19世紀のロシアの文豪・トルストイは、「幸福な家庭はどれも似ているが、不幸な家庭はそれぞれに不幸なものである」と語ったが、今や家族という固定した枠組みは崩れ、幸せの形も一様ではない。この番組では、家族の形が多様化する中で、葛藤を抱えながらも、それぞれの幸せを見つけようとする家族とそこから何かを得ようとする著名人の姿を同時並行で描く、言わば二重構造のドキュメンタリーである。 番組は、2組の家族の幸せを求める姿を追う。虐待やネグレクトなど、様々な理由で実の親と一緒に暮らすことのできない子どもたちが暮らす里親家族。訪ねるのは、自らも幼い頃に両親が離婚し、祖父母のもとで育てられた経験のある関ジャニ∞の横山裕さん(38)。横山さんは、血縁のない人たちが、親子になろうとする里親家族に何を見るだろうか。もうひとつは、30年以上前に夫をがんで亡くしながらも、伴侶を亡くした孤独を乗り越え、94才の今も精力的に活動を続ける脚本家の橋田壽賀子さんの日常を、一昨年、長年連れ添った妻を亡くした元プロ野球監督の野村克也さん(84)が見つめる。生きる意味を見いだせず、抜け殻のような状態になったと言う野村さん。橋田さんと出会うことで、残りの人生を生きる支えを見つけることはできるだろうか。