5月末の夜。緊急事態宣言が解かれたJR渋谷駅で、前代未聞の工事が行われた。駅の機能を止めることなく、54時間のうちにホームを350メートル移動させ、線路を500メートルにわたって軌道修正する大工事だ。待っていたのは、1分1秒を争う時間との闘い。準備を尽くしてもなおも起こる想定外の事態。そして感染予防というハードルだった。JR史上最大の難工事に密着、迷宮都市から防災都市を目指す渋谷の苦闘を描く。