日本一の水質を誇りながら、これまで全国的な知名度が今ひとつだった川がある。愛媛県から高知県を流れる1級河川「仁淀川」である。西日本最高峰の石鎚山から流れ出た水は、40メートル先まで見通せる。全長124キロ、流域の人口はおよそ10万。河口に至るまでその輝きを失わないという川である。 清流の秘密は、流域の95%を占める山地の存在にある。1.5キロを超える川の高低差が速い流れを生み、川底を常に洗い清めている。雨や雪が、一旦、周辺の森の中に蓄えられ、長いと数十年かけて浸みだし、豊富な伏流水となって湧き出しているのである。 その透き通った水はここでしか見ることのできない独特の青、“仁淀ブルー”を湛えている。 春には色とりどりの野鳥のつがいが戯れ、夏には“川ガキ”と呼ばれる地元の子ども達が水中メガネなしで潜り遊ぶ。秋になると、黄金色に光り輝く水中で鮎が産卵。冬に現れる南国の霧氷には虹色の世界が秘められている。 番組では地元の写真家の案内のもと、最新の撮影機材を駆使して仁淀川の四季を上流から下流にわたって撮影。知られざる清流の姿を描く。