日本は、過去の戦争の記憶と向き合いながら、紛争が続く世界の中で、平和を求め続ける戦後を過ごしてきた。しかし、そこには数々の葛藤があり、戦後はそれを乗り越える道のりであった。昭和28年の明仁皇太子のエリザベス女王戴冠式出席に伴う外国訪問を皮切りに世界に飛び出した皇室。その後日本は、高度成長、IMF加盟、東京オリンピック、万国博覧会と、世界でも確固とした地歩を固めていく。昭和46年には昭和天皇が、歴代天皇としては初の外国を訪問。未だ戦争の記憶が癒えない人々と出会うヨーロッパ訪問となった。一方、皇太子夫妻は、戦後初めてとなる沖縄訪問で、唯一の地上戦となった沖縄の深い傷跡を知ることとなる。平和を希求してきた日本人と象徴天皇の道のりを新資料や証言を交えて描く。