未明の北海道を襲った震度7の地震は、大規模な土砂崩れや家屋の倒壊、地盤の液状化など、広範囲に及ぶ被害を引き起こした。多くの方が亡くなり、今なお警察や消防、自衛隊などによる、安否不明者の大規模な捜索活動が続いている。今回の地震は、脆弱な電力供給網を直撃し、電力に依存する現代社会に大きな衝撃を与えている。阪神淡路大震災時を上回る295万戸に上る大規模な停電を引き起こし、都市機能は完全に麻痺。市民生活だけでなく、製造や物流などにも影響が広がっている。電力供給は4割回復したものの、完全な復旧には約1週間も要する。被害の全貌がまだ明らかではない中、独自取材によって“広域被害”の深刻な実態が分かってきた。また、専門家の分析やシミュレーションなどによって、全国で起こり得る、新たな脅威のメカニズムも明らかになってきている。北海道を襲った大地震を、様々な角度から取材・検証し、現代社会への教訓を導き出す。