東日本大震災から半年以上経ち、復旧復興が進む一方、生活再建から取り残される“孤立する被災者”の問題が顕在化しつつある。特に懸念されているのが心の問題だ。内閣府が震災の影響で自殺したと認定する「震災関連自殺」は4か月で38人に上る。 宮城県東松島市では保健師たちが中心となり、在宅の市民を対象にした戸別訪問を続けている。中にはうつ状態かPTSDなど精神的に追い込まれる被災者もいて、精神科の受診を勧めたり、定期的に訪問したりするなど支援活動が続いている。 こうした孤立した被災者を救い出し、生活再建につなげようとする取り組みも始まっている。ある被災者に対して特定の支援者が付き添い、心の問題だけでなく、失業や借金などあらゆる相談に応じる「パーソナルサポート=伴走型支援」だ。岩手県盛岡市のNPOでは、被災者とともに、ハローワークや病院さらには銀行に同行するなど、生活の再建に向けて“伴走”が続いている。 番組では、復興の歩みから取り残される被災者たちの実態を浮き彫りにするとともに、鎌田靖キャスターが生活再建につなげようと奔走する支援者たちの現場を取材。孤立する被災者たちを救うためには何が必要か考えていく。