日本中に大きな衝撃を与えた事件を徹底検証、未来への教訓を探るシリーズ「未解決事件」。 File.07では、1995年に発生した「警察庁長官狙撃事件」をひもとく。 事件が発生したのはオウム真理教による地下鉄サリン事件の10日後、張り詰めたような空気が日本社会を覆っていたある朝のことだった。 國松孝次警察庁長官(当時)が東京都荒川区南千住の自宅マンションから出たところを発砲され、全治1年6か月というひん死の重傷を負ったのである。 日本の治安を根底から揺るがしたにもかかわらず、犯人を特定できないまま、15年後に時効が成立。にもかかわらず、警視庁は「この事件はオウム真理教の信者グループが、教祖の意志のもとに、組織的、計画的に敢行したテロであったと認めた」と前代未聞の会見をおこなった。 未解決に終わった警察長官狙撃事件は、私たちの社会に何を突きつけるのか? そして“真実”とはいったいなんなのか。 この日は、「ドキュメンタリー」で描き出す。 警察の威信をかけた捜査はなぜ犯人を特定するに至らなかったのか。独自に入手した一次資料と捜査関係者への徹底取材で、未解決に終わった事件の全貌に迫る。