“自由と民主”を求め、100万人以上の市民のデモが続いていた香港は、力の統治を強める中国が国安法を施行してわずか2年で激変した。民主派の新聞は業務停止に追い込まれ、教育現場では愛国教育が始まった。格差など資本主義の負の側面が顕在化していた香港では中国式統治の方が豊かになると考える人たちも少なくない。中国の力の統治によって変貌する香港の姿から、“自由と民主”という「価値」の脆弱性と重要性を考える。