声を高め、漁を中止に追い込もうとしている。その主張は「知能の高い鯨を殺すというのは許されない」というものだ。牛や豚などと同じように鯨肉を食べてきた町の人たちにとっては、代々受け継がれてきた食文化を否定されたも同じだ。 矢面に立つ漁師たちは、思わぬ外圧に憤り、抗いながらも、その意味を問い始める。命を奪うということは何か、人間が生きていくということは何か。やがてその波紋は、家族、学校、そして町全体へと広がっていく。 小さな町で巻き起こった捕鯨をめぐる国際問題。海外から全く異なる価値観を押しつけられる中、自らの暮らしを真摯に見つめ直す、太地町の人々の半年に密着した。
いまだに危機的な状況が続き予断を許さない原発事故。当初の想定を超え、水素爆発やメルトダウンなどが進行し、後手後手の対応の中で、汚染は拡大していった。 なぜ、ここまで事故は深刻化したのか。事故対応にあたった官邸、保安院、原子力安全委員会、そして東京電力はどう動いたのか。 当事者たちの証言と内部資料をもとに徹底検証する。
東日本大震災からまもなく3か月。被災地では「復興」への動きがようやく始まりつつある。宮城県では、県内の壊滅的な被害を受けた市町村を中心に「復興まちづくり計画案」を独自に策定した。県の計画は、市街地・住宅地の高台への移転や、漁業の株式会社化など、単なる復旧ではない「創造的復興」を目指していて、自治体や住民と協議を始めている。また、岩手県や宮城県の中核都市では、住民たちが自力で商店街の再建に動くなど、地域の生活や経済活動の再開に向けて歩みはじめている。原発事故で地域が分断され、住民の流出に苦しむ福島県内の“原発被災地”も、復興に向けていま出来ることは何か、手探りの取り組みを始めている。 広範囲にわたる被災地を「復興」させるため、何が課題なのか。被災者の意向を復興計画にどう反映させていくのか。そして、今回の復興を「あすの日本」をも見通す新たな「くにづくり」の出発点とするために、何が必要なのか。番組では、被災地の復興への取り組みに密着取材をするとともに、被災自治体への「復興アンケート」を通じて、あるべき復興の姿を問う。
未曽有の被害を出した東日本大震災。壊滅状態になった漁村のなかで、国の復興施策を待ちきれず、村人自ら再建に乗り出した集落がある。旧歌津町(南三陸町)の馬場中山集落。壊滅した集落を見下ろす高台の小集会所で200人が避難生活を続けてきた。がれきから砂まみれの米を拾い集め、掘り起こした冷蔵庫から野菜を回収して生きのびた。 村人たちは全国のボランティアと連携し、食料やトイレや風呂を次々と手に入れてきた。もともとの避難所を上回る規模の新しい宿泊施設まで村人総出で完成させた。道路を拡張し安全な高台に集落を移す集落移転計画。中古漁船を集めて漁港を復活させる新漁村計画。インターネットの発信力と被災後に築いてきた善意の人脈との絆を武器に、漁村復興に必要な知恵と物資を自ら集めようとしている。 震災は大自然の強大な力の前では非力な人間社会の姿をさらけ出した。だが「孤立集落」の挑戦は、いかなる困難のもとでも再び立ち上がる人間のたくましさと強さを感じさせる。笑顔を絶やさず再起への道を一歩ずつ歩む200人の挑戦の日々を追い、被災地の人々に勇気と活力を与える。
東日本大震災から半年以上経ち、復旧復興が進む一方、生活再建から取り残される“孤立する被災者”の問題が顕在化しつつある。特に懸念されているのが心の問題だ。内閣府が震災の影響で自殺したと認定する「震災関連自殺」は4か月で38人に上る。 宮城県東松島市では保健師たちが中心となり、在宅の市民を対象にした戸別訪問を続けている。中にはうつ状態かPTSDなど精神的に追い込まれる被災者もいて、精神科の受診を勧めたり、定期的に訪問したりするなど支援活動が続いている。 こうした孤立した被災者を救い出し、生活再建につなげようとする取り組みも始まっている。ある被災者に対して特定の支援者が付き添い、心の問題だけでなく、失業や借金などあらゆる相談に応じる「パーソナルサポート=伴走型支援」だ。岩手県盛岡市のNPOでは、被災者とともに、ハローワークや病院さらには銀行に同行するなど、生活の再建に向けて“伴走”が続いている。 番組では、復興の歩みから取り残される被災者たちの実態を浮き彫りにするとともに、鎌田靖キャスターが生活再建につなげようと奔走する支援者たちの現場を取材。孤立する被災者たちを救うためには何が必要か考えていく。
「農業が崩壊する!」「いまこそ輸出を伸ばすチャンスだ!」。 参加を巡り、国を二分する議論に発展した「TPP(環太平洋パートナーシップ協定)」。野田総理大臣は先週末、TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入ることを表明、TPP問題が大きく注目されています。 経済、農業、医療、金融サービス…。TPPに参加すれば、様々な面で日本の社会は大きく変わると言われています。いま、日本がどのような国を目指すのかというビジョンや、TPPにどういったメリット・デメリットがあるのか、といった点についての議論が求められています。 TPPは、日本の国益にかなうのでしょうか。今後行われる関係国との協議で、日本はどのような主張をしていくべきなのでしょうか。番組では、メール、FAX、ツイッターで視聴者のみなさんの声を募集します。スタジオの政治家たちがその声に答えます。
ぜんそくに花粉症、アトピー性皮膚炎……。アレルギー疾患は“いったん発症すると治療が難しい病”とされてきた。ところがここ数年、アレルギー治療の常識は大きく変わりつつある。たとえば食物アレルギー。これまではアレルギーの原因となる食物を避ける方法がとられていたが、今、あえてその食物を食べる「免疫療法」が驚きの成果をあげている。 番組に登場するのは、生後まもなく卵アレルギーと診断され、今では卵が入った給食が出る日にはお弁当持参で通学するという7歳の男の子。免疫療法を実践する神奈川県立こども医療センターでの治療に密着し、食べられなかった卵が食べられるようになる過程を徹底取材。あわせて花粉症の治療現場でも使われ始めた免疫療法についても紹介する。さらに、国民の1割が悩むとされるアトピー性皮膚炎でも、発見が相次いでいる。アレルゲンとなる原因物質の影響だけでなく、“皮膚のバリア機能”の低下が発症を左右することがわかり、これまで混沌としてきた治療に、確かな道筋が描けるようなっている。 制作を担当するのは毎朝8時15分から放送している『あさイチ』のスタッフ。『あさイチ』で積み重ねてきた取材成果も交え、食物アレルギーからアトピー性皮膚炎まで、世界で研究が進むアレルギー治療の最前線をお伝えする。
世界経済を揺るがすヨーロッパの“国債”危機は、ギリシャからイタリアに飛び火した。そして、日本にも負の連鎖が及び始めている。止まらない円高や輸出産業への影響、老後の年金資産の目減り・・・。日本企業は危機が長期化すると懸念を強めている。 混乱が続く根っこには、ヨーロッパ諸国が投資マネーに頼り、身の丈を超えて財政赤字が膨らませたツケの根深さがある。しかもリーマンショックの後始末で巨額の財政出動を行った先進諸国には、もはや支える余力はない。「最後の救い手=アンカー」なき世界経済は崖っぷちに追い詰められている。 番組では、EUのゆがみを衝くヘッジファンドと、信用不安の火消しに追われるEU各国、そして影響を受ける日本を同時ドキュメント。負の連鎖がどのように世界中に及んでゆくかを解き明かす。
大津波による全電源喪失、メルトダウン、水素爆発、そして放射性物質の拡散・・・。未曾有の大災害を引き起こした『福島第一原子力発電所』の事故で、これまで「絶対安全」とされてきた、日本の原発の“安全神話”は もろくも崩れ去った。長年、安全性の根拠となってきたのが、原子力安全委員会が定める『安全審査指針』だ。指針の策定や改訂をめぐって、専門家や官僚、電力会社は何を議論し、原発の安全を確保しようとしてきたのか。番組では、安全委員会の議論と当事者たちへのインタビューをもとに、“神話”の内実を明らかにする。そして、何が今回の事故を招いたのか、今後、原発の“リスク”とどう向き合えば良いのか、検証する。
太平洋戦争開戦から70年。戦争証言プロジェクトでは、戦争体験者の証言を4年にわたり収集してきた。その数は、元将兵や市民を合わせ、800人以上にのぼる。証言の大半を占めるのは、無惨で生々しい「死」の記憶である。日中戦争から太平洋戦争に至る“昭和の戦争”の死者は、日本人だけで310万人。この夥しい死は、単に軍部の誤った戦争指導によってのみ、もたらされたのではない。“昭和の戦争”は国民の圧倒的支持を受けて始まった。その中で、日本各地の村々から大量の兵士たちが戦場に送り込まれていったのである。近年、こうした総力戦の実態を示す資料の発掘が各地で進められている。長野県の村に残る、戦死者の村葬の詳細な記録。そこには戦死者を“英霊”として称え、遺族に対して手厚い援助を行い続けた村の姿がある。そこから浮かび上がるのは、兵士の「潔い死」を美徳とする「故郷」の姿である。第1回は、常時数十万を超える大量の兵力が動員された“大陸”を舞台に、戦場と銃後が一体となって推し進めた“昭和の戦争”の実像を証言で記録する。
日本人が体験した“昭和の戦争”の実像を、戦争体験者の証言で記録する「日本人の戦争」。第2回の舞台は太平洋。真珠湾攻撃以降、太平洋の広大な地域に戦線を拡大した日本軍。連合軍の反攻が始まると、国力を越えた戦線拡大の結果として、前線の兵士は悲惨な最期を辿ることになる。米軍の圧倒的な物量と火力に追いつめられる兵士たち。補給が途絶え、弾も食糧も尽き、孤立していく戦場。生き延びる手段を奪われ、捕虜となることを厳しく戒められていた多くの兵士が、餓えや病で死んでいった。過酷な太平洋の戦場を生きた元兵士たちの証言と、戦場の兵士から届けられた大量の軍事郵便が残された村を軸に、日本人が国を挙げて邁進した“昭和の戦争”の結末を描く。
東日本大震災は、1500人を超える子どもたちからかけがえのない父や母を奪った。それから9ヶ月がたった被災地の「震災遺児」たち。仮設住宅や親戚の家で落ち着いた生活を取り戻したように見えるものの、さまざまな形で苦しみと向き合っている。母を失った大きな悲しみを残された父と分かち合いながら、前に進もうと必死にもがく少年。両親や姉を失っても明るい笑みを絶やさず、悲しみに暮れる祖父母の生きる支えになっている少女。大切な人を失った子どもたちは、毎日を懸命に生きている。遺児たちを引き取った保護者も同じ被災者。子育てをするには高齢だったり、なかなか仕事が見つからなかったりと将来への大きな不安を抱えている。それでも子どもたちのため、復興が遅々として進まない被災地で一歩ずつ前に進んでいる。その姿をしっかりと見つめながら、子どもたちが希望を持って生きていける社会をどのように築いていけばいいのか考える。
東日本大震災で被災し、不良債権寸前となった中小企業への融資をどう進めるか。 被災地に基盤を置く金融機関の姿勢が問われている。その中で、宮城県の気仙沼信用金庫は震災直後からリスク覚悟で、地元企業の再生に全力で取り組んできた。 有力な取引先のほとんどが津波被害の影響を受け、不良債権の総額は震災後すでに50億円を超えた。この期に及んでは、可能性のある企業に希望にかなう融資を進めなければ、地域の衰退は止められず、信金そのものの存続も危うくなる。 番組は、信金の瀬戸際の融資に密着。他の金融機関とは一線を画し、震災破綻を乗り越えようと抗い続ける、被災地経済の苦闘を伝える。
従来の想定が一切通用しない深刻な事故となった東京電力・福島第一原発。事故は、地震と津波の被害への対応を行っていた福島の人々を直撃。政府が情報の精度を求め、パニックによる事態の悪化を恐れるあまり地元の人々には不十分な情報しか与えられず、混乱のなか人々は翻弄され、その過程で命も失われ、15万人が避難を余儀なくされた。 事故から一年がたち、政府の事故調査委員会が中間報告で国や東京電力の責任を指摘するなど、原発事故をめぐって、あの時なにが起きていたか、何が危機を悪化させたか、ようやく真相が明らかになりつつあるが、一方で、それが住民の生命・安全・健康と直接かかわる「避難」やそのための「情報伝達」にどのような影響を与えたかについては依然として不透明なままである。 番組では、住民、地元の医療関係者、消防団員、自治体の長、東京電力や政治家等、当事者の証言を元に、現場がどんな困難と直面し、何を思い、どう動いたのか。事故直後の出来事を複眼的な視点から再構築し人間の行動記録を描きだす。今後、事故を繰り返さないための教訓を探る。
日本一の水質を誇りながら、これまで全国的な知名度が今ひとつだった川がある。愛媛県から高知県を流れる1級河川「仁淀川」である。西日本最高峰の石鎚山から流れ出た水は、40メートル先まで見通せる。全長124キロ、流域の人口はおよそ10万。河口に至るまでその輝きを失わないという川である。 清流の秘密は、流域の95%を占める山地の存在にある。1.5キロを超える川の高低差が速い流れを生み、川底を常に洗い清めている。雨や雪が、一旦、周辺の森の中に蓄えられ、長いと数十年かけて浸みだし、豊富な伏流水となって湧き出しているのである。 その透き通った水はここでしか見ることのできない独特の青、“仁淀ブルー”を湛えている。 春には色とりどりの野鳥のつがいが戯れ、夏には“川ガキ”と呼ばれる地元の子ども達が水中メガネなしで潜り遊ぶ。秋になると、黄金色に光り輝く水中で鮎が産卵。冬に現れる南国の霧氷には虹色の世界が秘められている。 番組では地元の写真家の案内のもと、最新の撮影機材を駆使して仁淀川の四季を上流から下流にわたって撮影。知られざる清流の姿を描く。
日本中に大きな衝撃を与えながらも「迷宮」入りしてしまった数々の未解決事件。戦後のエポックとなりながら、いまなお真相は未解明のまま、時代の病理となった難事件。「未解決事件」は、日本中に大きな衝撃を与え、今も生々しい記憶を残す「事件」を実録ドラマとドキュメンタリーで徹底検証し、未来へのカギを探るシリーズ。大きな反響を得た「File01グリコ・森永事件」の放送後、NHKにある要望が届いた。「オウム真理教の事件を取り上げてほしい」。地下鉄サリン事件の遺族からだった・・・。 1995年3月20日、首都直下で起きた世界初の化学兵器・サリンによる無差別殺人。通勤ラッシュの時間帯を狙った犯行は、6000人を超す死傷者を出した。実行犯として逮捕されたのは「オウム真理教」の幹部たち。元医者や科学者といったエリートたちによる犯罪に、社会に大きな衝撃が走った。事件を首謀したのは「オウム真理教」の教祖だった麻原彰晃、本名・松本智津夫死刑囚。松本死刑囚は事件の2か月後に逮捕され、坂本弁護士一家殺害など 13の事件で殺人や殺人未遂に関与して死刑が確定した。一連の事件に関する裁判は16年にも及び、1つの組織としては戦後最多の13人が死刑を言い渡されたが、多くの謎や課題が残されたままとなった。今年明け、特別手配中の平田信元幹部が出頭し、事件は再び注目を集めている。 番組では、NHKが独自に入手した教団内部の700本を超す音声テープと元幹部たちの証言をもとに、教団の暴走への軌跡を初めてドラマ化。さらに死刑判決を受けた元幹部との手紙のやりとりや、警察関係者への徹底取材によるドキュメンタリーで、世界初の化学テロ「サリン事件」がなぜ起きたのか明らかにする。国内外から今なお注目を集め続けるオウム真理教の事件。その「闇」に光を当て、後世への教訓を導きたい。
大英博物館。800万点もの収蔵品のうち、実に99パーセントは、地下の収蔵庫に眠っている・・・。 このシリーズでは、大英博物館の収蔵庫にある未公開コレクションと、舞台裏で行われている最先端の調査研究をもとに、知られざる歴史の真実をひもといていく。 第1集は古代エジプト。これまで語られてきたファラオの歴史。しかし、大英博物館の収蔵庫には、名もない庶民が残した大量の品々が残っている。3000年前のラブレター、子供たちの学習ノート、労働者のタイムカード。そして、徹底的な化学分析が行われた庶民のミイラ・・・。そこからは、従来のイメージを覆す庶民の歴史が生き生きとよみがえり始めている。 古代エジプト繁栄の鍵を握っていた庶民たちの、知られざる真実を解き明かす。 ナビゲーター:堺雅人さん(俳優)
収蔵品数800万点を誇る世界有数の大英博物館。しかし、全収蔵品の実に99パーセントは、収蔵庫の中に眠っている。それらの未公開コレクションと、大英博物館の舞台裏で行われている調査研究を中心に、知られざる歴史の真実に迫るシリーズ。 第2集は「古代ギリシャ」。 紀元前7世紀に、突如エーゲ海で花開いた古代ギリシャ文明。真っ白い大理石の彫刻や白亜の神殿に象徴されるように、古代ギリシャは“白い”文明とされてきた。しかし、大英博物館の調査により、その常識が覆りつつある。真っ白だと思われていた彫刻や神殿は、鮮やかに彩られていたことが分かってきたのである。さらに、華やかな古代ギリシャ文明が、なぜ紀元前7世紀に一気に花開いたのかという文明誕生にまつわる謎も、解明されていた。そして貴重な収蔵品を巡り、大英博物館で起きた衝撃の大事件・・・。白い文明、古代ギリシャの真実が明らかになってくる。 ナビゲーター:堺雅人さん(俳優)
収蔵品数800万点を誇る世界有数の大英博物館。しかし、全収蔵品の実に99%は、収蔵庫の中に眠っている。それらの未公開コレクションと、大英博物館の舞台裏で行われている調査研究を中心に、知られざる歴史の真実に迫るシリーズ。 第3集は「日本」。 ピラミッドや始皇帝陵とならぶ世界最大級の墓、巨大古墳。3世紀半ばから350年に渡る古墳時代は、文字資料がほとんどないため、未だ謎に満ちている。その巨大古墳の謎を解く鍵も、日本から遠く離れた大英博物館にあった。明治時代に来日した、一人のイギリス人が日本から持ち帰った膨大な古墳のコレクション。以来、120年以上も収蔵庫に眠り続けてきたコレクションの本格的な調査が、大英博物館と日本の合同チームにより、昨年から始まった。その結果、1500年ぶりによみがえった今はなき幻の古墳。そして、日本独自の進化を遂げた巨大古墳の知られざる実像も浮かび上がってくる。日本の未知なる古代史をひもといていく。 ナビゲーター:堺雅人さん(俳優)
広大な国土と膨大な人口。ますます存在感を高める中国。世界の古代「四大文明」の中でも、ただ一つ中国文明だけは、4000年以上にわたってほぼ同じ地域で同じ文明を維持して繁栄を続けてきた。その謎を、王朝の誕生から始皇帝の統一までの文明揺籃の時代に探るシリーズ。 第一集は最古の王朝「夏」。「中華」という言葉は、かつて「中夏」とも書かれた。「中華」の源流である「夏」王朝は、中国のいわば邪馬台国とも言える。今まで、最古の王朝と考えられていたのは「殷」だった。「夏」は「史記」などの文献に登場するものの考古学の裏付けがないことから、多くの研究者は「幻」と考えてきたが、近年の発掘で、ついに実在が確認された。「夏」が誕生した紀元前2000年頃は、黄河流域だけでなく南の長江流域などでも多様な文化が同時多発していた時代。その中で「夏」が王朝になることができた理由とは?
今からおよそ三千年前、最古の漢字が生まれた。「殷」によって発明された「甲骨文字」である。それは、今とは全く異なる使い方をされた文字だった。「殷」は、雨乞から戦争の時期まであらゆることを文字を刻んだ甲羅や骨のヒビ割れで占った。その占いで神との対話のために用いられたのが漢字だったのである。ところが漢字は、あるときを境に劇的に使用法を変え、秘められた力を発揮するようになる。節目にあったのは古代最大の天下分け目の決戦。「殷」との戦いに勝利した新しい王朝「周」は、漢字を多部族との「契約」に使用するという発想の転換をした。言葉の違う部族でも見れば意味が分かる「表意文字」である漢字は瞬く間に広がって行った。やがて、大陸の広範囲に、言葉や文化の違う人々であっても同じ漢字を共有する文化圏が形成されていった。
世界の古代「四大文明」の中でも、唯一つ中国文明だけは、数千年にわたってほぼ同じ地域で同じ文明を維持してきた。その理由を文明誕生の歴史に探るシリーズ。第3集は、始皇帝が生み出し、その後現在の中華人民共和国にまで継承された「中華」という世界観に迫る。 紀元前770年頃に始まる春秋戦国時代は、群雄が割拠した激しい戦乱の時代だった。その戦乱を終わらせ、初めての統一王朝を築いたのが「秦」の始皇帝である。最近の研究で、「秦」が力を伸張させた理由は、軍事力や経済力だけにあるのではないことがわかってきた。「秦」は、様々な民族を支配するにあたって「夏」王朝の権威を巧みに利用していたのである。始皇帝の統一はどのようにして成し遂げられたのか?そして、そのとき「中華(中夏)」という世界観はどのような役割を果たしたのか?近年発掘された鮮やかな色彩の兵馬俑、秦の起源を物語る遺跡など、最新の考古学の成果を通して、始皇帝の統一帝国の秘密に迫っていく。
伝説の怪物「ダイオウイカ」。古来より船を沈めると恐れられてきた最大18mに及ぶ世界最大のイカだ。しかし、深海で生きた姿を見た者は誰もいない。地球の海・最後のミステリーといわれる幻の超巨大イカの撮影に、NHKと国立科学博物館などの国際チームが挑戦。世界遺産の小笠原諸島を舞台に、科学者やエンジニアなど11カ国から50人のスタッフが結集した。 透明ドーム型で340度の視界をもつ最新鋭の潜水艇2隻に、NHKが開発した深海用超高感度カメラを搭載、水深一千mの深海に潜航する。目指すのは発光生物や新種の生物に満ちた深海の秘境・トワイライトゾーン。ダイオウイカを誘き出すため、科学者たちは大胆な作戦の数々を展開する。オトリ作戦、発光生物の光でおびき出す作戦、異性を引きつける化学物質・フェロモン作戦。なかでも、ダイオウイカ最大のライバル・マッコウクジラにハイテク小型カメラを装着し撮影する試みは圧巻。 10年の歳月をかけ地道に調査・準備を進めた末、ついに奇跡を呼び起こす。人類が初めて遭遇したその姿は、黄金にまばゆいばかりに輝いていた! 潜航回数100回、潜航時間400時間に及ぶ空前の海洋科学アドベンチャー番組。
兵庫県尼崎市を中心に、香川、岡山など各地で次々と明らかになった「殺人死体遺棄事件」。犯罪史上稀にみるこの事件は、首謀者とされる角田美代子元被告によって、15年という長い年月の間に、複数の家族がバラバラにされた挙げ句、暴力や虐待が繰り返され、分かっているだけでも7人が死亡、3人が行方不明となっている。さらに、この10人以外にも関係者の中には不審死や自殺などが相次いでいるが、時間が経ち過ぎて検証できず、事件化が難しくなっているケースも少なくない。しかも、「全てを知っていた」はずの角田元被告は逮捕後の昨年12月に自殺。事件の全容解明に大きな壁が立ちはだかっている・・・。 これほど多くの家族が巻き込まれながら、なぜ15年以上もの間、見逃されてきたのか。 取材チームは、事件初期に起きたあるケースを通じて、角田元被告が、ささいなきっかけを理由に家族を取り込み、社会と断絶させた上で、財産を巻き上げ、家族同士で暴力をふるわせるその過程の一部始終をつかんだ。その一方で、社会の側にも“落とし穴”があったことが明らかになってきている。事件に巻き込まれた被害者やその周辺には、何度も逃亡を繰り返したり、SOSのサインを繰り返し発したりした者も少なくなかった。しかしそのサインは社会や警察に見過ごされ、結果、多くの命が奪われてしまったのだ。二度と同じような事件を繰り返さないために、何が必要なのか。番組では、稀代の事件が突きつける課題を、ドキュメンタリーや被害者証言による再現ドラマなど多角的なアプローチで徹底検証する。
未知なるフロンティア「深海」。そこに潜む巨大生物を通して、地球の海の生態系を描く2回シリーズ。 第2回は、深海ザメ。富士山の麓に広がる駿河湾・相模湾には、岸から一気に落ち込む世界有数の深い峡谷が沈んでいる。この深海大峡谷は、これまで深海ザメが数多く発見され、世界的にも珍しい「深海ザメ王国」となっている。番組では、4年の歳月をかけ、深海ザメ王国に分け入り、貴重な深海ザメの撮影に挑んだ。 伝説の大海ヘビのモデル・ラブカ、アゴが飛び出し顔がひょう変する悪魔のサメ・ミツクリザメ。なかでも極め付きは、わずか37年前に発見されたメガマウスザメだ。体長なんと5メートル、大きな口をもつユニークな姿だが、こんな巨大生物がこれまで見つかっていなかったことから、シーラカンス以来の大発見と騒がれた。これまで世界で50例ほどしか見つかっていないメガマウスが富士山のふもとにあるこの「王国」で、近年相次いで発見が続いている。 メガマウスは何を求めてやってくるのか?深海数百メートルに住む特産のサクラエビを狙って日本沿岸に接近するのではないかと推測。地元の漁師や研究者の協力を得て、情報を蓄積。ついに世界初の貴重な姿を水中で捉えることに成功した。 メガマウスをはじめ、知られざる深海ザメたちの生態の数々に迫り、未知なる深海の世界を紹介する。
1941年12月、日本は真珠湾攻撃によりアメリカとの戦争に突入した。両国内のさまざまな要因に加え、国際情勢が複雑に絡み合い勃発した日米開戦。近年、「情報」という視点からの研究が進んでいる。第二次大戦期の情報工作に関する機密文書が、英国など各国で公開されているからだ。情報は、開戦までの道のりに、どのような影響を及ぼしたのか。史料と証言から、開戦の知られざる側面を浮き彫りにする。
ブラジルW杯に、特別な使命を背負って出場する国がある。元日本代表監督イビチャ・オシム氏が後押しし、今回初出場を果たす旧ユーゴスラビアの小国・ボスニア・ヘルツェゴビナ。90年代、民族紛争から死者20万人という内戦を経験し、国内では今も根深い対立が続く。こうした中、かつて敵同士だった民族がパスをつなぎゴールを目指す代表チームは、共存への可能性を示す唯一の存在と言われる。サッカーは、終わりなき対立の日々に何をもたらすのか。ボスニア人々の熱い一夏を記録する。
麻原彰晃(本名、松本智津夫死刑囚)を教祖とするオウム真理教が引き起こした「地下鉄サリン事件」から20年。日本の中枢・霞が関を狙った化学兵器による無差別テロは、世界にも大きな衝撃を与えた。しかし、麻原ら13人の死刑が確定した今も、事件には多くの謎が残されている。なぜオウムはこのような事件を引き起こしたのか?警察は事件を防ぐことはできなかったのか? 2012年放送の未解決事件File.02では、オウム真理教の暴走の原点に迫り、大きな反響を得た。今回は、オウムの「終着点」となった地下鉄サリン事件にいたる過程を徹底検証。堅く口を閉ざしてきた元捜査員や、死刑囚たちの新たな証言から、これまで知られていなかった事件の舞台裏が次々と明らかになってきた。事件に至るまでの警察とオウムの水面下の攻防、独自に入手した被害の全貌を示すデータや、サリン拡散のシミュレーションなどをもとに、20年前の「3・20」を立体的に再現しながら、未曾有の事件が今に突き付ける課題を見つめていく。
日本の“戦後”がどう始まったのか。新資料や証言を織り交ぜ、象徴天皇の誕生と国民の歩みを描く。現在、様々な世論調査で「象徴天皇」について賛意を示す人が8割を占め、去年行われたNHK「日本人の意識調査」では、「尊敬の念を持っている」という人が34%と過去最高になった。連合国軍による占領後、民主化され、言論の自由や人権の大切さが唱えられた。新憲法によって天皇は法的に「象徴」と位置づけられた。この“象徴天皇”の概念をどう解釈し、どう実践していくのか、戦後70年の出発点は、まさに天皇・国民ともに、戦後体制が始まった時でもあった。その誕生から、国民に広く浸透するまでを、新たに発掘された一次資料や残された膨大な映像を駆使して物語り、戦禍から立ち上がった日本人が、どう生きてきたかを描く。
日本は、過去の戦争の記憶と向き合いながら、紛争が続く世界の中で、平和を求め続ける戦後を過ごしてきた。しかし、そこには数々の葛藤があり、戦後はそれを乗り越える道のりであった。昭和28年の明仁皇太子のエリザベス女王戴冠式出席に伴う外国訪問を皮切りに世界に飛び出した皇室。その後日本は、高度成長、IMF加盟、東京オリンピック、万国博覧会と、世界でも確固とした地歩を固めていく。昭和46年には昭和天皇が、歴代天皇としては初の外国を訪問。未だ戦争の記憶が癒えない人々と出会うヨーロッパ訪問となった。一方、皇太子夫妻は、戦後初めてとなる沖縄訪問で、唯一の地上戦となった沖縄の深い傷跡を知ることとなる。平和を希求してきた日本人と象徴天皇の道のりを新資料や証言を交えて描く。
巨大都市・東京に、ぽっかりと残された緑の秘境、明治神宮の森。神域として立ち入りが禁止され、100年にわたって守られてきた。実は、この森には、世界でも例を見ない秘密が隠されている。それは都市に広がる“人工の原生林“ということ。3人の天才林学者が、10万本の樹木を使い、100年以上かけて原始の森を完成させるという壮大な大実験を始めたのだ。それから一世紀、高層ビルのなかに、日本のどこにもない不思議な森ができあがることになった。 この森の全貌を解明しようと、のべ140人もの植物学や動物学の研究者が集結し、初めて生物多様性の調査が行われた。一本一本の樹木まで測定する詳細な調査の結果は、驚きの連続だった。調査によって哺乳類のタヌキから生態系の頂点に君臨するオオタカ、小さな粘菌まで3000種近い動植物が記録され、森は命あふれる世界であることが確認された。 番組では、この学術調査に独占的に密着。その詳細な記録から100年にわたる壮大な森作りの大実験の結末を、特殊撮影を駆使して捉えた神秘的な映像とCGで描き出していく。
そこには「未知のものたち」が潜んでいる-。“地球最後の秘境”とも言われる世界最大の川・南米アマゾンの奥深くに、誰も見たことがない世界を追う4本シリーズ。第2集は、「生々しい人間たちの生きざま」に迫る。 大アマゾンの密林の奥、無数の滝を遡り、何日もかけてようやくたどり着くその先に、黄金にとりつかれた荒くれ者たちが住んでいる。彼らは“ガリンペイロ”と呼ばれる金鉱掘り。そこは、社会からはみ出した者たちの「闇の王国」だ。大当たりか、大外れか。一獲千金を夢見て土砂を洗い、金を取り出す作業を繰り返す毎日。黄金の美しさに人生を囚われ、いさかいが起きれば時に死者が出ることもあるという無法者たち…。ガリンペイロたちの、はかなくも濃密な人間模様を描く。
2016年3月、グーグルの開発した囲碁の人工知能が、世界最強と言われる韓国人の棋士に圧勝し、世界に衝撃が走った。囲碁は、人類が発明した最も複雑なゲームと言われ、人工知能が人間を凌駕するのはまだ10年はかかると言われる中での出来事だった。このまま人工知能が進化していけば、どんな未来が到来するのか。番組のリポーターとして世界各地を取材していくのは、将棋界・最高の頭脳、羽生善治さん。圧倒的な思考のスピードと深さで将棋界に君臨し、日々、「人間にしかできないことは何か」を考え続けている。囲碁の人工知能を開発したイギリスの天才研究者、専門医にも判断できないガンを、画像から精緻に見分ける人工知能を発明したアメリカのベンチャー企業、人工知能に感情を持たせる研究を続ける日本企業など、人工知能開発の最前線を取材。人工知能が人間に何をもたらすのかを探っていく。
今回狙うのは、謎に満ちた「深海の光る生物たち」だ。舞台は北米・モントレー湾、グランドキャニオンを凌ぐ深さの深海大峡谷。この谷の奥深くに、「発光生物の王国」があるという。なんと深海生物の9割が発光するというのだが、なぜ光るのか?何のために光るのか?最新の科学でも解けないミステリーに包まれている。 NHKは通常のカメラの600倍という「超高感度深海撮影システム」を2年がかりで開発。第一線の研究者とともに、最新の潜水艇で峡谷の奥深くに潜入した。稲妻のようなスパーク、高速回転するUFOのような光など、妖しく輝く深海生物に次々と遭遇。世界で初めて生きた姿がモントレー湾で観察された魔魚デメニギスも登場します。深海一、奇想天外といわれる姿は、なんと頭が透明。緑色の目で真上をじっと見上げている。なぜこんな姿になったのか?そこには思いもよらぬ光をめぐる進化の闘いが隠されていた。 世界で初めて、深海で発光生物たちの生態撮影に挑み、過酷な環境で生き残ってきた生命の神秘とたくましさに迫る。
去年3月に発見された戦艦武蔵。世界最大とうたわれた巨大戦艦の元乗組員と遺族の魂の交流を描いた人間ドラマ。28歳の介護職員の真中麻有(石原さとみ)は、ある人物を探しに四国に旅に出た。麻有が探しているのは、武蔵の元乗組員の木山三男(津川雅彦)。実は、麻有の祖父・俊之は戦艦武蔵の元乗組員。その祖父がどのような最期を遂げたのかを知りたいと、年老いた祖母・ふみ(渡辺美佐子)とともに旅に出たのだ。お遍路に出ていた俊之の戦友、木山を何とか探し当てたふたり。そして、そこに現れた謎の若者、篠原徹(勝地涼)。木山から聞かされたのは、思いがけない事実だった。封印を解かれた70年前の記憶に、4人それぞれの思いが交差していく。番組では、武蔵の戦闘の様子をVFXで再現、迫力ある映像なども駆使しながら、元乗組員と遺族のメッセージをドラマとして描く。
想定を上回る大規模地震災害、予測困難な異常気象、新種ウイルスの感染爆発・・・日本社会の行く手にはいくつもの過酷なリスクが予見されている。私たちは“巨大災害の時代”をどんな知恵と力で乗り越えていくのか。「MEGA CRISIS 巨大危機」は、脅威の正体を科学的に解き明かし、その対策の最前線に全4回で迫る、新大型シリーズだ。 「MEGA CRISIS 巨大危機」の第1集は、異常気象に立ち向かう科学者たちの物語。2020年、北極の夏の氷が全て溶けてゼロになる可能性が指摘されている。アラスカやシベリアでは永久凍土が融け、温暖化の加速要因となるメタンガスの大量放出も危惧されているのだ。北極の氷がゼロになる時、何が起きるのか。地球では寒波や熱波が相次ぐとみられているが、“未知の領域”だ。世界中の気象学者たちが結集し、未来を予測するための挑戦を始めている。日本列島での激増が恐れられているのは、スーパー台風、ゲリラ豪雨、落雷など。局所的に起こるこうした現象の詳細な予測は、現在の技術では困難とされているが、今、科学者たちは、不可能を可能にしようと新たな観測技術で解析を続けている。残された時間はあとわずか。温暖化の加速期に突入したとも言われる地球の気象の未来を読み解く新たな闘いを追う。
第2集は、巨大地震に立ち向かう科学者たちの挑戦の物語。熊本地震で「想定外」とされた2度の震度7だが、そのリスクは予測できたと考える研究者たちがいる。地殻変動や地震の発生パターンを読み解く最新科学によって、従来より高い精度で地震の危険度が予測できるようになりつつあるのだ。その手法で「次の危険地域」をあぶり出し、今度こそ事前に警告を発しようという奮闘が始まっている。一方、南海トラフ巨大地震が懸念される西日本では、海底に設置された最新観測網が異変を捉え始めている。巨大地震へのカウントダウンなのか?海底下に潜む“地震の巣”の間近で、いち早く「兆候」を捉えようとする新たな挑戦に密着する。
いま、世界の産業構造と社会のあり方を変える「自動運転革命」が起きようとしている。IT企業Googleがハンドルもアクセルもない完全自動運転車を発表。これを受け、自動車メーカーは、一気に自動運転車開発へと舵を切り、大競争時代に突入している。自動車大国ドイツは、メルセデス・ベンツがいち早く高速道路での自動運転機能を市販車に搭載するなど、世界をリード。対する日本勢では、トヨタ、日産、ホンダなどが開発を加速させる。中でも日産は、カメラやセンサーなどで高い技術力をもつ海外企業と提携し、2020年までに難易度が高い一般道を走行できる自動運転車の実現を目指す。こうした中、自動運転に不可欠なセンサーなどの部品で世界のメガサプライヤーが市場を席巻。日本の下請け部品メーカーは正念場を迎えている。自動運転車の開発競争は、日本経済をけん引してきたモノづくりの牙城、自動車産業を根底から揺るがそうとしているのだ。はたして世界市場の覇権はどこが握るのか。日本の基幹産業は守れるのか。21世紀の産業革命ともいえる「自動運転革命」、その衝撃を描く。
“史上最強の恐竜”と呼ばれるティラノサウルス。謎に包まれていたその真の姿が、世界各地で相次ぐ新たな化石の発見と、最先端の科学解析技術から明らかになってきた。生物の常識を覆す、驚異的な身体能力。頭脳的な狩りを可能にする、著しく発達した大脳。ところが、その祖先は、とても小さく、ひ弱だったことも判明した。恐竜の時代が終わるころ、ティラノサウルスは13メートルに巨大化している。いったい、何が起きたのか。この謎には、およそ一億年にわたる、驚くべき進化の物語が秘められていた。地球環境の激変を背景に、ティラノサウルスの祖先は、多様な恐竜との生存競争を続けながら、まさに奇跡というべき進化を遂げていた。その道のりは、生命体の進化の一つの極限を示している。そして去年、日本で初めて大型のティラノサウルスの化石が長崎県で見つかり、さらなる謎が生まれている。ディーン・フジオカをナビゲーターに、一億年におよぶ壮大な進化の秘密を読み解いていく。
道なき道、原野や山岳地帯を100キロ以上、不眠不休で走り続けるタイムレース「ウルトラ・トレイル(山岳)ラン」、国際レースとして世界各地で開かれるこの競技の完走率は平均65%。しかしその半分にも満たない、わずか30%という超過酷な大会が南米パタゴニアで開催される。絶景が広がるこの大地にひとたび踏み入れると、悪路や目まぐるしく変わる気候など、次々とむき出しの自然の猛威が襲いかかる。これに果敢に挑んだのが、世界18か国から参加したトップレベルの男女91人。彼らが共通して恐れるのが、レース終盤の「神の領域」を呼ばれる、未知のゾーン。果たして彼らのいう「神の領域」とは何なのか。47歳になる日本の第一人者・鏑木毅(かぶらきつよし)に完全密着。特殊撮影やレース中の心拍数変動などのデータを駆使し、神の領域の可視化を試みる。体力気力の限りを超え走り抜こうとする人類の、秘めた野生と本能に迫る、世界一過酷なレース・全長140キロの人間ドラマ。
日本人の2人に1人がかかる病、がん。その治療が根底から変わろうとしている。―― 進行した大腸がんを患う48歳の男性。4度にわたる再発を繰り返し、手術不能とされていた。しかし、ある薬の投与によって腫瘍が43%も縮小。職場への復帰を遂げた。投与された薬とは、なんと皮膚がんの一種、メラノーマの治療薬。今、こうした従来では考えられなかった投薬により劇的な効果をあげるケースが次々と報告されている。背景にあるのは、がん細胞の遺伝子を解析し速やかに適切な薬を投与する「プレシジョン・メディシン(精密医療)」だ。日本では去年、国立がん研究センター東病院など全国200以上の病院と10数社の製薬会社によって「SCRUM-Japan(スクラム・ジャパン)」と呼ばれるプレシジョン・メディシンのプロジェクトが始動した。進行した肺がんと大腸がんを中心に、がん細胞がもつ遺伝子変異を詳細に解析。効果が期待できる薬を選び出して投与する。これまでに7000人近くの患者が参加し、肺がんでは1/8の人に薬が効く可能性のある遺伝子変異が見つかった。100人ほどが実際に臨床試験に入っている。このプロジェクトに参加する患者に密着しながら、プレシジョン・メディシンはがん治療をどう変えようとしているのか、がん患者とその家族に何をもたらすのか、先進地のアメリカの最新事情とともに、その可能性と課題を見つめる。
人類史上最大の戦艦でありながら日本海軍のトップシークレットとして、その存在やデータを徹底的に隠蔽されてきた戦艦「武蔵」。太平洋戦争の真っ只中に米軍機の猛攻を受け壮絶な最後をとげたとされている。去年3月、フィリピン沖の海底1000mの深海で発見され、アメリカのプロジェクトチームによって初めて映像が記録、公開された。こうした記録映像やNHKが独自に入手した新資料の詳細な分析から、いま、歴史の定説を覆す武蔵の実像が次々と浮かび上がってきている。日本の最高技術を結集し“不沈艦”とまで言われた武蔵だが、実は決定的な脆さを抱えた構造の艦であったことなど、知られざる実態が明らかになりつつある。番組では、NHKが開発してきた映像解析技術と新資料から「武蔵の実像とその最後」を完全再現。わずかとなった元乗組員の生存者や、世界の軍事専門家たちと共に、歴史の闇に埋もれてきた戦艦武蔵の真実に迫る。
2017年1月1日(日) 午後9時00分~9時58分 関連ジャンル 国際 政治 いよいよ2017年1月に就任するアメリカのトランプ次期大統領。「アメリカの利益が最優先」と唱え、そのためには国境に巨大な壁をも築くと公言する型破りな大統領の誕生によって、これから世界はどうなっていくのか?大越健介キャスターが激動する各国の最前線を取材し、2017年から始まる“トランプ時代”を、豪華ゲスト陣と共に大予測!“トランプ勝利”で勢いづく極端なナショナリズムは、アメリカやヨーロッパで、どこまで広がるのか?新たな世界情勢のキープレーヤーとして動き出す、ロシア・プーチン大統領の次の一手とは?そして、国際秩序が大きく揺らぐいま、日本はどうすればいいのか?2017年元日、歴史的な転換点を迎えた世界の行方を、大胆に展望する。
甲斐信枝さんは、雑草の美しさにひかれて60年以上描き続ける現役の絵本作家。代表作『雑草のくらし』は30年を超えるロングセラーだ。地面に寝転がって植物と対話、ノゲシのタネが風で飛ぶ様子やフウロソウが種を弾き飛ばす様子を緻密に描き出す。京都・嵯峨野の里山で、甲斐さんの眼差しを通して植物の驚異の営みを見つめる。
現代社会が抱える課題を資本主義250年の歴史軸から捉えなおし、その意味するものを紐解いていくシリーズ「マネー・ワールド ~資本主義の未来~」。世界屈指の知の巨人へのインタビューや最前線の現場取材、見えない経済をアニメやデータを駆使して可視化し、私たちの未来について考えていく。ナビゲーターの「爆笑問題」が、今回向き合うテーマは、世界が注目する「トランプ経済」だ。アダム・スミスが世界を自由貿易に駆り立てて以降、拡大を続けてきたグローバル市場経済が、今、トランプ大統領の登場で新たな局面を迎えている。アメリカ発の保護主義が、世界経済の血流を大きく変えるのではないかと懸念の声が高まっているのだ。多国間貿易の流れに逆行するかのような国境税の検討。「ドル高」に繋がる減税やインフラ投資を掲げる一方、「ドル安」を目指すかのような通貨安国家への批判など、かつてない“矛盾”を抱えた未知の経済が動き出そうとしている。「実行すれば世界経済は未曽有の不確実性を抱える」という経済学者がいる一方、「グローバル資本主義はもはや限界。トランプの経済は世界にとってプラスだ」という説もあり、その効果をめぐって論争も勃発。果たしてトランプ経済は、行き詰った世界経済の救世主となるのか?それとも、さらなる混迷と停滞を引き起こすのか? 世界や日本への影響について考えていく。
絶滅が危ぶまれるジャイアントパンダ。その繁殖で世界トップクラスの実績を誇る施設が和歌山県にある。白浜町の動物公園“アドベンチャーワールド”だ。近年では1年おきに赤ちゃんが誕生し元気に成長している。繁殖に失敗する施設も多いなか、なぜ大成功を収めたのか。その舞台裏に、初めてカメラが入った。200gと小さく、繊細なパンダの赤ちゃんには病気や温度の変化が大敵。死亡率が高いとされる、“魔の1週間”に密着する。さらにパンダの子育てが難しいのは人手が加わりすぎてもいけないこと。母親との濃密な接触がないまま成長すると、大人になっても異性とペアになれないことが近年の研究で分かってきた。徹底した“見守り”で必要最小限の介入にとどめ、“母性”の発揮を邪魔しない、白浜独自の飼育スタイルを明らかにする。子育ては母親が一手に引き受けるパンダだが、忘れてはいけないのが、ゴッドファーザー永明(エイメイ)だ。人の年齢にたとえると70歳以上で子をもうけた。群を抜く世界記録だが、すでに次の繁殖に向けて飼育員たちと筋トレに余念がない。 パンダという種を後世に残す、命のドラマを見つめる。
日本の恐竜研究史上、最大の発見“むかわ竜”。頭から尻尾までそろっている世界でも珍しい全身骨格化石が北海道むかわ町で発掘された。実は恐竜時代、大半が海の下だった日本では、これまで恐竜化石は、ほとんどみつかってこなかった。今回の発見は専門家の予想を覆す見事さであり、日本の恐竜世界を私たちに教えてくれる重要なピースとなると考えられている。番組では、今回、発見された全身骨格化石を手がかりに7200万年前に暮らしていた巨大恐竜“むかわ竜”を最新の映像技術で現代に甦らせる。さらに偶然と必然が織りなすドラマチックな発掘ストーリーをたどり、今、大きな盛り上がりを見せている恐竜世界、日本の研究最前線へ誘う。
ロシア・ウラル山脈のふもとにある「オルダ水中洞窟」。潜水ダイバーの間で、“世界で最も美しい洞窟”と言われている。年間で最も美しいのは氷に閉ざされた冬。NHKでは1年にわたって準備と訓練を行い、マイナス40度に達する現地に入り、世界で初めて4Kカメラによるオルダ洞窟の撮影に挑んだ。 氷の地下世界を進み、ようやくカメラがとらえたのは、50メートル先が見渡せるほど「ひたすら透明な水」。そして一面真っ白な石膏の岩が作り出す「荘厳な景色」だった。さらに専門家とともにオルダ洞窟誕生の謎を追うと、3億年前からの地形変化や気候変動が重なってできたという「奇跡の物語」が見えてきた。番組では、圧倒的な映像美とともに、絶景・オルダ水中洞窟の知られざる全貌に迫る。
日本の閉塞した状況を打破する手がかりを求めて、NHKは「課題解決型AI(人工知能)」を開発した。パターン認識と呼ばれる手法で700万を超える日本の統計データをAIが解析した結果、驚きの結論が!それは「40代ひとり暮らしを減らせば日本がよくなる」といった奇想天外な提言の数々だった。それは何を意味するのか?日本は本当に良くなるのか?マツコ・デラックスと有働由美子アナが、本音でAIと対決する。
私たちの暮らす日本。地球上の陸地の1%にも満たない狭い国土の中に“宝物のような絶景”が満ちあふれている。さらに不思議なことに、大海原のただ中の島国なのに、なぜか三千m級の山々がそびえている。 日本列島は、どうやって生まれ、どんなドラマをへて、今の姿となったのか? 最新科学は、数千万年に及ぶ“列島誕生の大地の物語”を解き明かしつつある。そして地球史上まれな“奇跡的な四大事件”があったからこそ、列島がここに存在していることを突き止めた。『ジオ・ジャパン』では、日本各所の絶景や、はるかな時空を超えたタイムトリップCG、そして列島誕生と深く結びついた“和食”を読み解くスタジオから、日本の“大地のドラマ”を描く。 第1集は『奇跡の島はこうして生まれた』。3000万年前、今の日本列島の位置には陸地もなかった。いったい何が起きて、大海原の中に島々が誕生したのか? そこには、想像を超えた驚くべき大地のドラマがあった・・・。出演は、劇団ひとり、指原莉乃(HKT48)、巽好幸(神戸大学教授)、和久田麻由子アナウンサー。
私たちの暮らす日本。地球上の陸地の1%にも満たない狭い国土の中に“宝物のような絶景”が満ちあふれている。さらに不思議なことに、大海原のただ中の島国なのに、なぜか三千m級の山々がそびえている。 日本列島は、どうやって生まれ、どんなドラマをへて、今の姿となったのか? 最新科学は、数千万年に及ぶ“列島誕生の大地の物語”を解き明かしつつある。そして地球史上まれな“奇跡的な四大事件”があったからこそ、列島がここに存在していることを突き止めた。『ジオ・ジャパン』では、日本各所の絶景や、はるかな時空を超えたタイムトリップCG、そして列島誕生と深く結びついた“和食”を読み解くスタジオから、日本の“大地のドラマ”を描く。 第2集は『恵みの山がついに生まれた(仮)』。生まれたばかりの日本列島は、大陸的な平原がひろがる「平べったい」島々だった。いったい何が起きて、いまの険しい山々が誕生したのか?そこには、地球全体を揺るがす大事件が隠されていた・・・。出演は、劇団ひとり、指原莉乃(HKT48)、巽好幸(神戸大学教授)、和久田麻由子アナウンサー。
2017年8月6日(日) 午後9時00分~9時49分 関連ジャンル 歴史・紀行 世界にも類をみない“戦災ビッグデータ”がある。1945年8月6日から今に至るまで、広島市が蓄積してきた約56万人に及ぶ被爆者たちの記録『原爆被爆者動態調査』。被爆直後、警察が医師とともに作成した検視調書や、救護所などがまとめた死没者名簿の上に、戦後、市が集めた戦災調査や個人データも加えられ、今も更新が続けられている超一級データだ。NHKは今回、この元データを初めて市から入手、最新のビッグデータ解析技術を駆使し、時系列に並べて地図に落とし込んだところ、特定の被爆地や、死没日、死因に極端な死者数の偏りがある“原爆死ホットスポット”が存在していたことがわかった。なぜ“ホットスポット”は生まれたのか。そして人々はそこでどのようにして亡くなっていったのか――。原爆投下から72年、知られざる被爆の真実に迫る。
2017年8月9日(水) 午後10時00分~10時49分 関連ジャンル 災害 社会 原発事故により、およそ9万人が避難指示を受けた福島・原発周辺の町。国は除染を進め、段階的に避難指示を解除してきた。そして今春、4町村で一斉に避難指示が解除。帰還困難区域を除く、ほぼすべてで、帰還が可能になった。 帰還対象者が最も多い浪江町。戻った住民たちが直面したのは、町に住みついた野生動物だった。巨大なイノシシが群れを成し、家屋や田畑を荒らしていた。また、屋根裏で繁殖するアライグマは、人間にとって重篤な感染症をもたらす恐れが指摘されている。 さらに、今なお残る放射能汚染への不安。国による除染は屋外に限られ、室内は住民自らの責任に任されている。今回、専門家が調査したところ、室内に放射性物質が入り込んでいる事例が見つかった。大きな健康被害にはならないまでも、「不要な被ばくは避けるべき」と専門家は指摘する。 6月末の時点で、浪江町に帰還した住民は264人。帰還対象者の2%に留まっている。限られた人数に対し、取り戻すべき故郷はあまりに広大だ。苦闘する人々の4か月を追った。
2017年8月12日(土) 午後9時00分~9時49分 関連ジャンル 歴史・紀行 逃げ惑う人。低空から容赦なく機銃が連射される・・・。戦闘機に装備され、機銃を撃つと自動的に作動する「ガンカメラ」の映像がいま相次いで発掘されている。また米国立公文書館で、B29が名古屋・大阪を焼き尽くした際の空襲映像も新たに見つかった。太平洋戦争で行われた日本本土への空襲。その規模の甚大さゆえに捉えきれてこなかった本土空襲の“全貌”が、ようやく見えてきた。これらを分析することによって、「いつ・どこで・何を標的に」攻撃を加えていたのかが明らかになる。膨大な発掘映像の分析に加え、米軍の作戦報告書、戦略爆撃に関する新資料、埋もれていた日本側の作戦、被害記録や証言を照合・データ化して地図上に落とし込むことにより、「日本本土空襲」の知られざる全体像に迫る。空襲の恐るべきスケールを可視化していくと、史上初めて「軍用機の戦争」と化した太平洋戦争が、なぜ無際限にエスカレートし、多くの無辜の命を奪う道をたどったのかが浮かび上がる。
2017年8月13日(日) 午後9時00分~9時49分 関連ジャンル 歴史・紀行 戦時中、旧満州で密かに細菌兵器を開発し実戦で使用した、731部隊。部隊が証拠を徹底的に隠滅、元隊員が固く口を閉ざしたため、その実像を知る手がかりは限られてきた。 今回NHKは、終戦直後、旧ソ連で行われたハバロフスク裁判の音声記録を発掘。20時間を越える記録では、部隊中枢メンバーが、国防や国益のためとして細菌兵器を開発した実態、そして旧満州で日本に反発していた中国や旧ソ連の人々を「死刑囚」とし、細菌兵器開発の「実験材料」として扱っていた実態を、克明に語っていた。 さらに、元隊員の資料や当時の学術界の膨大な記録からは、軍だけでなく学術界からも多くの研究者が部隊に参加していた実態が浮かび上がってきた。満州事変以降、学術界が軍と関係を深めていった過程、そして日本軍が旧満州で反発する人々を死刑にすることについて世論の支持が高まる中で「死刑囚」を研究に活用する動きが相次いでいた実態も明らかになってきた。 731部隊はどのようにして生まれ、そして医学者たちは、どう関与していったのか。数百点にのぼる資料をもとに、731部隊設立の謎に迫る。
2017年8月14日(月) 午後8時00分~8時43分 関連ジャンル 歴史・紀行 北海道の北に広がる大地、サハリン。かつて「樺太」と呼ばれ、40万人の日本人が暮らしていた。この樺太で終戦後も7日間にわたって戦闘が続き、住民を巻き込んだ地上戦が行われていたことは、これまでほとんど知られて来なかった。犠牲者は5千人とも6千人とも言われ、その人数は今なお正確にわかっていない。 最前線に立たされた少年兵、地獄の逃避行で命を落とした幼い子供や母親、ロシア兵の上陸におびえる女性たちや家族の集団自決も起きた。重い沈黙を破って語り始めた高齢の元住民たちの証言と国内外の発掘資料から、知られざる樺太地上戦、7日間の悲劇の全貌に迫る。
2017年8月15日(火) 午後7時30分~8時43分 関連ジャンル 歴史・紀行 相手の戦力や兵站を軽視した無謀な戦いで甚大な死傷者を出し、旧日本軍の体質を象徴的に示したとされる「インパール作戦」。「援蒋ルート」の遮断を主目的とし、ミャンマー(当時ビルマ)からイギリス軍の拠点があったインド北東部のインパールの攻略を目指した日本軍は、この作戦で歴史的敗北を喫した。餓死・戦病死した日本兵の死屍累々が並んだ道が「白骨街道」と呼ばれるほど凄惨な戦いの実態はどのようなものだったのか。これまでインドとミャンマーの国境地帯は戦後長く未踏の地だったが、今回、両政府との長年の交渉の末に現地取材が可能となった。さらに、新たに見つかった一次資料や作戦を指揮した将官の肉声テープなどから「陸軍史上最悪」とされる作戦の全貌が浮かび上がってきた。数々のスクープ映像と新資料、証言からなる「インパール作戦」の全記録は、決して忘却してはならない悲劇の記憶を、未来へと継承していく。
2017年8月19日(土) 午後9時00分~9時49分 関連ジャンル スポーツ 日本の陸上短距離が今、世界を驚かせている。今年6月時点の男子100m上位10傑の平均タイムは10秒134。3位イギリスに肉薄し、アメリカに次ぐ2位ジャマイカにも迫ろうとしている。こうした中、日本陸上界の悲願である「9秒台到達」が現実味を増している。98年に伊東浩司さんが10秒00を出してから19年。今月、ロンドンで行われる世界選手権に出場するサニブラウン アブデル・ハキーム(自己ベスト10秒05)、多田修平(10秒08)、ケンブリッジ飛鳥(10秒08)に、かつてない期待が集まった。これまで記録で先行してきた桐生祥秀(10秒01)と山縣亮太(10秒03)も含め、日本人選手はなぜ同時に、これだけ急成長したのか。取材を進める中で、日本の陸上を取り巻く環境の変化、トレーニング理論の画期的改革、これまでの常識を打ち破る選手たちの前例なき挑戦が見えてきた。番組では、9秒台目前、わずか100分の1秒の更新がなぜ叶わなかったのか、先駆者たちの証言から「10秒の壁」の真相に迫ると同時に、待ち望んできた“9秒台”に向けた戦いを描く。
2017年8月20日(日) 午後9時00分~9時59分 関連ジャンル 歴史・紀行 文化・芸術・エンターテインメント 終戦直後の東京を記録した鮮明な映像が、次々に発掘されている。さらには、極秘扱いだった10万ページに及ぶCIA文書が情報公開法によって続々と公開され、敗戦直後の東京をめぐる新たな真実が明るみに出てきた。浮かび上がってきたのは、ヒト・モノ・カネをブラックホールのようにのみ込んでふくれあがる東京の姿。 焼け跡に最初に出現したブラックホールは「闇市」だった。日本軍や米軍のヤミ物資が大量に横流しされ、大金を手にした野心家が、新しいビジネスを興す。六本木や銀座には、治外法権の「東京租界」が生まれた。占領軍を慰安するショービジネスから、戦後の大衆文化を担う人材が生まれた。 連合軍による占領からはじまった戦後ゼロ年の東京。それは、今の東京を生み出した原点である。俳優の山田孝之が、21世紀の若者にふんし、時空を超えて当時のフィルムの中に入り込み、東京ゼロ年を追体験していく。それは、まもなくオリンピックを迎える東京の足下を照らし出す、確かな道しるべとなるはずである。
2017年8月27日(日) 午後9時00分~9時49分 関連ジャンル 自然・環境 深海の秘境に、最先端の科学で挑むシリーズ。世界で初めてダイオウイカを撮影したNHK深海取材班が再び集結し、新たな探検へと旅立つ。 最終回は、水深6000mを越える「超深海」。地球の海の2%にも満たないという究極の深海ゾーンだ。「超深海」の最深部(フルデプス)はマリアナ海溝チャレンジャー海淵、10920m。57年前、人類で初めて潜航した海洋冒険家は、そこで深海魚を目撃したという。しかし写真などの証拠はなく、多くの研究者がこの目撃談に疑念を抱いてきた。すさまじい水圧のため、タンパク質が機能できなくなり生存不可能と考えられているからだ。一体、「超深海」とはどんな場所なのか?魚は?そして生命はいるのか? 番組では、フルデプスを自由に動き回れる無人探査機「UROV11K」や、4Kカメラを搭載した探査機器「ランダー」を研究者とともに新たに開発。のべ2か月に及ぶマリアナ海溝の探査航海に挑む。これまでの研究で撮影された魚の映像は、8152mが最深記録となっている。今回の潜航で、7~8000mでは天女のようにしなやかに泳ぐ深海魚、硬い装甲で覆われた巨大ヨコエビなど、予想以上に多くの不思議な生き物たちに遭遇。彼らはどうやって水圧をはねのけているのか?探査機はさらに、1万mを超す地球最深部を目指す。果たして生命はいるのか?生きる限界に挑戦し続ける命の世界に迫る。
今、医学の世界で、これまでの「人体観」を覆す、巨大なパラダイムシフトが起こりつつある。今までは、人体のイメージと言えば、「脳が全体の司令塔となり、他の臓器はそれに従う」というものだった。ところが最新科学は、その常識を覆した。なんと、「体中の臓器が互いに直接情報をやりとりすることで、私たちの体は成り立っている」そんな驚きの事実が明らかになってきた。このいわば「臓器同士の会話」を知ることで、いま医療の世界に大革命が起きている。例えば、がんや認知症、メタボなどの悩ましい病気を克服する画期的な方法が成果をあげ始めているのだ。新たな医学の潮流の全貌を全8回にわたってご紹介する大型シリーズ「人体」。プロローグでは、最先端の顕微鏡技術でとらえられた驚異の体内映像と、がんを早期に発見する画期的な検診方法や、がんの再発を防ぐ新たな治療方法などの最前線を紹介しながら、シリーズの見どころを伝える。
シリーズ「人体」第1集の主役は「腎臓」だ。“尿を作る臓器”ぐらいにしか考えられず、目立たぬ存在とさえ言われる腎臓。実は今、世界中の研究者たちが競うようにしてそのパワーの解明に乗り出している。浮かび上がってきたのは、腎臓が体中に情報を発信しながら、さまざまな臓器の働きをコントロールしているという驚きの姿だった。そんな腎臓のパワーを操れば、脳卒中や心筋梗塞の原因となる重症の高血圧を一挙に改善。多臓器不全で死の間際だった患者が一気に改善するという驚きの成果が報告され始めている。さらに、なんと「健康長寿のカギ」となる「ある物質」を、腎臓が調整していることまで明らかになってきている。世界初となる3D電子顕微鏡や、8K顕微鏡ライブイメージングによって撮影されたミクロの映像、そして、フル4Kのコンピューターグラフィックスを交えながら、腎臓の驚異的なパワーに迫っていく。
体中の臓器がお互いに情報を交換することで私達の体は成り立っている。そんな新しい「人体観」を、最先端の電子顕微鏡映像やコンピュータグラフィックスを駆使しながらお伝えする、シリーズ「人体」。第2集のテーマは“脂肪と筋肉”です。なぜダイエットに失敗するのか、メタボリックシンドロームはなぜ怖いのか。最新科学が、その本当の理由を、明らかにしていきます。単に体を覆っているだけだと思ったら大間違い。脂肪が、脳や免疫をコントロールしたり、筋肉の働きが、記憶力の増強やがん予防と関わっていたりする可能性も報告され始めています。さらには、現代人の体の中で、そんな脂肪と筋肉の働きに深刻な異常が起きていることも明らかに。心筋梗塞や脳梗塞、そして糖尿病など、あの「メタボ」が招くさまざまな病気の根本的な原因が、実は、脂肪や筋肉の情報交換に潜んでいたのです。全く知らなかった筋肉と脂肪の驚くべき能力。 その謎を徹底的に解き明かしていきます。
11月上旬、世界に衝撃が走った。アメリカのウィルバー・ロス商務長官による新たなロシア疑惑、F1界のスーパースター、ルイス・ハミルトンによる巨額の税逃れの疑惑。世界各国の指導者や富裕層が、不透明な資産運用や税逃れを行っている実態が浮かび上がってきたのだ。きっかけとなったのは、「パラダイスペーパー」と名付けられた文書。バミューダ諸島の法律事務所などから流出した膨大な内部資料で、去年「パナマ文書」報道を手がけたICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)が新たに入手した。NHKはパラダイスペーパーを各国のメディアと共同で分析。一握りの権力者や富裕層たちが、国境をまたいで税率の低いタックスヘイブンに金を動かし、払うべき税金を逃たり巧妙に資産を隠したりする現実が見えてきた。楽園と呼ばれる島々から流出した権力者たちの不都合な真実。パラダイスペーパーを徹底追跡する。
『龍馬暗殺』の隠された真実が今、明らかに! 今年没後150年を迎える、幕末のヒーロー・坂本龍馬。龍馬と言えば、薩長同盟と大政奉還の立役者。だが、その人生のクライマックスは、大政奉還を成しとげた後、暗殺されるまでの最後の30日にあったことが、近年次々と発見されている資料から明らかになってきた。龍馬が目指したのは内戦を避け、平和裏に新たな時代を作ろうとする、幻の「新国家計画」。さらに大胆に推測すれば、この計画こそが、龍馬暗殺の引き金となったかもしれないという「新たな暗殺論」まで浮かび上がってきた。 明治維新後の日本政治の大事な分岐点であったかもしれない大政奉還後の1か月。常に身の危険を感じながらも、命を懸けて闘った知られざる〝龍馬最後の30日〟を、新しく発見された資料を踏まえた大胆な仮説に基づき、スリリングなドラマとして描く。
インターネットの裏社会で暗躍するハッカーたちが、あなたの家の家電を狙っている!?今、新手の「サイバー攻撃」に世界が戦々恐々としている。インターネットにつながったテレビやビデオ、家庭用防犯カメラなど、近年急速に広まりつつあるいわゆる「IoT機器」を標的にした特殊なコンピューターウイルスがまん延しているのだ。知らぬ間にあなたの家のネット家電がハッカーたちに乗っ取られ、突然異常な動作を起こしたり、大規模なサイバー攻撃に悪用されたりする事件が急増している。さらに、ネットで遠隔操作可能な医療機器も次々と登場。それらがハッカーたちの手で操られれば、命の危険にもつながりかねない。2020年の東京オリンピックを前に、大規模サイバーテロの危険性が指摘される日本。IoT機器を狙った新たなサイバー攻撃への対策は、まだ始まったばかりだ。番組では、ネットの裏社会にも潜入を試み、インターネット時代の新たな脅威の実態に迫る。
北朝鮮が核・ミサイル開発を加速させる中、アメリカはどう動き、日本はどう対応しているのか。番組では、20回以上に及ぶ首脳会談や電話会談で議論を深めてきた日米両首脳の模索を軸に据えつつ、双方の関係者を取材。中国・ロシアなど関係国を巻き込みながら進める「北朝鮮包囲網」の動きを含め、問題解決に向けた外交の舞台裏に迫る。
再来年4月30日に天皇陛下が退位され、翌5月1日に皇太子さまが即位されることが固まった。 30年ぶりとなる「皇位継承」にあたり、天皇陛下が形作られた“象徴天皇”のあり方は、皇太子さまへどのように引き継がれるのか。そして、新しい皇室はどのような姿になっていくのか。番組では、退位される天皇陛下の足跡を振り返るともに、新天皇となる皇太子さまについて、また新しい時代の「私たちと皇室」のあり方について考えていく。
日本の科学研究をリードする東京大学が、データをねつ造するなどの研究不正で揺れている。今年8月、分子細胞生物学研究所(分生研)の渡邊嘉典教授の研究室が発表した5本の論文で不正が認定された。2006年と2014年にも、当時の工学部教授の研究室で不正の疑いによる処分、分生研教授の研究室で論文の不正認定と、不適切な研究が相次いでいる。一体、何が起きているのか100人をこえる関係者を取材。浮かび上がってきたのは、激化する国際競争の中で変容してきた科学研究費の配分を巡って、翻弄される科学者の姿。そして、科学技術立国を掲げ、研究成果を国の発展につなげようという施策が、皮肉にも、科学を停滞させかねないという現実。今、ノーベル賞受賞者も危機感を募らせ、自ら、模索を始めている。日本の科学が直面している課題は何なのか。研究不正の報告書をひもとき、独自に入手した資料と、当事者たちのインタビューから迫る。
世界に衝撃を与えたトランプ大統領の「パリ協定」脱退。にもかかわらず世界のビジネス界は、今世紀後半に二酸化炭素の排出量を実質ゼロにする“脱炭素革命”に向け大激変し、その動きは止まらない。なぜか?そこには地球温暖化という課題だけでなく、何より一獲千金の大ビジネスチャンスがある。しかし日本人の多くは、そのことにまだ気づいていない・・・。ウォール街の投資の流れは“脱石炭”に変わり、再生可能エネルギーの劇的な価格破壊を受け、2040年までのガソリン車禁止など急速なEVシフトが始まった。11月にドイツ・ボンで開かれたCOP23には、脱退したはずのアメリカや、エコ文明を打ち出し “脱炭素”のリーダーをめざす中国など世界中のビジネスマンが集結!だが日本では再エネ普及も進まずトレンドに乗り遅れている。番組では、COP23に出向いた日本企業の訪問団に密着、“新産業革命”ともいわれるこのパラダイムシフトを目の当たりにした衝撃をルポ。生き残りへの格闘を伝える。
20年以上にわたり社会から隔絶されていた女性が、再び社会に放り出されたとき、どんなことに直面するのか、あなたは、想像することができるだろうか。 8歳だった息子は29歳になっていた。60代だった両親は、80歳を過ぎ、介護を必要としていた。そして自分自身も31歳から51歳になっていた。20年前には、インターネットも携帯電話も普及していなかった。家電の使い方もわからない、別世界からタイムスリップをしてきた感覚に襲われ、彼女はとうとう、こうつぶやく。「刑務所に戻りたい・・・」。 これはすべて、大阪に住む、青木惠子さんの身に起こったことである。青木さんは、娘殺しの母親という汚名を着せられていた。1995年、小学6年生だった娘を、夫と共謀し保険金目的で焼死させた疑いで、無期懲役を受けたのである。受刑しながら、裁判のやり直しを訴え、ついに、2016年、えん罪が証明され、無罪判決が下されたのだった。 これは、20年という途方もない長い時間の中で失ったものを少しでも取り戻そうとする、ひとりの女性の再生の物語である。
いま、“世界一”の称号に最も近い日本人アスリート、プロゴルファー・松山英樹選手、25歳。世界最高峰・アメリカPGAツアーで、2016-17シーズンに3勝(通算5勝)をあげ、世界ランキングも最高2位に駆け上がるなど、一気に世界のトップオブトップの仲間入りを果たした。しかし、この男は決して満足していない。なぜなら、幼い頃から抱き続ける究極の目標、日本選手初のメジャー大会制覇を狙っているからだ。今年、松山選手はその世界の頂にあと一歩に迫る死闘を繰り広げ、試合後、人目をはばからず泣いた。その涙の意味は何だったのか。もはや日本の誰も想像できない境地に立つ松山選手は、何を思い、考え、戦っているのか。普段、松山選手がその本音を語ることはほとんどない。番組では、PGAツアー通算3勝の先駆者・丸山茂樹さんによるアメリカ現地取材とロングインタビュー、さらにNHKがアメリカ挑戦以来4年間続けてきた密着取材から、その強さの秘密や苦悩、そして人間・松山英樹の実像に迫る。
天皇陛下の退位によって2019年4月30日に幕を閉じることになった「平成」。「平成」は、私たちにとってどのように時代だったのか。そして「平成」は、次の時代に何を積み残すのか。NHKスペシャルが始まったのは1989年(平成元年)4月。以来30年、冷戦崩壊やグローバリゼーションの席巻によって、あらゆる社会システムや価値観の足場が揺らぐことになった“平成という時代”を見つめ続けてきた。私たちは3000本以上の番組から「バブル崩壊から新自由主義へ―“痛み”の時代―」「グローバル化の中で―“国境消失”の時代―」などのテーマを抽出。出演者への再訪を交えながら、激動の時代を振り返る。そして映画監督の山田洋次さんや作家の高村薫さんら識者の方に“次の時代”を展望していただく。 さらに、番組はスタジオを飛び出し、ツアーバスで東京都内の平成にちなんだ場所をめぐりながら進行していく。乗車するのは2004年(平成16年)に生まれた俳優の芦田愛菜さん、外国人の視点で平成を見つめてきた国文学者のロバート キャンベルさん、Nスペ最多出演の三宅民夫元NHKアナウンサー。さらにお笑いタレントのたかまつななさんも緊急参加。 2018年元旦。平成タイムトラベルツアーが始まる!
体中の臓器がお互いに情報を交換することで私達の体は成り立っている。そんな新しい「人体観」を、最先端の電子顕微鏡映像やコンピューターグラフィックスを駆使しながら伝える、シリーズ「人体」。第3集のテーマは“骨”だ。単なる固いカルシウムのかたまりだと思ったら大間違い。私たちの全身の「若さ」を司っているのは、実は骨だということが、最新の科学から明らかになってきている。骨が操っているのは、「記憶力」「筋力」「免疫力」、そして「精力」までも・・・。逆に言えば、骨が「老化」のスイッチを押してしまうこともあるというのだ。その危険性は、高齢者だけではなく、若い世代にも潜んでいるという調査結果もある。では、どうすれば骨を強くし、「若さ」を保ち続けることができるのか。骨が持つ知られざるパワーを呼び覚ます方法も、詳しくお伝えする。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックの主役となる新世代の選手たち「TOKYOアスリート」。彼らの成長を2年半にわたって追うドキュメンタリーシリーズが始まる。「TOKYOアスリート」はいま、日本人の体格や身体能力では難しいと言われてきた壁を次々と越えている。陸上100メートルで日本人初の9秒台を出した桐生祥秀選手(22)。独特のスマッシュを武器に難攻不落の王者・中国を脅かす卓球の伊藤美誠選手(17)。こうした『ブレイクスルー』はなぜおきているのか。番組では、NHKが開発した最新の撮影技術と、科学の目によって、TOKYOアスリートの心技体に迫る。進行役は内村光良・南原清隆。2人とともに「ブレイクスルー」の秘密に迫るのは、北島康介とメンタルトレーナーの田中ウルヴェ京。今回、南原は、桐生に続く9秒台をねらう多田修平選手(21)の合宿に密着、走りの“改革”を取材。内村は、体操で世界最高の「I難度」を成功させた宮地秀享選手(23)を訪ね、技の秘密と素顔に迫る。北島は、競泳で日本記録を次々と更新する池江璃花子(17)の速さの秘密を解き明かす。
体中の臓器がお互いに情報を交換することで私達の体は成り立っている。そんな新しい「人体観」を、最先端の電子顕微鏡映像やコンピューターグラフィックスを駆使して伝える、シリーズ「人体」。第4集のテーマは“腸”だ。毎日の食事から栄養や水分を大量に体に取り込む消化・吸収の要だが、じつは私たちを万病から守る全身の「免疫力」を司っていることが、最新研究から明らかになってきた。なんと全身の7割もの免疫細胞が腸に集結し、いま話題の「腸内細菌」たちと不思議なメッセージをやりとりしているというのだ。ひとたび、腸での免疫のバランスが崩れ、免疫細胞が暴走を始めると大変なことに。花粉や食べ物、自分の体の一部まで「敵」と誤って攻撃し、さまざまなアレルギーや免疫の病を引き起こしてしまう。どうすれば、腸内細菌が出す“メッセージ”を活用してこの暴走を抑え、アレルギーなどを根本解決できるのか。最先端の顕微鏡映像や高品質のCGを駆使して、知られざる腸の力に迫る。
6434人が亡くなった阪神・淡路大震災。0歳から高校生まで、400人以上の子どもが親を失い、遺児となった。四半世紀に近い歳月の間に、遺児の多くは亡くした親の年齢に達し、子どもをもつ人も少なくない。震災後から定期的に成長を記録してきた遺児たちを再訪すると、成人して新たな役割に気づきながら歩む、それぞれの人生があった。震災から23年、遺児たちの「心に秘めた苦悩」と「生きていく覚悟」とは・・・。
去年の第68回NHK紅白歌合戦で、平井堅さんの歌「ノンフィクション」をダンスで表現した義足のプロダンサー・大前光市さん(38)に密着。大前さんと、今回のステージで振り付けを担当した辻本知彦さんとの熱い創作の日々を描く。 大前さんが注目を集めたのは2年前。リオパラリンピックの閉会式。片足で連続4回のバク転という圧巻のパフォーマンスで鮮烈な姿を世界に印象づけた。そして紅白では、歌の世界観である「絶望と向き合う苦しみ。その先に見える希望」を全身で伝え、深い感動を呼んだ。この舞台の陰に、知られざるもうひとつのドラマがあった。大前さんと辻本さんは、かつて同じ舞踊団を目指した因縁の相手だった。15年前、大前さんはオーディションの直前、交通事故に遭い、左足を切断。一方、辻本さんは、その舞踊団に見事合格。注目を集め、瞬く間に活躍の場を世界へと広げていった。光と影、別の道を歩んできた二人が、紅白でタッグを組むことになった。胸に秘めた葛藤、意地とプライド、互いをぶつけ合い新たな表現に挑んだ二人のダンサー。その日々を追った。
日本中に大きな衝撃を与え、今なお生々しい記憶を残す「未解決事件」を徹底検証し、未来へのカギを探るシリーズ第6弾。31年前、日本を震撼させた“言論へのテロ事件”「赤報隊事件(朝日新聞襲撃事件)」に迫る。1987年5月3日、朝日新聞阪神支局に突如、目出し帽の男が進入し散弾銃を発砲。記者2名が死傷し、その後、全国各地の朝日新聞関連施設を襲撃、爆破未遂、そして中曽根・竹下元首相への脅迫や、リクルート元会長宅への銃撃など事件は全国に拡大。のべ124万人の捜査員が投入されたが、15年前、全ての事件が未解決のまま時効を迎えた。犯人は何者で、なぜ事件は未解決に終わったのか。1夜目は、NHKが入手した極秘資料や関係者の証言をもとに、「実録ドラマ」で知られざる事件の闇に迫る。
目出し帽の男は一体何者なのか?全国にまたがる“テロ事件”は単独犯の仕業なのか、複数犯の手によるものなのか?そして、犯人の真のねらいは何だったのか?2夜目は多くの謎を残して闇に消えた「赤報隊」と事件の真相に、独自取材で切り込むドキュメンタリー。真相解明のカギを握るとされた一連の「犯行声明文」をめぐる新たな事実や、NHKに接触してきた「犯人を知る」というナゾの人物、そして警察が追跡していた知られざる“真犯人の影”など、31年目にして得られた新事実をもとに、日本を震撼させた赤報隊事件の深層に分け入っていく。
9日に開幕するピョンチャン五輪で、たった10秒に4年間のすべてをかける競技がある。スキージャンプ女子。スタートから着地まで10秒あまり。風や雪など刻々と変わる自然条件の中、一瞬で力を発揮しなくてはいけない“極限”のスポーツだ。この競技で金メダルの最有力候補に上げられているのが、髙梨沙羅(21)。ワールドカップで総合優勝4回、男女通算最多タイの53勝を成し遂げた“世界女王”だ。まさかの4位に終わったソチ五輪での悔しさをピョンチャンでの10秒にぶつける。ともに金メダルをねらうのが、伊藤有希(23)。昨季ワールドカップ5勝、世界選手権では、髙梨を上回る銀メダルを獲得するなど、急成長を遂げた。 さらに、12月に開幕した今季のワールドカップでは、海外の若手選手が台頭。メダル争いは激しさを増している。番組では、4Kハイスピードカメラなど最新の映像技術と密着ドキュメントで、髙梨、伊藤両選手や、海外選手の強さの秘密、そしてメダルへの苦闘の日々を描いていく。
体中の臓器がお互いに情報を交換することで私たちの体は成り立っている。そんな新しい「人体観」を、最先端の電子顕微鏡映像やコンピューターグラフィックスを駆使しながら伝えるシリーズ「人体」。第5集のテーマは“脳”だ。番組では、お笑い芸人で芥川賞作家でもある又吉直樹さんの脳を、世界最先端の技術で徹底的にスキャン。内部を走る電気信号の様子を、世界で初めて映像化した。その結果「ひらめき」に関わるとされる、特別なネットワークの正体が浮かびあがってきた。さらに「記憶力アップ」の鍵も解明されつつある。脳の“ある場所”で、新しい神経細胞が次々と生まれ、記憶力を高める重要な役割を果たしていることが分かってきたのだ。そのメカニズムの解明がさらなる研究へと波及し、認知症治療の新たな戦略も見えてきている。創造性やひらめき、意識や心も生み出す、究極のネットワーク臓器“脳”。その美しくも神秘的な世界に迫る。
ピョンチャンオリンピックのフィギュアスケート男子シングルで66年ぶりとなる五輪連覇をねらう羽生結弦選手(23)。金メダルに輝いたソチ五輪以降、世界最高得点を更新し続ける“絶対王者”だ。しかし、連覇への道は決して平坦ではない。最高難度の4回転ジャンプを武器に10代の若手選手たちが台頭。男子フィギュアスケート界はいま、複数の種類の4回転ジャンプを数多く成功させなければ勝利はつかめない時代に突入しているのだ。史上最高レベルの戦いとなるピョンチャンオリンピックで再び頂点に立つために。羽生選手を突き動かすのは「挑戦し続けなければ成長はない」という信念だ。番組では、自分自身の限界に挑む羽生結弦選手に密着。2大会連続金メダルという偉業に向けた戦いの中にどのような葛藤があったのか。そして挑戦するが故に起きた右足首のけがからどのように立ち上がろうとしているのか。半世紀以上誰もなしえなかったオリンピック連覇という壁を破ろうとする羽生結弦選手に迫る。
ピョンチャン五輪で金メダル最有力のスピードスケート「女子団体パシュート」。 今シーズンのW杯で3戦3勝、すべて世界記録を塗り替えるという快進撃を続けている。 3人が隊列を組んで、空気抵抗が大きい先頭を交代しながら2400m滑るパシュート。 金メダル争いは、日本とスケート王国オランダとの一騎打ちだ。オランダは個人種目トップ5の選手が並ぶ。一方、日本は個人種目でもメダルが期待される髙木美帆選手(23)以外は世界トップ10にすら入っていない。この実力差を覆す日本の武器は2つ。年間約300日帯同するチーム練習で培った「一糸乱れぬ隊列」。空気抵抗を極限まで抑えるため、時速50kmで選手の間隔は1mを切る。そしてオランダの半分の距離と時間で行う「高速の先頭交代」だ。 番組では、日本チームの戦略・滑りをVRや、最新のコンピューターシミュレーション技術などを駆使して徹底解剖。 今シーズン、金メダル獲得の秘策を練って賭けに出た日本チーム。悲願への道のりを記録する。
日本選手が躍進を遂げた冬季オリンピック・ピョンチャン大会。日本は、当初の目標を上回る4つの“金”を含む、史上最多のメダルを獲得。だがその活躍の裏側には、選手たちの知られざる心の葛藤があった。大怪我という逆境を乗り越え、連覇を成し遂げたフィギュアスケートの羽生結弦選手。ソチ五輪での惨敗を受けて、雪辱を期して臨んだ日本のスピードスケート、“心と技術”を鍛え上げ、500mでは、小平奈緒選手が女性として初の金メダルを獲得した。また、個の力では劣るものの、組織力を活かして強豪・オランダを破って世界一に輝いた「女子団体パシュート」。番組では、これまで蓄積してきた密着取材映像と選手の単独インタビューを織り交ぜ、金メダル獲得までの苦闘の舞台裏に迫る。
やらなきゃならないのにどうすればよいのかわからない「働き方改革」。この大難問に“忖度なし、遠慮なし、利害関係なし”の「AIひろし」が再び立ち向かう! NHKが独自に開発したAI(人工知能)を駆使して、日本が直面する課題の解決策を探るシリーズ、「AIに聞いてみた」。去年7月の第1回では、AIの分析結果から導かれた歯に衣着せぬ提言とマツコ・デラックス、有働由美子アナとの真っ向勝負が大きな話題となった。 第2回は、今話題沸騰の「働き方」がテーマ。「長時間労働をどう防ぐか」「どうやったら仕事の効率が上がるのか」・・・国会で、企業で、はたまた家庭で、侃々諤々の議論が巻き起こる働き方改革だが、なかなか根本的な解決策がない、まさに「どうすんのよ!?」状態。その難問に対する答えをはじき出すため「AIひろし」が格段にパワーアップ。人類の英知が詰まった学術論文5000万本、そしてニュース原稿250万件を学習。さらに、働き方に関する個人データをのべ21万人分投入して働き方を丸裸に。最新のセンサー機器を用いた実験も敢行。ある会社の全社員を2か月間完全密着。そこから導かれたのは、驚きの提言の数々だった!
海から5キロほど離れた宮城県石巻市内のある地区。ここに去年10月、およそ70人の犠牲者を悼む新たな慰霊碑が建てられた。海から離れたこの内陸の集落でなぜ、これほど多くの人が亡くなったのか…。最新の研究によると、深刻な被害をもたらしたのは「河川を遡上した津波」だったことがわかってきた。この地区のそばを流れる川の堤防が決壊し、集落に甚大な犠牲をもたらしたのだ。あの日、「河川津波」は、海が見えない内陸のまち、いわば“死角”を次々と襲い、多くの犠牲者をだした。宮城県多賀城市では、都市に入り込んだ「河川津波」の恐ろしさも見えてきた。陸より速くまちに進入し、海を背に避難しようとした人たちの前に突如として出現。その後、海からの津波と合流し、コンクリートの建物や道路の間を流れて複雑な動きとなり、四方八方から人々を襲ったのだ。さらに、分析を進めると全国各地に同様の“死角”が数多く存在することがわかってきた。南海トラフ地震のシミュレーションでは、河川が街中に入り組む大阪府で、最大で13万人が犠牲になるという結果が出て、急ピッチで対策が進められている。番組では、当時の証言や映像によって「河川津波」を再現。今後、大きな被害をもたらすおそれがある「死角」を明らかにし、警鐘を鳴らす。
東京電力福島第一原子力発電所の事故によって放射性物質で汚染された区域はこの先どうなっていくのか?2016年3月に放送した「被曝の森~原発事故5年目の記録~」では、急速に家々を覆っていく植物や、昼間から住宅地に出現するイノシシなど、無人の町が野生に侵食されつつある衝撃の実態を明らかにした。放射性物質の生物影響に関する様々な研究報告も伝え、低線量被曝の謎に迫った。今回の番組はその続編。 去年の春、被災地は新たな局面を迎えた。国による計画除染が終わり、広い範囲で一斉に避難指示が解除された一方で、山間部を中心に「帰還困難区域」として取り残される地域が生まれたのだ。その面積は340km2(東京23区の約半分)。対象となる住民は2万4千人に及ぶ。そうした「帰還困難区域」で、放射性物質はどのような影響をもたらしているのか?科学者による研究は、より深く、より多角化している。これまで調査されてこなかった高線量の森に踏み込み、生態系の中で放射性物質がどのように移動・残留しているのか、解明が進んでいる。科学者たちの挑戦や住民の思いを追いながら、その実態を記録する。
「死にたい。将来は夢も希望もない」「わたしは無感情人間だった。悲しいと言えなかった…」 津波で家族を失った子どもたちが、震災から7年経った今になって悲鳴を上げている。あの日、釜石で被災した当時3歳の女の子。津波から逃げる際に飲み込まれる家屋や遺体を目撃、さらに家族3人を亡くした。壮絶な体験をひとり抱えてきた震災後のある日、耐えきれず感情が爆発。体調不良を訴え不登校になった。10歳になった今になって、誰にも言えなかった体験やつらい気持ちをポツリポツリと語り始めている。被災地で、津波で家族を亡くした子どもは1800人近く。心身の不調を訴える子どもは後を絶たず、宮城県では不登校率が全国最悪レベルだ。こうした子どもたちは心の専門病院やNPOに駆け込んでいる。治療やケアを受け、親にも打ち明けられなかったトラウマ体験や気持ちを言葉で表現することで震災を受け止めようともがいているのだ。番組では支援の現場に密着、語り始めた「言葉」から最大の被災弱者とされる子どもたちが抱えてきた葛藤を見つめる。
東日本大震災から7年。被災地では、32兆円の巨額を投じて進む復興事業によって、かさあげが進み、仮設住宅から移り住む災害公営住宅もほぼ全てが完成。津波の被災地について政府は「復興の総仕上げ」の段階にあるとしている。そして、原発事故で被害を受けた福島では、大規模な除染が行われ、7割の地域で避難指示が解除された。しかし、今、被災地では想像を超えた事態が起きている。“終のすみか”のはずの災害公営住宅では、体調を崩し孤立する高齢者が相次ぎ、働き盛りの世代も生計をたてられずに苦悩を深める。かさ上げした新たな街では、住民が戻らず、使う予定がたたない“空き地”が広がる未来が見え始め、人を呼び込むために新たに税金が投入されている。福島では自治体が「学校再開」を急ぐが、子どものいる若い世代の帰還は進まず、前途多難な状況が続いている。今回、私たちは宮城・岩手・福島の三県で2000人に迫る大規模な被災者アンケートを実施、被災地の今をルポしながら、震災7年の課題を徹底取材する。被災地の復興は、過疎化が進み新たな災害と向き合う全国にとってのモデルとなるのか。震災直後から被災地に入り取材を重ねてきた大越健介キャスターが各地を訪ね“復興”のあるべき姿を考えていく。
世界最悪レベルとなった東京電力福島第一原子力発電所の事故から7年。事故がなぜ、どのように起きたのか、今もなお謎が残されている。独自の取材と専門家による科学的検証を重ね、事故の真相に迫り続けてきたシリーズ「メルトダウン」。今回は、人工知能AIも使って、現場で人々がどう行動し何が起きたのか、ヒューマンファクターに迫る。 3つの原子炉がメルトダウンした後も続いていた放射性物質の放出。東北地方だけでなく、一部は東京や千葉など関東地方にも届いた。なぜ放出は止まらなかったのか。一連の事故対応を記録したテレビ会議の発言や国や東京電力の間でやりとりされた数万枚のFAXなど、膨大な記録を読み解いていくと、新たな事実が浮かび上がってきた。想定外の事態が次々と発生したときに、人間は何に直面するのか、当時の現場をドラマで再現する。福島第一原発で進行した危機の実態を解明し、今に突きつけられた課題を探る。
体中の臓器がお互いに情報を交換することで私たちの体は成り立っている。そんな新しい「人体観」を、最先端の電子顕微鏡映像やコンピューターグラフィックスを駆使して伝える、シリーズ「人体」。第6集のテーマは“生命誕生”だ。母親の胎内で赤ちゃんはどうやって成長していくのか。実は、たった一つの受精卵が赤ちゃんに育つプロセスこそ、細胞が発する“メッセージ物質”が大活躍する舞台であることが最先端の研究で分かってきた。最初に生まれる臓器は心臓。その後、細胞同士が次々とメッセージ物質を交わしながら、ひとりでに体が作られていく神秘的な様子が浮かび上がってきたのだ。さらに、胎内の赤ちゃんがメッセージ物質を使って、母親とまるで会話をするように情報をやりとりしていることも明らかに。いま、こうした胎内のメカニズムに学び、人工の臓器を作る研究も加速している。これまでほとんど知られていなかった生命誕生の壮大なドラマに迫る。
「人体」のフィナーレを飾る第7集は、これまで困難だったがんや心疾患などの病気の治療に挑む科学者たちの最前線に迫る。臓器同士がメッセージ物質を使って会話を繰り広げる人体の巨大ネットワーク。その研究において今最も注目されているのが、「エクソソーム」と呼ばれる1万分の1ミリほどの小さなカプセル。体中のあらゆる細胞が放出するこのカプセルには、様々な機能を持つメッセージが大量に詰め込まれていて、私たちの健康や命を守る重要な役割を果たしている。一方でがん細胞もエクソソームを分泌しており、血管細胞に働きかけて酸素や栄養を供給させたり、免疫細胞を手なずけて攻撃を止めさせたりするなど、自らの増殖のために巧みに利用していることが分かってきた。そして今、医療の現場では、エクソソームなどのメッセージ物質をコントロールすることで、がんの転移を押さえ込んだり、傷ついた心筋細胞を再生したりするなど従来は不可能だった新たな治療法の開発が急ピッチで進んでいる。メッセージ物質を駆使した医療のパラダイムシフト。世界初公開の顕微鏡映像や迫力のCGを駆使して、健康長寿への最新の挑戦を伝える。
気づかぬうちに私たちの健康をむしばむ危険に警鐘を鳴らす「○○が危ない」シリーズの第4弾。今回のテーマは「毛細血管」。「末端の細い血管」くらいにしか考えられていなかったが、最近になって、身体活動の根幹を担う、極めて重要な存在であると注目されるようになってきた。 毛細血管の役割は、臓器や組織、細胞の1つ1つにまで酸素や栄養を届けること。途中で漏れが生じ、血液の通っていない毛細血管が増えると、深刻な病や老化の大きな原因になることが判明したのだ。専門家はこの状態を“ゴースト血管”と名付け、対策を呼びかける。 ゴースト血管によってリスクが高まる病気は、認知症、骨粗鬆症、冷え性など、枚挙にいとまがない。さらに病気を治療するための薬の効き目も悪くなるという。また、ゴースト血管は美容にも大きく影響する。シワやたるみといったお肌の乱れの大きな原因になるのだ。 番組では、バイオイメージングという最新技術でとらえた毛細血管の映像やCGを駆使して、病気や老化につながるメカニズムを紹介すると共に、予防のための対策法もしっかりと伝える。 今回も、HP・データ放送による双方向リスクチェックや、ツイッターなどを通じて寄せられた疑問・質問に専門家が答えるといった、「視聴者参加型生放送」でお送りする。
探検するツタンカーメン王の墓は、およそ100年前に発掘された当時の姿そのままに再現したもの。封印された墓の入り口を開け、一歩一歩奥に進み、黄金のマスクを探していく。墓は一体どんな構造?次々と出てくる目もくらむような秘宝にはどんな物語が?自分が実際に探検しているようなワクワク感と驚き、感動の世界が広がる…。また、ツタンカーメンのミイラの異様な黒さや、黄金のマスクの神秘の輝きの秘密に、科学の力で迫る。
「ある日、突然、我が子がいなくなった」。今、突然“失踪”する若者が相次いでいる。警察庁によると、1年間に全国で行方不明となる人は約8万人、4割を『10代、20代の若年層』が占め、年間3万人を超えている。取材班は、失踪した我が子を探す家族を取材。さらに、若者にSNSで相談にのるNPOの協力も得ながら失踪した若者たちへの接触を試み、その過程を記録する。取材からは、SNS上に「裏アカウント(裏アカ)」をいくつも持ち、親や友達さえも知らない“匿名”で「本当の自分」をさらけ出し、見ず知らずの人間と簡単に接点をもっていく、新たな“失踪空間”の実態が見えてきている。さらに番組では、若者を対象にした大規模アンケートを実施、親が知らない若者たちの実像にも迫る。9人の若者の命が奪われた座間の遺体遺棄事件を受け、今年3月、国はSNSで若者の相談にのる団体の支援に乗り出した。いつ何時、犯罪に巻き込まれるか分からない若者たち。これまでの“家出”とは異なり、若者が次々と姿を消していく新たな“失踪社会”の実態を追跡する。
か弱いアフリカの生き物に過ぎなかったサルが、なぜ700万年の間にヒトへと進化できたのか?驚きと謎に満ちた人類進化の壮大な物語を、最新科学で解き明かす3回シリーズ。人類が進化の階段を上るときに起きた重大な場面を、実写と見まがう超高精細なCGでドラマ化。あたかも人類の「偉大な旅=グレートジャーニー」に同行し、進化の一場面を目撃したかのような視聴体験をお届けする。 第1集は、ヒトが生まれるまでの“奇跡”。440万年前のアフリカに、二本足で歩き始めた奇妙な生き物がいた。サルと人の特徴を合わせ持ったこの生き物の登場こそ、人類進化の壮大な物語の始まりだ。いったい何のために二足歩行を始めたのか?最新の研究が明らかにした理由は、家族を守るためだったという。実は、ヒトに至る人類の進化は常に絶滅と隣り合わせの過酷な道程だった。次々と迫り来る危機をいかにして乗り越え、進化の階段を上がったのか?ヒトに至るまでの幸運と偶然に満ちたドラマを描く。
北朝鮮の最高指導者・金正恩委員長が突如動き始めた。南北首脳会談の決定や、中国の電撃訪問、そして史上初の米朝首脳会談の行方に世界の注目が集まっている。核・ミサイル開発など強硬な姿勢を貫いてきた金正恩氏が、一転、対話と外交に打って出たのはなぜか?知られざる“野望”に「3回のシリーズ」で迫っていく。第1集は、謎に包まれた金正恩氏の“実像”と、若きリーダーの“国家支配”の謎に迫る。金正恩氏が政権について6年。急激に外交に動き出すまで、北朝鮮の中枢で一体何をしていたのか?何の実績もなく、急にトップの座についた若き金正恩氏が、どのように国内を統治できたのか。直接正恩氏に会った人々や、政権に仕えた元幹部たちが、その内幕を明かした。さらにNHKは金正恩時代の最新の北朝鮮の内部映像を入手。そこから、意外な“統治の秘密”が浮かび上がってきた。そして6年間、金委員長が発した膨大な指示・発言などを人工知能で分析。“禁断の実像”に迫っていく。
なぜ度重なる経済制裁の中、北朝鮮は高度な核・ミサイル開発を可能としてきたのか。なぜ金正恩政権は盤石を維持し、国内支配を続けられるのか。シリーズ第2集は、金正恩委員長を支える北朝鮮マネーの謎に迫る。カギを握るのが、金正恩氏の影で暗躍する“秘密機関”「39号室」。世界中に外貨獲得のルートを持ち、常に経済制裁を回避する方策を模索、武器や麻薬など違法な取引にも関わっていると指摘されてきた。今回NHKは、39号室の内実を知る元関係者など “闇の金庫番”たちの長時間インタビューに成功。知られざる外貨獲得の秘密が明らかになった。さらにキム・ファミリーの権力掌握の背後で、どうカネの力が動いていたのか、そして金正恩氏は39号室が集めた莫大な資金を、一体何に使っているのか、ベールに包まれた北朝鮮マネーの実態を紐解いていく。
金正恩委員長は本当に「非核化」の意志があるのか―。核・ミサイル開発を追求し、強硬姿勢で世界を揺さぶってきた金正恩委員長が、一転「対話」に向けて動き始めた。史上初の米朝首脳会談の行方や、その先の展開を、世界が固唾をのんで見守っている。第3集は、外交戦略に乗り出した金正恩氏の胸の内にある“世界戦略”の謎に迫っていく。北朝鮮外交に関わってきた世界の第一人者、核・ミサイル開発の専門家と共に、金正恩が語る「非核化」の真意と、対話の先にある“ロードマップ”を徹底検証。さらに、北朝鮮で密かに進められてきたとされる“新型サイバー攻撃”の存在や、これまでのリーダーがなし得なかった急速な武器開発の謎など、金正恩時代の深部に独自取材で迫る。果たして金正恩氏は、次にどんな一手を考え、どこに向かおうしているのか―。
2020年のオリンピック・パラリンピックを前に、国内外から熱い注目を集める東京。そのルーツの町「江戸」をめぐり、新たな発見や研究が相次いでいる。150年前、1868年にその名を失った“日本史上最大のロスト・シティー”江戸。その知られざる姿を、ドキュメンタリーやドラマ、高精細のCGなど、多彩な演出で描く3回シリーズ。 第1集は、巨大都市建設の物語。小さな田舎町だった江戸は、徳川家康が幕府を開いてから100年ほどで、世界最多100万の人口を抱える大都市に成長した。その原動力はどこにあったのか? 最近、江戸初期の都市計画を描いた最古の図面や、幕末期の江戸を写した写真が見つかるなど新たな発見が相次ぎ、その変遷が詳しく分かってきた。江戸は、水を駆使して造り上げた、世界に類をみないユニークな都市だった。巨大な“水の都”江戸誕生の秘密に迫る。
憲法施行から71年。“現在”と同じように憲法改正をめぐる国民的議論が交わされた時代が、これまでに“1度”だけあった。GHQが憲法制定についての公式報告書を刊行した1949年から、政府の「憲法調査会」が憲法改正を棚上げする報告書を提出した1964年までの15年間である。今回、NHKはこの間に交わされた憲法論議に関する様々な一次資料を大量に発掘した。そこから見えてきたものは何か――。 発掘した様々な一次資料や当事者たちの貴重な証言から、この15年間の憲法論議に「現在の論点」が凝縮されていることが明らかになってきた。現在と同じく、現行憲法が「押しつけ」か否かという議論を経て「9条」「自衛隊」をどう取り扱うかに収斂されていくのである。番組では、知られざる15年の攻防を多角的に検証し、憲法をめぐる日本人の模索を見つめていく。
「憲法」をめぐり、与野党で議論が続いている。 3月に「自衛隊の明記」など4つの項目で改正の具体的な方向性を示した自民党は、改正案を国会の憲法審査会に示したいとしている。 憲法をめぐる議論へのスタンスは、各党それぞれで、国会で各党による憲法改正の議論が進むのか、注目されている。 私たちは、憲法をめぐる議論にどう向き合えば良いのか。 また、憲法をめぐる見解の違いはどのような考え方の違いに根ざしているのか。 憲法記念日の夜、番組では各党の代表者がスタジオに集結。 視聴者から寄せられたご意見を交えながら、生放送で憲法をめぐる論点を徹底討論する。
大自然のスペクタクルを極上の映像で描いた「プラネットアースⅡ」。その海編となるのが「ブループラネット」だ。近年、水中撮影の技術は飛躍的に進歩した。最新の呼吸装置は潜水時間を5倍以上に延ばすだけでなく、泡の音で生き物たちを脅かすことなく決定的瞬間をとらえることができるようになった。さらにカメラの小型化は、サメやクジラなどの背中に取り付け、彼らの目線で海の世界を撮影することをも可能にした。このシリーズは、4年をかけて海を隅々まで撮影した記録。生きものたちの知られざる姿を斬新な映像で、次から次へと紹介していく。 第1集の舞台は、陸から遠く離れた大海原。ここは、栄養分が少なく食べ物がほとんどない厳しい環境。“青い砂漠”とも呼ばれている。生きものたちは限られたチャンスを確実にものにしなければならない。太平洋に現れたイワシの群れに集まる何千頭ものイルカやマグロ。大西洋の真ん中で死んだクジラに群がるサメたち。そして、冬の極北の海ではシャチの群れがチームワークでニシンの群れをとらえる。大海原で起きるスペクタクルを、迫力満点の映像で描く。
前代未聞、史上最大の“580億円分”の仮想通貨が交換会社から流出した事件。仮想通貨の普及を図る国際団体「NEM財団」は、流出した仮想通貨NEMに目印をつけて追跡を続けていたが、先月、追跡を停止したことを発表した。犯人側は匿名性の高いダークウェブを介して、巨額のNEMをビットコインなど、別の仮想通貨に交換。もはや犯人側の“勝利”かと思われた・・・。しかし、警察や財団とは別に、独自に犯人を追跡しているITのスペシャリスト「ホワイトハッカー」たちは諦めていなかった。「こうした事件を放置すると仮想通貨の未来が揺らぐ」という信念の元、各国のホワイトハッカーが犯人包囲網を構築し、交換後も追跡が可能な“独自のプログラム”を開発し、交換に関わった人物から情報を集めるなど、サイバー空間を舞台に一進一退の追跡劇が続いているのだ。果たして犯人は何者なのか?知られざるハッカーたちの攻防に密着する。
およそ20万年前に生まれたホモ・サピエンスは、アフリカを旅立ち中東へと足を踏み入れた。そこで待っていたのは、別種の人類ネアンデルタール人との出会い。最新のDNA解析により、ネアンデルタール人とホモ・サピエンスが交配していたことが判明。さらに彼らから獲得した遺伝子が、私たちの進化に大きく貢献したことも分かってきた。屈強な体を武器に、大型の獲物を仕留めるハンターだったネアンデルタール人。しかし、不思議なことに1万数千年後にはネアンデルタール人は絶滅してしまう。生き残ったのは、華奢な体のサピエンスだった。なぜ私たちの祖先だけが生き残ることができたのか?カギを握っていたのは、ホモ・サピエンスの「弱さ」と、それを補うために進化させた、ある力だった。ネアンデルタール人とホモ・サピエンスがヨーロッパで繰り広げた大逆転劇。その全貌を明らかにする。
国の機関が安全保障を目的に大量の情報を収集する諜報活動。諜報員や工作員によるスパイ行為、盗聴や暗号解読のための電波・通信の傍受、さらには、インターネット空間へと、各国の諜報活動は肥大化の一途をたどっている。今回、NHKはアメリカの諜報機関、国家安全保障局・NSAの最高機密ファイルを入手。そこから、これまで秘密のベールに包まれてきた日本の諜報活動の一端が見えてきた。アメリカ軍も一切明かしていないある諜報作戦に日本が組み込まれたという記述、最先端のネット諜報に日本が乗り出していたことも記されていた。緊迫する国際情勢の舞台裏で、日本の諜報機関はどんな役割を担い、どのような活動をしているのか。アメリカの最高機密ファイルから見えた日本の諜報。その知られざる実態に迫る。
人口減少がもたらす過酷な現実を映し出し、反響を呼んだNスペ「縮小ニッポンの衝撃」の放送から1年半。さらなる衝撃の未来図が見えてきた――労働力不足だ。約30年後には人口1億に迫る日本。生産年齢人口(15-64才)はピーク時と比べ3500万人減少する。その時、誰が社会を支えるのか?鍵の一つが高齢者だ。「一億総活躍」が叫ばれる今、会員数73万人・平均年齢72歳のシルバー人材センターでは派遣労働が年5割のペースで拡大している。宅配、保育補助、調理、送迎、配車などあらゆる分野で戦力となり、フルタイムで働くことも可能に。変貌するシルバーの実態が全国調査で明らかに。もう一つの鍵が外国人だ。東京の中心部で進む大規模開発では外国人が現場を仕切り欠かせぬ存在となっている。しかし、見通しは楽観できない。現在、最大の労働力供給源となっているベトナムでは、台湾、韓国、欧州各国などとの熾烈な争奪戦が起きている。AIやロボットによる代替策は?日本は生き残れるのか?徹底ルポで迫る。
世界から注目を集めた「史上初の米朝首脳会談」が、突然中止となり衝撃が走った。一体何があったのか? “歴史的会談”の行方はどうなるのか? 核実験場の爆破を公開し、「非核化」に向けた姿勢を世界にアピールした北朝鮮。だがその直後、アメリカ、トランプ大統領は米朝会談の中止を通告した。背景には、会談に向けた準備に関わる“約束の反故”など様々な要因が見え隠れする。また、会談が近くなるにつれ敵対的な姿勢を強めていた北朝鮮と金正恩委員長の思惑とは。番組では、中止を決定したアメリカ、それを受けた北朝鮮の戦略について緊急取材。水面下で繰り広げられている「駆け引き」の実態と、今後の展開について徹底検証する。
今、働き盛りのはずの40代・50代に異変が起きている。長期間、働けずにいる労働者が急増しているのだ。彼らは求職活動をしていないため、雇用統計の「失業者」に反映されず、労働市場から“消えた”状態だ。こうした人は先進各国でも増加し、欧米の社会学者は「ミッシング・ワーカー」として問題視している。日本では、40代・50代の「失業者」の数は72万人。一方、専門家の推計で「ミッシング・ワーカー」は103万人に上る。背景には、非正規労働の急増がある。非正規労働者は転職を繰り返すうちに、低賃金かつ劣悪な仕事しかなくなり、転職に失敗すると、八方ふさがりの状況に陥る。中高年になると病気や親の介護など、様々なことから転職につまずき、その結果、労働市場から排除された状態が長く続き、「ミッシング・ワーカー」となってしまうのだ。さらに深刻なのは、独身中高年が増えていることだ。40代・50代の独身中高年は、650万人。親の年金などに依存していると「消えた労働者」の問題が見えにくく、支援が行き届かないまま事態が深刻化するケースが続出している。番組では、「ミッシング・ワーカー」の実態に密着ルポで迫るとともに、解決の糸口を探る。
青い海で繰り広げられる命の物語を、極上の映像で描く「ブループラネット」。第2集は、「海の巨大都市」。海には人が暮らす都市のように命ひしめく場所がある。熱帯に広がるサンゴ礁。海のわずか0.1パーセントの面積だが、海洋生物の25%の種類が住む。一見、豊かで過ごしやすそうだが、混雑している上、食べ物や住処、繁殖を巡る争いが絶えない。最新の研究で、住人たちは意外な知恵と工夫で都市を生き抜いていることがわかってきた。なんとタコと魚がコンビを組み協同してハンティングを行う。クマノミの家族は音でコミュニケーションをとりながら、力をあわせてマイホームを築く。温帯の浅瀬には高層ビル街が並ぶ都市がある。長さ60メートルに及ぶ巨大海藻の森だ。そこではアシカや魚の群れが海藻の間を行き交う。住人たちを狙うサメや海藻を食い荒らすウニが徘徊。ならず者から身を回るタコの隠遁の術や、ウニを始末するラッコや魚の戦いに密着。海の巨大都市で、住人たちが繰り広げる驚きのシティライフに迫る。
2020年のオリンピック・パラリンピックを前に、国内外から熱い注目を集める東京。そのルーツの町「江戸」をめぐり、新たな発見や研究が相次いでいる。150年前、1868年にその名を失った“日本史上最大のロスト・シティー”江戸。その知られざる姿を、ドキュメンタリーやドラマ、高精細のCGなど、多彩な演出で描く3回シリーズ。 第2集は経済発展の物語。去年、江戸中期の経済成長率が、同時期の世界トップクラスだったことが判明した。いわゆる「鎖国」をしていた日本で、著しい経済発展を支えたのは何であったのか?その謎を読み解くカギが、江戸一番の商業地だった日本橋に眠っていた。老舗の商家に保管されていた160年の記録から浮かび上がってきたのは、激動の江戸経済の実態や、世界に先駆けた商いの仕組み、そして厳しい競争社会の中で生まれた独自のセーフティネットだった。
4月、ワールドカップ開幕を2か月後に控えたサッカー日本代表に激震が走った。ハリルホジッチ監督との契約を解除。日本サッカー協会が明かしたその理由は、衝撃的だった。「チーム内で信頼関係が欠如」「監督が求める高いレベルに選手がついていけなかった」。選手個々の実力不足を認め、チームがバラバラになっていたと明かしたのだ。4月に発表された世界ランキングは18年ぶりに60位台に転落。代表戦では空席が目立ち、視聴率も低迷するなど人気が急落している。もしワールドカップで惨敗すれば、“サッカー離れ”が一気に加速する恐れがある。初出場のフランス大会から節目の20年。今大会は、日本サッカーの浮沈を賭けた、“分水嶺”となる。いま「日本代表」に何が起こっているのか、そして実質3週間という短期間で、“どん底”からどのように這い上がろうとしているのか。監督、スタッフ、選手に密着し、さまよい続ける日本代表の真実を追う。
6度目のワールドカップ出場を決め、世界的なリーグで活躍する選手を次々と輩出する様になった日本。しかし、30年以上前から日本サッカーにとって課題は変わっていない。それは「得点力不足」。日本には試合を決める“絶対的なストライカー”が不足しているのだ。ロシア大会で日本が対戦する3か国には、奇しくもその課題に「1人」で答えを出せる、圧倒的な得点力を備えたストライカーが集まった。ポーランドのレバンドフスキ。コロンビアのファルカオ。セネガルのマネだ。いずれも圧倒的な身体能力、ゴールへの鋭い臭覚、強靱なメンタルを兼ね備えた世界有数のストライカーだ。長年日本に現れないストライカー達はどのようにして生まれたのか…。番組では対戦国を訪ね歩き、彼らの歩んだ半生や、背負っているもの、国民の期待などをひもといていく。さらにそのスーパープレーも徹底解剖。日本が初戦を迎える直前、対戦国のストライカーに迫り、日本に足りないものを考えていく。
2020年のオリンピック・パラリンピックを前に、東京のルーツ「江戸」をめぐる新たな発見や研究が相次いでいる。150年前にその名を失った“日本史上最大のロスト・シティー”江戸の知られざる姿を、ドキュメンタリーやドラマ、高精細CGなど、多彩な演出で描く3回シリーズ。 最終回の第3集は、大火災と格闘した江戸っ子たちの物語。去年、東京駅近くの工事現場から、江戸時代265年の地層が初めて一度に出土した。そこには、大火の跡「火災層」が幾層も残されていた。最新研究から、江戸は3年に一度の割合で大火に襲われる、“世界最悪の火災の町”だったことが判明。さらに、竜巻のような炎「火災旋風」が猛威を振るっていたことも分かった。 江戸の人々は、この災厄の町とどう向き合い、どのようにして復興を成し遂げていたのか? 番組では、大火後の江戸の大改造や防災対策の成果を、最新のシミュレーションで検証。さらに、江戸の町人たちが生んだ、「町火消」をはじめとする画期的な仕組みを明らかにする。
ワールドカップロシア大会で躍進を続けるサッカー日本代表。世界ランキング61位、ここ20年で最低に位置するチームは、大方の予想を覆し、2大会ぶりとなる決勝トーナメント進出を決めた。4月にハリルホジッチ前監督が契約解除され、実質30日という短期間でのチーム作りを強いられた西野朗新監督。前監督が志向した「縦に速い攻撃」と、従来日本が得意としてきた「パスサッカー」とを使い分け、強豪相手に真っ向勝負を挑み結果を出した。決勝トーナメント1回戦で待ち受けるのは、世界ランキング3位のベルギー。1次リーグで3試合9点を奪った攻撃を売りとする強豪だ。過去2回は、1回戦の厚い壁に跳ね返された日本。キックオフまで5時間。日本に勝機はあるのか?番組では、日本の1次リーグの戦いぶりを様々なデータや証言で解析。スタジオに招いた識者やW杯出場経験のある選手たちとともに、日本サッカーの金字塔となる「史上初ベスト8」進出をかけた大一番の勝利の可能性を徹底分析する。
大海原で繰り広げられる生きものたちのスペクタクルを極上の映像で描く「ブループラネット」。第3集は、陸と海が出会う「海岸」。ここは潮の満ち干や波の浸食など、海の中で最も激しい変化にさらされる場所。熱帯から極地まで、その景観は実に多彩だ。潮の満ち干に応じて、陸と海の環境が交互に現れる「岩場」。陸に暮らすカニと海の住人・ウツボが、波打ち際で交錯し命をせめぎ合う。柔らかな砂のクッションで生きものたちを優しく迎える「砂浜」。海鳥、アジサシの貴重な繁殖場所となる一方、海面を飛び出し、その命を空中で襲う凶暴な魚をも呼び寄せる。そして、荒波が削り出した「断崖」。陸の天敵が近づくことのできない険しい地形を利用して子育をするのが海鳥のパフィンやウミガラス。眼下に広がる海に潜り、ヒナのために魚を捕らえるが、巣穴のある断崖へと戻る道中には、獲物の横取りを狙うトウゾクカモメが待ち構えている。世界中の海岸を舞台に繰り広げられる、海と陸の生きものたちの壮絶な命の営みに迫る。
「地下鉄サリン事件」を始め、戦後類を見ない数々の凶悪事件を引き起こしたオウム真理教。教祖・麻原彰晃(本名 松本智津夫)死刑囚はじめ全国各地の拘置所に収容されていた13人の死刑囚のうち、7人の死刑が執行された。 社会に疑問を感じ、深い悩みを抱えて入信したエリート達は、一線を超えて凶悪犯罪に手を染めた。17の事件で罪に問われた麻原は事件の関与を認めず、裁判の途中から沈黙し、結局真相を語らぬままだった。そして13人の死刑が確定したにも関わらず、今も様々な謎と課題は残されたままだ。 いったいなぜ、オウムは暴走し、社会の壊滅をもくろんだのか。そして、歴史的事件の裁判で、なぜ麻原は沈黙し、多くの謎を今に積み残してしまったのかー。 NHKは、麻原の言葉を記した極秘資料や、音声テープを独自に入手。そこには、弟子や事件について、詳細に語る教祖の姿が記録されていた。 番組では、20年以上に渡って問われ続けてきた“オウム暴走”の答えに、独自入手した極秘資料や、死刑囚の手紙をもとに迫る。
平成に入って最悪の被害となった西日本豪雨。突きつけられたのは、もはや「数十年に1度」という言葉では収まらないほど“異常”が常態化した気象の姿と、これまでの対策では被害は抑えられないという現実だ。岡山県倉敷市真備町では、町の広い範囲が短い時間で浸水し、被害の全体像が掴めない状況が続いた。ようやく水が引いた後の取材や専門家の調査から、水が流れ込むと、排水が進まない地形で起きる「長期湛水」が被害拡大の背景にあることが浮かび上がってきた。広島や愛媛などで相次いだ土砂災害は、かつてない「広範囲」「同時多発」で発生。ライフラインを寸断し、避難も救援もままならない状況を引き起こした。豪雨被害が、いつどこでも起きうる時代に、命をどう守っていくのか。差し迫った事態に直面したとき、どのように避難するべきか。被害地域への緊急取材と検証から、改めて考える。
私たちヒト=ホモ・サピエンスの人口は、今や世界に76億。地球上のあらゆるところに生息し、生物史上、類を見ないほどの大繁栄を遂げている。かつてホモ・サピエンスより前に、生息域を広げ始めた人類たちもいたが、世界中に拡散することは出来なかった。なぜ、サピエンスだけが世界中に生息域を広げることが出来たのか?実は、その謎を解くカギが日本にあった! およそ8万年前、誕生の地・アフリカを出て、世界へと拡散を始めたホモ・サピエンス。大きな障壁となったのが、大海原と極寒の大地だ。日本へ至る道は、大海原を渡るルートと、極寒の大地を越える北ルートのいずれか。つまり日本は、当時の地球上で「最も到達困難な場所」だったのだ。 ホモ・サピエンスは、進化の中で獲得した能力に磨きをかけることで、この快挙を成し遂げた。日本への旅によって、強く、たくましく、そして賢くなっていったのだ。その後、地球上のあらゆる場所に進出し、数を増やすことができたのは、日本列島への道のりで見せたような、困難を乗り越える力をホモ・サピエンスが持っていたからだった。 ホモ・サピエンスが日本に到達するまでの、はるかなる旅を追い、障壁を乗り越えた能力に迫りつつ、今や地球の覇者となった私たちホモ・サピエンスの、進化の行く末を見据えて行く。シリーズの最終回。
相模原市の津久井やまゆり園で、重度の知的障害者19人が殺害され、27人が重軽傷を負った事件から7月26日で2年になる。「意思疎通できない障害者は不幸しかもたらさない」。植松聖被告が語った動機は社会に大きな衝撃を与えた。 いま、植松被告に直接向き合うことで、事件を乗り越えようとしている人たちが相次いでいる。重度の知的障害のある娘を育ててきた学者や、福祉を志す女子学生など・・・。それぞれが植松被告と、接見や手紙のやりとりをしながら事件と向き合おうとしている。 さらに、事件が福祉の現場に突きつけた重い課題を乗り越えようと、実際に行動を起こし始めた人たちもいる。NHKでは、やまゆり園の入所者や家族を事件直後から取材。“見えにくかった”障害者の意思を丹念にくみ取り、本人が望む日常生活を送れるようにしようと、新たな取り組みを始めている。 “戦後最悪の大量殺傷事件”の教訓をどう受け止め、未来につないでいけばよいのか。被害者や家族、そして事件と向き合った人たちの2年を記録し、きれい事ではない本当の意味での共生とは何か、考えていきたい。
経済成長とともに、人々の権利意識が高まる中国。習近平指導部は発足以来「法治」の徹底を掲げ、法に基づいて人々の利害の対立を処理し、社会の安定を図ろうとしている。その一方で、共産党支配に悪影響を与えるとみなされた人々への締め付けはかつてなく強まっているとも指摘されている。番組では、習近平指導部が推進する「法治」の現場を取材。そこから浮かび上がる中国社会の光と影を見つめる。
男性の精子に危機が迫っている。「受精して、妊娠を成功させる力」(精子力)が衰えているというのだ。去年発表された調査結果では、欧米人の精子の数が40年で半減。別の調査では、日本人の精子の数は欧州4カ国と比較して最低レベルだった。数の問題だけではない。「動きが悪く、卵子までたどり着けない」「DNAが傷ついており、自然妊娠しにくい」などと指摘されるケースも多いという。 しかも、こうした“精子力”の衰えは、不妊のリスクだけでなく、様々な病気のリスクを暗示しているという指摘もある。何が原因なのか?これまでも化学部質の影響などが指摘されてきたが、身近な生活習慣も“精子力”に大きな影響をもたらすことが分かってきた。一方で“精子力”は、個人の努力で改善できる場合も多いという。 精子力アップの秘訣は?番組では専門家がポイントを解説する。
天才物理学者アルバート・アインシュタイン。その類いまれな知性はどのようにして生まれたのか、最新の脳科学からその一端が見えてきた! アインシュタインの脳は、1955年の死後密かに解剖されたが、今どこに存在しているのか、詳しくは分かっていない。今回番組では、新たに発見した手がかりをもとに、日本、アメリカ、カナダ、アルゼンチンなど世界各地を取材。辿りついたのは、切断された100以上もの脳片を持つ人物、解剖時に撮影された数百枚の写真、そして、アインシュタインの脳を手にしたことで数奇な人生を辿ることになった研究者たちの姿だった。番組では、研究者たちの協力を得て、アインシュタインの脳を初めて3DCG化、さらに、相対性理論などを生み出した20代の頃の脳を再現することに成功した。アインシュタインの脳を世界に探し求めるロードムービーと最新の脳科学で、知られざる天才脳の秘密に迫る。
日本全国を2ヶ月ごとに興行しながら旅するサーカス団「ハッピードリームサーカス」。総勢50人の一座の中に、パフォーマーのコロンビア人男性と日本人女性の夫婦がいる。ふたりの間には、10人の子供がおり、まもなく11人目の子供が生まれる。一家は、サーカステントの裏に、トレーラーハウスを並べ暮らしている。四男の嵐君は、小学校6年生ながら一座の人気者。「イカリオス」という、寝そべる大人の足裏に乗って風車のように回る大技は、最も観客をわかせるパフォーマンスの一つだ。しかし、まだ11歳。2ヶ月ごとの転校はつらい。ようやく学校になじみ、友だちができたころには別れが待っている。 番組では、一座が、大阪から山口に移動する7月、サーカス家族に密着する。トレーラーハウスを連ねての引っ越し、友だちとの別れと出会い、新技への挑戦、新しい家族の誕生などさまざまな出来事が、一家を待っている。笑いと涙にあふれた、感動のヒューマンドキュメント、ぜひ家族そろってご覧ください。
広島市街を望む丘の頂に立つ放射線影響研究所。その一角に、膨大な数の血液試料が凍結保存されている。原爆で被爆した親とその子どもなどから提供を受けた、約1000家族分の血液細胞が、そのひとつ。放影研は、この貴重な試料の一部を使って「全ゲノム解析」の計画を進めている。最新科学の力で解明しようとしているのは「原爆放射線の影響は遺伝しているのか?」という問題。原爆投下以来、世界の科学者が解を求めてきた“問い”だ。 原爆投下後、被爆地では、放射線によって生殖細胞が傷つき、被爆者の子供たちの健康にも悪影響が表れるのではないかという「遺伝的影響」の懸念が広まった。科学者たちの必死の追究が行われたが、それは今日に至るまで明らかになっていない。 「影響はない」と断定されてもされなくても、不安から逃れられない被爆者たち。そして、真実を追究するという使命と社会的影響との間で揺れる研究者たち。戦後73年、格闘を続ける関係者それぞれの思いに迫りながら、この“問い”に対する最新科学の到達点と、市民の上で炸裂した核兵器が遺した爪痕を見つめていく。
1945年、戦争末期に行われたフィリピン・ルソン島の戦い。太平洋戦争中、最悪の20万の兵士が命を落とした。戦局がすでに決する中、終戦までのわずか半年余りの時期に信じがたい悲劇がなぜ起きたのか。 このルソン決戦で戦死した兵士のひとりが、小野文惠アナウンサーの祖父、「病院船衛生第15班」の衛生兵だった小野景一郎さん。祖父が関わるこの戦闘を去年、母親を通じて知らされたことをきっかけに、小野文惠は今年、他の遺族と共にルソン島に渡り、祖父の足跡をたどろうと考えている。 番組では、小野母子と遺族たちの現地調査に同行する。小野の母親が密かに保管してきた衛生班の部隊史や生還兵の手記と証言を照らし合わせ、戦死した日本兵20万人の知られざる真実に迫る。さらに、ルソン決戦について、米軍の膨大な未公開資料を発掘。それを日本側の資料や証言と照合したところ、今回初めて、ルソン決戦で亡くなった、20万人の“最期”が明らかになろうとしている。小野文恵アナウンサーの祖父・景一郎さんの「病院船衛生第15班」の最後の行程をたどりつつ、その向こうにあるルソン決戦の全貌を立体的に描き出すドキュメンタリー番組としたい。
親を空襲で亡くしたり、親と離れ離れになったりして生まれた戦争孤児、その数は12万人にも及ぶ。孤児が駅で寝泊まりする姿は全国で目撃され「駅の子」とも呼ばれたが、子どもたちに何があったのか、その実態はよくわかっていない。 NHKでは、この3年間、孤児への聞き取りや、資料発掘を進めてきた。その結果、生々しい悲劇の実態が見えてきた。食べるものがなく、目の前で子どもたちが餓死していく日常、生きるために盗みや売春をせざるをえない子どももいた。重い口を開き始めた孤児たちが訴えるのが、国や大人たちから「見捨てられた」という思いだ。「汚い」とさげずまれ、やさしい言葉をかけてくれる大人はいなかった。進学や就職してからも差別や偏見が続いた。孤児の多くは過去を隠し、1人で生きていくしかなかった。 「戦争が終わってから本当の闘いが始まった」という孤児たち。当事者の証言をもとに、知られざる「駅の子」の実像に迫る。
「我敵部隊見ユ」―広大な海域を舞台に行われた太平洋戦争。その最前線でアメリカ軍の襲来を見張る「哨戒」を担っていたのは、海軍に徴用された漁師たちであった。通称「黒潮部隊」。小さな漁船はアメリカ軍による凄まじい射撃に晒され、「敵ニ対シ突撃ヲ決行ス」と打電し消息を絶っていった。部隊の死者は2000人に及ぶとも言われるが、詳しいことは分かっていない。戦争遂行に不可欠な石油を運んでいたのも、民間の船員たちであった。戦局の悪化とともに、軍は「特攻精神」による輸送を決定。それは、船団のうち、何隻かが日本に戻れれば良いという、死を前提とした輸送作戦であった。武装の乏しい漁船や商船は、米潜水艦の格好の標的となり、およそ6万人が犠牲になったと言われている。今回、こうした船が、いつ、どこで沈められたのかを示すデータを入手し、被害の全体像を可視化することに成功した。先の戦争で海の男たちは、どのような現実に直面したのか、埋もれてきた事実を明らかにする。
79年前、モンゴル東部の大草原で、日ソ両軍が激戦を繰り広げたノモンハン事件。ソ連軍が大量投入した近代兵器を前に、日本は2万人に及ぶ死傷者を出した。作家・司馬遼太郎が「日本人であることが嫌になった」と作品化を断念した、この戦争。情報を軽視した楽観的な見通しや、物量より優先される精神主義など、太平洋戦争でも繰り返される“失敗の本質”が凝縮されていた。しかし軍は、現場の将校には自決を強要した一方で、作戦を主導した関東軍のエリート参謀たちはその後復帰させ、同じ失敗を重ねていった。 今回NHKは、ロシアで2時間に及ぶソ連軍の記録映像を発掘。4Kで精細にスキャンした映像を「AIによる自動カラー化技術」で鮮やかに着色し、戦場の実態を現代によみがえらせる。さらに軍の判断の経緯が証言された、150時間を超える陸軍幹部の肉声テープも入手。敗北はどのようにして隠され、失敗は繰り返されたのか。映像と証言から迫る。
太平洋戦争中、戦場の兵士と故郷の人々の間を行き交った「軍事郵便」は、年間4億通に達した。ところが戦況が悪化するにつれ、“宛先に届かない”手紙が増えていった。米軍や豪軍に押収され、その多くは返還されなかったのだ。検閲に配慮しながら、死と向き合う極限状態の中で紡ぎ出された、家族や友人への愛情にみちた言葉の数々。しかし兵士たちが手紙に託した切実な思いは行き場を失い、70年以上の長きにわたって彷徨っている。 いま、そうした“未配達の手紙”が国内外で次々と見つかっている。手紙を押収した米兵や豪兵が亡くなり、インターネット・オークションで売りに出されているのだ。兵庫県の団体が集めた17万通の戦時中の手紙を調べたところ、数十通が未配達と分かった。また日本の研究者らは、海外各地の文書館を調べ、計100通を超す未配達の手紙を発見した。 番組では、宛先の遺族や関係者を探し、70年余りの時を経て初めて手紙を届ける。配達先で見えてきた、手紙に秘められた様々なドラマから、知られざる戦争の一断面を描き出す。
日本を代表する火祭り「青森ねぶた祭」。巨大なねぶたが町を練り歩き、北国の一瞬の夏が燃え上がる。その勇壮華麗な様は、海外で“世界最高の紙の工芸品”と賞賛される。今、このねぶたが急速に進化している。LED照明の導入。より複雑で立体的な構図。制作する「ねぶた師」たちは300年の伝統に安住せず、新たな作品を生み出そうと、賞の獲得を目指して鎬を削る。 この進化の中心にいるのが、北村麻子(35)だ。唯一の女性ねぶた師で、子育てとねぶた作りを両立させる働くママでもある。持ち味は華麗な色使いと斬新な発想。去年、初めて最高賞を獲得し、今年は葛飾北斎をテーマに連覇に挑む。その前に立ちはだかるのが、父であり師匠である北村隆(70)。最高賞の獲得は歴代最多となる12回を誇り、「名人」の称号を持つ。しかし、去年は麻子に敗れ2位に。雪辱を誓う今年のテーマは、5人の盗賊が見えを切る場面で名高い「白浪五人男」。通常2体で作られるねぶたにあって、5体は史上初の試みだ。 新進気鋭の娘と名人の父。親子であるがゆえの葛藤と絆。ねぶたにかける二人の運命の戦いを、4Kカメラの精細な映像で描き出す。
6月の大阪北部地震を機に、改めて警戒意識が高まる「南海トラフ巨大地震」。今後30年以内の発生確率は70~80%、最大M9.1の地震による激烈な揺れと大津波で死者は最悪32万3千人、経済損失は1410兆円に上るとも試算される。「Xデー」はいつなのか?いま研究者たちが最注目するのが、震源域で起き続けているゆっくりとした岩盤のずれ動き、「スロースリップ」だ。その発生場所が次第に巨大地震の想定震源域に近づきながら、地震の原動力となる「ひずみ」の蓄積を加速させている可能性が見えてきた。“その時”は刻々と迫っていると、科学者たちは緊張感を高めている。 そんな中、国は去年11月、「何らかの異変が生じ、地震発生の可能性が高まったと判断される場合、“臨時情報”という形でいち早く伝える」という新たな方針を発表した。しかし、いつ・どこで・どんな規模の地震が起きるかまでは予測困難だ。明日出されるかもしれない臨時情報を、自治体や住民はどう受け止め、命や社会を守る行動につなげられるのか。番組では、大規模住民アンケートや科学シミュレーションに基づき、研究者とともに検証。私たちひとりひとりの行動が鍵になることが明らかになってきた。 巨大地震をどこまで事前に予測し、減災・防災を実現できるのか。“メガ災害 新時代 ”の実像を描く。
日本中に大きな衝撃を与えた事件を徹底検証、未来への教訓を探るシリーズ「未解決事件」。 File.07では、1995年に発生した「警察庁長官狙撃事件」をひもとく。 事件が発生したのはオウム真理教による地下鉄サリン事件の10日後、張り詰めたような空気が日本社会を覆っていたある朝のことだった。 國松孝次警察庁長官(当時)が東京都荒川区南千住の自宅マンションから出たところを発砲され、全治1年6か月というひん死の重傷を負ったのである。 日本の治安を根底から揺るがしたにもかかわらず、犯人を特定できないまま、15年後に時効が成立。にもかかわらず、警視庁は「この事件はオウム真理教の信者グループが、教祖の意志のもとに、組織的、計画的に敢行したテロであったと認めた」と前代未聞の会見をおこなった。 未解決に終わった警察長官狙撃事件は、私たちの社会に何を突きつけるのか? そして“真実”とはいったいなんなのか。 この日は、「ドキュメンタリー」で描き出す。 警察の威信をかけた捜査はなぜ犯人を特定するに至らなかったのか。独自に入手した一次資料と捜査関係者への徹底取材で、未解決に終わった事件の全貌に迫る。
日本中に大きな衝撃を与えた事件を徹底検証、未来への教訓を探るシリーズ「未解決事件」。 File.07では、1995年に発生した「警察庁長官狙撃事件」をひもとく。 事件が発生したのはオウム真理教による地下鉄サリン事件の10日後、張り詰めたような空気が日本社会を覆っていたある朝のことだった。 國松孝次警察庁長官(当時)が東京都荒川区南千住の自宅マンションから出たところを発砲され、全治1年6か月というひん死の重傷を負ったのである。 日本の治安を根底から揺るがしたにもかかわらず、犯人を特定できないまま、15年後に時効が成立。にもかかわらず、警視庁は「この事件はオウム真理教の信者グループが、教祖の意志のもとに、組織的、計画的に敢行したテロであったと認めた」と前代未聞の会見をおこなった。 未解決に終わった警察長官狙撃事件は、私たちの社会に何を突きつけるのか? そして“真実”とはいったいなんなのか。 この日は、「実録ドラマ」で描き出す。 執念の捜査で犯人を追っていく刑事役に國村隼さん。別の強盗事件がきっかけで容疑者として浮かび上がった男役にイッセー尾形さん、警視庁トップ、警視総監役に小日向文世さん。日本を代表する名優たちがしのぎを削り合う「実録」にして「本格派」。「未解決事件シリーズ」ドラマの新境地を開く。
未明の北海道を襲った震度7の地震は、大規模な土砂崩れや家屋の倒壊、地盤の液状化など、広範囲に及ぶ被害を引き起こした。多くの方が亡くなり、今なお警察や消防、自衛隊などによる、安否不明者の大規模な捜索活動が続いている。今回の地震は、脆弱な電力供給網を直撃し、電力に依存する現代社会に大きな衝撃を与えている。阪神淡路大震災時を上回る295万戸に上る大規模な停電を引き起こし、都市機能は完全に麻痺。市民生活だけでなく、製造や物流などにも影響が広がっている。電力供給は4割回復したものの、完全な復旧には約1週間も要する。被害の全貌がまだ明らかではない中、独自取材によって“広域被害”の深刻な実態が分かってきた。また、専門家の分析やシミュレーションなどによって、全国で起こり得る、新たな脅威のメカニズムも明らかになってきている。北海道を襲った大地震を、様々な角度から取材・検証し、現代社会への教訓を導き出す。
人工知能の爆発的進化で、未来が正確に予測できるようになり、未来が未知のものでなくなろうとする今、どんな社会が到来するのだろうか。今、最も精度を増しているのが、犯罪予測である。アメリカ各地の警察では、続々AIを導入、大きく犯罪件数が減少している。AIの未来予測は自然界の不確実性も克服しつつある。衛星画像を読み取るAIの解析能力は、300メートル四方というピンポイントで、向こう48時間・15分ごとの正確な天気の予測を可能にした。損害保険会社は暴風雨、竜巻などによる損害を未然に防ぐことができるようになり、保険金支払い額を大きく減らしている。そして、究極の未来予測とも言うべき「人生の予測」も始まっている。AIは、人間が将来患う認知症、糖尿病などの病気、そして患者の余命も冷徹に予測するようになった。しかし、AIは、予測はするが、その根拠は示さないブラックボックスである。社会のルール、人生のルールを大きく変えるAIの未来予測の最前線を追う。
東京に人を全く寄せ付けない秘境「ロストワールド」がある。周囲から隔絶された環境で、まるでタイムカプセルのように貴重な命が守られている。第1集の舞台は、東京都心から南1300kmに浮かぶ絶海の孤島、南硫黄島だ。海は荒れ、四方は断崖絶壁に囲まれているため、簡単に近寄ることはできない。今回、特別の許可を得た科学調査隊が、ドローンも駆使した島の本格的な探検を初めて敢行。NHKのクルーが同行した。研究者たちは、この島が生物の進化を観察できる地球上で数少ない場所のひとつだと考えている。最大の特徴は、急激な高度差によって、熱帯から温帯までの環境が、ひとつの島の中にひしめき合うという点。島にたどり着いた生き物が、環境に応じて新しい種に進化していく姿を目の当たりに出来るというのだ。過酷な登山、大量の海鳥たちの突然の襲来。困難な調査の末、調査隊は新種を続々と発見していく。そして、生物の進化の不思議を物語る、小さな生き物に巡りあう。
東京五輪でメダル獲得が期待される日本の若きアスリートの成長を追うシリーズ「TOKYOアスリート」。第1回は、いま破竹の勢いで王者中国を脅かす、日本卓球界の10代アスリートに迫る。 6月の国際大会で五輪の金メダリストを次々に撃破し、世界を驚かせた張本智和選手(15)を、ハイスピードカメラで初めて解析。男子と女子の特徴を併せ持つ、世界で最も独創的と言われる戦い方の秘密に迫る。 そして「みまパンチ」を武器に、中国選手を次々と破る伊藤美誠選手(17)。なぜピンチになればなるほど強さを発揮するのか、「驚異のメンタル」の秘密を丸裸にする。 しかしいま、2人には新たな試練が立ちはだかっている。中国勢が2人の弱点を徹底研究し、強力な巻き返しに出てきたのだ。果たして、張本・伊藤の2人は東京五輪への勢いをつなぐことができるのか。この夏、中国勢と激しく衝突する海外ツアーに密着する。 メインキャスターは内村光良と南原清隆。スタジオに張本・伊藤の両選手を迎え、技の実演も交えながら、10代アスリートの本音と知られざる素顔に迫る。
俳優の樹木希林さんが亡くなった。75年の生涯だった。全身をがんに冒されていることを公表した後も、悲観せず、かといって気負いもなく、淡々と軽やかに女優として生きた希林さん。『私を撮ってもいいわよ』そんな希林さんから長期密着取材の許可をもらったのは、去年6月のことだった。人生の晩年をどのように生き、身終い(みじまい)しようとしているのか?そもそも“樹木希林”とは何者なのか、向き合う日々が始まった。結果的に希林さんが出演する最後のドキュメンタリーとなった今回の番組。仕事、家族との関係、そして、日々の暮らし…。密着取材を通して、希林さんはどんな思いを託そうとしたのか。
東京に人を全く寄せ付けない秘境「ロストワールド」がある。そこは、周囲から隔絶された環境で、まるでタイムカプセルのように貴重な命が守られている。第2集の舞台は、東京都心から南へ650㎞の伊豆諸島最南端。大海原にそびえる巨大な岩の柱だ。高さ100mの断崖絶壁、東京都・孀婦岩(ソウフガン)。まるで海面から空に向けて包丁を付き立てたような形をしている。いったいどうやってこんな不思議な岩が生まれたのか?そして、どんな生きものがすんでいるのか?これまで詳しい調査が一度もされたことがない「空白地帯」のため、知見はほとんどない。番組は2年間かけ、科学者やエンジニアらと共に初の科学調査に挑んだ。垂直の崖をロープ一つで登ると、正体の知れない生きものが岩の隙間から次々と現れる。周囲の海からは、まか不思議な深海魚が次々とあがる。科学者は幻の古代魚、シーラカンスさえ見つかるかも知れない環境だと興奮する。空前絶後のスケールで数々の深海探査機を投入。そしてついに見つけた、巨大魚の正体とは?
爆笑問題とともに、最前線の「マネーの秘密」に迫る経済エンターテインメント・シリーズ第3弾。初回は、世界中から現金が消えていくキャッシュレス化の“深層”に切り込む。ポイントカードやモバイル決済、仮想通貨やブロックチェーンの拡大・・・。いま私たちの暮らしから、どんどん現金が姿を消している。スウェーデンでは、街中からATMが撤去され、現金流通量の割合は1%台にまで激減。中国では、のべ13億人がスマホ決済を利用、ヨーロッパでも高額紙幣の廃止が進むなど、キャッシュレスへの動きが加速。その理由は単に「便利だから」だけではなく、現在の貨幣の“限界”も指摘されている。一方、国家に代わって、世界中のユーザー自らが信用を支える「仮想通貨」や、お金という概念そのものを見直し“時間”の交換に着目した「時間通貨」など、史上類を見ない“ネクスト・マネー”も次々と生まれ始めた。人類誕生後、貝殻、硬貨、紙幣へと進化を続け、世界経済の血流を生み出してきた「現金」は、このまま消えてしまうのか?そして未来のお金の姿とは?
爆笑問題と共にお届けする経済エンターテインメント。第2回はAIやロボットが私たちの懐具合に与える衝撃。AIやロボットが、これまで人間が行っていた仕事を担うようになり、私たちは富を生み出せなくなる、当然収入も減る…。そんな時代が、もう目の前に迫っている。ラスベガスでは、カジノホテルの従業員たちがAI・ロボットに仕事を奪われることを危惧し、大規模なデモを展開。アメリカでは、ホテルなどのサービス業や農業、金融業といった様々な分野にAIやロボットが進出し、人間の雇用に置き換わっている。中国もまたAIやロボットによる自動化を積極的に進め、無人スーパーや無人宅配便などが続々と誕生している。その激しいうねりは、日本にも押し寄せている。大手銀行が昨年発表した大規模なAI導入と従業員削減のニュースは、日本中の金融関係者に衝撃を与え、多くの人が転職の道を探り始めた。AIやロボットが幅を利かせる近い未来、私たち人間はどのようにして生きていけばよいのか? 知恵を振り絞って考える。 ゲスト: 孫正義(ソフトバンクグループ社長) 新井紀子(国立情報学研究所教授)
マツコ・デラックスと有働由美子の強力タッグを迎え、NHKが独自に開発した人工知能 「AIひろし」がぶつかり合い、日本が直面する課題の解決策を探るシリーズ、「AIに聞いてみた」。第3回のテーマは「健康寿命」だ。「健康寿命」は元気に何歳まで過ごせるかを示す値で、「平均寿命」との差が短ければ短いほど、多くの人が死ぬ間際まで元気な「ピンピンコロリ」の人生を送ることができる。しかし日本ではこの差が、男性で9歳、女性は12歳もあり、その間、寝たきりや介護状態などで暮らしているのだ。 この差を短くして老後の人生を豊かに、そして医療費や介護費を減らすことにつなげたいが、まだ解決策は見えていない。この難題に立ち向かうため、「AIひろし」は今回、日本の65歳以上の生活データを学習。老後も元気な人の秘密を解き明かすことにした。 そのAIの解析結果を読み解き、番組で紹介する提言は、今回も意外なものばかり。たとえば、「運動や食事よりも、大事な生活習慣とは!?」といった日常に関わるものや「健康寿命を左右するのは、住んでいる地域の治安」という意外な関連、さらには「子供と同居するより、1人暮らしがいい」など一見信じられない大胆なものが続々登場! AIの解析を元に、マツコと有働、大越健介(NHK記者)、専門家が大激論。人間だけでは解決できない大難問に風穴を開ける!
爆笑問題と共にお届けする経済エンターテインメント。第3集はかつてないほど膨らんだ世界の「借金」に切り込む。各国で発行され、金融機関を通じて個人・企業・国家に貸し出された通貨は空前の規模に達し、IMF(国際通貨基金)によれば世界の借金の総額は164兆ドルに上る。日本円にすると約1京8500兆円だ。資本主義の歴史上、大きな危機が迫っているとIMFは警告を発した。 アメリカでは、学生ローンの総額は1兆5000億ドル(約170兆円)に達し、奨学金の返済が滞っている人は、史上最多の690万人に上る。多重債務者が380万人、成人の人口の1割ほどに及ぶ韓国では、政府が一定の条件のもとで個人の借金を肩代わり(減額・帳消し)するという驚くべき政策に踏み切った。背景には、借金の苦しむ人びとを「市場に戻す」、つまり生産し消費する存在に戻す目的がある。 そもそも資本主義において借金は、事業を開始したり拡大したりするために欠かせない、いわば「成長のエネルギー」とされてきた。ところが現在は、経済成長よりも借金が膨らむスピードが早過ぎて、むしろ経済活動の「足かせ」となっている状況だと指摘されている。個人だけでなく、企業も政府も巨大な借金に苦しんでいる。プエルトリコでは、政府が借金によって財政破綻に追い込まれ、医療や教育などの行政サービスが停止状態に陥った。さらに、借り手を求める金融機関のマネーがアジア各地に流れ込み、高い金利に苦しむ人びとが現れる事態も生まれている。 「借金漬け」となった私たちはどうすれば救われるのか? 世界で始まった新たな取
この30年に起きた“事件”“出来事”を新証言や新資料で掘り下げることで、一つの時代を見つめていく大型シリーズ「平成史スクープドキュメント」。第一回は、1995年(平成7年)、野茂英雄さんの大リーグ挑戦の舞台裏を描く。日本のプロ野球を代表するエースの突然のアメリカ行きは、日米の球界関係者に大きな衝撃を与え、今年の大谷翔平選手に至るまで、日本選手の大リーグ挑戦の先駆けとなった。一方でそれは、グローバル化の猛威の中で世界に目を向けることになった平成日本を象徴する“事件”でもあった。なぜ野茂さんは海を渡ったのか。番組では、野茂さん自身がその詳細を初めて告白。さらに今回独自に入手した日米の球団経営者の内部資料から、日本選手の大リーグ挑戦をめぐる激しい攻防も浮かび上がってきた。世界を席巻したトルネード旋風の衝撃、ふたたび! インタビュアー/リポーター 大越健介(NHK記者主幹)
世界自然遺産 北海道知床。この海には、毎年春から夏にかけて、シャチの群れが頻繁に訪れる。しかし、どこから何のためにやって来るのか?いったい知床の海で何をしているのか?その生態は全くと言っていいほど分かっていない。その謎に迫ろうと、国内気鋭のシャチ研究者たちとともに、2年にわたって追跡取材。高精細ドローンカメラや深海用の特殊カメラなどを駆使し、知床に現れるシャチの大集団を追った。今回取材班は、世界的にも珍しい、100頭近くに及ぶ大集団に遭遇!いったいなぜ大集団を形成するのか?その謎を追う中で見えて来たのは、高度な知能と家族を慈しみ合いながら生きる姿だった。美しい自然あふれる知床の海で、命をつないでゆくシャチの知られざる生態に迫る。
ベースボールの本場・アメリカの歴史に新たな1ページを刻んだ大谷翔平選手(24)。投げれば160km超の剛速球で三振の山を築き、打席に入れば150㍍に迫る特大ホームランを放つ。あのベーブルース以来の“二刀流”で投手として4勝、打者として22本塁打、61打点、10盗塁を記録し、新人王候補に名乗りを上げている。 これまで大谷選手は試合後の囲みインタビュー以外、メディアの取材をほとんど受けず、プレーの真意、胸のうちを明かすことはなかった。シーズン終了後、大谷選手がインタビューで、メジャー挑戦1年目を語った。 私たちはシーズン中、大谷選手にカメラを向け続け、試合前の準備から打撃・投球練習、ブルペンやベンチでの監督やコーチ、通訳や選手とのやり取りなど、その一挙手一投足を記録してきた。その膨大な映像と大谷選手自身が初めて語る言葉から、大リーグ挑戦1年目の知られざる闘いの舞台裏を紐解いていく。
三重県南部に、専門家たちが「見えないものが見える川」と呼ぶ“奇跡の川”がある。全長わずか17kmの小さな川、銚子川。理由はその透明度だ。源流から河口まで、水中で20メートル先まで見通せるほど透き通っている。そのため銚子川では、普通の川では濁って見ることのできない現象や、生き物たちの生態が手に取るように見ることができる。 河口付近に潜ると、水の中にもう一つ水面が現れたように見える現象に出会う。比重の違う淡水と海水が見せる境界面だ。そこでは,海からやってきた魚の子どもが、その境界を超え川の魚へと変貌する瞬間、そして、川魚と海の魚による、食うか食われるかの攻防も繰り広げられる。これらは皆、全てが透明な銚子川だから見られる現象だ。 なぜ銚子川は、透明な水を保つことができるのか。調べていくと、わたしたちには見えていない、「地下のもう一つの川」の存在が見えてくる。川の水は地下と地上を行き来しながら、汚れを浄化していたのだ。“地下の川”からは新種の生物も発見された。 一年間に渡り、銚子川の美しさの謎にせまることで、本来の自然のままの川とはどんなものなのか、その姿を明らかにする。
人生100年時代を迎える日本が抱える課題を見つめ、解決の糸口を探るシリーズ。3年前に父を看取り、現在も母親を介護する、作家の阿川佐和子さんとともに、2日連続でお伝えする。1回目のテーマは、お年寄りが安心して暮らすための『終の住処』について。比較的安く手厚い介護が受けられる「特別養護老人ホーム(特養)」の待機者が30万人を超えるなか、国は施設の担い手を“官から民”へと転換しようとしている。その切り札として、7年前に導入されたのが、民間事業者が運営する「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」だ。軽度の要介護者の受け皿にしようと、国は規制を緩和し多額の補助金を投入して整備を推し進めている。しかし、いま現場では、さまざまな矛盾が吹き出している。要介護度は低くても“動き回る認知症高齢者”を数多く抱え、対応に追われる施設も少なくない。さらに特養に入れない重度の要介護者も多く入居する施設もあり、安全が脅かされる事態が起きていることが分かってきた。“救世主”と期待されたサ高住で何が起きているのか。徹底ルポと独自の大規模調査で実態を明らかにし、改善の道を探る。
シリーズ「人生100年時代を生きる」、2回目のテーマは『終末期医療』について。ゲストの阿川佐和子さんは、3年前に父・弘之氏を、延命医療をしないで自然な形で看取った。「穏やかな最期はどのように迎えることができるのか」、悩んできたという。これまで国は社会保障費の抑制を図るため、高齢者の最期を支える場所を「病院」から「自宅」へと方針転換。ところがいま、看取りの段階になって病院に運ばれ、そのまま延命医療を長期間受け続けるという事態が頻発している。最先端の医療設備が整う救命救急センターでは、80歳以上の高齢者が次々と運び込まれてベッドが満床になることも。家族は、意識が戻らないまま横たわる親の姿を見て「こんなはずではなかった」と悔いる。番組では、学会と連携して、全国の救命救急センターへの調査を実施。国が進めてきた医療改革が、現場にどのような歪みをもたらしているのか、そして、患者の人生の最期に、医療はどう寄り添えばいいのか、現場で始まっている「延命中止」の取り組みを通して考える。
日産自動車のトップに君臨してきたカリスマ経営者、カルロス・ゴーン会長。金融商品取引法違反の疑いによる突然の逮捕は、世界に衝撃を与えた。日産と連合するフランスのルノー社内は騒然。フランス政府も捜査の行方を注視している。国際社会を揺るがす逮捕の裏側で、捜査はどのように進められ、どのような思惑が交錯していたのか。番組では、日産やルノー、捜査の関係者を徹底取材。不正な資金の迂回路となっていた、海外の現場にもカメラを入れる。独自取材から、逮捕の深層に迫る。
シリーズ「平成史スクープドキュメント」。第2回は「バブル崩壊」と「失われた20年」の象徴となった、1997年(平成9年)の山一証券・自主廃業の内幕に迫る。今回、わたしたちは、山一を破綻へと追い込んだ当時の幹部たちへのインタビューに成功。なぜ日本を代表する名門企業のエリートたちは、破綻に至るまで危機を見過ごし、問題を先送りし続けたのか。当事者自身が初めて語る言葉からは、上意下達が絶対視される風潮や当事者意識の欠如など、平成が終わりを迎えようとする今も社会に根深く残る、日本特有の“組織文化”が浮かび上がってきた。さらに、自主廃業の決定に関わった金融当局の担当者たちも初めて証言。金融自由化などグローバルスタンダードへの対応が求められた当時の苦しい胸の内を明かした。山一証券の破綻の教訓とは何なのか、検証する。
今年、あなたの心に最も残ったスポーツの場面は何だろうか。おそらく、多くの人がこのシーンを挙げるのではないだろうか。ワールドカップ決勝トーナメント1回戦、ロシア・ロストフアリーナで行われた、「日本VSベルギー」。後半アディショナルタイムに生まれた14秒のプレー。日本のベスト8進出の夢を打ち砕くとともに、大会ベストゴールのひとつとして世界から絶賛された、ベルギーの超高速カウンターである。 私たちは、日本、ベルギー双方の選手、かつての日本代表監督など、20人以上のキーマンを世界各地に訪ね、この14秒のプレーがどう生まれたのか、答えを探した。浮かび上がってきたのは、一瞬のうちに交錯した判断と世界最高峰の技術、そしてこの瞬間に至るまでの巧妙な罠と意外な伏線…。この一戦に人生を賭けた男たちが、全力を尽くしたからこそ生まれた14秒のドラマだった。 2018年、私たちの記憶に鮮烈に残る、あの瞬間の知られざる物語である。
内村光良・南原清隆が、東京五輪でメダル獲得が期待される若きアスリートの成長を追うシリーズ「TOKYOアスリート」、第2回は「体操」。連覇がかかる男子団体で、今最も注目されるのが、期待の新星と言われる谷川翔(19)と谷川航(22)の兄弟だ。4月の全日本選手権で、絶対王者・内村航平の11連覇を阻み優勝した谷川翔。その兄・谷川航は、弟が果たせなかった世界選手権代表の座を2年連続でつかんだ。世界の潮流が難易度の「D点」よりも、芸術点や完成度の「E点」を重視するなか、谷川兄弟の演技は、圧倒的に美しく、完成度が高い。番組では、その技の秘密をハイスピードカメラやモーションキャプチャーを駆使して徹底解析する。 そして彼らの前に最大の壁として立ちはだかるのがライバル・中国だ。国を挙げた幼少期からの育成戦略で、いま谷川兄弟の同世代の躍進が止まらない。得点をさらに上げるため、兄・航は得意の跳馬で、弟・翔は苦手な鉄棒で難易度の高い新技に挑む。そんななか、世界選手権の大舞台を前に兄・航を不運の怪我が襲う・・・。 「互いにだけは、負けたくない」と言う最大のライバルのふたり。支え合いながらも、しのぎあい、高みを目指す兄弟の苦闘に迫る。
アマゾンの奥深くに暮らす、文明社会と接触したことのない未知の先住民=イゾラド。 中でも「アウラ」と名付けられた、その男の存在は特別だった。30年前、深い森から忽然と現れた素っ裸の二人の男。ブラジル政府は一人をアウレ、もう一人をアウラと名付けて保護した。政府が最も驚いたのは、二人が話す“言葉”だ。どの先住民とも異なる未知の言語で、理解できる者はブラジル中探しても誰もいなかった。政府の命を受けた言語学者ノルバウ・オリベイラは、周りにあるものを一つ一つ指さしながら二人の言葉を調査し、30年かけて800の単語の意味を探り当てた。やがてアウレは死亡。最後の一人となったアウラの調査を続けたノルバウは、彼が部族に起きたことを連想させる「死」について、繰り返し語っていることに気付いていく。アウラは何者なのか。なぜたった二人になったのか。森の奥で未知の部族に何があったのか―。現在、アウラの推定年齢は55~65歳。遠からぬうちに一つの民族が姿を消すことになる。滅び行くイゾラドを2002年から取材を開始し、最後のひとりとなった今に至るまで、16年にわたって追った記録。芥川賞作家でミュージシャンの町田康さんが初めてドキュメンタリーのナレーションに挑戦する。
シリーズ「平成史スクープドキュメント」。第3回は、それまでの政治の形を大きく変えた、1994年(平成6年)の小選挙区制導入をめぐる知られざる物語。今回、わたしたちは、政治改革を主導した後藤田正晴の未公開の日誌など、小選挙区制をめぐるさまざまな一次資料を独自に入手した。番組では、制度導入のプロセスに深く関わった当事者たちの証言を重ねながら、平成政治の姿を遠望していく。
2020年に向け、東京の大改造が進んでいる。戦争からの復興、高度成長期に続く、3度目の大変貌である。世界も東京の都市改造に注目している。先進国のトップを切って、「超高齢化」「低成長」の試練に直面する日本の首都・東京の街づくりは、先進国の巨大都市が今後取り組まざるをえない、都市開発のショーケースでもある。シリーズ 「東京リボーン」では、巨大開発の壮大なスペクタクルの中に、人々の頭脳戦、人間ドラマを織り交ぜながら、6回シリーズで描いていく。 第1集は、15のオリンピック施設が集中するベイエリアを取り上げる。バレーボール会場となる「有明アリーナ」と水泳会場となる「アクアティクスセンター」は、いずれも災害対策と省エネを極限まで追求した巨大建築。前代未聞の建物だけに、工法も世界でも画期的なもの、工事は難航を極める。ふたつの究極のエコスタジアムの巨大天井取り付けの一大スペクタクルを軸に、未来都市への実験満載のベイエリアの大変貌を描く。
阪神間のとある住宅街に建つ小さなマンション。ここで、高齢の女性たちによる、自分たち、そしてひいては後に続くかもしれない、すべての女性たちのための“実験”が始まっている。“おひとりさま”である7人の女性たちがマンションの部屋を別個に購入。それぞれの部屋を行き来し見守りあう“ともだち近居”という住まい方を選んだのだ。7人は、71歳から83歳まで、コピーライターやカウンセラー、民間企業の広報室長など“働く女性”として人生を歩み、“老い”や“ひとり”への不安や寂寥感を抱きながら、「でも、へこたれないわ」と背筋を伸ばしながら、人生を生きてきた。 いま、7人は様々な課題に直面している。病気で入院したり、認知症になったらどうするか?介護や延命治療は?お墓はどうするか?・・・誰もが“老いて生きる”上で避けて通れない試練の数々を7人はどう悩み、どう乗り越えようとするのか?励まし合い、叱り合い、笑い合い、涙し合う“ホンネ”のやりとりを軸に、超高齢・超単身社会の幸福のあり方を見つめ、問いかけるドキュメンタリー。
平成最後の年を迎える日本は、これからどこに向かおうとしているのか。その「未来」を読み解く鍵となるのが、首都・東京で進む、終戦直後、高度成長期に続く、戦後3度目の「大改造」だ。前回オリンピックに向けた開発は、右肩上りの成長を体現する強引なものだったが、今回は「人間のための開発」を目指している。キーワードは「持続可能性」「災害対策」「効率化」。先進国のトップを切って少子高齢・人口減少を迎え、“下り坂”の中で行われる東京の“大変貌”は、これから先を見すえた“社会実験”でもある。 2019年元旦。番組では、ドローンなどを駆使し、空から「東京の変貌」を体感、多彩なゲストがトークを行う。同時に、「人の生き方」「価値観」がどう変わっていくか、膨大な「個人のスマホの映像」を収集し、有識者らとともに探っていく。平成の最後の年、東京の空から、日本の未来を展望する“未来紀行”番組をお届けする!
天才建築家ガウディが残した大きな謎は解けるのか?およそ140年前から建設が続く未完の世界遺産スペイン・バルセロナのサグラダ・ファミリア教会。ついに去年10月、教会の最大のシンボル・イエスの塔の建設が始まった。完成すると、サグラダ・ファミリアは世界で一番高い教会(172.5メートル60階建ての高層ビルに相当)となる。しかし、ガウディが残した建築資料はスペイン内戦で焼失。イエスの塔の壮大な構想は長年、謎に包まれてきた。その謎に挑むのは、サグラダ・ファミリアの芸術工房監督として、40年前からガウディの残した手がかりを探し、教会を作り続けてきた外尾悦郎(そとお・えつろう)さんだ。NHKでは10年前から外尾さんに密着、制作の現場を記録してきた。さらに近年発見された、6000点を越えるガウディの遺品を独占取材。宝石のように美しいガウディの実験材料からイエスの塔につながるヒントが明らかになった。また、今回は、光の芸術、石の聖書とも称されるサグラダ・ファミリアを4K高精細カメラとドローンで撮影。新年に相応しいエンターテインメントと歴史ミステリーをご覧頂く。
2020年に向けて、世界から注目を集める東京。このシリーズでは、訪れた外国人が驚く、さまざまな東京ミラクル現象を取り上げ、ミラクルの現場のエネルギーを描き、ミラクルがなぜ生まれたのか、ドラマ形式で歴史を掘り起こしていく。 第一回は、食の都・東京。東京の飲食店の数は、およそ19万店と世界一。食の都・東京を支えるのは、世界最大の魚市場・築地である。職人たちは、食材の選別から食べ頃、調理法まで、食のすべてを料理人に教えてきた。今回の移転で美食都市にどんな変化が起こるのか。そもそも東京で外食産業が発達したのは、終戦直後だった。お腹を空かせた人たちが集まったのは、築地。鮮魚こそ乏しかったが、料理人たちは限られた食材を工夫し、少しでもおいしいものを食べさせたいと多くの屋台が並んだ。日本人にとって、食べることは生きることでもあった。俳優の佐藤健演じる現代の若者が、終戦直後の築地にタイプスリップし、築地の知られざる物語を目撃する。 出演:俳優 佐藤健
2018年5月、世界最高峰・エベレストに挑んでいた一人の登山家の死が報道された。 栗城史多(くりき・のぶかず 享年35)。世界7大陸の最高峰や8千mを超すヒマラヤの山々に挑み、“自撮り”した映像を配信するというインターネット・SNS時代が生んだ異色の登山家だった。もともと、フリーターで「生きる目的もない」若者だった栗城は、偶然出会った登山に生きがいを見つけ、ネットを通じて、自らの登山の様子を伝える“冒険の共有”を始めた。山に興味のない若い世代を中心に熱烈な支持を集める一方で、売名行為ではないか、実力以上の登山方法は無謀だ、といった批判を受けるなど、ネット社会を騒がせる存在となった。今回、8度目のエベレストで滑落し、帰らぬ人となった栗城。 なぜ、彼は死に至るまで命がけの挑戦を続けたのか? 彼が遺したメッセージとは何だったのか? 彼の死を巡り、ネット上で様々な意見が飛び交っている。35歳でエベレストに散った青年の生と死を通して、現代に生きることの意味を考えていく。
大地震に見舞われたとき、ひとりでも多くの命を救うためにどうすればよいのか…。6月に起きた大阪北部地震では、119番通報したにもかかわらず、「自力で対応するよう」求められる人が相次いだ。いま消防の現場で、救命活動の「優先順位」をつける、トリアージ(選別)の動きが広がっている。それは24年前に起きた、阪神・淡路大震災の体験から導き出された教訓だった。発災直後、救助要請が殺到。「消火なのか救助なのか」「どの現場を優先するのか」。当時の活動記録や証言から、消防隊員たちは迷いを抱えながら活動していたことが分かってきた。「もっと救えた命があったのではないか」。神戸市は、「救助より消火を優先」し、「多くの命を救える現場を優先」することを決めた。その動きは全国に広がり、先の大阪北部地震でも実践されたのだ。しかし、優先順位を瞬時に判断するのは、容易ではない。消防が出動しない現場では、市民が救助に当たらなければならず、私たち自身も“命をめぐる決断”を迫られることになる。必ず来る次の大災害の前に、様々な「現場」の模索を通して、いまできる備えと行動のヒントを探る。
激しい対立が続くアメリカと中国の貿易摩擦。トランプ政権が、制裁関税を次々とかけてきた背景には、「中国がハイテク技術の覇権を握ろうとしている」という危機感があった。 習近平国家主席のもと「中国製造2025」を掲げ、ハイテク分野での世界一を目指す中国。いま、国を挙げて取り組んでいるのが、AIなどの先端技術を駆使する「自動運転」や、インターネットに続く革命的な技術「ブロックチェーン」だ。開発の最前線では、アメリカのIT企業などで技術を学んで帰国した「海亀」と呼ばれる若者たちが急増し、成長を支えている実態があった。対するアメリカは、中国からの投資やM&Aを規制する動きをみせ、水面下で激しい攻防が繰り広げられている。大国間の攻防の狭間で、日本はどう生き残りをかけるのか?世界の行方を左右する米中の攻防、その最前線を追う。
平成の音楽シーンを形作ったふたりの大ヒットメーカーが、平成の終わりと共に引退した。「日本でもっとも売った男」音楽プロデューサー小室哲哉59歳と「平成の歌姫」安室奈美恵40歳。ふたりの半生は、世界中で急激にデジタル化が進み、ヒットソングの作られ方、発信方法が大きく変わった時代だった。今回、安室は、引退前にNHKの長時間インタビューに応じた。小室と出会い、トップアーティストに駆け上がった無我夢中の日々。その後、別々の道を歩み、セルフプロデュースを始めてからの葛藤と挫折。そして自分にとって一番大切なことに気付き「平成の歌姫」となるまでの新たな挑戦。番組では、音楽とダンスを心から愛したふたりのアーティストが、平成という技術革新が続き、価値観が激しく揺れ動いている時代の中で、何を生み出し、何を大切に生きようとしたのかを描く。
神奈川県立こども医療センターには、医療現場に常駐するセラピー犬、ベイリーがいる。長期入院で気分が沈みがちな子どもに寄り添い心をいやしたり、手術室に行くのを嫌がる子どもに付き添ったり。ベイリーが関わった患者は9年間で実に3000人以上。ベイリーに始まった医療現場へのセラピー犬の本格的な導入は、今、全国の医療機関へと広がりを見せている。リハビリの現場にセラピー犬が参加すると、患者の回復が早まったり、自閉症児のコミュニケーション能力が向上したりするケースがあることが注目されている。今回、番組では、重い病と決別するため、大手術を受ける少女、ゆいちゃん(10歳)とセラピー犬ベイリーが、心を通わせながら様々な苦難を乗り越えていく日々を追う。さらに、最新科学は『なぜ犬が人間の心を癒やすのか?』その理由を解き明かしつつある。人と犬の間には、種が違うにもかかわらず『互いに愛情を感じ、心を癒やし合う仕組み』が確かに存在することが分かってきたのだ。それは、人と犬が共に歩んだ3万年の“共進化”が生みだした奇跡の絆だった。犬好きの方!必見です。
去年行われた韓国と北朝鮮の首脳会談で、ようやく「終結」に向けて動き出した朝鮮戦争。 1953年に休戦協定が結ばれたが平和条約の締結には至らず、依然として“戦争状態”が続いている。当時、アメリカ・ソ連・中国といった大国の思惑が複雑に絡み合って始まった戦争は、なぜ長期化し、いまだに終結できずにいるのか。NHKは、その謎を解く手がかりとなる秘密文書を独自に入手した。スターリン、毛沢東、キム・イルソンの間で交わされていた電報や直筆の手紙、そして極秘会談の記録だ。見えてきたのは、スターリンが北朝鮮に韓国への侵攻を決断させ、中国を巻き込んで戦争を泥沼化させていった、指導者たちの間のしたたかな“駆け引き”だった。 さらに今回、アメリカ側からも、朝鮮戦争の未公開映像や機密文書を入手。300万人もの死者を出した凄惨な戦いの現実と、アメリカを主体とする国連軍の後方支援に、日本の船舶も駆り出されていた事実が浮かび上がってきた。朝鮮半島を南北に分断し、冷戦崩壊後も各国の“相互不信”が渦巻き、不安定な状況が続く北東アジア情勢。「終戦宣言」をめぐり米朝の駆け引きが続く今、朝鮮戦争の知られざる歴史を紐解く。
東京の大変貌を記録するシリーズ「東京リボーン」。第2回は、拡大を続ける東京の地下世界を描く。 東京の地下の集積度は世界一と言われる。13の地下鉄路線が複雑に交差し、電気・ガス・水道・通信などの地下トンネルすべてをつなぎ合わせると、その長さは実に地球3周分になる。狭い東京にとって、地下は唯一のフロンティアである。その東京の地下世界が2020年に向け、さらに膨張をしている。 なかでも東京駅周辺は、ビルとビルが、駅と駅とが、網の目のようにつながり、迷宮化している、NHKでは、誰も全貌をつかんでいない巨大地下空間を、国やJR、東京メトロなどのデータを元に立体的に視覚化した。そこから浮かび上がるのは、効率を極め、災害に耐えうる街を目指す東京の進化である。 東京メトロ銀座線改修工事、日比谷線虎ノ門ヒルズ新駅の建設工事に密着し、既存施設の迷宮の隙間を縫い、東京特有の地下水と軟弱地盤など様々な困難に直面しながら、人知れず進む東京の地下大改造の全貌を描く。
シリーズ「平成史スクープドキュメント」第5回は、2002年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏への独占取材から、科学技術立国ニッポンの苦闘を描く。民間企業の一エンジニアのノーベル賞受賞に社会は沸き、田中氏は一躍、時代の寵児となった。しかし、ノーベル賞につながった発見は「単なる偶然なのではないか」という周囲の声に葛藤を続けてきた田中氏は、受賞以降、メディアの取材を遠ざけてきた。その田中氏が再び表舞台に登場したのは2018年2月。アルツハイマー病を発症すると脳に溜まるタンパク質を検出することに成功。「一滴の血液から発症20年前に早期発見できる」と科学誌・ネイチャーに掲載され、世界的な注目を集めたのだ。この成果が生み出されるまでには、田中氏の10年以上にわたる知られざる苦悩があった。「論文数の減少」「研究投資の停滞」「補助金の削減」など科学技術立国の凋落が指摘される中、日本は次の時代、どのように再生していくべきなのか、“ノーベル賞会社員”の歩みから見つめていく。インタビュアー/リポーターは、平成5年から28年まで「クローズアップ現代」のキャスターを務めた国谷裕子氏。
「人生の最期をわが家で」は、多くの人の願いだ。国も医療費抑制などのため在宅医療を推奨し、増えていく見込みの自宅での死。しかし、現実には介護する家族の高齢化や疲弊、貧困などさまざまな問題が立ちはだかる。そんな現場に身をおく80歳の老医師がいる。埼玉県新座市の堀ノ内病院の小堀鷗一郎さんだ。森鷗外の孫で、かつては東大病院の外科医として活躍した老医師が、最後にたどり着いたのが“死に際の医療”を地域で行う在宅医だった。死の床にある患者と同世代、いわば“老老医療”である。患者にかける言葉は友人同士のようであり、時にハッとするほど厳しく、時に深く共感しつつ、等身大で向き合う。その人らしい最期の時間を患者や家族たちと話し合いながら作っていく。番組では小堀医師の在宅医療に密着。そこには「わが家での大往生」を妨げるさまざまな困難と、それを乗り越えようと奮闘する家族たちの姿があった。
東日本大震災は、膨大な津波の映像が克明に記録された、初めての大災害だった。陸地に到達した当初は透明だった津波が、そのわずか5分後には真っ黒な色に変わっていた。 “黒い波”はどのように生まれたのか?震災から8年、最新の研究で、その正体が次第に明らかになってきた。巨大津波が入り組んだ湾に進入すると、湾の狭くなった場所に津波の勢いが集中し、海底の土砂を深くまでえぐりとる。宮城県気仙沼市では、津波が海底を7mもえぐり、大量の土砂を巻き上げ黒い波となっていたことがわかってきた。 当時のまま保管されている黒い海水を専門家が分析したところ、純粋な海水のみだった場合に比べ、黒くなったことで津波は強い破壊力を持ち、人々の命を奪っていった実態が明らかになった。黒い波は、より多くの建物を破壊し、がれきを巻き込み、このがれきがさらなる大量破壊の連鎖をもたらしていた。また、亡くなった人たちの「死因」について、これまでは9割が溺死とされてきたが、法医学者などは、土砂による窒息やがれきによる圧迫死など、複合的な原因もあったのではないかとみて、再調査を進めている。 多くの人たちが異口同音に“黒い”と言い表してきた、巨大津波の真の姿。最新の解析や調査結果を当時の映像や証言と照らし合わせ、黒い波の脅威を初めて明らかにする。
津波で死んだ家族の保険金もつぎ込んで会社を再建した。だからつぶす訳にいかない。 復興支援策で借りた億単位の借金。まもなく返済猶予が切れる。でも経営はなかなか上向かない…。今、崖っぷちに立たされている被災地沿岸の社長たち。 岩手県釜石の浜辺にある旅館「宝来館」の女将、岩崎昭子さん(62)もそんな一人だ。自身も津波をかぶり九死に一生を得た。かろうじて残った建物で、国から3億円の補助金を借り再建を果たした。震災直後は復興支援で訪れるボランティア客でなんとか旅館を軌道に乗せたが8年たった今、客足が遠のき始めている。さらに猶予されていた補助金の返済が始まろうとしている。正念場の冬場をどう乗り切るのか。方針をめぐり従業員から反発を受けても、女将は地域の宿にこだわる。 他にも、不漁のため仕入れる魚の値段が10倍も跳ね上がり作れば作るほど赤字に陥る水産加工会社の打開策を追う。震災から時が経つほど復興需要に依存していられない被災地の現実が横たわる。苦闘しながら活路を求めてもがく社長たちの奮闘記。
震災から8年。被災地ではほぼ全ての災害公営住宅が完成するなど「終の住みか」の確保は順調に見える。しかし、そこには時が経ったからこその課題が重く横たわる。 度重なる転居で人々の繋がりが分断され、コミュニティーを保てない集落が続出。支援の打ち切りも相次ぎ、高齢者の孤立化や孤独死の問題などが顕在化している。 さらに、震災直後から壊れたままの家に住み続け、今も厳しい暮らしを強いられている「在宅被災者」が多くいる実態も明らかに。“住まいがある”として支援制度の枠組みから外されているのだ。 一方、避難者の帰還政策が進む福島。待ちわびた「終の住みか」に戻れたものの、故郷の姿が変わり果てたことを目の当たりにして、ふるさとの「第二の喪失」とも呼ばれる大きなダメージをこころに受けている。 「終の住みか」の扉の向こう側で、人知れず困難に直面する被災者の驚くべき実態と支援の最前線をルポ。いま求められる復興のあり方を探る。
今年1月、岩手県・三陸沿岸の山田町でタイムカプセルが掘り起こされた。8年前、東日本大震災の直後に埋められたものだ。当時、大沢小学校を卒業したばかりの6年生29人全員が「二十歳の自分へ」と題して手紙を書き、カプセルに入れた。今年二十歳となり成人式を迎えた彼らは、今の自分に宛てた手紙と再会した。 被災によって、彼らは多感な10代を厳しい環境の中で生きてきた。復興に向けて頑張ると誓い潜水士となって防潮堤など復興工事に携わる人。故郷を離れたものの、今も震災の記憶にさいなまれる人。身近な人の死に向き合えずにいる人。 あれから8年。二十歳という人生の選択の時を迎えた彼らは、震災直後の自身からのメッセージをどう受け止め、どのように次の一歩を踏み出すのか?二十歳の若者たちの旅立ちの時に密着する。
メルトダウンした3つの原子炉を「廃炉」にする、世界でも前例のない取り組みを記録し続けるシリーズ「廃炉への道」。事故から8年の今年、廃炉最大の”壁”である「核燃料デブリ」に、“初めて直接触れる”調査が行われる。 番組では、調査を担う東京電力や技術者たちを徹底取材。デブリの重さや放射線量の分布などから、「デブリの正体は何か?」「何が取り出しの壁になっているのか?」という最大の課題に迫っていく。 さらに、福島第一原発で進む廃炉作業の最前線である「使用済み燃料」の取り出しに向けた作業にも密着する。人が立ち入れない強い放射線のエリアで、ロボットを駆使した調査が続く一方、住民の帰還が進む地元では、原発事故を想定した避難訓練を続けながら、廃炉作業の進捗を見守っている。安全を守りながら、「30年~40年で完了する」という廃炉の目標を成し遂げることはできるのか。人類がこれまで経験したことのない、困難な闘いの現場をルポするとともに、「廃炉8年目の全貌」をみつめる。
櫻井 翔 が宇宙へ ナビゲート! あの伝説の探査機“はやぶさ”が、新たな宇宙大冒険に挑む。 未踏の小惑星リュウグウに、「はやぶさ2」が2/22に初着陸するのだ。今回も着陸への道のりは、困難を極めたものだった。目指す星に到着してみると、10m超の巨石が表面を覆いつくしていた。それでも僅かな平地を見出して、降下リハーサルに挑む。 だが高度計が降下途中で働かなくなり、はやぶさ2は緊急離脱。責任者の津田プロジェクト・マネージャーは「リュウグウが牙をむいてきた」と語り、着陸ミッションは延期を余儀なくされた。そして新たな作戦を立て、初のリュウグウへの着陸に挑む。 NHKはこの宇宙大冒険を、JAXAと共同開発した『SHVはやぶさ2可視化システム』によって完全・映像化。はやぶさ2から伝送されてくる本物の飛行データをCG化し、現実のままに着陸の一部始終を目撃する。 探査機は、漆黒の宇宙空間を降下。眼下に十数mの岩が次々と現れる。巨石を避け降下を続けると・・・差し渡し6mほどの平坦地が姿を現す。着陸地点だ。果たしてはやぶさ2の挑戦は成功するのか? そして、この宇宙大冒険の先には何が待っているのか?
<あらすじ> 舞台は2019年の東海地方。一人暮らしの光代(桃井かおり)に、娘をかたる女から詐欺の電話がかかってきた。以前もだまされた経験のある光代は、警察のオトリ捜査に協力。現れた14歳の「受け子」、和人(渡邉蒼)の逮捕に貢献する。 和人を送り込んだのは、「かけ子」の大輔(中村 蒼)と「見張り」の遠山(長村航希)。幼馴染の2人は、詐欺を「老人の『死に金』を社会に還元する義挙」と信じ、和人や玲奈(髙橋ひかる)をはじめとする、未成年の「受け子」を被害者の元へ送り込み、荒稼ぎを繰り返していた。 和人の取調べが進み、遠山も逮捕される。様子を窺うため、裁判所へ傍聴しに行く大輔。するとそこに証人として光代が現れた。大輔は光代の証言を聞くうちに、金銭だけでなく、家族間の絆や生命まで奪われて行く被害者の実態を知る…。 【作】高田亮 【音楽】勝井祐二 mouse on the keys 【出演】中村蒼 長村航希 髙橋ひかる 渡邉蒼 濱津隆之 坂井真紀 イッセー尾形 桃井かおり ほか
肝臓に中性脂肪が蓄積して起こる脂肪肝。これまでは医師の間ですら「たかが脂肪肝。大酒飲みだけの問題で、原因となるお酒を控えれば大丈夫」と甘く見られてきた。しかし近年、その常識が覆されつつある。 アルコールを原因としない「非アルコール性脂肪肝」が急増し、人間ドック受診者の1/3に脂肪肝の疑いがあることが判明。さらに肝臓の病気だけでなく、大腸がん、胃がんといった他臓器のがんや心筋梗塞、脳卒中など、全身の病気との関連も明らかになってきた。 脂肪肝がやっかいなのは自覚症状がなく治療薬もまだないこと。唯一できるのは、少しでも早く自らの『隠れ脂肪肝』に気づき、取り返しがつかなくなる前に対策することだ。 番組では治療や研究の現場を徹底取材。気づかぬうちに脂肪肝が肝臓がんや全身の病に進行する怖さ・メカニズムなど、最新情報を紹介する。また、診断が難しい「非アルコール性」のセルフチェックや、「アルコール性」を含めた脂肪肝改善術もしっかりお伝えする。
3月21日、東京ドームでのMLB開幕シリーズを最後に、現役引退を決めたイチロー。その決断までの半年間、NHKだけに独占密着取材を許した。取材の中で見えてきたのは、大胆にバッティングフォームを改造するなど、最後まで挑戦を続ける求道者としての姿だった。前人未踏の10年連続200本安打やメジャー通算3000本安打など、数々の偉業を成し遂げてきたイチローだが、その実績以上に、常に理想を追求し、努力を積み上げていく“生き様”に、多くの人々は共感してきた。今回カメラは、神戸の自主トレ、アリゾナキャンプ、東京での開幕戦まで密着。そしてシアトルの自宅で、イチローは胸に秘めた覚悟を語った。稀代のアスリートの最後の挑戦の日々を描く。
ダイアナ元皇太子妃と、その継母となったスペンサー伯爵夫人レイン。当初は憎しみあい、妃の離婚の苦悩を機に“無二の親友”となってゆく。美貌の才女2人の知られざる物語。
高さ160メートルを超す超高層ビルの建設ラッシュに沸く東京。平成に完成したビルは100棟に迫り、続々と建設が進んでいる。平成の初めにバブルがはじけ、地価が暴落して不良債権の山と化した東京が、なぜ“失われた20年”の中で超高層シティーへと姿を変えているのか。実は、平成前半に行われた民間の2つの再開発がターニングポイントとなって、国が高層都市化へと大きく舵を切っていたことが取材で明らかになった。 一つは「丸の内」。特定の区域内の土地の容積率を“買う”という国内初のウルトラCで新丸ビルはじめ6棟の超高層が建った。もう一つは「六本木ヒルズ」。莫大なコストを覚悟の上で、法定基準以上の耐震性能を施し、グローバル企業の日本離れを食い止めた。当時の開発に関わった企業や行政のトップたちが実像を語る。 平成を象徴するこの2つの開発の成功は、都市開発を目的とした「特区」の創設へとつながり、渋谷や品川、虎ノ門など、続々と巨大開発を生み出している。 バブル崩壊後に日本が生き残るための数少ない処方箋だった高層都市化。それは日本の発展の象徴となるのか、それとも過剰な開発となり再びバブルを呼び起こすのか。その光と影を検証する。 リポーター・有馬嘉男キャスター
マツコ・デラックスと有働由美子の強力タッグと、NHKが独自に開発した人工知能 「AIひろし」がぶつかり合い、日本が直面する課題の解決策を探るシリーズ、「AIに聞いてみた」。第4回のテーマは「超未婚社会」。恋も結婚も個人の自由・・・ですが、日本の大きな課題「少子化」に直結する問題でもあります。 いま日本の婚姻率は過去最低を記録。男性の4人に1人、女性の7人に1人は生涯独身という、“超未婚社会”ともいうべき状況。少子化の原因の9割が婚姻率の低下にあるという研究も発表されています。 しかし、どうしてこれだけ未婚社会になったのかは、実は研究者も全貌がつかめていない大きな謎。これまでは男性の収入の不安定化や女性の社会進出、保育所問題などが原因とされることが多かったのですが、AIはいままでの常識とは異なる意外な要素を導き出してきました。それは「健康と結婚の関係」、「家電量販店と交際相手」・・・などなど、一見全く関係のないと思われるものたちの「つながり」。こうした意外なAIの解析結果をもとに、独身のマツコと有働が結婚について大激論。専門家たちと平成最大の難問の解決策を探ります。
今、ある日本人女性の片づけ術が世界から注目を集めています。 “こんまり”こと近藤麻理恵さん。2010年に「人生がときめく片づけの魔法」を出版し、ベストセラーに。8年が過ぎた今も再び米国でベストセラー上位に返り咲くなど勢いは衰えず、世界でシリーズ累計1100万部を突破しました。彼女の片づけ術が世界から注目される理由、それは単なるお片づけなのに、なぜか人生が劇的に変わってしまうからだとか。 本当に、片づけで人生が変わるほどのことが起こるのでしょうか? 私たちは1年に渡り、こんまりのノウハウによる片づけ現場に密着しました。捨てるか残すか、手に取ってみてときめくかどうかで判断する「ときめきチェック」。それを繰り返すだけで、部屋が劇的に片づいていく様子。部屋が片づくにつれての心の変化・・・。 経済不安、うつ、ひきこもり…。複雑な過去を背負った3人の女性が、片づけで、人生を変えていく。この番組を観た後、きっとあなたも片づけがしたくなります。
シリーズ「平成史スクープドキュメント」第7回は、この30年、その姿を大きく変えた自衛隊の秘史に迫る。東西冷戦終結とともに始まった平成は、民族紛争やテロが相次いだ一方で、日本周辺では朝鮮半島危機や中国の台頭が顕在化し、国際情勢の激変に見舞われた。その中で変化を迫られたのが「自衛隊」だった。任務が拡大してく中で自衛隊は、安全保障の現場の「最前線」で何を見たのか。 今回、NHKは自衛隊にとって大きな転機となった「朝鮮半島危機(平成6年~)」「911同時多発テロ(平成13年)」「陸上自衛隊のイラク派遣(平成16年~)」に関する未公開ファイルを新たに入手。そして、それに基づく独自取材から、変貌する自衛隊の知られざる舞台裏が明らかになってきた。 戦後、“専守防衛”を掲げて活動してきた自衛隊に、私たちは次の時代どのような役割は求めていけばよいのか、未公開ファイルをひもときながら展望していく。
4月に行われる統一地方選挙。「政治には興味ない」なんて言っているあなた、実は地方議会では「ごみ収集」「学校運営」「介護」「学童の費用」など、暮らしに直結する大事な議論が行われているって知っていました?ところがいま、行政側の提案をほとんどチェックせず通してしまう「なれ合い議会」や、本当にまじめに取り組んでいるの?と思いたくなる議員の不祥事が相次いでいます。 さらに深刻なのは「なり手不足」。大都市圏でも無投票の選挙区が続出。議会の解散を議論する自治体も出るなど、私たちが知らないうちに、存続さえ危ぶまれる危機的な事態が起きているんです。 NHKは、全国3万2000人余りの地方議員全員を対象に、初めての大規模アンケートを実施。なぜ議員を目指したのか、議会の問題点はどこにあるのか、やりがいを感じているのか、改善への道はあるのかなど、率直な疑問をあますとこなくぶつけました。回答からは驚くべき声も…。知られざる地方議会のいまを徹底検証し、「最も身近な民主主義」を考えます。
東西冷戦が終結し、従来の秩序が大きく転倒する転機となった1989年。その年、www(ワールド・ワイド・ウェブ)が発明され、世界中が蜘蛛の巣のように結ばれていった。“平成”は「情報」の在り方が大きく変貌し、社会の形が大きく変わった時代でもあった。個人と個人がつながり、情報を自由に発信/受信することで、“マスメディアの情報”の価値は相対化され、その地位は大きく揺らいだ。 シリーズ「平成史スクープドキュメント」最終回は、日本の「情報革命」の軌跡を、ふたりの先駆者の人生から辿る。2007年、月間318億ページビューで世界一を記録し、日本人の情報のプラットフォームとなった「Yahoo! JAPAN」の元社長・井上雅博氏、そして、ファイル共有ソフト「Winny」を公開し、「情報」の所有/非所有の関係を一気に変えた金子勇氏である。近年相次いで亡くなった2人の足跡からは、日本の情報革命の知られざる姿が浮かびあがってくる。 番組では、マスメディアの30年の動きや、“フィルターバブル”と呼ばれる現象が広がる現在の社会状況も織り交ぜながら、情報のあり方がさらに大きな変貌をとげるであろう次の時代を展望していく。
まもなく元号が変わろうとする30日夜8時からは、私たち日本人にとって“天皇”とは何かを、歴史をひもときながら考えます。 ことし11月に行われる予定の「大嘗祭」。古来より伝わる皇室の伝統で、皇位継承にともなう一世に一度の重要な儀式ですが、その詳しい内容は長くベールに包まれてきました。今回、私たちは「大嘗祭」など皇室関連の儀式を徹底取材。受け継がれてきた皇室の伝統とは何か?に迫ります。 番組では、「皇位の安定的継承」についても取り上げます。平成の次の時代になると、皇位継承者は秋篠宮さま、悠仁さま、常陸宮さまの男性皇族3名となります。男系男子に限られている皇位の継承をどう考えていけばよいか。戦後、現憲法の下で2度に渡って行われた政府の議論を、発掘資料やスクープ証言を交えて詳細に検証。「皇位継承」を巡って何が話し合われたのか?新しい時代、主権者である私たちはこの問題とどう向き合えば良いのか?そのヒントを探っていきます。
平成31年4月30日夜の食事、それは平成最後の晩餐。みなさんは、誰とどんな食事を味わいますか―。 平成元年4月に放送を開始した「NHKスペシャル」。平成のラストを飾る第3056回は、“食卓”から日本の未来を見つめます。先の大戦から「東洋の奇跡」と呼ばれた戦後の44年間を経て始まった「平成」という時代。それは右肩上がりの成長神話に裏打ちされた「昭和」とは異なり、低迷と混乱の30年でした。少子高齢化が進行し単身世代も増加、都市集中と地方衰退も加速。“家族のカタチ”が大きく変わりました。こうした30年の日本人の暮らしの変化を如実に映し出してきたのが、わたしたちの「食卓」です。一人で食べる「孤食」が広がり、献立の中身も大きく様変わりしています。栄養不足など食事の劣化が指摘される一方で、つつましくても豊かな食生活を嗜好する動きや、家族の枠を越えた新たな繋がりで「食卓」を支えていこうという試みも始まっている。 番組では日本の“食卓”をめぐる現場ルポと最新研究を軸に、NHKスペシャルやクローズアップ現代が記録してきた平成日本の姿を織り交ぜながら、この30年間を生放送で振り返ります。そして“生活者の視点”から私たちの未来を考えていきます。
病気やけがで損傷した臓器・組織を“自己再生能力”を活性化させることで治療する「再生医療」。 この春、一度失った神経の機能を取り戻す再生医療が世界に先駆けて日本で実際の医療に使われ始める。対象は、事故で脊髄を損傷し、首から下がマヒしてほとんど動けなくなってしまった患者さん。 この再生医療を受けると手足が動き出し、杖なしで歩けるまでに回復。自分で車が運転できるようになる人も現れている。治療に使うのは、患者自身の骨髄から取り出した「間葉系幹細胞」という細胞だ。これを培養して増やし、点滴で患者の体に戻すと、傷ついた脊髄が再生されていく。 番組では、札幌医科大学が行ってきた治験に3年間密着。「再生医療」の新時代が扉をあけるまでの現場を活写する。iPS細胞やES細胞などを使った研究も進み、脳梗塞やパーキンソン病など治療の難しい病の克服が期待されている。再生医療が私たちの医療をどう変えていくのか。その驚くべき実像に迫る。
前回大好評をはくした、タモリ×山中伸弥教授のシリーズ「人体」が再び登場!新シリーズのテーマは、最近何かと話題の多い「遺伝子」だ。世界最先端の研究現場で進む、驚異的な遺伝子解読の世界を、2回に渡ってお伝えする。第1集の舞台は“トレジャーDNA”研究の最前線。実は、これまで遺伝子と呼ばれて解析が行われていたのは、全DNAのたった2%。残りの98%は「何の働きもしないゴミだ」とさえ言われてきた。ところが急速な技術の進化によって、その未知の領域の解読が加速している。そこから「病気から体を守る特殊なDNA」や、「私たちの個性や体質を決める情報」などが、次々と明らかになり始めているのだ。健康長寿を実現したり、誰もが潜在的な能力を発揮したりするためのヒントが満載。今回、ゲストの石原さとみさんと、鈴木亮平さんも、最新の遺伝子検査に挑戦する。遺伝子って何?遺伝子検査で何が分かるの?など、知っておきたい遺伝子の基礎を山中教授が解説。子供達にも大人気、体内を探検するようなCGも見所のひとつだ!
逃れられない病や、誰にも真似できない才能。人生は、持って生まれた遺伝子によっておおよそ決められている。みなさんそうお思いですよね…。とんでもありません。実は最先端の研究は、運命さえも変えうる「ある仕組み」があることを突きとめつつあります。その仕組みとは「DNAスイッチ(エピジェネティクス)」。命の設計図と言われる遺伝子には、いわばスイッチがあり、オンとオフを切り替えれば、その働きをがらりと変えられるというのです。すでに、がん治療の最前線では、そのスイッチを薬でコントロールする治療が可能に。そして、肥満などの体質を決める遺伝子から、記憶や音楽などの能力に関わる遺伝子まで、全てスイッチがあり、コントロールできる可能性が浮かび上がってきました。さらに、精子をトレーニングして、生まれくる我が子へ優れたDNAスイッチを受け継ごうという研究まで始まっています。私たちの体の中に潜む、神秘の世界を目撃しに行きましょう。
教室では口にすることのできない子どもたちの本音、“声なき声”に耳を傾ける2本シリーズ。第1回は、認知件数が41万件と過去最多となった「いじめ」(全国の小中高など・2017年度)について考える。 様々な対策にもかかわらず、未だ事態を打開できない中、いじめの実態調査の依頼が全国から殺到する場所がある。東京にある、その“探偵事務所”は、もともと浮気や企業の内偵調査を行っていたが、15年ほど前から、いじめの調査依頼が増え始め、今では専門のNPO法人を立ち上げるまでになった。学校や教育委員会に相談しても解決せず、行き場を失った子どもや親たちから、これまで実に6000件以上の相談が集まっているという。調査は実践的で、SNSの監視から、尾行・張り込み、情報公開請求など、あらゆる手段を駆使していじめの実態を探り、ケースごとに解決策を模索する。 探偵の調査から見えてくるのは、現代のいじめがいかに巧妙化し、見えにくくなっているか。そして、その異変に対応できなくなっている教育現場の姿だ。全国でも例のない“いじめ探偵”に密着し、どこにも届かない子どもたちの“助けて”を見つめていく。
日本美術史に革命を起こした鎌倉時代の天才仏師、運慶と快慶。手がけた仏像の多くが国宝に指定されているふたりの“知られざる名品”が、800年ぶりに見つかった。NHKは1年半にわたって調査チームに密着。大発見の一部始終を独占取材してきた。 力みなぎる代表作・東大寺南大門の仁王像を生んだ運慶と快慶だが、その生涯や創作の秘密は、謎に包まれてきた。そのミステリーに、調査チームは最先端のテクノロジーで挑戦。原子炉の検査などに使われるX線やCT技術を用いて、仏像を“透視”することで、内部に膨大な古文書や秘宝が隠されていることを明らかにした。新資料から浮かび上がってきたのは、盟友だったふたりの決別のドラマ。貴族の世から武士の世へ変貌する激動の時代、異なる道を歩んだ運慶と快慶は、“究極の美”を求めて競い合った。美術史の空白に挑むスクープドキュメントを軸に、本格的なドラマを交えて、二人の天才の実像に迫る。
シリーズ「教室の声なき声」、第2回は増え続ける「不登校」について生放送で考える。去年、教育の現場で新たな課題が表面化し、関係者に衝撃を与えた。「登校しても教室に入れない」「教室で苦痛に耐えているだけ」という、“隠れ不登校”ともいえる中学生が推計で約33万人もいることが明らかになったのだ。 不登校の約11万人に加え、計44万人にも上る中学生が“学校へ行きたくない”と考えている現実。いま、こうした声を学校への“NOサイン”だと捉え、公教育の枠組みを大きく見直す模索が広島県で始まっている。去年4月、福山市の公立中学校に「校内フリースクール」を設置。さらに、子どもたち個々の違いを尊重する教育で知られるオランダの現場を視察し、公立学校への導入を決めるなど、新たな施策を次々と打ち出している。 番組では、学校現場の模索を1年間にわたり密着取材。さらに、日々子どもたちと向き合うNPOと連携し、生放送で中学生たちの声を集めるなど双方向の演出も取り入れながら、“教室の声なき声”に耳を傾ける。
安楽死が容認され海外からも希望者を受け入れている団体があるスイスで、一人の日本人女性が安楽死を行った。3年前に、体の機能が失われる神経難病と診断されたAさん。歩行や会話が困難となり、医師からは「やがて胃瘻と人工呼吸器が必要になる」と宣告される。その後、「人生の終わりは、意思を伝えられるうちに、自らの意思で決めたい」と、スイスの安楽死団体に登録した。 安楽死に至るまでの日々、葛藤し続けたのが家族だ。自殺未遂を繰り返す本人から、「安楽死が唯一の希望の光」だと聞かされた家族は、「このままでは最も不幸な最期になる」と考え、自問自答しながら選択に寄り添わざるを得なくなった。そして、生と死を巡る対話を続け、スイスでの最期の瞬間に立ち会った。 延命治療の技術が進歩し、納得のいく最期をどう迎えるかが本人と家族に突きつけられる時代。海外での日本人の安楽死は何を問いかけるのかを見つめる。
中国政府の発表で「反革命動乱で319人が死亡した」とされている天安門事件。 30年たった今も、中国では事件に触れることはタブー視されていて、民主化を求める丸腰の市民を、なぜ、どのように武力で鎮圧したのか、詳細はわからないままだ。 今回、NHKはその真相に迫ろうと、中国や世界各地に当事者を訪ね、新たな史料を探し出した。そこから見えてきたのは、事件の前から周到に配置されていた軍の姿や、政権内部の権力闘争の一端だった。さらに、西側各国の外交文書からは、欧米の指導者が改革開放を進める中国との経済関係を重視し、表向きは非難しながら、水面下で緊張関係の回避を図ろうとしていた実態も浮かび上がってきた。 天安門事件による民主化の挫折は、中国の人々に深い傷を残し、その後共産党が強権的な一党支配を進める素地を作ったと言われる。 番組では、大国・中国の運命を決めた50日間を再検証し、天安門事件めぐる数々の謎に迫る。
100年前、印象派を代表するフランス人画家、クロード・モネが描いた、幅4m高さ2mの巨大な「睡蓮」の絵。専門家が「モネの画家人生の集大成」と評価するこの絵は、今、上半分が完全に欠落している。戦前に実業家松方幸次郎がモネ本人から購入したものだが、戦火を逃れた疎開先で厳しい環境に置かれたため、湿気などにより損傷したものと考えられる。 この“失われた名画”の大規模な修復と科学調査が日本の国立西洋美術館の主導でスタートした。わずかな絵の具の破片からも、モネが用いた技術や材料が明らかになる。 また“在りし日の絵を写した白黒写真”を手掛かりに、デジタル画像による推定復元が進められた。「人間」による推定と「人工知能」による推定によって、ともに創り上げていく。 しかし、作業は困難を極めた。モネが駆使した様々な技巧を白黒写真からどこまで読み取れるか。番組は、細やかな修復と復元調査、そして人工知能を結集し“総力戦”で挑んだ「睡蓮」復元プロジェクトに密着。果たして“奇跡の一枚”はよみがえるのか…。修復とデジタル復元の過程からモネの「芸術の神髄」に迫る。
2019年は宇宙探査の最新成果が続々もたらされる「宇宙イヤー」。2月、はやぶさ2は未踏の小惑星への着陸に成功し、4月には日米欧の研究チームがブラックホールの直接観測に成功。この新シリーズでは、驚きの大発見が続く宇宙へ、櫻井翔がナビゲートする。 第1集のテーマは「宇宙人」。一昨年、太陽系の外から飛来した天体が突如地球に急接近。自然には起こりえない加速をしつつ太陽系外へと飛び去った。形は「長さ400mの葉巻形」。ハーバード大の教授らは宇宙人が作った“宇宙船”だと唱えている。 実はいま、科学者の大多数は「宇宙人はいる」と信じている。では、どこにいるのか? 去年稼動したばかりの宇宙望遠鏡TESS(テス)は、かつては全く注目されなかった地味な星が最有力であることを明らかにした。太陽の10分の1ほどの大きさの目立たない赤い星、その周りを回る惑星だ。赤い星に常に同じ面を向けているため、この星の半分は永遠に昼、半分は永遠に夜だ。昼半球では大瀑布のような雨が降り、夜半球は極寒の氷が覆う。こんな過酷な星に宇宙人がいると言うのだが、いったいどこにどんな宇宙人が?マジメな宇宙人研究、その最新到達点を紹介する。 番組ナビゲーター:櫻井翔、和久田麻由子アナウンサー
東京を訪れる外国人の誰もが目を見張るのは、首都圏の鉄道路線図の複雑さである。 148の路線、1700もの駅、全長数千キロを、分刻み秒刻みで電車が走る。過密ダイヤでありながら、事故は少なく安全。数分でも遅れれば、遅れを詫びるアナウンスが流れる。訪れる誰もが、東京の鉄道の複雑さと正確性へのこだわりに驚嘆する。 私たちは、鉄道運行の心臓部、JR東日本の「総合指令室」に初めてカメラを入れることが許された。全国から東京暮らしの新顔が集まり“東京一極集中”が極まる春先、モンスターのような人の流れに立ち向かう、鉄道マンの苦闘を見つめる。また、番組ナビゲーターの佐藤健が、首都圏の鉄道の正確さへのこだわりを体感するために、実際の鉄道ダイヤを使った謎解きゲームに挑戦する。JR京浜東北線、山手線、東海道線、京浜急行などを乗り継いで、ゴールで待っていたのは…。 今回副音声では、番組ナビゲーターの佐藤健さんと、鉄道をこよなく愛する六角精児さんが、番組を観ながら鉄道トークを繰り広げます。初めて見る総合指令室に興奮したり、謎解きゲームの裏話で盛り上がったり・・・。ぜひ、お二人の鉄道トークも合わせてお楽しみください。
200人を超える人の命が奪われた、平成最悪の豪雨災害「西日本豪雨」。なぜこれほど多くの命が失われてしまったのか。発生から1年、国・地方自治体の大規模調査や、研究機関による検証、そして私たちの取材で、あの時、何が起きていたのかが、その全貌が浮かび上がってきた。多くの犠牲者を出した大規模な洪水。それは、「バックウォーター(背水)の連鎖」と「決壊の連鎖」という、これまで考えられていなかった「ふたつの連鎖」が重なり引き起こされたことが分かってきた。 さらに、避難者が避難指示の対象者の1%にも満たなかったことも、被災自治体が1年かけて行った住民への大規模調査から判明。避難を妨げる障壁となる心理メカニズムの研究も進み、住民一人一人が避難情報をわが事として受け止め、確実に逃げてもらえるような、新たな情報の伝え方の模索も始まっている。 番組では、被害が集中した地域で雨が降り始めた7月5日から多数の死者が出た7日未明までの48時間をタイムラインで徹底検証。人々の生死を分けたものは何だったのか、行政の当事者や生存者、目撃者の証言をひもとき、ビッグデータ解析の手法も用いて導き出していく。 “災害新時代”が到来したいま、次々と襲ってくる“想定外”に絶望するのではなく、それを乗り越え、命をつなぐための手がかりを探る。
6600万年前、隕石衝突による絶滅の前夜、恐竜に代表される当時の生物は、地球の生物史上、類を見ないほど多様に、そして究極の進化を遂げていたことがわかってきた。 これまで発見された恐竜化石は1千種に上るが、それは恐竜全体のわずか1%にすぎない。ところがこの10年ほどで、残る99%の発見が相次ぎ、恐竜たちの姿形だけでなく、どのように暮らし、戦い、子孫を残し、そして死んでいったのかという“生きざま”まで、精密に再現できるようになった。番組では、超精密CGを駆使して、最新知見に基づくリアルな恐竜世界を、2本シリーズで描き出す。 第1集の舞台は“陸”。最新研究はこれまでの常識を覆し、多種多様な恐竜が羽毛をまとっていたことが分かってきた。羽毛は恐竜を劇的に変えた。体温を維持できるようになったことで、抜群の運動能力、抱卵・子育て術を獲得、そして極寒の北極への進出が可能になり、さらには極寒を生き抜くうちに知性すら獲得していたという。姿もさまざまな羽毛恐竜が闊歩する、見たことのない恐竜世界をお伝えする。
4月に改正入管法が施行され、外国人による“単純労働解禁”という歴史的ただ中にあるニッポン。今、現場で何が起きているのか?146万人を突破した外国人労働者の中でも、急増著しいのがベトナム人だ。彼らの間で“駆け込み寺”と呼ばれている場所がある。東京・港区にある浄土宗の寺「日新窟」。ベトナム人の尼僧タム・チーのもとには、母国からやってきた技能実習生や留学生などから、長時間労働や賃金の未払い、パワハラなど、様々な相談が持ち込まれる。更に、不慮の死や自ら命を絶ったベトナム人の遺体の引き取りや供養の依頼も。荼毘に付した遺体は、去年だけでも40人を数える。番組では「日新窟」にカメラを据え、そこで起こる一部始終をドキュメント。異国の地ニッポンで非業の死を遂げたベトナム人の軌跡もたどりながら、今や私たちの暮らしになくてはならなくなっている外国人労働者のリアルな現実を描くと共に、日本社会のゆがみを浮き彫りにする。
最新科学の成果に基づき、恐竜時代の全く新しい風景を描き出す「恐竜超世界」。 第2集の舞台は、“海”。恐竜時代の海の世界は、長い間、謎に包まれていたが、最新研究で恐竜とは似て非なる“巨大竜”が君臨していたことが分かってきた。 実は巨大竜たちは、もともと陸上に住んでいたる小さなトカゲの仲間だった。しかし恐竜との生存競争に負け、海に活路を見出した結果、独自の進化を遂げ海の世界に君臨。ついに恐竜にも打ち勝つ力を得た。まさに逆転のドラマがあったのだ。 その秘密が、繁殖革命。巨大竜の祖先は恐竜に追い詰められたことで、私たち哺乳類よりもはるかに前に、卵ではなく赤ちゃんを出産するという能力を獲得していたのだ。そのため、現代のクジラのように海の中だけで子孫を残すことができ、沿岸から外洋まで世界中の海への進出が可能になった。当時の海にはライバルとなる生物がおらず、無尽蔵の魚を独占。生物史上最速で巨大化を成し遂げ、海に近付く恐竜さえも獲物にしていたという。 太平洋や日本の沿岸部を舞台に、海の巨大竜たちの世界を、実写合成による超精密CGで再現。海の中で繰り広げられていた、壮大なドラマを描く。
7月21日投票の参議院選挙。有権者が示した民意をどう読み解くのか?また選挙結果を受けて、日本政治はどう動くのか?争点となった年金。今後の議論のあり方は?10月に予定されている消費税率引き上げ。いま必要な経済政策は?憲法改正をめぐる議論の行方は?内外の重要課題に政治はどう向き合うのか?番組では、視聴者から寄せられたご意見を交えて、徹底討論します。
平成に衰退した暴力団にかわって、勢力を拡大させた犯罪集団「半グレ」。振り込み詐欺や脱法ドラッグ販売など、さまざまな闇ビジネスを展開するために離合集散を繰り返す、暴走族出身者などを指す言葉だ。暴力団と異なり、構成員も曖昧で、事務所などの明確な根城を持たず、暴力団対策法や暴力団排除条例による規制もきかない。犯罪集団とカタギという2つの顔を持つ彼らは、高学歴者を取り込みながら、ネットを使った詐欺など、さまざまな闇のビジネスモデルを構築。そこでもうけた金を土地や株などの正業に投資してさらに肥大化している。番組は東京と大阪を舞台に、半グレの最前線を取材。社会を脅かす、知られざる犯罪者集団の実像に迫る。
驚きの大発見が続く宇宙へ、櫻井翔がナビゲートするシリーズ『スペース・スペクタクル』。 今年4月、世界の科学者が協力し、史上初めてブラックホールの姿を捉えた事が発表された。100年前にアインシュタインの相対性理論で予言された「仮想」の天体を、人類は初めて目にしたのだ。いま最新の観測や研究によって、ブラックホールの「黒くて見えない」「何でも吸い込む」「レアな天体」という、これまでの「常識」が覆されつつある。ブラックホールは、物質を吸い込むだけでなく、強烈な勢いではき出し、宇宙の隅々まで物質を行き渡らせる「巨大なかきまぜ装置」である可能性が分かってきたのだ。専門家は「ブラックホールが宇宙をかき混ぜたおかげで、生命が生まれた」と語るなど、知られざる「私たちとの繋がり」も明らかになってきた。 今から100億年前、誕生間もない宇宙を一変させ、宇宙を今日の姿へと作り上げたブラックホール。その一大スペクタクルを、高精細CGで映像化。私たち生命との深い繋がりに迫っていく。 ナビゲーター:櫻井翔、和久田麻由子アナウンサー。
「人間よ!昆虫に学べ」をテーマに、カマキリ先生(カマキリに扮した俳優・香川照之さん)が虫を求めて野原を駆け回り、ほとばしる昆虫愛を語る人気番組、「香川照之の昆虫すごいぜ!」が、Nスペに進出!昆虫と私たち人類の未来に迫る。 カマキリ先生は、生物多様性の聖地・コスタリカへ。宝石にしか見えないコガネムシ、ありえない虫・ツノゼミ、少年時代からの憧れ・モルフォチョウ・・・、魅惑の昆虫たちを前に、大興奮のカマキリ先生。しかし、そんな昆虫王国にも人間による開発や温暖化による異変が忍び寄っていることを知る。そこで、世界の昆虫の“今”を大調査。日本では昆虫が激減。ドイツでは、8割近い昆虫が減る異常事態が進行中で、花や鳥まで消えた沈黙の世界が広がっていた。研究者の間では、「あと100年で昆虫は絶滅する」とまでいわれ、人類滅亡を招く恐怖のシナリオ=「昆虫カタストロフ」が現実になってもおかしくないという。一方、最新の研究からは、北米のオオカバマダラが羽を大型化させ、進化によって、気候変動に対抗していることが判明!もしかしたら、本当に“やばい”のは昆虫ではなく人間なのかもしれない。カマキリ先生とともに昆虫に驚嘆し、胸を熱くし、子供たちが大いに学べる夏の夜をお届けする。
京都の老舗中の老舗67店が集まる「京名物 百味會」。懐石料理の「瓢亭」、八ッ橋の「聖護院八ッ橋総本店」、羊羹の「とらや」など“1名物1店”の原則で結成し、一切の追加入を認めていない、京都の真髄ともいえる老舗の集まりだ。これまで表立った取材に応じてこなかったこの百味會が、今回初めてテレビの取材を受け入れた。 百味會が結成されたのは戦後まもない頃、物資の不足など苦境に置かれた店どうしが助け合うことから始まった。以来、百味供養・味の会・海外視察など様々な活動を通じて、会員同士が交流を深め、高め合うことで、現在の“京都ブランド”を創り上げてきた。 ところが最近、多くの老舗が、かつてなく厳しい時代の荒波にもまれている。外国人観光客が増え、流行が次々と変わる中で、老舗にはなかなか客が集まらない。 どうすれば伝統を守りながら、いまの時代にも通用する老舗として、暖簾をつないでいけるのか。各老舗の模索に密着し、“よそさん”には見せてこなかった京都人の本音や素顔に満ちた姿をドキュメントする。
今年、広島の原爆資料館で、“戦後最大のリニューアル”が行われた。その狙いは、「被爆」を、“あの日、キノコ雲の下にいた人間の目線”から捉え直すこと。「遺品」や「写真」に刻まれた被爆の記憶や、エピソードをひとつひとつ調査し、「どんな人が持っていたのか」「のこされた家族は何を思うのか」―――“個人の物語”を記して展示することにしたのだ。被爆者の平均年齢が82歳を超え、体験を語れる人が少なくなる中、遺品や写真に「あの日の記憶」を語って貰おうとしているのだ。番組では、資料館に収蔵された2万点にも及ぶ資料や遺品をたどり、「知られざる物語」を取材。血と汗が滲んだ1枚のシャツに込められた「兄の悲しみ」や、「被爆した母と、生まれた子供」を写した写真の裏にある感動の秘話を明らかにしていく。被爆者なき時代が迫る中で、未来に被爆を継承しようと模索を続ける「ヒロシマ」。被爆者や遺族たちが原爆資料館に託した“ラストメッセージ”に迫る。
いま、祖父母や家族に“食べ物”“オシャレ”“恋の話”などの戦争中の思い出を聞いて、SNSに投稿する若者が増えているのをご存じだろうか。NHKスペシャルでは「デジタル時代の戦争伝承」ともいえるこの新しい現象をとりあげ、スタジオで語り合う。きっかけは去年8月放送の「クローズアップ現代+」。大ヒット映画「この世界の片隅に」の主人公・すずさんのように厳しい時代を懸命に生き抜いた庶民の暮らしを取り上げ、#あちこちのすずさん というハッシュタグを立てたところ「自分も家族からエピソードを聞いた」という投稿がネットに殺到した。この夏、NHKスペシャルは「らじらー!」(ラジオ第1)や「あさイチ」とも連携して若者世代からエピソードを集め、アニメ動画やイラストで再現。「すずさんたちの青春」を鮮やかによみがえらせる。 出演:千原ジュニア(芸人)、八乙女光・伊野尾慧(Hey! Say! JUMP)、広瀬すず(俳優)、片渕須直(映画監督)
太平洋戦争の転換点となったガダルカナルの戦い。日本陸軍の精鋭部隊916名が、1万人を超えるアメリカ海兵隊に戦いを挑み、全滅した。 指揮官の一木清直大佐は、無謀な突撃作戦にこだわり、部下の命を奪ったとして非難を浴びてきた。果たしてそれは真実なのか?今回、アメリカで膨大な戦闘記録を発見。一木支隊の知られざる激闘の実態をドローンによる地形調査を交えて、高精細な三次元のCGで復元する。10倍の敵が待ち構えているとは知らず、「死の罠」にはまっていった一木支隊の兵士たち。予期せぬ大敗北の裏には、共同作戦に打って出た陸軍と海軍の対立があった。両者の溝が深まる中で、戦場は地獄と化していった。部隊全滅の責任を負わされた指揮官の悲劇に新発見の史料から迫る。
なぜ日本人は、戦争への道を歩むことを選択したのか。これまで"空白"だった道程を浮かび上がらせる第一級の史料を入手した。治安維持法制定時の司法大臣・小川平吉が創刊した戦前最大の右派メディア「日本新聞」である。1925~35年に発行された約3千日分が今回発見された。発刊当時、言論界は大正デモクラシーの全盛期。マイナーな存在だった"国家主義者"は、「日本新聞」を舞台に「デモクラシー=自由主義」への攻撃を開始する。同志の名簿には、後に総理大臣となる近衛文麿、右翼の源流と言われる頭山満などの実力者が名を連ねていた。国内に共産主義の思想が広まることを恐れた人たちが、日本新聞を支持したのである。さらに取材を重ねると、日本新聞は地方の読者に直接働きかける運動を展開していたことも明らかになってきた。そして、ロンドン海軍軍縮条約、天皇機関説排撃など、日本新聞が重視した事件がことごとく、社会から自由を失わせ軍の台頭を招く契機となっていく。知られざる日本新聞10年の活動をたどり、昭和の"裏面史"を浮かび上がらせる。
私たちが知っていたのは、“真相”の一断面に過ぎなかった―。 今回NHKは、あの歴史的事件の一部始終を記録した「極秘文書」を発掘した。1936年2月26日、首都・東京の中枢で首相や大臣が襲撃された、近代日本最大の軍事クーデター「二・二六事件」。これまで、事件に関する主な公的記録は、完全非公開で“暗黒裁判”と言われた陸軍の軍事裁判資料とされ、事件をリアルタイムで記録した1次資料はなく、多くが謎とされてきた。事件から83年がたった今、見つかった「極秘文書」によって、青年将校たちの反乱と、その鎮圧にいたる「4日間」の詳細が明らかとなったのだ。 文書を密かに記録していたのは海軍。事件発生直後から現場に解き放った「調査部隊」や、密かに設置された「見張所」からまさに分単位で緊迫の状況を記録していた。陸軍の幹部が事件の裏で行っていた知られざる会談や、海軍が、反乱を超えた大規模な内戦まで想定して備えていたことなど、文書に残されていた「新事実」の数々に、解析に当たった専門家も息を呑んだ。 二・二六事件後、軍国主義を強め戦争に突入していった日本。首都東京を大混乱に陥れ、国家の運命を分ける転換点となった歴史的事件の全容に迫る。
日本の占領期の第一級史料が発見された。初代宮内庁長官として昭和天皇のそばにあった田島道治の『拝謁記』である。1949(昭和24)年から4年10か月の記録には、昭和天皇の言動が、田島との対話形式で克明に記されていた。敗戦の道義的責任を感じていた昭和天皇は、当初「情勢ガ許セバ退位トカ譲位トカイフコトモ考ヘラルヽ」としていた。さらに、1952年の独立記念式典の「おことば」で戦争への反省に言及しようとする。しかし、吉田茂首相からの要望で、最終的に敗戦への言及は削除されていく。その詳細な経緯が初めて明らかになった。番組では、昭和天皇と田島長官の対話を忠実に再現。戦争への悔恨、そして、新時代の日本への思い。昭和天皇が、戦争の時代を踏まえて象徴としてどのような一歩を踏み出そうとしたのか見つめる。
アジア、太平洋で繰り広げられた日本の戦争。1940年(昭和15年)に東京で開かれる予定だったオリンピックは中止となり、幻となった。活躍を期待された選手たちは、戦争一色に染まる時代の中で、歴史の表舞台から消えた。 今回、番組では、競泳・北島康介さん、サッカー・長谷部誠選手、陸上・朝原宣治さんとともに、その選手たちの足跡をたどる。 戦場に向かい、還らなかった選手の中には戦争の「シンボル」として利用された実情も見えてきている。また、スポーツを統制し戦争に全面協力させようとした国や軍に対して、スポーツの精神そのものを守ろうとした人物がいたことも分かってきた。競泳監督などを務めた松澤一鶴だ。今回、松澤の数百点に及ぶ資料も見つかった。 2020を控えたいま、アスリートの尊厳を奪い去った戦争の現実を明らかにするとともに、スポーツの精神を追い求めたアスリートたちと松澤の激動の人生を見つめる。
あなたは想像できますか?真っ暗闇のなか、100mを10秒台のスピードで駆け抜ける世界、そして42.195kmを3時間もの間走り続ける世界を。 その想像を絶する世界を作り上げるのが、パラ陸上で視覚障害のある選手と隣でガイドする伴走者だ。二人をつなぐのは、長さ10cmほどのロープ、その名も「絆」。暗闇のなか、転倒やけがのリスクと隣り合わせの走りを支える命綱であり、究極の信頼関係が必要だと言われている。番組では、100mで驚異的なシンクロを成し遂げるアメリカペア、そしてマラソンで心と心をつなぎ合う日本ペア、日米2組の世界記録保持者に密着。そこには、一人では届かない世界に、二人でたどり着こうと格闘する、壮絶なドラマがあった。東京パラリンピックまで、あと1年。ドキュメンタリーと最新科学で、究極の「絆」に迫る。
日本で初めてブラックアウト(全域停電)が起きた北海道胆振東部地震から1年。 今回、当時の映像や当事者の証言などの解析から、北海道では、医療機関の情報共有システムが機能せず、災害時の患者の転院に混乱が起きるなど「医療崩壊寸前」の状態に陥っていたことが分かってきた。さらに、電気に依存していた物流システムが寸断され長期間にわたって食料品などの供給不足が発生していたことも明らかになった。 首都直下地震が発生した時、首都圏ブラックアウトは起きるのか?内閣府の想定では、電力の供給能力は5割程度に低下し、広域で停電が発生するとされている。地震から生き延びた人たちは、大停電によってどのような危機に見舞われるのか?大停電に備えるためにはどうすればよいのか?シミュレーションドラマを交え、その時への備えを考える。
櫻井翔が、驚きの宇宙の旅にナビゲート!シリーズ最終回のテーマは、「生命誕生の謎」。 地球の生命はどのようにして誕生したのか?これまでは「すべては海で起きた」とされていた。しかし今、注目を集めているのは、何と、「生命のルーツは宇宙にある」という説。生命の材料を満載した小惑星が太古の地球に降り注ぎ、それをもとに生命が誕生したというのだ。 その“動かぬ証拠集め”を託されたのが、日本の探査機“はやぶさ2”。約3億km離れた小惑星リュウグウの表面を爆破し、地下から「星のカケラ」を採取するという世界で初めての一大ミッションに挑んだ。しかし、ひとつ間違えば機体に破片が衝突、地球帰還は夢と消えてしまう。果たして無事ミッションを成功させ、生命の材料を見つけることはできるのか・・・。 番組では、史上初の小惑星の爆破探査の全貌を、Nスペ独自の密着ドキュメントで紹介。さらに、太古の太陽系で起きた、地球の生命誕生と深くかかわるとされる大スペクタクル、「惑星大移動」も完全映像化。宇宙と生命誕生の驚異のドラマを描く。
内村光良・南原清隆が、東京五輪でメダル獲得が期待される若きアスリートの成長を追うシリーズ「TOKYOアスリート」。第3回は、日本発祥のスポーツで初めて五輪に採用された競技、柔道。 男子66キロ級の兄・阿部一二三(22)、女子52キロ級の妹・詩(19)はともに世界最強クラスの選手。目指すのは「2020年7月26日、兄妹同日の金メダル」だ。2人の強さを支えるのは、「これぞ日本柔道」という切れ味鋭い「投げ技」。海外勢の長い手足を生かした体格差やパワーに押される日本選手が多い中、阿部兄妹は、一瞬で相手の懐に飛び込み、宙に舞わす。相手に「いつの間にか投げられていた」と言わせる究極の「投げ技」を、科学的な手法で可視化する試みにも挑む。 オリンピック金を目指す阿部兄妹にとって最大の山場が8月に東京で開催される世界選手権。2020年の“前哨戦”となる大会に向けて、各国は阿部兄妹の柔道を徹底的に研究「打倒アベ」への秘策を準備して臨もうとしている。 2人は包囲網を打ち破り結果を残すことができるのか。TOKYOから柔道の新たな歴史を切り開こうとする兄妹の“成長の軌跡”を追う。
世界中が熱狂するスポーツの祭典「ラグビーW杯」が、ついに日本で初めて開催される! 番組は2回シリーズで“フィールドの格闘技”ラグビーの真髄をえがく。 第1回は、世界の強豪の“究極のプレー”を“最新科学”で徹底解析。注目するのは、瞬時に試合を決定づける司令塔の「判断力」、激しい肉弾戦「スクラム」、そして自らの肉体を犠牲にして敵を止める「タックル」だ。番組は、撮影した映像の視点を自在に変えられる「自由視点映像」を初めて導入し、“王者”ニュージーランド対オーストラリアの一戦を撮影した。まるでフィールドにいるような圧倒的な迫力映像、研究者やラグビー界のレジェンドたちと科学的に分析して見えてきた“究極”の世界とは?さらにトッププレーヤーに密着し、その身体能力も解析。激しい消耗戦の中、的確な判断を行う驚異の認知能力や、100キロを超える相手に、迷わず身体を突進させるメンタルの源も明らかになってきた。恐怖心をコントロールし、限界を超えて人間を突き動かすものは何なのか。ラグビーの“神髄”から人間が持つ知られざる可能性に迫る!
“フィールドの格闘技”とも言われるスポーツ、ラグビーの真髄をえがくNHKスペシャル「2019年ラグビーW杯」。第2回は日本代表に注目!「スポーツ史上最大の番狂わせ」と言われた前回南アフリカ戦から4年。今回、日本は史上初のベスト8進出を目標に掲げる。そのためには、長年に渡りワールドカップの上位を独占してきた「ティア1」と呼ばれる伝統国の牙城を崩さなくてはならない。名将エディー・ジョーンズのあとチームを引き継いだのは、ニュージーランド人のジェイミー・ジョセフ。決め事重視だったエディー時代の戦術を一変させ、「リスクを恐れず、状況判断しながら大胆に攻める」戦い方を導入した。この戦い方は一気にチャンスをつかむ可能性がある一方、失敗すれば相手にボールを奪われ、大きなリスクを負いかねない。刻々と状況が移り変わるピッチの上で、いかに選手一人一人が最適な判断を下し、プレーを選択できるか。いま、チームは主将リーチマイケルを中心に、多い日には1日6部練習、日本代表史上最も過酷と言われる猛特訓を行いながら、戦術の徹底を図っている。 番組では、自国開催で国民の大きな期待を背負う桜の戦士たちに長期密着。放送はティア1の一角、アイルランド戦の前日。取材から見えてきた勝利の可能性を明らかにする。
戦後の焼土の中でデビューし、長きにわたり、歌謡界のトップを走り続けた絶世のエンターテイナー・美空ひばり。没後30年を迎える今年、私たちは、NHKやレコード会社に残る、膨大な音源、映像を元に、最新のAI技術によって、美空ひばりを現代によみがえらせる試みに挑む。 その歌声は、なぜ日本人の心を揺さぶったのか。これまで天才、オーラという曖昧な言葉でしか表すことができなかった美空ひばりの超人的な歌唱力や表現力を、AIはどう数値化し、どこまで再現できるのか。 AIひばりのために新曲をプロデュースしたのは、生前最後の曲「川の流れのように」を手がけた秋元康氏。そして過去の膨大な映像を解析しながら、歌唱中の目や口の動きを抽出し、4K・3Dホログラム映像で等身大の美空ひばりを出現させる。 AIでよみがえった美空ひばりは、人の心を揺さぶる力まで獲得する事ができるだろうか。 出演 秋元康 天童よしみ 森英恵
内村光良と南原清隆が、東京五輪でメダル獲得が期待されるアスリートに迫る、シリーズ「TOKYOアスリート」。第4回は、五輪で80個ものメダルを積み上げてきた、日本のお家芸「競泳」。五輪本番を控えた今年、競泳日本代表は、萩野公介選手と池江璃花子選手の両エースが離脱するという激震に見舞われた。かつてない逆風のなか、“新エース”に名乗りを上げたのが、瀬戸大也選手(25)と大橋悠依選手(23)。東京五輪の前哨戦となったこの夏の世界選手権で、男女のキャプテンに就任し、瀬戸選手が金メダル2個、大橋選手が日本女子唯一のメダルとなる銅メダルを獲得するという、堂々たる結果を残してみせた。しかしこの二人、これまで決してエリート街道を歩んできたわけではない。瀬戸選手は同学年の萩野選手という絶対的存在を追いかけ続け、大橋選手は大学4年生で初めて日本代表に選出されるという異例の遅咲き。ともに、誰にも真似できない独自の泳ぎを追求し、這い上がってきた。番組では、最新の特殊撮影で強さの秘密を徹底解析するとともに、大きな期待と重圧のなか、もがき苦しみながらTOKYOの頂点を目指す、挑戦の日々に密着。競泳ニッポンの命運を託された、男女の“新エース”の覚悟と素顔に迫る。
企業の廃業件数はこの5年で20万件、大廃業時代を迎えている。経営者の8割以上が、周囲の誰にも相談できず、孤立したまま廃業に追い込まれているため、専門家は「企業の孤独死」と呼び警鐘を鳴らしている。取引先企業や地元の金融機関に大きな損害を与え、地域経済の生態系を崩壊させかねない「リスクある廃業」が広がっているのだ。そうした事態を未然に防ごうと、弁護士や経営コンサルタントなどの専門職が廃業に寄り添う活動に乗り出し、通称「企業のおくりびと」として動き始めている。 大廃業時代の背景には、リーマンショック後、借入金の返済を猶予する政策やマイナス金利など超低金利政策などで、利益がほとんどなくても“生き延びる”企業が数十万社にも上ったことがある。番組では、“おくりびと”がリスクの高い企業を無用に延命するのではなく、取引先や従業員、そして地域経済にも大きなダメージを与えない「いい廃業」へと導く過程を密着ルポで描き出す。さらに、帝国データバンクと共同で、全国140万社の「廃業予測データベース」を解析。専門家の分析も交えながら、地域経済を循環・再生するヒントも探り出す。
2017年8月に放送して大きな話題を呼んだ、東京ブラックホールの第2弾。山田孝之さん演じる現代の若者が、今度は1964年、前回の東京オリンピックの年にタイムスリップ、破壊と創造の時代を追体験する。 日本に、最も夢と希望があふれていた時代と、ノスタルジックに語られる年、1964年。しかし発掘された映像は、人々の記憶から多くの事実が失われていることを物語る。公害問題の深刻化、東京一極集中の加速、巨大公共工事に伴う汚職の頻発。東京に出現したブラックホールは、オリンピックという巨大な引力によって、日本中のヒト、モノ、カネを飲み込んでいき、今に至る矛盾の種を産み落としていた。 1964年の突貫工事の現場にタイムスリップした、現代の若者は、そこで何を目撃し、どんな出会いを果たすのか…。歴史を追体験する新感覚ドキュメンタリーである。それは、まもなく2度目のオリンピックを迎える、私たちの道しるべとなるはずである。
50以上の河川が決壊するなど、東日本の広い範囲に甚大な被害をもたらした台風19号。現場ではいったい何が起きていたのか、そして、これほどの災害がなぜ起きたのか…。取材から明らかになってきたのは、広域に、大量に降る雨に対応することの難しさ、そして、新たなフェーズに入った台風の脅威だ。番組では、台風19号の被害から学ぶべき教訓をくみ取り、今後、台風災害にどう備えればよいのか考える。
日本中を感動の渦に巻き込んだ、ラグビー日本代表の快進撃。悲願のベスト8進出を決めた一次リーグ最終戦。スコットランドとの一戦は、後世にまで語り継がれる文字通り「死闘」となった。瞬間視聴率50%、感動の舞台裏で、カメラは、ベスト8進出の一部始終を捉えていた。試合中、ロッカールームで交わした選手たちの知られざるやりとり。試合前の選手たちのミーティングの様子など貴重な映像。さらにコーチ陣らキーマンたちのインタビューも得ることができた。浮かび上がってきたのは、かつて“弱小”と言われた日本代表の進化した姿だった…。NHKは、500日に渡って、知られざる日本代表の苦闘の日々にも完全密着してきた。道のりは試練の連続だった。ジェイミー・ジョセフHCが持ち込んだ“新たなラグビー”。それにとまどう選手たち。主将・リーチ マイケルや司令塔・田村優ら中心メンバーらの、汗と涙の日々が記録されている。放送日、ベスト8決戦を前に、日本代表躍進の舞台裏を紐解き、桜の戦士たちが到達した新たな境地に迫る。
八村塁(21)が、もうすぐバスケットボールの世界最高峰、NBAでデビューを果たす! 選手の平均年棒は、あらゆるプロスポーツの中でも最も高額とされ、およそ5億人の競技人口の中で、その舞台に立てるのはわずか450人だ。さらに“ドラフト一巡目指名”ともなると、世界でわずか30人というエリート中のエリート選手に選ばれた証であり、日本人としては初めての快挙となる。 世界最高峰・NBA入りが決まったその瞬間から、NHKのカメラは等身大の21歳の若者の姿を記録し続けてきた。ベナン出身の父と日本人の母のもとに生まれ、子どもの頃は「自分はいったい何者なのか?」と悩んだという八村。そんな彼を変えたバスケとの出会い。アメリカへの留学で気づいた、日本人としてのアイデンティティーと自らのルーツにも関わる多様性の強み・・・。半年間の密着取材とロングインタビュー、そしてかつてのコーチなどの証言から、一人の青年が、世界への扉をこじ開けるまでの知られざる成長の軌跡を描いていく。またマジック・ジョンソンやデニス・ロッドマンなどNBAのレジェンドにも独自インタビューを敢行!八村のプレーの魅力やすごさ、その可能性に迫っていく。
今年10月、新天皇即位を記念し、天皇家が守り続けてきた「正倉院宝物」が公開される。1300年という世界にもまれな悠久の時間を超えて残された宝物の数々。シルクロードを経て日本にもたらされたと考えられてきたが、最近の研究で、その多くが日本国内で作られたことが明らかになってきた。 番組では、宝物を超高精細8Kカメラで撮影。すると、宝物に残された製作工程を示す痕跡を、初めて映像でとらえることに成功した。そこから浮かび上がってきたのは、日本で宝物を作る一大国家プロジェクトの存在。推し進めたのは、奈良の大仏を建立した聖武天皇である。当時、日本は、巨大帝国・唐に対抗すべく、新しい国づくりを進めていた混迷の時期。宝物の国産化は、日本を生まれ変わらせようとする聖武天皇にとって、乾坤一擲の秘策だったことが見えてきた。 “ものづくり日本”の原点ともいえる1300年前のプロジェクトを、正倉院宝物から解き明かす歴史ミステリー。東京国立博物館と奈良国立博物館での特別展開催に合わせ、至宝の魅力をあますところなく伝える。
東京オリンピックでの金メダル獲得が期待される陸上4×100mリレー。桐生祥秀・サニブラウン・小池祐貴と3人の9秒台選手を擁し、「史上最強」とも言われる日本。しかし個の成長は、日本伝統の「絆のバトン」にヒビを入れるリスクも招いた。5月の世界リレーではまさかのバトンミスで失格。個人でも100mのファイナリストが視野に入るなか満足のいくリレー練習を行う事が難しくなっていたのだ。前哨戦となる10月の世界選手権に向けてチームをいかに立て直すのか。キーマンの土江コーチに密着。異例とも言える海外での「部分練習」の様子を取材した。また高速バトンパスを体感する為に代表選手にVRカメラを装着し、時速40キロ近いスピードで行われるバトンパスの神髄を体感。さらにベールに包まれたサニブラウンのアメリカでの成長の秘密も追った。 スタジオには桐生祥秀ほか代表メンバーを招きウッチャンナンチャンが、日本代表が目指す「進化形アンダーハンドパス」の秘密やリレーメンバーの個性あふれる素顔に迫る。
今年は、レオナルド・ダビンチ没後500年のアニバーサリーイヤー。この希代の天才を巡り世界では最先端の科学を駆使した研究が、かつてなくヒートアップしている。その画期的な成果を紹介しながら、推理小説を紐解くように世紀の大天才の謎を解き明かしてゆく知的エンターテインメントの2本シリーズ。ナビゲーターはサカナクションの山口一郎さんだ。 第1集は、絵画の内部を透視し、描かれたプロセスを再現できる最先端の科学技術で、モナリザをはじめとするダビンチ絵画に秘められた数々の秘密に迫る。 実は、ダビンチが深く関与し「本物」だと考えられる絵画は、わずか14点しか現存が確認されていない。あらゆる芸術作品の中で、ダビンチの絵画は特別に貴重なものなのだ。そのため、「ひょっとすると、まだ見ぬダビンチ絵画がこの世界のどこかに隠れているのではないか」と人々は取りつかれたように、まだ見ぬダビンチの絵画を探し続けてきた。 今回、特別の許可を得て、ルーブル美術館を始めとする世界最高の専門家たちが極秘裏に行った、ダビンチ作の可能性が高いとされる一枚の未確認絵画の徹底調査プロジェクトに3年間にわたって密着。そこから、驚くべきことが次々に解明された。 果たして、私たちは「ダビンチの新作発見」を目の当たりにすることができるのか。
ダビンチ・ミステリー、第2集は、稀代の芸術家でありながら、医学、生物学、物理学、工学・・・あらゆる学問に精通していた「万能の天才」の秘密に挑む。飛行機もなかった500年前に、Googleマップと同じ精度の鳥瞰図を残し、まだ解剖学が進んでいなかった時代に、現代のトップクラスの外科医でさえ驚く詳細な解剖図を記していたダビンチ。芸術と科学、二つの巨大な領域をこれほど自在に渡り歩いた人物は空前絶後だ。 一体、ダビンチとは何者なのか?番組では、ダビンチが思考の過程を記した膨大な「手稿」を入手。世界で初めてAI解析を行い、いわばダビンチの「脳内」を再現する。見えてきたのは「aqua=水」に異常なこだわりがあったこと、そして通常であれば、知識の量が頭打ちとなる60代を過ぎてからも、新たな知見を蓄積していった驚くべき姿だ。「人間の体内、そして人間を取り巻く世界全てを理解したい」「それを自らの手でキャンバスに再現したい・・・」。ダビンチが独学で身につけていった科学的な知見は、「モナリザ」や「最後の晩餐」といった絵の細部に至るまで生かされていくことになる。ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブスら、現代の「天才」たちの憧れであり続けるダビンチ。右脳的世界と左脳的世界を結びつけ、圧倒的な成果を生み出したその人物像を通して、人間の持つ可能性に迫る。
いま世の中は「健康・美容・長寿のためには、これを食べろ」といった情報の洪水!ところが一方、メタボ・糖尿病・心臓病・高血圧・・・食が引き起こす病は増えるばかり。これほど食に翻弄される生物は地球上で人間だけだ。「本当に人を健康で幸せにする“理想の食”って何?」そんな疑問の答えが、意外にも人類と食の「進化の歴史」に秘められていることが明らかになってきた。シリーズ「食の起源」(全5回)は、あなたと食との知られざる関係を、壮大な進化の視点から解き明かす、かつてない大型番組だ。食の分野で活躍するTOKIOをMCに迎え、ワクワクする食の冒険を繰り広げる。 第1集のテーマは、ニッポンの主食「ご飯」。日本人のソウルフードでありながら、糖質が多いご飯は「肥満の元凶」とされ、“ご飯抜きダイエット”もはやっている。ところが最近、「糖質を減らすと寿命が縮む」という衝撃のデータが!ご飯は健康長寿の敵なのか、味方なのか?人類と糖質の関係を起源までさかのぼると、ご飯には日本人の遺伝子や腸内細菌を変えてしまう、すごいパワーが秘められていることが分かってきた。あなたのご飯を見る目が、きっと変わる!
自らテーマを見つけて学ぶ「自学」を小3~中3までの7年間、人知れず続けた少年の記録。昨年の「子どもノンフィクション文学賞」大賞作を基に描くドキュメンタリー。 リリー・フランキーやノンフィクション作家の最相葉月が称賛する中3男子の作文が密かな話題を呼んでいる。昨年の「子どもノンフィクション文学賞」で大賞に輝いた、北九州市在住の梅田明日佳くんの作文だ。 なぜ、彼は「自学」を人知れず続けたのか。彼に起きた数々の“奇跡”とは──。 地域の大人との交流を通して成長した7年間の軌跡を彼の「自学ノート」から紐解く。
NHKスペシャル計7本を中心に、各時間帯のニュースや、「あさイチ」「ごごナマ」など様々な番組、デジタルサービス、イベント展開と連携しながらNHKが総力をあげてお送りする「体感 首都直下地震ウイーク」のプロローグ。 新しい令和の時代も様々な災害に襲われ大きな被害を受け続けている日本。こうした中、今後30年以内に70%という高い確率で発生することが懸念されている大災害が首都直下地震だ。想定M7.3、最大震度7。揺れによる全壊家屋最大約17万5千棟、焼失家屋41万2千棟、死者2万3千人、負傷者12万3千人、経済的被害95兆円…。首都直下地震が起きたら一体何が起きるのか? その被害の全貌を、内閣府中央防災会議作成の被害想定に最新の研究成果を加えて紹介しつつ、1週間連続する集中編成で、どう首都直下地震を先取りして体感していただくのか、命を守るノウハウをどのように知っていただくのか、ナビゲートしていく。
シリーズの「DAY1」から「DAY4」の4本は、私たちが暮らす東京とは別の架空の東京=“パラレル東京”でM7.3の首都直下地震が発生した様子を、VFXを駆使して描くドラマ「パラレル東京」を軸に、ほぼリアルタイムで進行していく。“発災”時刻は12月2日午後4時4分。震源は都心南部…。被害の実態をドラマで紹介しつつ、さらになぜこうした被害が発生するのか、その背景の詳細や構造的な問題を生放送のスタジオでゲストとともに考えていく。 ■ドラマ「パラレル東京」のあらすじ NNJテレビのアナウンサーの倉石美香(26)(小芝風花)は入社4年目。「ナイトニュース」でスポーツを担当するサブキャスターだ。突然発生した首都直下地震に巻き込まれメインキャスターが行方不明になったため、美香は編集長である江口繁之(49)(高橋克典)に自分が伝えると志願する。未曾有の被害を伝え続ける中、同僚が火災に巻き込まれ、自分の妹との連絡も途絶えてしまう。首都・東京、そして日本はいったいどうなってしまうのか…。 「DAY1」は発災当日の被害の様子。ビル倒壊、同時多発火災、列車の脱線、大停電、群衆事故など、想像以上の事態が次々と発覚。先の見えない被災状況を体感し、命を守るすべを考える。
「DAY2」は発災から30時間あまりが経過した首都圏の姿…。 一夜明けて被害状況が明らかになってきた首都・東京。猛威をふるい続ける同時多発火災はいまだおさまらない。そればかりか高さ200メートルにも及ぶ炎の竜巻“火災旋風”など様々な“未知の脅威”が襲いかかる。倒壊したビルや建物に取り残されている人は推定5万人。だが緊急車両の不足や激しい渋滞で救助の手は届かない。ドラマ「パラレル東京」では、主人公・美香が、倒壊した雑居ビルに閉じ込められた十代の女性と電話で話をすることになる。希望を失いかける女性を励ます美香だが、予想外のニュースが次々と飛び込み大混乱に見舞われる。SNSに飛び交うデマ情報で多くの人々が死傷。首都直下地震は人災の側面も現わし始めた。そして深夜、大規模停電の影響で、携帯電話の基地局の電源が喪失。“広域通信ダウン”が発生する…。 生放送のスタジオでは、なぜこうした想定外の被害が起きるのか、その詳しい仕組みを解説、大都会の知られざる弱点を見ていく。
「DAY3」は発災から50時間以上たった東京の姿。大規模火災はようやく鎮火に向かいはじめる。しかし各地で避難所が開設されるものの食料や水など物資の不足が目立ってきた。避難者たちの体力、精神力も限界が近く、遺体の身元確認も追いつかない。そして首都・東京は、さらに予想外の事態に襲われ続ける。ドラマ「パラレル東京」でも、停電から復旧した建物で起きる通電火災が発生。再開した株式市場では株価が暴落、多くの外国企業も日本から脱出しはじめる。主人公・美香の妹もいまだ消息不明。そんな中、雑居ビルに閉じ込められた人の救出が、東京消防庁のハイパーレスキュー隊によって開始された。だがそこに、震度6強の最大余震が襲いかかる…。 発災3日目以降の特徴は、揺れや火災から生き残った人々の命が、また別の形で脅かされ始めるという事態に突入すること。中でも病院にたどり着きながら治療を受けられずに亡くなる人の数は、発災以降6千人以上に上るとされている。新たなフェーズに入った首都直下地震の被災地の被害の詳細を見ながら、身を守るすべを考えていく。
「DAY4」は発災から80時間余りが経過した首都・東京の姿。ドラマ「パラレル東京」では、最大余震によって復旧しかけていた首都機能が再び失われる。各地で土砂崩れが発生。そうした中、SNSに東京東部の河川の堤防が崩れたという未確認情報があがる。もし決壊すれば、地震洪水という未曽有の複合災害となる恐れがあった。裏が取れない危機の存在をどう伝えればいいのか。美香たちは一分一秒を争う究極の選択を迫られることになる…。 発災からの4日間を見てきたことで浮かび上がってくるのは、私たちが目の前の危機に対ししっかり備えられているかどうか、いま一度足元を確認する必要があるということだ。生スタジオではMC・ゲストが、大災害が私たちを襲ったときにどうなるのか、自分自身や、大切な人の身に何が起きるのか、あらかじめ知り、想像し、十分考えをめぐらせておくことの重要性をかみしめる。さらに、人々が一極集中する都会が抱える様々な問題点や、社会的コンセンサスの必要性などを再確認していく。
首都直下地震の発生から1週間、1か月後、1年後、10年後の東京、日本はどうなるのか? DAY1からDAY4までの「直接的な危機」を運良く乗り越えたとしても、命を脅かす“二次被災”のリスクが次々に降りかかることが最新研究で明らかになってきた。番組では専門家らと共に、将来起きうる事象を可視化した「被災ツリー」を作成。1つの選択がいかに派生的な困難を生むか、明らかにしていく。発災から1週間、全国規模で大規模な水不足が起きるおそれや、助かった命が危機にさらされる「医療空白地域」が生み出される危険性が指摘されている。発災1か月には、仮設住宅の不足などで、100万人を超える「住宅難民」が生まれ、東京から移住する「震災疎開」によって、家族離散に追い込まれる人も出てくるという。そして、発災1年後、10年後、、、試算では経済損失は731兆円(20年間)にも及ぶとされ、膨大な震災がれきと圧倒的な人不足・重機不足もあって復興が大幅に遅れる恐れがある。日本社会が体力を失っていくリスクが見えてきた。 ゲストにドラマ「パラレル東京」でDAY4まで“サバイブ”した女優・小芝風花さんを新たに迎え、終わりの見えない被災を見ていく。
様々な困難が次々と私たちの身に降りかかってくることが明らかになったNスぺシリーズ「体感 首都直下地震」。最終日となる日曜は、「どうすれば被害を減らせるのか?」。平時のいま出来る備えは何かを考えていく。 防災の専門家によれば、人口減少や財源不足などから、首都直下地震への対策は、「今後10年がタイムリミット」だという。人口、経済、行政機能、情報などあらゆるものが一極集中する首都圏での大規模災害。対策には、社会や国のあり方そのものを変えなければ「国難を迎えかねない」という。 では、どこから手をつければいいのか? そのヒントとなるのが、前日の土曜日のNスペで紹介した「被災ツリー」だ。震災直後から長期にわたって私たちに襲いかかる5000におよぶ困難を可視化したもの。そのイベント(困難)の連鎖を詳細に分析し、その大本となる原因を探ることで、被害を抑える「ターゲット(課題)」が浮かび上がってきた。 今後30年以内に70%の確率で発生するとされる首都直下地震。さらには80%の確率といわれる南海トラフ地震。私たちに迫る大災害から少しでも命と財産を守るために、いま私たちが取り組まなければいけないことは何か? 災害に耐える社会への処方箋を探る。
「本当に人を健康で幸せにする“理想の食”って何?」そんな疑問の答えを、人類と食との“壮大な歴史”と“驚きの進化”から解き明かすシリーズ「食の起源」(全5回)。食にこだわりを持つTOKIOをナビゲーターに知られざる“食の真実”に迫っていく。 第2回のテーマは「塩」だ。食のおいしさにも生命維持にも欠かせないものなのに、とり過ぎによる高血圧の急増が問題になり、今や「減塩」の大合唱。なぜ人間は健康を害するほど塩のとりこになってしまったのか?人類の進化をさかのぼると、じつは私たちは、はるか大昔に、ほとんど塩をとらなくても生きられる体を手に入れていたことが明らかに。ところがその後、祖先の食生活に起きた「ある変化」をきっかけに、人類は塩の魅力にとりつかれていく。謎を探ってTOKIOの松岡さんも、太古の祖先の驚くべき「塩づくり」に挑戦。人類の進化から見えてくるあなたにとっての“本当の適塩”とは!?
2020年に向け、世界中から人やモノが爆発的に押し寄せている東京。その“奔流”を受け止めるため、空と海の“大動脈”を貫通させる「輸送革命」が動き始めている。 まずは海。日本最大の物流の拠点・東京港の海底では、全長1000mものトンネルをわずか4年で完成させる工事が、最終盤を迎えている。数千トンもの輪切りの“土管”を7基、次々と海に沈めて海底で接合する難関工事。待ち受けるのは、予測不能な東京湾の脅威…大深海を蠢くサメやシャチ、視界わずか30センチという海の濁り、無数の埋立地が生む世界屈指の複雑な潮の流れとの闘いだ。五輪では選手村と会場を結ぶ幹線ともなる「海底トンネル」は、東京の心臓部に世界中の人とモノを運びこむ「バイパス手術」だ。 一方、空の入口・羽田空港の大変革も始まった。現在より4万回の離発着の増便を目指す“超過密ダイヤ革命”=国際線の大増強。来年春からの東京の首都上空を飛ぶ新経路を実現させるため、管制シミュレーションや検査飛行に挑んでいる。地上では、深夜2時間のみの間隙を縫って、空港内トンネルを新設、軟弱地盤と闘いを続けている。 空と海で繰り広げられる輸送革命の一部始終を、水中4Kカメラ、シミュレーションCG等を駆使して多角的に描き出す。
19世紀のロシアの文豪・トルストイは、「幸福な家庭はどれも似ているが、不幸な家庭はそれぞれに不幸なものである」と語ったが、今や家族という固定した枠組みは崩れ、幸せの形も一様ではない。この番組では、家族の形が多様化する中で、葛藤を抱えながらも、それぞれの幸せを見つけようとする家族とそこから何かを得ようとする著名人の姿を同時並行で描く、言わば二重構造のドキュメンタリーである。 番組は、2組の家族の幸せを求める姿を追う。虐待やネグレクトなど、様々な理由で実の親と一緒に暮らすことのできない子どもたちが暮らす里親家族。訪ねるのは、自らも幼い頃に両親が離婚し、祖父母のもとで育てられた経験のある関ジャニ∞の横山裕さん(38)。横山さんは、血縁のない人たちが、親子になろうとする里親家族に何を見るだろうか。もうひとつは、30年以上前に夫をがんで亡くしながらも、伴侶を亡くした孤独を乗り越え、94才の今も精力的に活動を続ける脚本家の橋田壽賀子さんの日常を、一昨年、長年連れ添った妻を亡くした元プロ野球監督の野村克也さん(84)が見つめる。生きる意味を見いだせず、抜け殻のような状態になったと言う野村さん。橋田さんと出会うことで、残りの人生を生きる支えを見つけることはできるだろうか。
時代が平成から令和へと移る中、11月安倍首相の在任期間が憲政史上最長となった。 かつて1年で退陣し批判にさらされた安倍首相が、政権奪還後、なぜ歴代最長政権を築くに至ったのか?この7年、安倍首相や政権幹部らは、政治の安定を重視し、世論の動向をにらみながら内外の政策課題に取り組み、内閣支持率は今も高い水準を維持する。一方、政権維持が優先されるあまり、政治のモラルハザードや立法府の地盤沈下を招いたとの指摘は、野党のみならず与党内からも上がっている。 番組では、安倍内閣の支持率と不支持率が逆転した“3度の危機”(2015安保法審議/17衆議院解散/18文書改ざん発覚)をクローズアップ。政権の最高幹部と与野党のキーパーソンによる証言ドキュメントで、その知られざる内幕に肉薄。最長政権が、日本政治に一体どんな変化をもたらしたのかを探る。
国内外で熱狂を巻き起こした、ラグビー日本代表。新たなファンも獲得し、視聴率は瞬間最高50%超を記録、今年を象徴する名シーンをいくつも生み出した。 中でも、日本ラグビーの歴史を変えたと評価されたのが、ベスト8をかけた強豪・スコットランドとの1次リーグ最終戦だ。台風19号の接近で開催が危ぶまれた試合は、予想外の展開の連続だった。前半、日本が誇る松島・福岡が連続トライ。20点以上のリードを奪ったが、スコットランドは徐々に日本のわずかな隙を突き、逆襲。1トライ1ゴールの差まで詰め寄られ、残りは25分。ここからノーサイドまで、両チーム一進一退、息詰まる攻防が繰り広げられることになる。「あの25分こそ日本ラグビーの進化の証」、そう選手・コーチ達が語る25分の死闘が…。 番組では、100台を超すカメラで撮影された「自由視点映像」をフル活用。さらに、両チームの選手・コーチ陣へのロングインタビューで、歴史的試合の知られざるドラマを再構築する。ラグビーワールドカップの「最も長い25分」。その果てに、選手達がつかみ取ったものとは・・・。
“これからの10年が人類の未来を決める”いま、世界の様々な分野の研究者が口をそろえる。地球温暖化、食糧や水の問題、そしてAIや生命工学など進化し続けるテクノロジー…。こうした難題に、これからの10年どう向き合っていくのか。それが人類にとって、大きな“分岐点”になるというのだ。もしも対応を誤れば、世界は後戻りできない“ディストピア”となってしまうかもしれない…。番組は、深刻化し始めている問題の最前線をルポするとともに、最先端のコンピューターグラフィックスで未来の姿を映像化する。番組MCは、武田真一アナウンサーと、いま注目の若手俳優・淸原果耶さん。豪華ゲストとともに、世界の“知の巨人”たちや、未来を切り開こうと奮闘する若者たちの言葉にも耳を傾ける。そして、次の世代に確かな未来をつないでいくためにわたしたちに何ができるのか、考えていく。
〝君自身が認知症になって初めて君の研究は完成する″かつての先輩医師の言葉を胸に、自ら認知症であるという重い事実を公表した医師がいる。認知症医療の第一人者、長谷川和夫さん(90)。「長谷川式」と呼ばれる早期診断の検査指標を開発、「痴呆」という呼称を「認知症」に変えるなど、人生を認知症医療に捧げてきた医師だ。NHKはこの1年、長谷川さんとその家族の姿を記録し続けてきた。認知症専門医が認知症になったという現実をどう受け入れ、何に気づくのか。カメラには、当事者としての不安、家族の葛藤…その一方、専門医ならではの初めての気づきも記録されている。認知症になったら、不確かな状態がずっと続くと思っていたが、正常な状態も確かに存在するということ。言葉が分からくなって話せないのではなく、「自分の言葉」に自信がなくなり、殻に閉じこもってしまうということ。確かさを取り戻すためには、他者との絆が重要であること…。 人生100年時代を迎え、誰もが認知症になりうる時代。長谷川さんが気づいた新たなメッセージを届け、認知症新時代を生き抜くための「手がかり」と「希望」を紡ぐ。
「本当に人を健康で幸せにする“理想の食”って何?」そんな疑問の答えを、人類と食との“壮大な歴史”と“驚きの進化”から解き明かすシリーズ「食の起源」(全5回)。食にこだわりを持つTOKIOをナビゲーターに知られざる“食の真実”に迫っていく。 第3回のテーマは「アブラ」だ。とり過ぎると体に悪いイメージだが、なんと世界には「摂取カロリーの7割」もアブラをとっているのに健康そのものという驚きの人たちが存在する。実はさまざまなアブラの中に「人類がそれなしには生きられない“命のアブラ”」があるというのだ。カギを握るのは、最近“体に良いアブラ”として話題の「オメガ3脂肪酸」と、その“兄弟分”とも言える「オメガ6脂肪酸」。これら2つの脂肪酸と人類の間で、波乱に満ちたドラマが繰り広げられていたことを、壮大な進化の歴史から解き明かしていく。TOKIOの国分さんと長瀬さんも、“命のアブラ”を含む「意外な食材」を発見。あなたの体に「本当に必要なアブラ」とは!?
いま、あのシルクロードより古い「文明の道」が姿を現し始めている。それは、現代社会に欠かせない「鉄」を伝えた道。西アジアから日本列島にいたるその道は、「アイアンロード」と名づけられた。このルートに沿うようにユーラシア各地の大草原や山岳地帯などで進む発掘調査からは、謎にみちていた古代国家の実像が次々と明らかになり、エジプトやギリシャなど、いわばメインストリームの古代文明とは異なる“未知の世界史”が浮かび上がっている。 また、これまで武器を中心に考えられてきた古代の鉄の役割が、時代が進むなかで次々と広がっていった事実も分かってきた。鉄は和平を促す“交渉品”となり、異文明を結ぶ“交易品”となり、馬具を生んで“移動革命”をもたらし、工具として“芸術革命”を導き、農具となって“生産革命”を起こしていた。鉄は、武器による「征服と破壊」の一方で、「融和と建設」の主役でもあったのだ。 番組は、俳優の江口洋介さんをナビゲーターに迎え、アイアンロード研究の最前線を追いながら、知られざる古代世界のダイナミズムを壮大なストーリーで描く。
阪神・淡路大震災から四半世紀、25年の歳月が過ぎた。この節目の年に私たちは、社会心理の専門家とタッグを組み、これまで前例のない大規模調査を行った。 対象は震災当時、小・中学生(6~15歳)だった子ども、いわゆる“震災の子”だ。現在31~40歳となった5000人に、震災が「その後の生き方」や「進路」などにどのような影響を与えたか聞いた。集計・分析が進む中で、専門家も驚く結果が明らかに。「家族を亡くした」「自宅が全壊」など、被災程度が高い人の6割近くが「今では震災体験を前向きに捉えている」と答える一方で、「今も思い出したくない」「触れて欲しくない」と答える人が2割近くに上った。いわゆる「二極化」が起きていたのだ。さらに、被災程度が高い人ほど「町への愛着を感じる」傾向があることも分かった。こうした結果はなぜ生まれたのか。「二極化」の分岐点はどこにあったのか。分析・取材を進めると「先生」や「近所の大人」など家族以外の「周囲の大人」の存在がカギとして浮かび上がってきた。 25年が経った今、初めて明らかになる“震災の子”の真実。神戸から全国の被災地へ新たな教訓を伝える。
今年、世界各地で本格的な運用が始まる次世代の通信規格「5G」。「5Gを制する者は世界を制す」とも言われるほど、今後の経済成長だけでなく、安全保障をも左右するといわれている技術だ。 今、この5Gで、世界を席捲するのは、中国の通信機器メーカー「ファーウェイ」だ。今回、NHKでは、ファーウェイの世界進出の動きに密着。そこから見えてきたのは、莫大な資金を投じて開発した最先端技術と、壮大な世界戦略だった。しかし、そのファーウェイの前に、立ちはだかったのが、アメリカだ。トランプ政権は、安全保障を脅かすとして、各国にファーウェイの排除を求め、各地で「ファーウェイショック」を巻き起こしているのだ。その攻防の最前線は、今、ヨーロッパにまで広がり、中でも、経済大国・ドイツでは、「受け入れ」か「排除」かで大きく揺れている。果たして、世界はどのような選択をするのか?番組では、各地で繰り広げられる攻防の舞台裏と、ファーウェイショックの正体に迫る。
歌手で俳優の福山雅治さんが、地球上に残された独特の自然環境や絶滅に瀕した貴重な生きものたちを訪ね、見つめてきたシリーズ「ホットスポット 最後の楽園」。最初のシリーズが放送されてから足掛け10年。最新の第3シリーズ(全5回)の放送が、いよいよ始まる! 第1回の舞台は、メキシコ・ユカタン半島。かつて巨大隕石が落下し、恐竜大絶滅を引き起こす引き金になったと言われる場所だ。ここの自然は、幾多の不思議に満ちている。大地の表面に点々と存在する、驚くような透明度の水で満たされた“セノーテ”と呼ばれる泉。その地下には世界最大級の水中洞窟が広がり、摩訶不思議な生きものたちが暮らす。また沿岸部には、本来は小さな島の周りでしか生息できないはずのサンゴが、巨大な大地に沿って群生し、世界で2番目の規模のサンゴ礁を形作っている。さらに、半島の沖合では、夏になると世界最大の魚・ジンベエザメが数百匹の規模で大集結。こんな現象が観察されているのは、世界でもここしかない。ミステリーに満ちたユカタン半島の自然に迫る。
「本当に人を健康で幸せにする“理想の食”って何?」そんな疑問の答えを、人類と食との“壮大な歴史”と“驚きの進化”から解き明かすシリーズ「食の起源」(全5回)。食にこだわりを持つTOKIOをナビゲーターに知られざる“食の真実”に迫っていく。第4回のテーマは「酒」。適度な飲酒は体に良いかと思いきや、最新研究では「飲酒量が増えるほど死亡リスクが上がる」という衝撃のデータも。確かにアルコールは様々な病気を招き、脳をマヒさせる「毒」でもある。それを知りながら、なぜ人類はこれほど酒を愛飲するようになったのか?謎の真相を探ると、祖先にとって“酒の起源”はなんと「生きるために欠かせない“栄養食”」だったことが判明。それが思わぬ展開で「酔うための酒」へと大転換していったのだ。しかも日本人は超意外な理由で「酒に弱くなる進化」を遂げていた!?お酒に強い人も弱い人もビックリの「酒の知られざる真実」に迫る。
WHO=世界保健機関が、中国・武漢市で広がる肺炎が、新型のコロナウイルスによるものだと公表したのは先月9日。以後、新型ウイルスに感染した患者は中国で増加の一途を辿り、その数は2万4000人を超え、死者は490人となった。WHOは「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」だと宣言、専門家からなる調査チームを中国に派遣すること決めた。国内で確認された感染者が23人となった日本でも、厚生労働省が全国の自治体にウイルス検査の対象を拡大するよう通知するなど警戒を強めている(2月5日6時現在)。新型ウイルス認定から1ヶ月。番組では、新型ウイルス肺炎に関する最新情報をアップデートしながら、生放送で視聴者の“不安”“疑問”と向き合っていく。各地のルポや最新の研究成果、WHO本部との中継を織り交ぜながら、グローバル化した世界と未知のウイルスとの闘いの新たな局面を見つめる。
私たちに身近な「道の駅」。実は夜になると様相が一変する。片隅に目立つのは目張りをした数々の車。長期にわたり駐車場を転々とする「車中生活者」の車だ。レジャー目的とは違い「年金だけでは家賃が払えない」「DVから逃れるため」など、それぞれに深刻な事情を抱えていた。小さな車に家財道具を満載し、狭い車内で身体を丸めて眠りにつく。 公式な統計はなく、NHKが全国の道の駅などを独自に徹底調査。すると、車中生活の末、体を壊し、命を落とす事例も出てきていることがわかった。ある道の駅の従業員は「もはや車中生活者の死を珍しいと思わなくなった」と明かす。 一方で車中生活者=貧困と、ひとくくりにできない一面も浮かび上がってきた。ふとしたきっかけで社会や家族から逃避し「車という逃げ場」に駆け込み、安住する人々がいた。 社会から離れ彷徨い続ける車中生活者。その存在は社会の何を反映しているのか?徹底した現場ルポで迫る。
中国貴州省の巨大洞窟群に「龍の巣」と畏れられてきた場所がある。そこは、「世界最大の地底空間」。地域に暮らすミャオ族からは、「ミャオティン」と呼ばれ、あまりの闇の深さから、「そこは、冥界。決して入ってはならない」とされてきた。今回、2年にわたる交渉の末、中国政府から撮影の許可を得た。内部をくまなく調査、謎に包まれた「ミャオティン」の全貌と誕生の秘密を解き明かしていく。プロジェクトに参加するのは、30年前、ミャオティンに入ったフランスの洞窟探検家。世界の洞窟の成り立ちに詳しい日本の研究者。そして、闇を照らす技術で世界が認めた洞窟写真家など、総勢29名。ミリ単位の精度の3Dレーザーで測量し空間を再現。さらに、内部に照明を持ち込んで、闇を追い払うという前代未聞の挑戦を行う。待ち受けていたのは、想像を絶する驚異の世界だった・・・。
歌手で俳優の福山雅治さんが、地球上に残された独特の自然環境や絶滅に瀕した貴重な生きものたちを訪ね、見つめる「ホットスポット 最後の楽園」第3シリーズの第2回。今回の舞台は、南米大陸を南北7000kmに連なるアンデス山脈だ。 アンデス山脈のほぼ中央部、標高4000mを超える高地には、真っ赤な水で満たされた巨大な湖や、世界最大の塩の大地・ウユニ塩原など、美しくもまるで生命を拒むかのような奇怪な絶景が広がる。しかし、そんな過酷な環境にもたくましく生きる者たちがいる。四方を見渡す限りの塩に囲まれた小さな孤島に育つサボテンと、その花の蜜をたよりに子育てをするハチドリ。毒々しい赤い水に満たされた湖は、冬場は凍結する厳しい環境にも関わらず、何万という数のフラミンゴが集団で子育てをする。さらに、山脈の南端、“地球最果ての地”パタゴニアでは、極寒の中、アンデス最強の捕食者ピューマが、独自の進化を遂げたラクダの仲間と宿命の対決を繰り広げる。 なぜ、彼らは過酷な大地で生きる道を選んだのか? フロンティアを求め、極限の地に辿り着き、命をつなごうとする生きものたちの不思議とたくましさに迫る。
「本当に人を健康で幸せにする“理想の食”って何?」そんな疑問の答えを、人類と食との“壮大な歴史”と“驚きの進化”から解き明かすシリーズ「食の起源」(全5回)。食にこだわりを持つTOKIOをナビゲーターに知られざる“食の真実”に迫っていく。最終回となる第5回のテーマは「美食」。どんな生物も「生きるために食べる」が、人間は健康を害してまで「おいしいもの」を欲して食べ過ぎてしまう、まさに「美食モンスター」!なぜそんな奇妙な進化を遂げてしまったのか?その壮大な歴史をさかのぼると、人類の祖先が生き延びるために獲得した「3つの特殊能力」が、現代人の「奇妙なおいしさ感覚」を生み出していることがわかってきた。なぜか「毒の苦味」や「におい」だけで食のおいしさが劇的に変わる不思議なスタジオ実験なども交え、単なる栄養摂取を超越した「人類の食」の神髄に迫る。いよいよ「あなたを健康で幸せにする“理想の食”」への道が見えてくる!?
全長320キロ、東京の大動脈・首都高速道路は、その4分の3が海や川、一般道などの上を走る、世界でも類のない「空中回廊」である。1964年のオリンピックに間に合わせて作られ、世界の注目を集めた。しかし、高架を支える複雑な立体構造のため、損傷も発生しやすい。そこへ一日およそ100万台の車が行き交い、老朽化に拍車をかけている。現在首都高で見つかる損傷は、1年でおよそ4万箇所にも上る。 最も劣化が激しいのは、羽田と都心を結ぶ1号羽田線だ。海上近くに簡易的な構造で“突貫”で造られた区間は海水で激しく腐食し、深刻な損傷が多数発生してきた。その大修復の現場に密着する。並行する東京モノレールが運行を終えた夜間のわずか2時間半で、長さ52m、重さ約350トンもの道路橋を架け替える、前代未聞の工事である。 番組では、もうひとつ高度成長期の遺産である、東京タワーの修復にも密着する。 大敵・湿気や雨に作業を阻まれながらも、“東京のシンボル”を守るための作業が、地上数百メートルの高さで続けられている。 高度成長期の遺産の老朽化を食い止めない限り、東京のリボーンはない。技術者・職人たちの壮絶な現場に密着する。
令和時代の日本が直面する課題に正面から向き合い、未来に向けた建設的な対話の“プラットフォーム”を目指す「令和未来会議」。 今回のテーマは外国人との共生だ。少子化と危機的な労働力不足が続く日本は、すでに外国人労働者なくしては成り立たない。危機感を募らせる国は去年、新たな在留資格「特定技能」を新設して外国人の受け入れを拡大。“第二の開国”とも言われたが、初年度の目標とした人数には遠く及ばない状況だ。国内では多くの留学生や技能実習生が単純労働に従事しているが、低賃金や厳しい労働条件で働く人も多く、現場ではさまざまな問題も噴出。海外との人材獲得競争が激しくなる中、このままでは日本が選ばれなくなるとの不安も高まっている。私たちは外国人をどこまで受け入れ、どのように共生していくべきなのか。番組では国内・海外を問わずどこからでも討論に参加できる大規模ネット会議システムを新たに開発。当事者40人たちとスタジオのディシジョンメーカーが向き合い、未来に向けて語り尽くすニュースタイルの言論空間である。
東日本大震災から9年。あの日、何が起きていたのか。巨大津波が各地を襲ったが、中でも約40mと突出して遡上高が高いのが岩手県宮古市とその周辺だ。今回発掘した映像には高台に逃げた被災者に、巨大津波が襲いかかる様子が克明に記録されていた。住民は「高台に逃げても逃げても津波が追いかけてきた」と証言する。40mの津波が町を飲み込むまでは、わずか数分。高さ10mの防潮堤を乗り越え、急速に速さと破壊力を増す“射流”と呼ばれる現象も映像に記録されていた。なぜ局所的に宮古市に巨大な津波が襲ったのか。地震動から津波高を予測する従来のシステムでは、予測困難なことも分かってきた。東北沖で地震動を伴わない海底の動きがあり、津波が増幅していた可能性が浮かび上がったのだ。“サイレント津波”と呼ばれる現象で、最新研究では東京湾や大阪湾などでも発生する恐れがある。従来の想定を超える高さの津波に襲われたり、到達時間が大幅に早まったりする危険性があるのだ。あの日の映像を徹底的に紐解き、新たなリスクにどう備えるか、最前線に迫る。
岩手県大槌町は、中心部が壊滅的な被害を受け、町役場も津波にのみ込まれた。当時の町長や町の職員など40人が亡くなり、その多くが役場庁舎で犠牲となった。あの日、津波に襲われるまでの役場の状況を記録しようと町は去年、生き残った職員らから証言を集め、記録誌を編さんした。さらに町は「真実を知りたい」という遺族の求めに応えるように、亡くなった職員の当時の詳しい状況を調べる「死亡状況調査」をこの2月から始めた。多くの職員らが犠牲になった当時の役場で何が起きていたのか、NHKは、記録誌の編さんで集められた職員の証言を綴った500ページにおよぶ内部記録をもとに取材。さらに、災害対策の陣頭指揮を執る立場にあった当時の幹部職員にもインタビューを進め、あの日の真実に迫る。震災から9年、「真実」を伝え、そこから見えてくる「教訓」を語り継ぐことで、新たな一歩を踏み出そうとする町職員や遺族の姿を記録した。
津波と原発事故で大きな被害を受けた東北沿岸部。そこに姿を現したのは完成まで1年を切った総延長500km超の高速道路“復興ハイウェイ”だ。復興の象徴とも言える高速道路。周辺の町ではヒト・モノ・カネの流れに変化が生じている。最大規模のかさ上げ工事が行われた岩手・陸前高田では未だ利用予定のない広大な空き地の活用のために、市外から人や会社を呼び込み発展させる方針だ。宮城・気仙沼では水産関連企業が高速道路で生き残りをはかる一方、経済圏が広がり東京から大手が進出し新たなせめぎ合いが起きている。福島・双葉町は帰還する住民の雇用確保の第一歩として町の負担で常磐道にインターチェンジを新設、また富岡町では廃炉従事者向けアパートの建設ラッシュによる地価上昇も起きている。震災から9年、巨額投資の復興によって町やなりわいは震災前とは別のものに姿を変えようとしている。被災地が1本でつながるハイウェイを行き、そのドラスティックな変貌から“復興後の被災地”を描く。
ラグビーW杯で注目された岩手県釜石市の「復興スタジアム」は、東日本大震災で破壊された小中学校跡地に建設された。学校が津波にのまれた時、生徒達はいち早く高台に自主避難してほぼ全員が助かり“釜石の奇跡”と報じられ賞賛された。だが、津波で親を失った子や友人隣人を失った子も多く、彼らは “奇跡”と“悲劇”の狭間で、震災の記憶を封印するように生きてきた。あれから9年、“奇跡”の子たちは大人になった。就職に迷う者、仕事の壁にぶつかる者、人生の岐路に立ついま、封印した過去とようやく向き合い始めた。東京の短大で学ぶミカさんは、親友リコさんの死を受け入れられず、今も“二人一緒にいる感覚”が続き苦しむ。二十歳の成人式を前に、ミカさんは、友の家族で唯一生き残ったリコさんの祖父を訪ねる。9年を経て、初めて語り合えたリコさんのこと。互いに封印してきた思いがあふれ出す。“奇跡”の子たちの震災9年の今を見つめる。
東京電力福島第一原子力発電所で起きた史上最悪レベルの原発事故を、独自に検証してきたメルトダウンシリーズ。今回は311までの数年間、関係者の間で、津波対策についてどのような議論が行われていたのかを徹底取材し、事故に至る道のりを検証する。1000ページを超える国や電力会社の内部文書を入手、さらにおよそ100人の関係者を取材、浮かび上がってきたのは事故に至るまでの複数の重大な「分岐点」だ。東京電力を中心に電力会社の間で、国の「長期評価」をめぐって行われていた会合で、「巨大津波への備え」について各社が交わしていた生々しいやりとりが明らかになってきた。さらに、当時新たな知見が次々と出ていた過去の巨大津波「貞観津波」についても、規制当局の保安院、研究機関、電力会社、地元自治体などの間で行われていた詳細なやりとりも見えてきた。事故前に具体的な津波対策を実施することはできなかったのか?原発の安全審査に関わっていた中心的人物などのインタビューを交え、9年たって見えてきた新事実を描く。
中国に突如出現し、瞬く間に世界に広がった新型コロナウイルス。東京五輪を控える日本でも、今なお、感染者の増加が続いている。その中には、感染の経路が分かっていないケースや、感染者の集団(クラスター)が発生しているケースもあり、人々の生活に多大な影響を及ぼす事態にまで発展している。国内の感染事例の分析からは、空気がよどみがちな閉ざされた環境で感染が拡大するなど、そのメカニズムも徐々に分かってきている。番組では、感染拡大を食い止めようと、分析や対策にあたる国の専門家チームや、患者を受け入れる医療現場、治療薬の研究現場など、ウイルスとの闘いの最前線を取材。さらに、海外での感染の封じ込め策や、研究の最新事例など交え、感染拡大がいつまで続くのか、封じ込めはできるのか、徹底追跡する。
新型コロナウイルスの感染拡大が、世界経済を大きく揺さぶっている。2月に2万4000円ちかくあった日経平均株価は1万7000円を切るなど、わずか一ヶ月で30%以上も下落。FRBや日銀などG7の中央銀行が協調して金融緩和策を打ち出したものの、株式市場の動揺は収まっていない。実体経済への影響も深刻だ。コロナ対策の強化に伴う国境封鎖や外出制限によってヒトとモノの動きが止まる中、消費が収縮。運輸、観光は言うに及ばず、小売りや外食でも売り上げが急減。世界に張り巡らされたサプライチェーンの寸断によって製造業も苦境に立たされている。コロナショックは、世界経済をどれほどむしばんでいるのか?ダメージを最小限に食い止めるためにどんな政策が求められているのか?そして今後の見通しは?番組では、スタジオに専門家を招き、様々なデータを駆使して、危機の実相を可視化。世界経済のゆくえについて徹底検証する。
歌手で俳優の福山雅治さんが、地球上に残された独特の自然環境や絶滅に瀕した貴重な生きものたちを訪ね、見つめる「ホットスポット 最後の楽園」第3シリーズ(全5回)の第3回。今回の舞台はウォーレシアと呼ばれる東南アジアの島々だ。 ウォーレシアの島々は、長い歴史の中で、大陸とつながったことが一度もない。そのため、何らかの理由で島々に辿り着くことができた幸運な生き物にとっては、天敵の少ない、まさに楽園となった。そこでの長期間にわたる“平和な暮らし”は、生きものたちに「常識外れの進化の魔法」をかけた。トカゲとしては異例の、全長3m、体重100㎏にもなるサイズを誇る、コモドドラゴン。まるで人間のように笑顔や豊かな顔の表情でコミュニケーションを図る、クロザル。全く実用性がなさそうな、まるで鹿のような角を進化させた異形のイノシシ、バビルサ。さらには、大人でも1mという“小型化”を実現して、繁栄を遂げた謎の人類・ホビット…。 弱肉強食のルールから外れた、独特の平和な世界が生み出した、生きものたちの進化の不思議に迫る。
1980年代はじめ、中国・長安(西安)からローマへいたる道のりを記録し、一大ブーム を巻き起こした「NHK特集 シルクロード」。16ミリカラーフィルムで撮影された大型紀 行番組が、4KHDRの鮮やかな映像でよみがえる。今回放送するのは、シリアを旅した第 2 部 第十五集「キャラバンは西へ~再現・古代隊商の旅~」(初回放送 1984 年 6 月 4 日)。 いまは激しい内戦下にあるシリアの、当時の人々の暮らしや、破壊された世界遺産・パルミラ 遺跡の在りし日の姿が描かれている。
私たちが信じるリアル。それ、ホントに“リアル”!?SNSの投稿動画や検索履歴に残された個人情報、そして監視カメラの映像・・・今、デジタル世界に積み上げられていく膨大なデータが現実世界の私たちの行動に大きな影響を及ぼそうとしている。テクノロジーの進化で生まれる新たな時代を見つめる新シリーズ「デジタルVSリアル」。“シリーズアイコン”としてインスタグラムで大人気、渡辺直美さんが登場! 第1回は、氾濫するウソの情報=「フェイク」との闘い。「事実」よりはるかに“拡散力”を持つと言われる「フェイク」が世界中で混乱を巻き起こしている。メキシコでは「フェイク」によって誘拐犯とされてしまった無実の若者が、群衆に殺害されるという痛ましい事件が発生した。 さらに、AIを使った最新の映像技術「ディープフェイク」によって、身に覚えのないポルノが作られる「フェイクポルノ」の被害が、日本をはじめ世界中で報告されている。 そして「フェイク」は“民主主義”の根幹「選挙」の場でまん延。私たちは知らず知らずのうちに、世論操作を受けている可能性も指摘されている。世論誘導ビジネスの最前線メキシコの潜入取材もまじえ、「フェイク」との攻防にカメラが密着。何が事実で何が嘘か分からない情報が氾濫し、信じたい情報が信じられ“真実”が揺らぐ時代、私たちに何ができるのか?
東京・霞ヶ関、厚生労働省の一室。日本の新型コロナウイルスの感染拡大阻止を担う対策チームにカメラが入った。30人以上の感染症の専門家で作られた「クラスター対策班」である。東京での感染者の急増、院内感染の増加、地方への感染の連鎖、緊急事態宣言…対策班は、時々刻々と変化する事態に対応を迫られ続けていた。感染拡大阻止の最前線の現場への密着を通して、新型コロナウイルスとの果てなき闘いを見つめる。0
日々、生み出される膨大なデータが、リアルな世界を揺るがす現実を見つめるシリーズ「デジタルVSリアル」。第2回は、あなたの行動パターンや心の中までを映し出す「デジタル・ツイン」の物語。今や生活に欠かせないSNS、買い物や地図アプリ、ネット検索…。あなたが入力しているデータから、デジタル世界に“もう一人のあなた”を生み出せるってホント!?番組では、IT企業の協力を得て、実在のXさんのデジタル・ツインをつくり出す実験を行った。Xさんが提供したデータだけで、経済状況や女性関係といったプライバシーまで明らかにしていく実験チーム。さらには将来の行動まで予測してしまう。しかし、もし権力の側が市民のデジタル・ツインをつくり出していたら、そこにはどんな未来が待っているのか…。世界では、そのきざしが既にあらわれ、データ分析から「不審人物」とされ、拘束される人まで出ている。それでも膨張しつづけるデジタル世界。便利なサービスに魅了される人々は、デジタル世界にプライバシーは不要と考え始めている。番組の最後に、自分のデジタル・ツインに会いに行くXさん。そこで放った驚がくのひと言とは…!?
今月7日、新型コロナウイルスへの対策として出された「緊急事態宣言」。感染経路がわからない感染者が急増し、医療崩壊が差し迫った危機となっている。番組では、ウイルスと闘う保健所や医療機関の最前線を取材。いま、日本はどういう局面にあるのか、そしてこの難局を乗り切って行くにはどうすればいいのか…長期化するウイルスとの闘いに対峙していくすべを考える。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全国に出された「緊急事態宣言」。仕事や暮らしの状況が一変し、多くの人が不安にさらされている。極限の状況にあるのが「医療現場」と「経済」。感染防止と医療体制を維持しながら、一方で急激に停滞していく経済をどう守っていくのか。日本は難しい局面に打開策を見いだせるのかが問われている。「最新情報」を伝え、感染・医療・経済の専門家と生放送で、難局を乗り越える道を考える。
福山雅治さんが、地球上に残された独特の自然環境や絶滅に瀕した貴重な生きものたちを訪ね、見つめる「ホットスポット 最後の楽園」第3シリーズ(全5回)の第4回。今回の舞台は、アフリカ・エチオピア。3000mを超える切り立った断崖絶壁で隔てられた“天”と“地”、対照的な2つの世界にスポットを当てる。 崖の上に広がるのは、“天空の草原地帯”。世界に500匹しかいない幻のオオカミ、エチオピアンウルフが、独特な狩りでネズミを狙う。さらにここには、世界で唯一の“草しか食べないサル”、ゲラダヒヒが暮らす。オスはメスに頭が上がらない上、争いも好まないため、巨大な群れの生活は実に平和だ。 一方、崖の下は、海抜マイナス100m以下の“世界で最も低い陸地”。ここは、今なお火山活動が続いており、灼熱と乾燥で食物の乏しい荒野が広がる。この世界を支配するのは、マントヒヒ。食べられるものは何でも食べる雑食性で、メスや家族の統率も、モノをいうのは腕力。他の群れとの争いも絶えない。天空で暮らす平和なサル・ゲラダヒヒとはまさに対極的な生き様で、厳しい世界を生き抜いている。 隣り合う天と地、まったく違う2つの世界に暮らす生きものたちの暮らしぶりから、生命のたくましさ、しなやかさをみつめてゆく。
新型コロナウイルスによる集団感染が起きた、豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」。乗客乗員3700人のうち、感染者は700人以上、死者は13人にのぼった。船内で何が起きていたのか、取材を深めていくと感染拡大、搬送や受け入れをめぐる混乱や議論、そして長期に亘る隔離など、医療崩壊寸前といわれ外出自粛が呼びかけられる今の日本の縮図がそこにあった…。船内での未知のウイルスとの闘いからの教訓は何か探っていく。
緊急事態宣言が延長された一方で、休業要請などの制限を解除する自治体も出ている。今後の課題は、感染拡大を防ぎながら社会生活を取り戻す「出口戦略」だ。外出自粛や経済活動の制限を段階的に緩和していくときの判断材料は?日本に先駆けて緩和し始めた諸外国の意思決定は?治療や検査方法の最新事情は?新型コロナウイルスと対峙し続けていく長期化フェーズに入った日本がとるべき現実的な方策を探る。
新型コロナウイルスをめぐり、未知なる脅威と向き合いながら新たな生活を模索するステージに入りつつある。番組はビッグデータを活用してウイルスに打ち勝つ新戦略を探す。膨大な科学論文データをAIで解析、専門家の協力も得て有益な情報を導き出すプロジェクトが始動。さらにスマホなどのデータを使い感染拡大を防ぐ最前線にも密着した。どのようにビッグデータを生かし不安と闘っていくのか。山中伸弥さんと共に考えていく。
新型コロナウイルスのパンデミック宣言から70日余り、世界経済は再び動き始めた。しかし、各地の生産現場・消費・雇用へのダメージは深く、“V字回復”への見通しは暗い。さらに、感染の第二波や、米中対立といった不確定要素が渦巻く中、日本は難しい舵(かじ)取りを迫られている。コロナと共に生きていくことが求められる“ウィズ・コロナ時代”、日本の経済はどうあるべきなのか。再建の道を、知の巨人たちと共に探っていく
NHKでは、世界各都市の20人以上にスマホによる自撮り映像の撮影を依頼した。人々を励まそうと、自宅バルコニーから歌い続けたイタリアのオペラ歌手、感染爆発したフランスの小さな町の役場職員、医療崩壊の危機にあるニューヨークを助けようと全米各地から集まる看護師たち。映像には、自分にできることを探し、この危機を食い止めようとする人々の願いがあふれている。生々しい映像から、希望と連帯のメッセージを伝える。
新型コロナウイルスとの闘いが続く中、私たちの「仕事」はどうなっていくのか?在宅勤務やテレワークが一気に広まるなど、働き方は大きく変化。一方で、企業の休業などに伴う解雇や雇い止めなどが急増しており、雇用をどう守っていくかが深刻な問題となっている。感染対策をしながら働かなければいけないこれからの時代、私たちの仕事は、そして社会はどう変わっていくのか?さまざまな分野の専門家らがデジタル空間で徹底討論!
1億年の歴史を誇る、ブラジル大西洋岸に広がる太古の森、マタアトランティカ。 面積は同じブラジルにあるアマゾンの4分の1程だが、棲む生きものの種類の多さは、アマゾンに匹敵する。数々の地球の環境変動をくぐりぬける中で、生きものたちが多種多様に分化を遂げてきた「進化の宝箱」のような森だ。 この森にしか生息していない“黄金のサル”、ゴールデン・ライオンタマリン。ヘビを食べる古代ガエル。元々地上で生活していたものの、この森で“樹上生活”に特化して進化した珍しいアリクイやヤマアラシもいる。「シェルター」のように生きものたちを守り、育んできた太古の森の秘密に迫る。
超大国・アメリカが大きく揺れている。黒人男性が白人の警察官に押さえつけられて死亡した事件をきっかけに、大規模な抗議デモが全米に拡大。背景には、長年にわたる人種差別や、警察による過剰な対応への怒りがある。こうした中、トランプ大統領が、力で抑え込む姿勢を示したことなどに反発が高まり、政権も揺れている。アメリカで巻き起こる大きなうねりが、コロナ時代の世界にどのような影響を与えるのか、その行方を読み解く
絶景と絶品和食から列島誕生の物語を描く「ジオ・シャパン」のシーズン2。第1集は、日本の屋根・北アルプス誕生と、深海から浮上した関東平野の物語。北アルプスのあたりは、太古なだらかな平原だった。だが300万年前に起きた地球内部の異変をきっかけに運命が一変。調査によれば、エベレストをしのぐ山があったと科学者は言う。秘境探検と最新研究に基づくタイムトリップCGで大地の秘密が明らかに!劇団ひとり、指原莉乃
毎年のように大きな被害が出る梅雨や台風の時期。今年は新型コロナの影響が加わったことで、いっそうの注意が必要だ。3密のおそれが指摘されるのが体育館や公民館などの避難所。多くが収容人数の見直しを迫られている。避難所以外にも逃げる「分散避難」も検討されているが、場所の確保や支援体制の構築など課題は多い。コロナ時代の出水期、どうすれば命を守ることができるのか。実践的な備えを最新の知見とともに考える。
絶景と絶品和食から、日本列島誕生のドラマを描く「ジオ・シャパン」。第2集は、元々一つながりの大地が分裂し、今の列島が完成するまでの激動の物語。太古の日本には、巨大ゾウやワニが暮らす動物たちの楽園が広がっていた。だがある日、眠っていた長さ千キロもの「古傷」中央構造線が目覚め、激動の時代の幕が上がる… 最新研究に基づいた超リアルCGでタイムトリップ!列島誕生の驚きのドラマとは? 劇団ひとり、指原莉乃
緊急事態宣下が解除されて1か月。第2波、そしてその先の長期化も指摘される新型コロナウイルスの問題に私たちはどう向き合っていけばいいのか。厳格なロックダウンを経て、経済・社会に深刻なダメージを受けたヨーロッパでは、感染拡大の防止と経済の両立をいかにはかっていくか、さまざまな議論が巻き起こっている。日本、そして世界の模索を通じて、今後私たちがどのように進んでいくべきなのか考える。
世界各地で「日本の戦国時代」に関する発見が相次ぎ、大航海時代のヨーロッパと日本が強く結びつき、地球規模で歴史を揺るがしていた事実が明らかになってきた。第1集は、織田信長と豊臣秀吉の時代。ヨーロッパの16世紀の文書が公開され、信長・秀吉と、来日したキリスト教の宣教師、そして背後にいたポルトガルやスペインとの深い繋がりが見えてきた。それぞれの思惑と、熾烈な駆け引きを描く。ナビゲーターは西島秀俊さん。
タモリ×山中伸弥の「人体」シリーズ。名コンビが新型コロナウイルスの謎に迫る!ウイルスと攻防を繰り広げる私たちの「免疫」の仕組みに秘められた、人類を救うカギとは? 世界で感染者1000万人を超えた新型コロナウイルス。なぜ日本人は重症者が少ないの?何が症状の重さを左右するの?治療の決定打はどんなもの?世界が注目する疑問に、タモリ×山中伸弥の二人がとことん迫る。カギを握るのは、驚くほど精緻な仕組みを進化させてきた人体の「免疫」と、それを巧妙にかいくぐるウイルスの特殊能力の攻防だ。ミクロの激闘を最新の顕微鏡映像と高精細なCGで完全映像化し、ナゾの解明に挑む。
地球規模の歴史から、新たな日本の戦国時代を描くシリーズ。第2集は徳川家康の天下取りの時代。新発見の文書に記されていたのは、オランダ商人と家康の深い繋がり。オランダは、当時最重要の国際通貨だった「銀」を求めていた。世界の産出量の3分の1を占めた日本銀をめぐり、オランダと超大国スペインの間に激しい攻防が始まる。覇権をかけた両国の争いの最前線となった戦国日本、その実像に迫る。ナビゲーターは西島秀俊さん。
列島各地に被害をもたらした豪雨はなぜ発生し、避難にどう影響したのか?現地取材では高齢者など“要支援者”の避難が困難だった実態が明らかに。科学分析からは、異常な豪雨発生のメカニズムも分かってきた。さらに今後の豪雨の可能性を検証。線状降水帯の発生を予測する新システムの最前線も深掘りする。命を守るため、迅速に“避難スイッチ”を入れるポイントを分かりやすく解説。今、豪雨災害の脅威にどう向き合うか考える。
新型コロナで延期となった東京五輪。しかしアスリート達は前へ進もうとしている。困難の中でも明るさを失わない卓球の伊藤美誠や自粛生活中に独自トレーニングを始めた陸上の桐生祥秀などトップ選手の「逆境を乗り越える極意」を徹底取材。泳ぎ始めた池江璃花子の今。絆を支えに戦う柔道の阿部一二三・詩やバドミントンの福島廣田ペアの感動秘話。アメリカに残って練習を続けるサニブラウンの思いとは。
新型コロナウイルスと闘う集中治療の最前線などを3か月にわたって密着取材。生と死の狭間で格闘する医師・患者・家族の知られざる日々をみつめる。治療法が確立していない中で続く試行錯誤。打つ手なく失われていった命。そして、奇跡の回復と数か月ぶりの感動の再会。一般の救急や診療が停止し、危機にさらされた地域医療。医療崩壊の瀬戸際でとどまったとされる日本で何が起きていたのか。カメラがとらえていた現実。
一旦は抑えられたかに見えた日本の新型コロナ感染拡大。しかし6月中旬以降、再び感染者数が増加。「第2波」への懸念が強まっている。検査を行う保健所や患者を受け入れる病院への取材で、「医療崩壊」が間近に迫る深刻な事態に直面していることが分かってきた。医療現場で起きた/起きている問題を検証しつつ、今まさに直面する「第2波」、そして、長期化が予想されるウイルスとの闘いにどう対峙していけばいいのか考えていく。
住民12万人が命を落とした沖縄戦。1945年5月末、日本軍の総司令部があった首里が陥落、事実上の勝敗が決した後にも関わらず、戦闘は継続。少なくとも住民4万6千人が命を落とした。なぜ、これほど多くの住民が犠牲になったのか。今回NHKは、アメリカ軍の新資料を発掘、苛烈な攻撃に住民が巻き込まれていった詳細が浮かび上がってきた。終わることなく続いた戦場で何がおきていたのか。多くの命が失われた1か月に迫る。
戦後75年にあたる今年、私たちは、アメリカの原爆の開発計画の現場責任者の手記を発見。さらに、原爆を投下した爆撃機のパイロットや、当時の日本の指導者へのインタビューも入手した。そこからはアメリカが自らの「正義」のために、投下を決定した過程や、日本が降伏を決断できないまま、あの日を迎えてしまった経緯が浮かび上がってきた。これらの資料に、NHKが取材した膨大なアーカイブスを加え原爆投下の全体像に迫った。
70年にわたり戦後政治の表と裏を目の当たりにしてきた読売新聞グループのトップ・渡辺恒雄氏、94歳。今回、映像メディアによる初めてのロングインタビューが実現した。証言から浮かび上がるのは、歴代首相の“戦争体験”が、戦後日本に与えた影響である。戦争の記憶が薄れゆく戦後75年目の日本。戦後日本が戦争とのどのような距離感の中で形作られ、現在に何をもたらしているのか。渡辺氏の独占告白から立体的にひも解く。
国家総動員体制で遂行された日本の戦争。310万の日本人が命を落としたが、そのうち80万は様々な形で戦争への協力を求められた民間人だった。しかし、これまで国は民間被害者への補償を避け続けてきた。一方、戦前、軍事同盟を結んでいたドイツやイタリアは、軍人と民間人を区別することなく補償の対象とする政策を選択してきた。国家が遂行した戦争の責任とは何なのか。膨大な資料と当事者の証言から検証する。
第二次世界大戦中、ユダヤ人の大量虐殺が行われたアウシュビッツ強制収容所。ガス室跡の地中から“謎のメモ”が見つかった。最新技術で解読したところ、書いたのは同胞をガス室へ誘導する役割や死体処理などを担ったユダヤ人特殊部隊「ゾンダーコマンド」のメンバーだったことがわかった。人類史上類を見ない大量虐殺の陰で“裏切り者”と呼ばれた男たち。密室の中で何が行われていたのか。75年の時を超え、よみがえる真実に迫る。
5月末の夜。緊急事態宣言が解かれたJR渋谷駅で、前代未聞の工事が行われた。駅の機能を止めることなく、54時間のうちにホームを350メートル移動させ、線路を500メートルにわたって軌道修正する大工事だ。待っていたのは、1分1秒を争う時間との闘い。準備を尽くしてもなおも起こる想定外の事態。そして感染予防というハードルだった。JR史上最大の難工事に密着、迷宮都市から防災都市を目指す渋谷の苦闘を描く。
最先端の特撮技術を使って、壮大な自然のドラマを記録してきた「ホットスポット最後の楽園」。 2011年の放送開始から足かけ10年。撮影は世界30ヵ国、延べ2000日以上に及ぶ。 番組プレゼンターは福山雅治さん。大自然に飛び込み、不思議な生きものたちと遭遇。 貴重な自然が失われる現場も目撃してきた。今回はシリーズの集大成として、選りすぐりの名シーンを一挙公開! 命をめぐる旅を振り返りながら地球の今を見つめる。
新型コロナウイルスの感染爆発によって世界や日本はどのような変革が迫られるのか。進行する危機と向き合いながら未来を展望していくシリーズ「パンデミック激動の世界」。第1回は、前後編で日本の新型コロナウイルスの第1波への対応を100人以上の当事者への取材から検証する前編。10年前にまとめられた新型インフルエンザの流行後の提言を活かしてこなかった日本は、未知のウイルスを前に瀬戸際まで追いつめられた。
新型コロナウイルスの感染爆発によって世界や日本はどのような変革が迫られるのか。進行する危機と向き合いながら未来を展望していくシリーズ「パンデミック激動の世界」。第2回は、前後編で日本の新型コロナウイルスの第1波への対応を100人以上の当事者への取材から検証する後編。医療崩壊の危機、PCR検査の根詰まり、政治と科学の境界。日本は新型ウイルスの再流行を乗り越えることはできるのか。
「安倍1強」とも言われ、憲政史上最長の政権を築いた安倍総理大臣の突然の辞任表明。永田町に衝撃が走る中、自民党内ではすでに「ポスト安倍」を見据えた駆け引きが加速している。新型コロナウイルスの影響が長引く中、安倍首相の辞任表明で一気に流動化する政治の動きと今後の政局の焦点を独自取材で迫る。
未経験の台風や豪雨に見舞われ続けるなか、洪水が起きる場所や被害を事前に予測するシステムの開発が進み、活用する自治体も出始めた。一方、堤防やダムなど従来の対策では太刀打ちできないとして、国は、川だけでなく流域全体で水を受け止める「流域治水」を打ち出した。川があふれることを前提とした治水の効果と課題とは。温暖化、気候変動…。雨の降り方が変わったといわれる今、私たちに求められる対策を考える。
東南アジアのジャングルに生息し絶滅の危機にあるオランウータン。森林破壊や密猟などで親を奪われた孤児たちを保護し、野生復帰に向けて育てる学校がある。人間が親代わりとなって、食べ物を手に入れる方法、危険から身を守る方法など、野生で生きる術をひとつひとつ教えていく。人間が奪ってしまった未来を人間の手で取り戻そうと、悪戦苦闘する人とオランウータン。その成長を、森へかえる日まで見つめ続けた貴重な記録です。
史上最年少でタイトル獲得・八段昇段。驚異的な進化を遂げている藤井聡太二冠の強さの秘密を棋士たちの証言とAIで徹底分析▽「将棋のセオリーを覆す一手」を次々と繰り出せる理由とは…▽進化の背景にあった苦悩の日々。「手が見えない…」師匠の杉本八段に初めて語った弱音▽現役最強「魔王」渡辺明三冠、「千駄ヶ谷の受け師」木村一基九段との知られざる盤上のドラマ。天才たちの「頭脳の格闘技」の舞台裏に迫る。
グローバル資本主義は、資本や労働力を国境を越えて移動させ経済成長を促してきた。だがパンデミックはその仕組みを一瞬にして揺るがした。ロックダウン、需要の蒸発、生産停止…。経済の原動力を直撃し、日本のGDPも過去最大の落ち込みとなった。グローバル経済はどう変貌していくのか。企業が迫られる改革、カギを握るとされるDX(デジタルトランスフォーメーション)の可能性など、最前線の現場から探っていく。
パラ陸上の女王・マクファーデン。自動車にも迫るような速さを生むのは、車いすをこぐ力だけでなく精密機械のような手の動き。常人では不可能なレベルの正確さは驚異の体内変化が生み出していた。根源は幼児期を過ごしたロシアでの信じがたいほどの過酷な生活に!?失われた身体機能を補い“進化”をとげるミラクルボディー。逆境をのりこえる人体の神秘と可能性は、コロナ禍の閉塞感と不安の日々に一筋の希望を与えてくれる。
旅行や観光に出かける人が増えるなど、新型コロナに対する警戒感は一部では徐々に薄れて来ている。しかしいまだ正体不明のウイルスに不安を感じ続ける人も少なくない。私たちはコロナをどこまで怖がればいいのか?また経済へのダメージが深刻化する中、感染防止と経済活動のバランスをどう取っていけばいいのか?さまざまな立場の人たちがスタジオに集い、コロナ禍の社会に広がるさまざまな不安とどう向き合うか、徹底討論する。
6月末、反政府的な動きを取り締まる国家安全維持法が施行された香港。「一国二制度」の下、言論の自由が認められてきた香港で今、何が起きているのか。NHKが入手した映像から見えてくるのは、当局による市民の抗議活動や言論機関への締め付けの強化。デモはかつての勢いを失い、諦めの空気も広がっていた。一方、中国との“一体化”が加速する現実を進んで受け入れようとする市民も現れ始めていた。揺れる市民の実像に迫った。
レバノンに避難した120万から150万のシリア難民がコロナ禍で窮地に追い込まれている。売春や臓器売買が広がっていたが、3月15日の非常事態宣言後、差別が拡大。難民キャンプへの襲撃事件が起こり、自殺者も現れた。深刻なのが女性と子供たちへの抑圧だ。家庭内暴力、児童労働が増えている。8月、ベイルートの爆発事件後、拡大する感染に国際機関は支援を訴えている。8か月間、シリア難民たちの姿を追ったこん身のルポ。
あなたの仕事、本当に必要?パンデミックで問い直された「仕事の価値」を、揺れる職場から考える。テレワークの普及で社員の働きぶりが見えづらくなり、ある大手企業は、業務内容を事前に定め、成果に従い報酬を決めるジョブ型を導入。安定・安心の年功序列が崩れ、驚きが広がる。一方、命や生活に関わる仕事が報われない不平等もあぶり出した。世界各国で、看護師らが待遇改善を求めて声を上げる。価値ある仕事って何だろう?
「木綿のハンカチーフ」「ブルー・ライト・ヨコハマ」「また逢う日まで」…。さん然と輝く名曲を生み続けた作曲家の筒美京平さんが、80歳で亡くなった。名曲の数々はいかにして生まれたのか。NHKに残されていた筒美さんの貴重なインタビュー録音、長年タッグを組んだ盟友で作詞家の松本隆さんを始め、近藤真彦さん、ジュディ・オングさん、宮本浩次さんらの独占取材から時代の心を捉え続けた楽曲の秘密に迫っていく。
アメリカの大統領選挙が異常事態となっている。「新型コロナウイルスの感染拡大」と「人種差別への抗議運動の高まり」という未曽有の危機を通して改めてトランプ大統領の4年間で深まった「社会の分断」が顕在化。共和党と民主党、それぞれの支持者の間で対立が激化し、激しい口論やぶつかり合いに発展するケースも出てきている。番組では、激戦州のミシガン州にカメラを据え、投票を前に何が起きているのか、アメリカの今に迫る
世界が注目するアメリカ大統領選挙。再選を狙うトランプ大統領と政権奪還を目指す民主党のバイデン候補が互いに非難を繰り返す中、双方の支持者も激しく対立。銃で武装し、相手側に圧力をかけようとする過激なグループも現れるなど、不穏な空気が漂っている。民主主義のあり方も問われる今回の選挙で有権者は1票に何を託したのか。現地の最新情報を伝えるとともに、社会の分断が深まるアメリカ、世界と日本の行方を展望する。
欧米ではかつてない勢いで感染者が急増し大変な事態に。日本は大丈夫なのか?ワクチンや薬はいつどのようにコロナ禍に終止符を打ってくれるのか?NHKが開発した、コロナ関連の全論文を学習した人工知能AIを使い、今後の予測のカギを握る世界の研究成果を徹底解読。AIが選りすぐったトップ研究者たちの見解も交え、今知るべき真実にとことん迫る。ナビゲーターは爆笑問題の二人。科学の「集合知」が指し示す日本の未来とは?
未解決事件の真相に迫る人気シリーズ。第8弾は海外特別編。アメリカのケネディ大統領が暗殺された世紀の事件。NHKは専門家チームと共同で、機密文書や非公開ファイルを入手。「暗殺は単独犯」と米政府が断定してきたこれまでの“定説”が、根底から揺らぎ始めた。戦後の日本との事件の意外なつながり、JFK暗殺の半年前に起きた別の暗殺未遂事件…。海外キャストによる実録ドラマとドキュメンタリーで衝撃的事件の闇に迫る。
未解決事件の真相に迫る人気シリーズ。第8弾は海外特別編。アメリカのケネディ大統領が暗殺された世紀の事件。NHKは専門家チームと共同で、機密文書や非公開ファイルを入手。「暗殺は単独犯」と米政府が断定してきた“定説”が、根底から揺らぎ始めた。戦後の日本との事件の意外なつながり、JFK暗殺の半年前に起きた別の暗殺未遂事件…。海外キャストによる実録ドラマとドキュメンタリーで衝撃的事件の闇に迫る。(後編)
世界自然遺産・知床の海で、サケやマスをとってきた漁師の大瀬初三郎(おおせ・はつさぶろう)さん84歳。ヒグマが近づいてくると「こら!来るな!」と大声で叱りつける。すると、ヒグマは静かに去って行く。この半世紀、襲われてケガをしたことは一度もない。2019年、ユネスコの委託を受けた調査団が知床を訪問。漁で使ってきた道路や橋を撤去するよう求めてきた。途方に暮れた大瀬さん。そのとき、不思議なことが起きた…。
新型コロナによる社会不安が広がる中、主婦や大学生などが犯罪に手を染めてしまうケースが急増している。特に深刻なのが「持続化給付金」の不正受給だ。こうした犯罪にいったん加担すると、名前や住所などの個人情報が、反社会的組織によって利用され、さらに悪質な犯罪にも引き込まれていく。これまで犯罪と無縁だった人々がつけ込まれ、一線を越えていく社会。いま、何が起きているのか、追跡する。
緊迫のミャンマー情勢・いま何が起きているのか?▼抗議デモを続ける若者たちを現地取材▼密着!Z世代による“デジタル・レジスタンス”▼現実世界とネット“表裏一体”の攻防の行方を追跡▼世界各地からキーボード戦士が続々参戦▼ネットやSNS上の投稿動画を徹底解析!軍による弾圧の実態▼日本に住むミャンマー人たちの闘い方とは?▼クーデターの背景に何が?88年との違い▼求められる国際社会の役割は?
競泳・池江璃花子選手(20)が日本選手権直後に生出演…、独占インタビューに応じる。白血病の診断から2年、東京五輪の代表内定をつかみ取った思いなどを語り尽くす。レース直後「何位でもこの場にいることが幸せ」と涙した池江選手。その裏には「過去の自分ではなく今の自分だからできること」を探し続けた苦闘があり、番組ではその日々をつぶさに記録してきた。トップアスリートとして復活した池江選手の思いに迫っていく。
事故や病気で家族が突然「脳死状態」となった時、自然な形で死を待つのか、それとも臓器提供を行うのか。改正臓器移植法から10年が過ぎ、移植の事例は増えたが、その陰で家族の葛藤は明かされずにきた。日本臓器移植ネットワークは初めて「全ドナー家族のアンケート調査」を実施。そこには命をめぐる決断と、知られざる家族の物語が凝縮されていた。大切な人の“心の声”に耳を傾ける―。家族の決断までの日々を見つめる。
小笠原諸島、絶海の孤島、南硫黄島。国によって上陸が禁止されているが10年ぶり科学調査が行われNHKのクルーが同行した。科学者たちは、この島が生物の進化を観察できる地球上で数少ない場所のひとつだと考えている。最大の特徴は、急激な高度差によって、熱帯から温帯までの環境がひとつの島の中にひしめき合う点。島にたどり着いた生き物が、環境に応じ新しい種に進化していく姿を目の当たりに出来るという。
伊豆諸島最南端、大海原にそびえる巨大な岩の柱、孀婦(そうふ)岩。年中、海があれ容易に近づけないためこれまで詳しい調査が一度も行われたことがなかった。番組では2年かけ、科学者やエンジニアらと共に初の科学調査に挑んだ。垂直の崖を登ると、正体の知れない生きものが岩の隙間から現れ、周囲の海からは、不思議な深海魚が次々とあがる。空前絶後のスケールで数々の深海探査機を投入。そして見つけた、巨大魚の正体とは?
東京で最大規模の医療機関である東京女子医科大学病院の集中治療室にカメラを据えた。防護服で体を覆い、汗だくで働く25歳の看護師は、ずっとホテルで一人暮らし。友達や家族にも会えない自粛生活。1年以上続くコロナとの闘いの中で心身共に疲れ果て、退職する看護師も出てきている。しかし、定年退職した看護師や妊娠8か月の看護師も現場に駆けつけ、仲間たちを支えた。第4波に備えて何ができるのか考えていく。
感染再拡大が深刻化する中、いよいよ高齢者へのワクチン接種が始まる。その効果はいつどのように現れるのか?感染力が強い変異株に打ち勝ち、平穏な日常に戻れるのはいつなのか?今こそ知りたい「終息への道」を、NHK独自の人工知能による新型コロナの全論文解析を軸に、世界トップ研究者とともに読み解いていく。科学者も驚くワクチンの意外な効果や、変異ウイルスの脅威の実態などどこよりも深く掘り下げ、日本の今後に迫る。
パンデミック第9回は「教育」。去年春の一斉休校では3か月にわたって学びが止まった。学校再開後も、学習の遅れを取り戻すため授業は駆け足で行われ、部活動は縮小。受験生の進路選択にも影響が出た。更に学びのデジタル化も加速している。番組では、大阪の公立中学校を定点ルポ。コロナ禍、同級生や教員、地域の人たちに支えられながら“学びの未来”をつかみ取ろうとする15歳の姿を通して、日本の公教育の未来を展望する。
新型コロナ「N501Y」型の変異ウイルスが猛威を振るっている。いち早く感染が拡大した大阪では、重症病床の数を実際の重症患者の数が上回るなど医療崩壊の危機が進行している。一方、東京は「E484K」型の流行が先行しているが、これが「N501Y」型に置き換わると早晩感染者が2000人をこえるという衝撃のシミュレーションも。狂暴な変異ウイルスからどう身を守るのか。大阪放送局のスタジオから緊急生放送。
エジプト大ピラミッドの永遠の謎は解けるのか?最新技術で考古学最大の謎に挑む!!NHKは研究機関と共にピラミッド内部を「透視」する「ミューオン透視装置」の開発を進めてきた。そしてついに、2015年秋からエジプトの大ピラミッドを透視する挑戦が始まった。番組ではピラミッドに秘められた壮大なロマンを紹介しながら考古学最大の謎に挑む日本の研究者たちの奮闘を描き、世界の注目を集める透視調査の最新状況を伝える。
日本人科学者が世紀の大発見!エジプト・大ピラミッドで発見の謎の巨大空間とは!?…11月2日、科学誌ネイチャーは歴史的な大発見を掲載。エジプト・大ピラミッドの内部に未知の巨大な空間が見つかったのだ。調査の中核は、NHKの呼びかけで結集した日本人科学者による透視調査チームだ。どうやって大発見が成し遂げられたのか?4500年間封印されたこの空間は一体何なのか?…話題沸騰の大発見の全てがこの番組に。
原発事故以来「被曝の森」の水田や畑は、草原や林に飲み込まれ、イノシシやアライグマ、キツネなどの野生動物が闊歩(かっぽ)。森の奥では、これまでいなかったツキノワグマが進出するなど、生態が大きく変わった。研究者の調査からは、マツの形態異常が放射線によって起きるメカニズムの一端が初めて解明。さらに、被曝によってイノシシやネズミ、そしてサルの体内で何が起きているのか、細胞・遺伝子レベルで徐々に見えつつある
ビジョンハッカーとは、「目の前の課題解決に取り組む」だけにとどまらず、その課題を生み出すシステムや背景にも注目して、これまでにないやり方で挑む人々。東日本大震災以来、そうした若者が増えたことに注目した日本のNPОが命名。趣旨に賛同するゲイツ財団と連携してビジョンハッカーの発掘に取り組んでいる。「利益追求より社会貢献」というデジタルネイティブから生まれた、世界各地のビジョンハッカーたちに密着する。
パンデミックが突き付けた課題に迫るシリーズ、今回は「高齢者介護」。感染拡大の影響は介護現場を直撃、経営難や人手不足に悩む介護事業所が相次いでいる。テクノロジーを活用して遠隔で高齢者を見守る「非接触介護」など、“新しい介護様式”への模索が続く。高齢化が加速する中、今のままでは「介護保険制度」の維持が難しいという“介護崩壊”の危機も浮き彫りに。私たちの老後は守られるのか?大越キャスターが徹底取材した。
奈良東大寺。「お水取り」の名で知られる修二会(しゅにえ)は、世界にここしかない“水と炎の儀式”。大仏開眼の年に天下泰安・疫病退散を願って始まって以来、1270年一度も途絶えず続けられてきた。今年はコロナ退散の願いも込め、厳重な感染症対策のもと行われた。一人でも感染者が出れば続行不能になる緊張の中、僧侶たちは時に走り、時に体を打ちつけて祈り続ける。世俗と隔絶した空間で繰り広げられた14日間の物語。
生命の設計図を操るゲノムテクノロジー。2030年、ゲノム解析のコストは限りなくゼロに近づくと試算され、人類は地球上のあらゆる生命の遺伝情報を手に入れることが可能になる。その先に、どんな未来がまっているのか。森七菜さんが、人類の欲望のままに技術が暴走した世界に降り立つ。私たちは“神の御業”を操る資格があるのか。最前線の現場を取材し、技術の光と影にどう向き合っていくべきか考える。
地球最大のメガシティ東京。中心部とその周辺の生活圏を含めた人口は3700万。高層ビルが林立し、その間を鉄道や車、人が絶え間なく行き交う。しかし、ここは人間だけの世界ではない。線路を獣道とし夜な夜な食べ物を探して歩き回るタヌキ。都心の公園ではオオタカがカラスと激しい戦いを繰り広げる。ビルの屋上は、海鳥コアジサシが巨大コロニーとなっている。これまでにない斬新な映像表現で東京の生きものたちの世界を描く。
学校や家庭など背景が複雑なこともあり、若い世代の自殺は理由が見えにくいといわれる。今回取材に応じてくれた家族や友人からも「なぜ亡くなったのか分からない」という声が聞かれる。厚生労働大臣の指定法人・いのち支える自殺対策推進センターは、過去12年間の自殺者の記録をもとにかつてない規模の分析を始めた。自殺が多くおきる時間帯やどんな兆候が見られやすいかなど、今後の支援を考える重要な手がかりが見えてくる。
新型コロナが浮き彫りにしたさまざまな課題に迫るシリーズ。今回はコロナ禍で苦闘を強いられ続ける保健所がテーマ。全国の保健所は徹底した感染経路調査などで感染拡大を早期に抑え込む「防衛線」となってきた。しかしその戦力はあまりに少なく「クラスターつぶし」は各地で継続困難となり社会を止めないと蔓(まん)延を防げない事態に。なぜ戦力拡充できないのか。その真相を探ると、日本の感染症対策の根本的な問題が見えてきた
東京五輪で金メダルを目指す卓球の伊藤美誠。五輪延期で目標を見失うなか、自らを取り戻す為に行ったコロナ禍での異例の中国への長期遠征。そこにいたのは東京五輪で金メダルを争うライバルの孫選手だった。1000キロのバス移動やホテルでの過酷な隔離など、38日間の旅の全貌を家族のカメラは記録した。そして旅のクライマックスで起きた、驚きの出来事とは…。
ともに世界ランキング1位、男子シングルスの桃田賢斗とフクヒロペア。金メダルに最も近いと言われる選手たちはコロナ禍で苦闘を続けてきた。桃田は交通事故に巻き込まれて生命線の目を痛め、コロナにも感染、引退を考えるほどに追い込まれた。フクヒロペアの福島も五輪延期でモチベーションが維持できず、築いてきたコンビネーションを失いかけた。その逆境を越えつかんだ新たな境地とは…「頂点」を目指す挑戦に迫った。
超人たちの体内を最先端の技術で可視化する世界初の挑戦に“人類最速の男”ウサイン・ボルトが登場。競泳世界選手権6冠を達成したケレブ・ドレセルの無呼吸泳法。リオパラリンピック陸上で、全距離種目メダル獲得のタチアナ・マクファーデンの強じんな精神。ベルリンマラソンで世界新記録を達成したエリウド・キプチョゲの2時間切りへの挑戦。最先端の科学で、驚異的な強さの秘密に探り、スポーツの素晴らしさの本質に迫っていく
「日本は銅」というのが大方の予想だった男子体操団体。五輪延期によって金メダルの可能性が高まってきた。中でも10代の橋本大輝がこの1年間で急成長、高難度の技を短期間で習得し体操ニッポンをけん引する存在になったのだ。一方、これまでチームを引っ張ってきた選手たちは若手の猛追で代表の座を脅かされている。若手とベテランがしのぎを削る代表選考レースに完全密着。頂点に挑む“新生”チーム誕生の舞台裏に迫る。
超人たちの体内を最先端の技術で可視化する世界初の挑戦に“人類最速の男”ウサイン・ボルトが登場。競泳世界選手権6冠を達成したケレブ・ドレセルの無呼吸泳法。リオパラリンピック陸上で全距離種目メダル獲得のタチアナ・マクファーデンの強靱(じん)な精神。ベルリンマラソンで世界新記録を達成したエリウド・キプチョゲの2時間切りへの挑戦。最先端の科学で驚異的な強さの秘密に探りスポーツの素晴らしさの本質に迫っていく
“史上最強の恐竜”と呼ばれるティラノサウルス。謎に包まれていた真の姿が、世界各地で相次ぐ化石の新発見と、最先端の科学解析技術から明らかになってきた。生物の常識を覆す、驚異的な身体能力。頭脳的な狩りを可能にする、著しく発達した大脳。さらに、祖先は小さくひ弱だったことも判明した。ティラノサウルスはどのように進化したのか。ディーン・フジオカをナビゲーターに、一億年に及ぶ壮大な進化の秘密を読み解いていく。
最終回は、オリンピックのメインスタジアム・国立競技場建設の知られざる物語。36か月という早さで完成した工事の全貌を、1000時間を超える記録映像から明らかにする。工事の最難関は、周辺の森との調和を目指して、高さを抑えた大屋根の建設。数ミリ単位の極限の精度を追求する若きリーダー、日本最高の技術を持つクレーン職人、とび職人、銘木を提供した全国の林業家など、次世代へのレガシーを残すための闘いに迫る。
「無観客」「緊急事態宣言」など、かつてない状況下での開催となった東京オリンピック。参加した選手たち、そして私たちの暮らしを支える人たちは何に向き合い、どんな壁に直面しながらそれを乗り越えようとしたのか。大会17日間の舞台裏を記録した。▽伊藤美誠・葛藤と覚悟▽大橋悠依・地道な努力▽ソフトボール・日米の友情と被災地への思い▽池江璃花子・この先へ▽バドミントン・フクヒロペアの闘い▽五輪を支えた医療者は
今から76年前。広島と長崎では、アメリカ軍によって「原爆の被害と効果」に関する大規模な調査が行われた。調査では、被爆地に残る放射線・残留放射線が計測され、科学者たちは「人体への影響」の可能性を指摘していた。しかし、その事実は隠蔽されることになった。今も、広島や長崎の人々は、残留放射線の影響で苦しんでいると訴えている。 なぜ真実は隠されたのか。その過程をたどり、「原爆初動調査」の全貌に迫っていく。
これまで経験のない最大の感染拡大“第5波”に直面している日本。感染の9割を占めるのが、ワクチン接種が進んでいない50代以下の世代だ。首都圏の医療現場では、既に病床の逼(ひっ)迫が進み医療崩壊の危機に警戒感が強まっている。猛威を振るう感染力が強い変異ウイルス「デルタ株」の正体とは…そして20~30代を襲う後遺症の実態とは…世界の最新研究も交え危機を乗り越えるための知見といま求められる対策を探っていく
かっぽう着にたすき掛け。戦時中のドラマでたびたび登場する「国防婦人会」の女性たち。新たに発見された資料や取材から、戦争を支えた女性たちの意外な「思い」が明らかになった。女性の活躍の場が少なかった時代、国防婦人会への参加は「社会参加」の機会だった。「社会の役に立ちたい」と懸命に生きた女性たちがなぜ自身を抑圧するようになったのか。戦争に協力していった女性たちの、これまで語られてこなかった心の内に迫る。
中国国民政府を率いた蒋介石の膨大な日記の全貌が明らかになった。近年公開された蒋の外交史料と合わせて浮かび上がるのは日中戦争の国際化をもくろんだ戦略である。そしてアメリカ・イギリスの思惑も交錯しながら太平洋戦争開戦へとつながっていたのである。一方で、日本は多くの選択肢がありながら「引き返し可能地点」を何度も失っていたことも明らかになった。太平洋戦争開戦秘録から浮かび上がる現代への教訓とは。
まもなく開幕する東京パラリンピック。160以上の国と地域からトップアスリートが集う。実はパラリンピックには私たちの社会を変える、大切なヒントが詰まっている。その答えを探すのは香取慎吾さん。夏休みの特別授業として、10代の若者たちと楽しく語り合う。それぞれの違いを認め合い、誰もが個性を発揮して活躍する。そんな「カラフルワールド」はどうしたら実現できるのだろう。大人も子ども、ようこそパラ教室へ!
4月に放送して国内外で大きな反響を呼んだNHKスペシャルの第2弾。その後、ミャンマー国内の状況はさらに悪化し、軍の弾圧によって少なくとも900人以上が死亡している。なぜ軍はそこまで“暴走”を続けるのか?番組では、軍から離脱した複数の将校の証言に加え、軍の内部資料を入手。そこから、軍の体質や、巨大な「利権構造」が見えてきた。今回も衝撃的な現地映像を入手し、デジタル調査報道を展開。軍弾圧の実態に迫る
20年前、アメリカの中枢に旅客機が突っ込み、2977人が犠牲となった同時多発テロ事件。その実行犯の大部分がサウジアラビア国籍だった。「この国の何者かが背後で関与していたのではないか」。疑念を抱く遺族たちは捜査に関わる情報の開示を求めてきたが、歴代の政権によって拒まれてきた。取材から見えてきたのは、経済と安全保障で深く結びつく両国の特殊な関係。国益を優先し、遺族に背を向けてきたアメリカの姿を伝える。
あの日、東北沖であれほど巨大な地震と津波が起きることを想定できなかった科学者たち。深い悔恨と新たな決意を胸に、次こそは危機を事前に社会に伝えたいと、再び挑んできた。この10年で飛躍的に進歩した人工知能やスーパーコンピューター、宇宙からの観測などを駆使。巨大地震の「前触れ」をとらえ、「地震発生確率が高まっている地域」をあぶりだし、命を守ろうとする最前線を、宮城県出身の鈴木京香さんとともに見つめる。
デルタ株の蔓(まん)延で収束の兆しが見えない新型コロナの“第5波”。長期化するコロナ禍をどう乗り切ればよいのか。今回、1000人規模の緊急アンケートを実施。「いま何に不安を抱いているのか?」「いつまでこの生活を続けられるのか?」「ワクチン接種が進んだ先に行動の制限はどうなるのか?」政府の分科会の尾身茂会長ら専門家と市民が本音で語り合い、対話を通じて危機を乗り越えるための方策を探っていく。
もし認知症と診断されたら、その後の人生をどう生きますか?香川県の病院に、認知症の人が認知症の人の悩みを聞く相談室がある。相談員は先に認知症となった“認知症の先輩”。カメラが記録したのは当事者の知られざる胸の内、家族の葛藤、そして「認知症になってもできることはある」と生きがいを持ち始めた人々の姿だった。誰もが認知症となりうる時代。「認知症をどう生きるか」当事者と家族が探し出した人生のメッセージ。
太平洋戦争から80年。歴史の大きなうねりを「個の視点」から「複眼的」に捉え直すシリーズ「新・ドキュメント太平洋戦争」。エゴ・ドキュメントと呼ばれる当時の日記や手記から、戦争の新たな断面に迫る。第1回は「1941・開戦」。前編では、アメリカ文化に親しみをもっていた市民や、戦力差も踏まえ日米開戦を避けようとしていた国のリーダーたちが、なぜ戦争へと向かっていったのか、その心の変化を見つめていく。
太平洋戦争から80年。歴史の大きなうねりを「個の視点」から「複眼的」に捉え直すシリーズ「新・ドキュメント太平洋戦争」。エゴ・ドキュメントと呼ばれる当時の日記や手記から、戦争の新たな断面に迫る。第1回は「1941・開戦」。後編では最前線の兵士たちの貴重な記録から戦場のリアルを体感し、軍中央や銃後の国民との“温度差”を描きつつ、“開戦”が結果的に戦争長期化につながっていった実態を描き出す。
全国丼グランプリ金賞受賞の看板メニュー「豚丼」をめぐる店主の悩み「原材料費の高騰分を価格に転嫁したい。でもお客さんが逃げてしまうのでは…」▽賃金が上がらない…「良いインフレ」にならない日本・なぜ?▽需要は急回復しているのに部品が入ってこない…作りたくても作れないメーカーの悲鳴「何もかもない…」▽コロナ禍で業績回復を期すJAL・違う業界に出向していた客室乗務員が元の業務に「精いっぱいやっていきたい」
中国新世紀の第4回。中国共産党がいま取り組む重点政策のひとつが「農村振興」。共産主義革命を掲げた毛沢東が根拠地とした農村は中国共産党の原点でありながら、埋まらない都市との経済格差は大きな課題となってきた。共産党はこの矛盾を解消しようと、都市に出稼ぎに来ていた農民工のUターンを促進するなど農村を再興する政策を進めている。番組では、故郷の農村に帰ったある農民工一家の姿を通じて農村の今を描く。
プロ入り以来、常識を覆す活躍を続け、史上最年少19歳で四冠達成。名実ともに将棋界のトップになった藤井聡太竜王。この半年、最大のライバル・豊島将之九段と互いの3つのタイトルをかけ、異例の“19番勝負”に挑んだ。200時間を超える極限の闘いの舞台裏で何が起きていたのか。藤井と豊島のロングインタビュー、トップ棋士たちの証言で迫る、天才棋士たちの知られざる盤上の物語。激闘の末に、二人は何を見たのか…。
来年2月の北京オリンピックを前に、アメリカなどが「外交的ボイコット」を表明するなど、世界が注視する新疆ウイグル自治区の人権問題。世界各地では「自治区に住む家族と連絡がつかない」と訴える人が相次いでいる。一体、何が起きているのか?現地での監視や収容の実態を追跡する。創立から100年を迎え、民族の団結を目指す中国共産党は、ウイグル族などの少数民族をどうまとめていくのか?その葛藤と行方を見つめる。
米中関係が“新冷戦”と呼ばれるほど冷え込む中、台湾海峡で軍事的なせめぎ合いが激化。その影響は日本にも及び始めている。在日米軍の動きが各地で活発化し、歩調を合わせるように自衛隊は南西地域で新たな活動を開始。周辺住民の間で波紋が広がっている。さらに自衛隊元最高幹部などが台湾で紛争が起きた場合のシミュレーションを行い、日本がどのような対応を迫られるのか、独自の検証を始めた。安全保障の最前線から報告する。
新型コロナ感染拡大に対応するため、国が昨年度に計上した「コロナ予算」は77兆円。ただ前代未聞の巨額予算がどう使われ、どのような効果をあげたのか、詳しい検証は行われていない。番組ではコロナ予算を徹底検証。全ての省庁に公開が義務づけられている1万ページに及ぶ「行政事業レビューシート」のデータをAIで解析。現場ルポや行政・政治家への取材、専門家による検証会議なども行い、77兆円の全貌とその教訓に迫る。
初回放送日: 2017年8月20日 戦後ゼロ年(1945年8月15日からの1年間)。それは東京、今の日本の原点が形作られた歴史の転換点だ。NHKは「戦後ゼロ年」に関する、貴重な「未公開映像」や機密資料を発掘。ヒト、モノ、カネをブラックホールのように飲み込み、都市が生まれていく秘史が見えてきた。「闇市」「東京租界」など歴史映像の中に、俳優・山田孝之さんが最新のデジタル技術でタイムスリップ!東京の出発点を知る新感覚ドキュメンタリー。
初回放送日: 2019年10月13日 俳優・山田孝之さんが最新デジタル技術で「歴史映像」の中にタイムスリップ!過去を追体験する新感覚ドキュメンタリー。1964年。それは東京五輪に向け、東京大改造や農村からの人口流入など“ブラックホール”のようなカオスが生まれた年。銀座の地下でツルハシを振るう男たち、通勤地獄や交通戦争、過酷な現実に向き合う若者たち…。当時の貴重な「未公開映像」を発掘し、知られざる熱狂の首都の姿を浮かび上がらせていく。
今年、人類の火星移住計画を目指して、最新の巨大ロケットがまずは再び月を目指す。30万年前にアフリカで誕生して以来、驚異的な速さで技術革新を繰り返し、繁栄を極めるに至った人間。しかしその強大な力は、人間同士が殺し合う戦争や地球環境の深刻な破壊をも招くという大きな矛盾を生んでいる。人間とはいったい何者なのか?この先どこへ向かうのか?答えを探して壮大な人間の歴史をさかのぼると、意外な真実が見えてくる!
初回放送日: 2017年6月10日
初回放送日: 2022年3月5日 水鏡に満天の星を映し出す絶景の棚田は、メダカや赤とんぼなど懐かしい生物の宝庫。命あふれる世界には、自然の猛威を豊かな恵みに変える秘密が隠されていた。シリーズ「新・映像詩里山」。第1回の舞台は新潟県中越地方。豪雪と多発する地すべりに古くから悩まされてきた土地だ。人々は荒ぶる自然と粘り強く向き合い、極上の米を生む美しい里山を築き上げた。翻弄されては立ち直る、人と生きものたちの一年を斬新な映像詩で描く。
初回放送日: 2022年3月26日 人と牛がともに生きる日本最大級の草原は、絶滅危惧種の草花やカヤネズミなど生きものの宝庫。命あふれる世界には、自然の猛威を豊かな恵みに変える秘密が隠されていた。シリーズ「新・映像詩里山」。第2回は熊本県阿蘇地方。噴火の脅威に常にさらされ、不毛な火山灰が大地を覆う。ここで受け継がれてきたのが野焼き。人々は火で大地の生命力を引き出し、草原を守り育てる。多様な草が牛を育み、その傍らに多くの命が息づく。
山田孝之演じる若者がタイムスリップするのは1989年から1990年。バブル時代、経済成長率は先進国で最も高く、国民全体が多幸感に浸っていた。しかし89年末に史上最高値を記録した株価は年明けに急落し、日本経済は奈落の底に転落。東京に出現したブラックホールは世界中の富を飲み込み、束の間の繁栄をもたらし、瞬く間に泡と消えた。最新の映像技術でバブルを追体験しながら閉塞感漂う今を生きる手がかりを探る。
子どもや若者の幸せについて考える「君の声が聴きたい」プロジェクトの核となるNHKスペシャル。日本の子どもや若者の「精神的幸福度」が38か国中37位と低いなか、全国1万人の若い世代に、“かなえたい願い”や“大人や社会に願うこと”をたずねる大規模アンケートを実施。今の若い世代が何を幸せと感じるのか、リアルな実態が見えてきた。寄せられた声に徹底的に耳を傾け、幸福度を高めるために何が必要なのか語り合う。
2年の長期密着ルポで見えた新たな真実▼大変なのに誰にも相談しない!?ヤングケアラーの本音は▼当事者1000人&全国自治体に同時緊急アンケート。なぜ支援は届かない?▼『家族の壁』とは?▼進学も就職も結婚も諦める。過酷な人生▼30年の介護人生からの再出発。鍵は「役割」と「つながり」▼大空幸星(現役大学生&若者支援NPO代表)が探る。私たちにもできる支援▼小芝風花がナレーション▼#君の声
初回放送日: 2019年1月20日 【沖縄本土復帰50年関連番組】平成の音楽シーンを形作ったふたりの大ヒットメーカーが、平成の終わりと共に引退した。「平成の歌姫」安室奈美恵と「音楽プロデューサー」小室哲哉。今回、安室は、引退前に長時間の独占インタビューに応じた。小室との出会い、トップアーティストに駆け上がった無我夢中の日々。その後の葛藤と挫折。仕事と子育てのこと。そして、引退を決断した胸の内を語った。(2019年初回放送)
今年5月、沖縄が本土に復帰して50年を迎える。戦後最大の外交交渉と言われる「沖縄返還」。番組では、新たに発掘された外交官や政治指導者の証言をもとにその全貌に迫った。軍事拠点として沖縄を重視したアメリカ。「日本は核を持たない」という原則のもと、配備された核兵器を撤去し返還させようとした日本。祖国復帰を機に、基地の整理縮小を望んだ沖縄。NHKがこれまで取材してきた膨大な取材記録も加え、交渉を再構築した
沖縄の本土復帰から50年。時代を彩ったヒットソングから半世紀をたどる異色のミュージックドキュメンタリー。70年代の「コザ・ロック」。90年代以降音楽シーンを塗り替えた「アクターズスクール」。「花」の世界的ヒットが象徴する「島唄」の普遍性…。そして令和の今、若い世代を熱狂させるヒップホップの女王・Awich。歌が生まれた知られざる舞台裏、聴く人の心を魅了する源泉をアーティストたちの貴重な証言でつづる
初回放送日: 2022年3月30日 いま日本の恐竜が熱い。日本屈指の恐竜化石ハンターは九州で化石群を発見。北海道からは巨大な爪を持った珍恐竜の驚きに満ちた生態が見えた。岡山では映画「ジュラシックパーク」をほうふつとさせる研究、なんと「恐竜化石からタンパク質を取り出す」という極秘研究に密着。さらに「恐竜は隕石で絶滅した」という定説に疑問を呈する研究も紹介!日本のさまざまな発見から浮かび上がった「日本の恐竜超世界」を最新CGで紹介する!
半径1メートルにある社会課題をみんなのチエで解決する番組「つながれ!チエノワ」。コロナ禍でも夫婦仲良く子育てしたい、という悩みを解決するため、若手研究者やエンジニア、ロボット開発者たちが奇想天外なアプリを開発!夫婦のホンネをゲームで探るアプリに、ハライチ澤部佑&あさイチ鈴木アナが挑戦。マスク生活で子どもの成長は大丈夫?という不安には世界の研究者がチエを紹介。あつこおねえさん&ワンワンも登場します!
激甚化の一途をたどる豪雨。国は被害想定を“百年に一度の雨”から“千年に一度の雨”に切り替え、防災計画の大転換をはかっている。今回、国・都道府県が策定している千年に一度の雨のハザードマップをいち早く集積し、全国どの地域でも閲覧できるデジタルハザードマップを開発。大雨シーズンに入った今、番組を見ながら、スマホやPCで、自宅や遠くに暮らす家族、学校・会社など、気になる地域のリスクを総点検してもらいたい。
イノシシなどが田畑を食い荒らす獣害。高齢化が進むなか、全国で農地荒廃の原因となっている。その獣害に、住民が一丸となって取り組み、元気と希望を取り戻した町が中国山地にある。獣害研究家の雅ねえと住民たちは、守った野菜を売る直売所を作ったり、果物の苗を植えて共同農園を作ったり。さらにイノシシ肉の加工施設も建てられて、新たな雇用が生まれ、若い移住者も増えた。どこにでもある山里の、どこにもない物語。
3年半にわたり取材してきたベトナム人技能実習生たちが、コロナ禍の日本で次々に姿を消した。何が起きているのか?SNSコミュニティ“ボドイ(兵士)”では、実習生たちが闇金融や犯罪組織にからめ捕られていた。さらにビザに関する国の特例措置で無保険になる人が続出。借金を抱え、命の瀬戸際に追い詰められる人も。憧れを抱きやってきた「夢の国」の過酷な現実。それは、日本の未来に何をもたらすのか。調査ルポから迫る。
長引くコロナ禍で、見知らぬ人たちを巻き込む無差別事件が相次いでいる。去年8月、小田急線車内で起きた切りつけ事件以降、10月の京王線、12月の大阪ビル放火事件などこの1年余りで15件。容疑者や被告などへ取材を試みると、重大な結果を想像しない場当たり的な犯行の実態や、ふとしたきっかけで絶望し、容易に「一線を越えていく」犯人たちの心の闇が見えてきた。悲劇を食い止めるためにいま何が必要なのか、考える。
3年前から取材するNHK「性暴力を考える」プロジェクトには、被害に遭った人たちから日々声が届く。「本当の私を失った」「もう人間じゃない」…。取材班が知ったのは、被害の苦しみはその後も長く続き、“わたし”という1人の人間を生きることを奪われるという実態。そしてその大きな要因は、社会の無知や偏見、身近な人の何気ないことばにあること。“わたし”を生きるために“わたしたち”の社会に求められるものとは。
初回放送日: 2021年12月4日 太平洋戦争から80年。歴史の大きなうねりを「個の視点」から「複眼的」に捉え直すシリーズ「新・ドキュメント太平洋戦争」。エゴ・ドキュメントと呼ばれる当時の日記や手記から、戦争の新たな断面に迫る。第1回は「1941・開戦」。前編では、アメリカ文化に親しみをもっていた市民や、戦力差も踏まえ日米開戦を避けようとしていた国のリーダーたちが、なぜ戦争へと向かっていったのか、その心の変化を見つめていく。
初回放送日: 2021年12月5日 太平洋戦争から80年。歴史の大きなうねりを「個の視点」から「複眼的」に捉え直すシリーズ「新・ドキュメント太平洋戦争」。エゴ・ドキュメントと呼ばれる当時の日記や手記から、戦争の新たな断面に迫る。第1回は「1941・開戦」。後編では最前線の兵士たちの貴重な記録から戦場のリアルを体感し、軍中央や銃後の国民との“温度差”を描きつつ、“開戦”が結果的に戦争長期化につながっていった実態を描き出す。
80年前の1942年、明から暗へと一変した「大日本帝国」の分岐点を見つめる。真珠湾攻撃の後、連戦連勝を重ね、アジアで占領地を拡大していった日本。市民の日記には、明るい気分が満ち、愛国心の高まりがみられた。しかし4月、アメリカ軍から予期せぬ本土空襲を受けると、軍部に動揺が走り、戦争の行く末を左右するミッドウェー海戦につながっていく。大敗北を喫した軍は、真相を隠し、メディアも偽りの戦果を伝えていく。
戦時下に個人が記した日記や手記などの「エゴドキュメント」をもとに、日本の繰り広げた戦争を個人の視点から1年ごとに追体験するシリーズ。1942年は「大日本帝国の分岐点」をみつめる。開戦以来勝利を重ねてきた日本。6月のミッドウェー海戦で敗北。戦況が悪化する中、東南アジアの占領地でも日本の支配が揺らいでいく。そして、ガダルカナルの戦い。最新の技術を使い、兵士たちの言葉から、「戦場の現実」を伝える。
最先端の科学が明らかにする“新しい進化の物語”を、圧巻の映像美と珠玉のストーリーで描く大型シリーズ。第1集は、陸の王者・植物。「大人しくて鈍感な生き物」のイメージを根底から覆す。植物が“おしゃべり”する様子を世界で初めて映像で捉えた!多様な命が暮らす森の地下には、支え合いの輪が広がっていた!競争だけでなく助け合いに満ちた生き物の世界を、堺雅人×角田晃広×西田敏行らの心揺さぶるドラマと共にお届けする
最先端の科学で“新しい進化の物語”に迫るシリーズの第2集。世界に100万種!地球上のあらゆる場所に進出した昆虫が主役。昆虫の多様な進化のカギを握る能力の一つが「完全変態」。幼虫から成虫へ、全く別の生物のように大変身。今回、世界で初めてサナギの中身の“透視”に成功!肉体改造の秘密が明らかに。さらに、“渦”を活用して飛ぶハチの驚異の飛行術や、アフリカ森で凶暴なアリと同居する未知の昆虫の驚きの姿も紹介。
25人に聞くと、年末の為替レートは現在とあまり変わらないという見方が多い。しかし、1年後については見方が分かれた。カギはどこに?▽物価は今後も下がっていかないのではという声も。そのワケは?▽賃金が上向く可能性が出てきている?専門家が注目するデータが▽円安は国力低下を表しているとみる専門家と、関係ないとみる専門家に意見が分かれた。それぞれの主張のワケは?▽経済に活力をもたらすために何をすべき?
初回放送日: 2022年4月9日 奈良・桜井。険しい山道を40分登らないとたどり着けない寺に暮らすご住職の後藤密榮さん。その日々を、NHKでは2016年から取材してきた。巡る季節を慈しみ、精進料理に丁寧に手をかける生活に、新型コロナが重なった。大きな行事は中止、遠方からの参拝客も減る中で、ご住職はどうしているのか。訪ねてみると、知恵と工夫で月々の観音縁日を絶やさず、里の人たちと季節の喜びを堪能する、慎ましくも豊かな日常があった。
初回放送日: 2022年11月6日 最先端の科学が明らかにする“新しい進化の物語”を、圧巻の映像美と珠玉のストーリーで描く大型シリーズ。第1集は、陸の王者・植物。「大人しくて鈍感な生き物」のイメージを根底から覆す。植物が“おしゃべり”する様子を世界で初めて映像で捉えた!多様な命が暮らす森の地下には、支え合いの輪が広がっていた!競争だけでなく助け合いに満ちた生き物の世界を、堺雅人×角田晃広×西田敏行らの心揺さぶるドラマと共にお届けする
初回放送日: 2022年11月13日 最先端の科学で“新しい進化の物語”に迫るシリーズの第2集。世界に100万種!地球上のあらゆる場所に進出した昆虫が主役。昆虫の多様な進化のカギを握る能力の一つが「完全変態」。幼虫から成虫へ、全く別の生物のように大変身。今回、世界で初めてサナギの中身の“透視”に成功!肉体改造の秘密が明らかに。さらに、“渦”を活用して飛ぶハチの驚異の飛行術や、アフリカ森で凶暴なアリと同居する未知の昆虫の驚きの姿も紹介。
植物がおしゃべり!?驚きのシリーズ超・進化論、今回はキッズ&ティーンズ特別編!不思議な森で西畑大吾と住田萌乃が、身近な生き物たちが進化で手に入れたすごい能力を体感する!キャベツが秘密兵器で虫を攻撃!虫は驚きの力で防御!世界一体が硬いと言われる虫の秘密、それは「共生」。200万種の生き物が作る巨大ネットワークとは。人間は一番進化した生き物なのか?生き物と人間が共生していくヒントはソバにあり!?
記憶が失われても母は母らしくいられるのか―。脳科学者の恩蔵絢子さんは、認知症になった母・恵子さんの介護をしながら、この問いに向き合い続けてきた。脳画像を分析したり、音楽療法を取り入れたりしながら、“母らしさ”を探す日々。次第に、症状が進行し母の脳の機能が失われていく中、恩蔵さんは、ひとつの“答え”にたどりついていく…。脳科学者の娘が、これまで気づけなかった母と“出会い直す”7年間の記録。
絶滅のおそれがあるジャイアントパンダ。その繁殖で世界屈指の実績を誇る、和歌山県白浜町の動物公園に密着。陣痛の苦しみや出産の瞬間、新生児に迫る命の危機を克明に記録。リスクの高いパンダの子育て、カギは母親が本来持っている“母性”を邪魔しないこと。白浜では、20年を超える飼育の中で独自のノウハウを編み出した。パンダと飼育員、二人三脚の子育て、1000日間の記録。(初回放送2017年4月8日)
ウクライナ政府のウェブサイトにある「チルドレンオブウォー」というカウンターは、戦闘で犠牲となった子どもの数字を刻み続けている。命を奪われるだけではない。子どもたちは家族と引き裂かれ、見も知らない場所で心の傷を抱えながら孤独な日々を過ごす。キーウのある公立学校の日々を追った。鳴り止まない空襲警報、ろうそくの灯(あか)りを頼りにした授業。教師たちは子どもたちにどう寄り添うのか、模索する人々の記録である
初回放送日: 2022年8月7日 母国が戦場となったときジャーナリストたちは「戦争」をどう伝えるのか…。鳴り響く防空警報の下、臨時拠点からの放送・配信を続けるウクライナ公共放送。ロシア軍の侵攻から5ヶ月あまり、長期取材から見えてきたのは、ロシア側が仕掛けるプロパガンダの実態や、ウクライナ政府から課される戒厳令下の報道規制、そして家族や友人たちの命が危険にさらされる中で、何をどう報じていくのか苦悩する職員たちの姿だった。
ロシアによるウクライナ侵攻。当初、ロシア軍は、圧倒的な軍事力でウクライナに多大な犠牲や破壊をもたらしてきた。しかし、去年秋以降、東部や南部で、ウクライナ軍の反転攻勢の前に撤退が相次ぎ、死傷者は20万に近づいているという見方も出ている。なぜ、これほどの犠牲を払いながら戦うことになったのか?番組では、現地取材に加え、SNS上の動画や衛星画像など公開情報の分析、元兵士の証言などからその背景を徹底検証する
2022年2月24日、世界に衝撃を与えたロシアによるウクライナ侵攻が始まった。欧米は72時間でキーウは陥落すると、ゼレンスキー大統領に脱出用のヘリコプターを準備していたという。しかし、大統領はこれを拒否、翌25日に「我々はキーウにいる。独立を守るために戦う」と世界に宣言した。このとき大統領を囲んでいた側近たちが、NHKの取材に応じた。ウクライナ、そして、世界の運命を変えた緊迫の舞台裏に迫る。
悪質な業者に指南されるまま、複数のローンを組んで借金をし、実態が疑わしい暗号資産や不動産に投資。その結果、多額の借金だけが残り、追い詰められていくという深刻なトラブルが急増している。全国の消費生活センターなどには3300件あまりの相談が寄せられ、その多くは10代、20代の若者からの相談だ。番組では、法の網をくぐり抜ける悪質業者たちの手口と実態に迫り、どうすれば被害を防げるのか、警鐘を鳴らす。
太い血管が詰まって起こると思われていた狭心症。実は、微少な血管が狭まる新たなタイプの狭心症の存在が明らかに。これは女性に多く、見逃しが多かったが「性差」を考慮した医療がその現状を変えようとしている。アメリカでは女性専門の循環器クリックを設置し、女性の心臓病死を大幅に減らすことに成功。また、女性は更年期に深刻な病気のリスクが高まることも分かり、そのリスクを予測するアプリや、新たな治療の開発も進む。
第2回のテーマは「社会の中の男性目線」。自動車の安全性能からオフィスの標準室温まで男性に合わせて作られ固定化してきた基準や仕組み。それを見直し変革につなげる動きが今世界で広がっている。一方、意思決定層の多くを男性が占めてきた日本の組織に立ちはだかる「OBNの壁」とは…。これまでの「あたりまえ」を変えてみたらみんなが生きやすい社会に?!村上信五さん、アンミカさんとともに一歩先の時代を見通していく。
自治体を挙げて「いじめ予防プログラム」に取り組む大阪・吹田市。全国でも珍しい取り組みを取材するため私たちは24人が学ぶ教室に4か月間密着した。自分たちの中にある「いじめの芽」にあえて目を向け、考えを深めていく子どもたち。誰1人取り残さない覚悟で予防授業に取り組む教師たち。「子どもの力を信じ、いじめをなくしていく」。本気で挑む大人たちの姿を通してこれまでのいじめ対策に新たな光を投げかける。#君の声
8729人。学校管理下で死亡または障害を負った子どもの数だ。日本スポーツ振興センターの2005年度以降のデータベースを元に学校事故を分析すると、浮かび上がってくるのは「同じような事故を繰り返す」実態。窓からの転落事故、運動会の事故、熱中症…。どうすれば子どもたちを事故から守り安全な学びの場を実現できるのか、データと現場への取材から再発防止の方策を探る。語り:山中崇 出演:首藤奈知子 #君の声
祭りが日本中で3年ぶりに帰ってきた!裸の男がぶつかり、太鼓屋台が勇壮に海に入る。コロナ禍を乗り越えた祭り。地域に元気を、そして新しい交流や変化をもたらしている。馬が踊る!“初午祭”(鹿児島)では、若者がSNS発信力で助太刀。高齢化の地域に新風を吹き込む。“古志の火まつり”(新潟)では、デジタル空間・メタバースで新しい地域のファンを生む。そんな熱い祭りにTOKIO・城島茂が日本再生のヒントを探す。
恐竜は、6600万年前の巨大隕石衝突による地球規模の森林火災や寒冷化にさらされ、一気に絶滅したというのが現在の定説。ところが最近、かつて多様な巨大恐竜が生息していたゴンドワナ大陸の一部、現在の南半球で、隕石衝突後も恐竜が生き残っていた可能性を示す証拠が見つかり始めている。長ければ数十万年もの間、世代交代を繰り返し命をつないでいたという。最前線の研究者たちが思い描く恐竜絶滅の新たなシナリオに迫る。
きちんと管理・修繕されていれば、中古でも需要の高いマンション。しかし築40年を超えた物件の中には、そもそも管理組合や修繕積立金がなく、危険な老朽化状態に手つかずというケースがある。住民の高齢化で修繕や建て替えの合意形成が困難となったり認知症のトラブルも。建物と住民、“2つの老い”の問題に向き合い始めた自治体などの最新の取り組みを取材。年老いても安心して暮らせる、マンションならではの秘策とは?
“怪物ヒグマ”OSO18の最期は、あまりにもあっけないものだった。本来肉食ではないはずが牛を襲い続ける特異性、わなを見抜く高度な知能、人間を極度に警戒する慎重さ。しかし、その日は人を恐れるそぶりも見せず、射殺された。OSO18と判明した時には、骨や内臓は処分、肉はジビエとして全国各地に流通していた。謎のヒグマは、いったい何者だったのか。取材班は正体を解き明かす重要な手がかりをつかむことになった。
いま日本で何が起きているのか?公共交通、物流、介護などエッセンシャルワーカーの人手不足が全国各地で発生、暮らしに影響が出始めている。2040年には1100万人の働き手が不足する試算も。一方、事務や販売などホワイトカラーでは将来480万人が“余る”という真逆の予測が。賃金、労働移動、DX…空前の危機を生き抜くヒントは?各分野の論客と探るとともに『日曜討論』にバトンをつなぎ課題解決を目指していく!
毎年1月になると北海道のオホーツク海岸は流氷に覆われる。しかし、この流氷がどこで生まれ、どのようにして押し寄せてくるのか詳しいことは分かっていない。北海道大学の青田昌秋教授は、30年にわたり流氷を研究してきた。番組は、北海道に打ち寄せる流氷は、どこで誕生し、どのようにしてやって来るのか、初めてカメラが捉えた流氷誕生の美しい映像とこれまで誰も知ることのなかった流氷接岸の謎に迫る(1994年4月放送)
メジャーリーガー大谷翔平をエンジェルス入団時から記録し続けてきたNスペ。今シーズンほど彼の言葉が待ち望まれる年もないかもしれない。WBC優勝、HR王、右ひじ手術、そしてプロスポーツ史上最高額での移籍…激動の1年、大谷はメディアの前で多くを語らずその内実はベールに包まれている。何を、どんな風に、どんな言葉で語るのか?彼と関わりの深い歴代のスーパースターも徹底取材、知られざる胸の内と戦いの舞台裏に迫る
水鏡に満天の星を映し出す絶景の棚田は、メダカや赤とんぼなど懐かしい生物の宝庫。命あふれる世界には、自然の猛威を豊かな恵みに変える秘密が隠されていた。シリーズ「新・映像詩里山」。第1回の舞台は新潟県中越地方。豪雪と多発する地すべりに古くから悩まされてきた土地だ。人々は荒ぶる自然と粘り強く向き合い、極上の米を生む美しい里山を築き上げた。翻弄されては立ち直る、人と生きものたちの一年を斬新な映像詩で描く。
人と牛がともに生きる日本最大級の草原は、絶滅危惧種の草花やカヤネズミなど生きものの宝庫。命あふれる世界には、自然の猛威を豊かな恵みに変える秘密が隠されていた。シリーズ「新・映像詩里山」。第2回は熊本県阿蘇地方。噴火の脅威に常にさらされ、不毛な火山灰が大地を覆う。ここで受け継がれてきたのが野焼き。人々は火で大地の生命力を引き出し、草原を守り育てる。多様な草が牛を育み、その傍らに多くの命が息づく。
“究極の迷宮”下山事件の謎に挑む検事の闘いを描く実録ドラマ。占領期の1949年、国鉄の下山総裁が突然の失踪後、れき死体で発見された。自殺か?他殺か?検視解剖で、血が抜き取られていたことが発覚。検事の布施健(森山未來)は、記者の矢田喜美雄(佐藤隆太)と共に犯人を追跡。ソ連のスパイを名乗り、暗殺への関与を告白する“謎の男”(玉置玲央)にたどり着く。怪事件の背後でうごめく大国の謀略。執念の捜査の結末は?
4年前に白血病で亡くなった小山田優生さん(16)。彼女は余命宣告を受けたあと、SNSに「笑顔の動画」を毎日のよう投稿していた。その動画をめぐり、いま、不思議なことが起きている。彼女の動画を別の人がシェアしはじめ、フォロワーが増え続けているのだ。そして、この春、1人のフォロワーが優生さんの遺影に前に立った。時間や空間を超えてめぐる16歳の“いのち”。そして、作家の川上未映子さんがそこに見たものとは。
認知症やその疑いで、行方不明になった人が10年で倍増、過去最多の1万8000人に。朝起きると認知症の妻がいなくなっていた夫。いったいなぜ?捜し続ける中で、妻のある「意思」に思いが至る。一方、最新技術を使ったまちづくりなど、認知症の人が安心して暮らせる社会を目指す取り組みも始まっている。誰もが認知症の当事者になりうる時代。行方不明になる本人や家族の苦しみとどう向き合うのか。切実な日々を見つめる。
今、人類の宇宙進出を支えるロケット開発競争が世界で激化している。そんな中、日本にとって30年ぶりとなる新型ロケットH3が打ち上げに成功した。しかし、10年にわたる開発は困難を極め、中でも1年前の打ち上げ失敗は大きな衝撃を与えた。これまで高い成功率を誇ってきた日本のロケット。新型ロケットの開発現場で何が起きていたのか?原因究明から打ち上げ成功までの1年に密着。日本の宇宙開発の未来を見つめる。
「母はどうして神様を信じたのか?」ある宗教団体に入ったことで1つの家族が形を変えていく…。木下遥(河合優実)は、熱心な信者である母・愛子(田中麗奈)に、学校での友達づきあいや行事への参加を禁じられ宗教活動を強いられる。父・信二(森山未來)は宗教から距離を置き、遥と妹の祈(根本真陽)に“自分を信じること”の大切さを伝える。そんな信二が突然病に倒れると、それぞれの“信じる”気持ちが揺らぎ始める。
三重県・熊野灘に面した二木島町は、住民200人の7割が65歳以上と超高齢社会を先取りする町。お年寄りたちが頼りにするのが地区唯一の診療所の“せんせい”こと平谷一人医師、75歳。診療所の2階に妻と暮らして25年になる。にぎやかな診察室や、最期の時を支える往診など、いのちと向き合う日々を4年間に渡り記録。先生と町の人々との関係は、人がおだやかに“生”を全うするとはどういうことか、静かに語りかけてくる。
現代社会の様々な闇・謎に迫る大型シリーズ。今回は「SNSコミュニティー」で広がる子どもへの性的搾取の実態だ。最近相次ぐ教師や塾講師による子どもへの性加害や盗撮事件。潜入取材から見えてきたのは未成年者をねらうコミュニティーがSNS上に無数に広がり数千人規模のグループも存在する衝撃の実態。そして仲間同士の結びつきが悪質な性犯罪へと駆り立てていく構図だった。この危機的な状況に社会に何ができるのか問う。
社会に衝撃を与えた“紅麹サプリ”の問題。手軽に栄養補給や健康維持が期待でき、日本人の3割が摂取しているというサプリメントで何が起きているのか?関係者への独自取材や専門家と行った検証からは、ある「死角」が浮かび上がってきた。番組では、日本よりも厳格な仕組みで安全性を担保、表示を規制している海外の事例も紹介。これまで知らなかった情報を盛り込みながら、サプリメントとの上手なつきあい方を考えていく。
現代社会の様々な闇・謎に迫る大型シリーズ。後編では児童ポルノの温床となっているあるアプリの実態に外部メディアとの共同取材で迫る。アプリの運営者を追い海外へ向かうと組織犯罪に関与する人物の存在が浮かび上がってきた。さらにSNSやアプリを通じた性的搾取に有効な手を打てずにいるAppleやMetaなど巨大プラットフォーム企業の責任を問う。子どもを守るために法や制度をどう変えるべきなのか探っていく。
人類の根源的な謎に様々なテーマで迫る大型シリーズ。最新回は人間の「食の欲望」を取り上げる。金に糸目をつけず世界の果てまで美食を求めるフーディーと呼ばれる人たち。その一方で世界の大半が、わずかな種類の穀物由来の加工食で胃袋を満たす極めていびつな時代に私たちはいる。80億の食を満たすことで地球環境に大きな負荷がかかり私たち自身の健康も蝕まれると専門家は警鐘を鳴らす。MC・鈴木亮平と共に未来を展望する。
観光がニッポンに帰ってきた!観光客数はコロナ禍前に回復、インバウンドも伸びている。これまでの“観光の常識”を覆す動きが始まった。スキー場は“夏も稼げるリゾート”へ、空き家の古民家は歴史を活かしたホテルへ、被災地にはアドベンチャー・ツーリズムを…。地元の「当たり前」も観光客には「価値がある」。そこに気づいた地域は“逆転のカギ”を掘り起こす。高齢化・老朽化・人手不足…苦境を突破するアイデアを紹介する。
人類の根源的な謎に多様な視点で迫る大型シリーズ。第4集は「性の欲望」に起きている異変がテーマ。いまAIやロボットなど「人ではない相手」で性的欲求を満たす“性欲のバーチャル化”が進んでいる。新たな幸福感が生み出される一方、刺激の強い快楽が生身のパートナーとの関係に問題を招く事態も。人間特有の「性の欲望」の謎に、壮大な歴史も紐解きながら迫り、MC・鈴木亮平と共により良い“性の未来”へのカギを探る。
インターネットを通じて行うギャンブル、いわゆる「オンラインカジノ」の闇に迫る。手元のスマホからいつでもどこでも賭けられ、瞬く間に多額の借金を背負い、ギャンブル依存症を発症する人も少なくない。日本では違法だが、利用者数は推計で約数百万人とも言われている。取材班は、オンラインカジノの関連企業が存在すると見られる、地中海に浮かぶ島国・マルタ共和国へ。そこで働いていたのは、日本の若者たちだった・・・。
警察や検察から解剖の依頼を受け、死因を判定する法医学者。判断を間違えば、犯罪を見逃したり、えん罪を作り出したりすることにつながる。彼らの仕事は科学的で中立性が高いと信じられてきたが、検察側と弁護側の鑑定結果が対立するケースも少なくない。裁判のやり直し=再審において争点になることも多い。法医学者になる医師も減っている。一体何が起きているのか。法医学者たちの初めての告白から日本の司法制度の課題に迫る。
能登半島地震から半年。地域に根ざした金融機関として中小企業や個人事業主を支える信用金庫の職員たちが復興への道を模索している。廃業が相次ぐ困難な状況で「地域外から稼ぐポテンシャル」をもとに10年後を見据えた復興につなげようと、被災地の事業者を一軒一軒訪ねてはその道筋を示そうとしている。「地域の価値を将来に残せるか」地震が信金の経営にも影を落とす中、奮闘する信用金庫の職員たちの日々を追う。
ウクライナ・パレスチナの戦闘が終わらないまま、パリ五輪が開催される。国際オリンピック委員会は、ロシアに対して国家として参加することを禁じる一方で、選手個人が中立の立場で参加することは容認。これにウクライナなどが強く反発したことで「スポーツによる平和」を理想に掲げる大会関係者は難しい調整を強いられることになった。国家に翻弄されるオリンピックとは…。選手にとっての理想のスポーツの祭典とは…。
政治の信頼回復は進んだのか、岸田総理大臣や与野党の幹部に、ニュースウオッチ9の広内キャスターがインタビューで迫る。番組ではこの半年、安倍派議員や政治資金規正法改正の各党の責任者たちにカメラを向け続けてきた。政治改革の舞台裏では、政治にはどれだけカネがかかり、そのコストを誰がどう担うのかという、民主主義の根幹に関わる課題が、政治家たちに突き付けられていた。国民の厳しい声に政治は応えられるのか。
世界ランク1位に上り詰めた直後に白血病となり、過酷な闘病の末に復帰しリレーで東京五輪出場。見る者の心を揺さぶり続ける池江璃花子選手は個人種目でパリに挑む。彼女の挑戦を記録してきたNスペでは、今回過去と現在の泳ぎを比較、回復具合に応じて泳ぎを最適化する驚異の能力が明らかに。復帰の陰で苦しんでいた胸中も初告白、そして競技人生の集大成への言及も…。自らの心と体と向き合い続けた池江選手に独自取材で迫る。
“人類最古の格闘技”レスリング。吉田沙保里さんや伊調馨さんらがけん引してきた栄光の歴史に今、新たな1ページが刻まれようとしている。次世代の選手たちが台頭、パリ五輪では史上初となる全6階級制覇も夢ではないと言われているのだ。平均年齢は22歳、常識に縛られず新技術をどん欲に取り入れ、自らをアップデートし続けている。自分らしさを見失うことなくひたむきに、そして軽やかに世界の頂を目指す彼女たちの挑戦を追う
トランプ氏を再び大統領にと願う市民の活動が大きなうねりとなりアメリカを揺るがしている。民主党を支持する層が多かった若い世代にも、トランプ氏を支持する団体が登場し影響力を強める。保守的な価値観を重視する人々は独自のSNSや経済圏を確立。パラレルエコノミーと呼ばれる状態が生まれている。社会の亀裂が深まり「それぞれの正義」がすれ違うアメリカはどこに向かうのか。社会の深層と民主主義のゆくえをみつめる。
パリ五輪で金メダルの期待がかかる体操男子。NHKは日本代表の合宿を密着取材してきた。3年前の東京五輪、日本はわずか0.103の差で団体の優勝を逃した。金メダル奪還を目指すチームの中心は橋本大輝選手。東京五輪の個人総合を制し、”レジェンド”内村航平さんの後継者と言われる。しかし本番2か月前、練習中に中指のじん帯を損傷してしまう。エースの負傷をどう乗り越え、金メダルに挑むのか。その挑戦を追った。
劇的な大逆転で団体金メダルを手にした、パリオリンピック・体操男子の日本代表。ライバル中国との戦いの知られざる舞台裏を選手とコーチが明かした。前回の東京大会で銀メダルとなり、パリで雪辱を目指してきた日本。しかしエースの橋本大輝選手が不調に苦しみ、予選でミスが相次いだ。チームに不安がよぎる中、選手たちはミーティングで本音をぶつけ合い、最後まであきらめないことを誓った。チーム力でつかんだ栄光への道。
オランダに暮らす写真家のマリアンは、家族の“忌まわしい”過去を発見した。マリアンの祖父、ブルース・エルカスが撮影した太平洋戦争の写真だ。激戦地・硫黄島に並べられたアメリカ兵の遺体や頭髪が残ったままさらされた日本兵の頭蓋骨。さらに、占領下にあった進駐兵向け「慰安施設」の内部とみられる、極めて珍しい写真も含まれていた。残された1000枚の写真は、79年の時を超え、私たちに何を問いかけているのか辿る。
真夏に届ける氷の物語。北海道北部を流れる天塩川。冬、この川では神秘的な氷の物語が紡がれる。生まれた瞬間1ミリにも満たない氷のかけらは、生き物の細胞のように育ち、ときに驚くべき自然の造形美を見せながら、真冬の川を彩る。やがて集まった氷たちは100キロを超える巨大な氷の一本道を生み出す。本来は人の目に触れることのない、はかなくも美しい「氷の一生」。その物語を高精細カメラによる圧倒的な映像美でつづる。
元日の能登半島地震は、活断層の地震として過去最大規模。木造や鉄筋コンクリート造の建物が数多く倒壊した。科学者は“軟弱地盤”によって揺れが何倍にも増幅された可能性を指摘、耐震基準の考え方を変える必要性を訴える。今、警戒を強めるのが近い将来起こるとされる「首都直下地震」。東京などでは軟弱地盤が広がっていて、建物被害拡大のおそれがあるという。地下に潜むリスクを共有、命を守るために必要な備えを探る。
番組では藤井聡太が八冠陥落となった叡王戦5番勝負をカメラで記録していた。かつてないほど冷静さを失った絶対王者。破ったのは藤井同様、AI研究を駆使した将棋を得意とする同い年の伊藤匠だった。衝撃の八冠陥落はなぜおきたのか?取材で見えてきたのは、第5局で藤井が指した将棋の可能性を広げる挑戦の一手が、勝負の分岐点となったことだった。AIが棋士を凌駕する時代に、人間が将棋を指す意味とは。激闘の深層に迫る。
私たちの社会が、その存在すら忘却してきた被ばく事件がある。1958年、海上保安庁の船「拓洋」と「さつま」の乗員113人が被ばく。その1年後、乗員の永野博吉さんが急性骨髄性白血病で命を落とした。妻の澄子さんは事件の実態を知らされずにその後の人生を過ごしてきた。1945年、広島・長崎への原爆投下。1954年のビキニ事件。それらに次ぐ“第四の被ばく”とも言える知られざる事件。その実態に独自取材で迫る。
軍によるクーデターから3年半、“忘れられた戦場”となったミャンマーの人道危機が深刻化。軍は自国内での空爆を強化し無差別に市民の命が奪われている。欧米各国がミャンマー軍に厳しい制裁を科す中、なぜ軍は市民への攻撃を続けられているのか。衛星画像や船舶の航跡データ、税関記録などの分析から、制裁を潜り抜けジェット燃料が流入している実態が見えてきた。さらに日本のODA資金の一部も軍関係の企業に流れていた。
中国のサイバーセキュリティー企業のものとされる内部文書が流出した。各国の政府機関や市民の情報とみられる大量のデータ。中国当局の名前が記されたリスト。世界中の専門家と文書を徹底分析すると、サイバー攻撃の手口や実態、さらに「認知戦」と呼ばれる新たな戦争の姿も浮き彫りに。はたしてその狙いとは?流出文書を手がかりにネット空間に広がる新たな脅威に迫る大型シリーズの第6弾。
ガザの軍事衝突で増え続ける犠牲。今、第二次大戦中に日本人が下した決断の意味が問われている。ナチス・ドイツに追われた多くのユダヤ人に独断でビザを発給し、命を救った外交官・杉原千畝。「なぜ救ったのか?」といった批判が今SNSなどで相次いでいるのだ。千畝が遺した「どんな民族でも僕は助けた」という言葉。孫のまどかさんは、“助かった命”と“助からなかった命”をたどり、人道主義の意味と向き合おうとしている。
石破茂新総裁を選出した自民党。「政治とカネ」で傷ついた信頼を取り戻すことはできるのか。総裁選挙では各候補が党の立て直しを訴えたが、推薦人の中に政治資金問題の当事者がいる陣営も。地方党員の本音や、旧派閥、重鎮議員の水面下の動きなど、舞台裏に密着。一方、政権交代を掲げる野田佳彦氏を新代表に選出した立憲民主党は、自民党にどう対峙するのか。衆議院の解散総選挙が近いとの見方もある中、各党の戦略は。
ハマスによる襲撃への報復として始まったイスラエルの「ガザ攻撃」から1年。ガザ地区の死者が4万を超えても攻撃は止まず、国内で辛うじて上がる攻撃への疑問の声は当局や市民によって抑圧されている。さらに、いま激化しているのがヨルダン川西岸地区への入植の拡大だ。混迷するイスラエルで一体何が起きているのか。世界はどこまでこの事態を許すのか。渾身の現地ルポと中東情勢を長年取材してきた記者の目を通して伝える
絶望的な状況が続くパレスチナ・ガザ。そこで生まれた一編の詩が、いま70以上の言語に翻訳され、世界を駆け巡っている。この詩を書いたのは“言葉による抵抗”を掲げてきたガザの詩人リフアト・アライール。「私の物語を伝えてください」と語るその詩は、詩人の死と共に世界に拡散した。“戦争”という暴力を前に、言葉は抵抗の力となりうるのか。詩人が言葉に託した思いとそれを受け取った人々の姿をドキュメントする。
ジャニーズ事務所の創業者・故ジャニー喜多川氏。日本エンタメ界のカリスマでありながら、長年に渡り、少年たちへの性加害を続けてきた。なぜ誰も彼を止められなかったのか―。アメリカ日系人社会での知られざる来歴や、ジャニーズ草創期を知る人物の貴重な証言から、早い時期からのジャニー氏の性加害、そして姉・メリー氏がそれを“隠蔽”してきた実態が浮かび上がる。メディアも加担して築かれた“アイドル帝国”の実像とは―
シリーズ「混迷の世紀」の最終回は、分断を克服できない超大国・アメリカの危機に迫る。大統領選に向けて、共和党のトランプ氏は国民の不満の受け皿となってきた。一方「国民を団結させる」と宣言した民主党のハリス氏は選挙戦が本格化する中で失速。誰が大統領になっても分断は乗り越えられず、むしろ対立は深まるとの危機感が高まる。大統領選をへて、アメリカはどこに向かい、世界はどうなるのか? 混迷の未来を照射する。
なぜこれほど長い時間がかかったのか―。58年前に一家4人殺害の犯人とされ,半世紀以上を死刑囚として生きた袴田巌さん(88)。ようやく開かれた再審で10月9日、無罪が確定した。弟の無実を信じ、裁判のやり直しを求め続けたのは姉のひで子さん(91)だった。長年にわたる拘禁で精神が蝕まれ、会話もままならない弟を支えながら、重い司法の扉を叩き続けた姉。長期にわたり2人に密着、無罪を勝ち取るまでを追った記録。
ことし世界の平均気温が過去最高を記録するとされ、待ったなしの気候変動対策。人工衛星など最新のテクノロジーを使った調査でその実効性に様々な疑念が…。各国が公表している温室効果ガスの排出量よりも実際の排出量が上回っている可能性や、企業が投資する森林保護プロジェクトの効果“水増し”疑惑。トランプ氏の米大統領再選によって先行きに懸念の声が上がる気候変動対策の見過ごすことのできない“死角”に調査報道で迫る。