2020年に向け、世界中から人やモノが爆発的に押し寄せている東京。その“奔流”を受け止めるため、空と海の“大動脈”を貫通させる「輸送革命」が動き始めている。 まずは海。日本最大の物流の拠点・東京港の海底では、全長1000mものトンネルをわずか4年で完成させる工事が、最終盤を迎えている。数千トンもの輪切りの“土管”を7基、次々と海に沈めて海底で接合する難関工事。待ち受けるのは、予測不能な東京湾の脅威…大深海を蠢くサメやシャチ、視界わずか30センチという海の濁り、無数の埋立地が生む世界屈指の複雑な潮の流れとの闘いだ。五輪では選手村と会場を結ぶ幹線ともなる「海底トンネル」は、東京の心臓部に世界中の人とモノを運びこむ「バイパス手術」だ。 一方、空の入口・羽田空港の大変革も始まった。現在より4万回の離発着の増便を目指す“超過密ダイヤ革命”=国際線の大増強。来年春からの東京の首都上空を飛ぶ新経路を実現させるため、管制シミュレーションや検査飛行に挑んでいる。地上では、深夜2時間のみの間隙を縫って、空港内トンネルを新設、軟弱地盤と闘いを続けている。 空と海で繰り広げられる輸送革命の一部始終を、水中4Kカメラ、シミュレーションCG等を駆使して多角的に描き出す。