日本の占領期の第一級史料が発見された。初代宮内庁長官として昭和天皇のそばにあった田島道治の『拝謁記』である。1949(昭和24)年から4年10か月の記録には、昭和天皇の言動が、田島との対話形式で克明に記されていた。敗戦の道義的責任を感じていた昭和天皇は、当初「情勢ガ許セバ退位トカ譲位トカイフコトモ考ヘラルヽ」としていた。さらに、1952年の独立記念式典の「おことば」で戦争への反省に言及しようとする。しかし、吉田茂首相からの要望で、最終的に敗戦への言及は削除されていく。その詳細な経緯が初めて明らかになった。番組では、昭和天皇と田島長官の対話を忠実に再現。戦争への悔恨、そして、新時代の日本への思い。昭和天皇が、戦争の時代を踏まえて象徴としてどのような一歩を踏み出そうとしたのか見つめる。