内村光良・南原清隆が、東京五輪でメダル獲得が期待される若きアスリートの成長を追うシリーズ「TOKYOアスリート」。第3回は、日本発祥のスポーツで初めて五輪に採用された競技、柔道。 男子66キロ級の兄・阿部一二三(22)、女子52キロ級の妹・詩(19)はともに世界最強クラスの選手。目指すのは「2020年7月26日、兄妹同日の金メダル」だ。2人の強さを支えるのは、「これぞ日本柔道」という切れ味鋭い「投げ技」。海外勢の長い手足を生かした体格差やパワーに押される日本選手が多い中、阿部兄妹は、一瞬で相手の懐に飛び込み、宙に舞わす。相手に「いつの間にか投げられていた」と言わせる究極の「投げ技」を、科学的な手法で可視化する試みにも挑む。 オリンピック金を目指す阿部兄妹にとって最大の山場が8月に東京で開催される世界選手権。2020年の“前哨戦”となる大会に向けて、各国は阿部兄妹の柔道を徹底的に研究「打倒アベ」への秘策を準備して臨もうとしている。 2人は包囲網を打ち破り結果を残すことができるのか。TOKYOから柔道の新たな歴史を切り開こうとする兄妹の“成長の軌跡”を追う。