いま、世界の産業構造と社会のあり方を変える「自動運転革命」が起きようとしている。IT企業Googleがハンドルもアクセルもない完全自動運転車を発表。これを受け、自動車メーカーは、一気に自動運転車開発へと舵を切り、大競争時代に突入している。自動車大国ドイツは、メルセデス・ベンツがいち早く高速道路での自動運転機能を市販車に搭載するなど、世界をリード。対する日本勢では、トヨタ、日産、ホンダなどが開発を加速させる。中でも日産は、カメラやセンサーなどで高い技術力をもつ海外企業と提携し、2020年までに難易度が高い一般道を走行できる自動運転車の実現を目指す。こうした中、自動運転に不可欠なセンサーなどの部品で世界のメガサプライヤーが市場を席巻。日本の下請け部品メーカーは正念場を迎えている。自動運転車の開発競争は、日本経済をけん引してきたモノづくりの牙城、自動車産業を根底から揺るがそうとしているのだ。はたして世界市場の覇権はどこが握るのか。日本の基幹産業は守れるのか。21世紀の産業革命ともいえる「自動運転革命」、その衝撃を描く。