北海道置戸町の小中学校の管理栄養士・佐々木十美は、全国で名高い“給食の鬼”。1食250円ながら年間すべて異なる献立。カレーなら19種のスパイスで作る辛口の本格派で、食材は極力新鮮な地元産。成長期に味覚を磨くため、嫌われる食材も避けず、魚も骨付きで出す。卒業生たちが今も忘れず、食生活の基準にする“日本一の給食”。引退直前に新人に伝えるその技・信念・給食観とは?
IT技術者・及川卓也は、今、世界で使われている検索サイトをはじめパソコンやインターネット関連の新しいソフトやサービスで、次々と世界を驚かせる発表を続けて注目を集めています。優秀な40人のエンジニアを率いるリーダーとして、常に「世界を変えるような革新」の実現を目指します。及川の流儀は「変える痛みやリスクを恐れず、やりたいことに挑戦する」こと。長期に渡り、超機密開発の現場に密着しました。
経営不振に陥ったリゾート施設の再建事業で注目を集める人物、星野佳路。星野は、再建にあたるとき、何より大事にするのは社員のモチベーションである。その星野のリーダーとしての原点は、学生時代に出会った一つの言葉であった。 星野は大学時代、アイスホッケーのチームを自らの手で強くしようと意気込んだも空回りし、チームは強くならず、雰囲気が悪くなる一方であった。そんな時、チーム監督である古河直純が星野にかけた言葉は「おまえが考える七割で良しとして、ほめてやれ」と言う言葉であった。その言葉のとおりに実行するとチームの雰囲気は徐々に上向き、厳しい練習に自ら取り組む部員も増え、4年生の時には所属するリーグでの優勝を果たした。
平成23年(2011)11月、世界に先駆けて日本の航空会社で新型旅客機「B787」が就航しました。現役パイロットで訓練の指揮も執る早川秀昭は、この「B787」の就航を支えた一人です。新型旅客機の初就航に向けて行なわれた、実際の機体で不具合を徹底的に洗い出すテストフライトや、「考える力」を養うための実践的で厳しい訓練に密着して、とことん安全を追求する男の流儀に迫ります。
年間400万本、20億円以上売れる「ぽん酢しょうゆ」の原料は高知の山間の柚子。そして1粒300円で売られる四万十の栗、どちらも売れないモノだった。それらに魔法をかけたのは頑固男デザイナー・梅原真さん。梅原さんは20年以上、地方の生産者を支えてきた。
飛騨高山の地で腕を磨き、クープデュモンド日本代表にまで選出された成瀬。その成瀬を支えてきたのが、日々のパンの出来映えに決して満足しないという、厳しい姿勢だ。膨らみ、香り、味に至るまで、みずからのパンを厳しくチェックし、何が足りないかだけを見つめ続ける成瀬。わずかな不満を改善すべく、生地の仕込みにおいては、塩を入れるタイミングやミキサーの回転数を調整しては、不満な顔を浮かべ続ける。微妙な違いを安易に流さず、徹底的に追求する姿勢こそ成瀬の真骨頂だ。 「99パーセントでも満足と思える人なのか、100パーセントないと満足と思えないのか。僕は、100パーセントに近づきたいので、99パーセントでは満足できない。」
子どもの看護に関して、高度な知識と卓越した技術を備えた「小児看護専門看護師」。 全国で70人あまりが活躍するが、長田はそのパイオニアの一人だ。治療の難しい病気や重い障害を抱える子どもとその家族の悩みに向き合う日々の中で、長田が大切にしているのは、「思いをつなぐ」ことだ。長田は子どもや親の悩みを聞くと、専門看護師として備えている医療、福祉、教育などの知識を駆使して、ほかの病院の医師や地域の訪問看護師、時には学校や児童相談所の職員などと調整を行い、問題の解決にあたっていく。 子どもや家族の思いを自分1人だけで受け止めるのではなく、多くの人につなぎ、みなで知恵を出し合うことでよりよいケアが生まれると考えている。
プロフェッショナルたちの仕事に共通するのが、細部にまで気を配り、仕事を突き詰める「こだわりの力」。数寄屋造りの大工、デザイナー、パン職人など、一流のプロたちの驚きのこだわりを一挙紹介。料理家・栗原はるみの最新ヘルシー料理、そして震災からの復活に挑むカキ養殖の達人の感動のドキュメントも紹介。脳科学者・茂木健一郎が、こだわりの力を独自に分析するコーナーなど、明日に生きるヒントを探る特別編。
山本には、厨房で日々問い続けていることがある。 「この料理法は、本当に最上なのか?」という疑問だ。 なぜタケノコはアク抜きをするのか?なぜ大ウナギは地焼きにするのか?厳しい修行を通して身につけてきた日本料理の常識に、あらゆる角度から「なぜ?」を問い続ける。その目的はただ1つ、日本料理を「進化」させること。それは、想像を超えた過酷な道だ。 長い歴史を誇る日本料理、今に受け継がれているのは、歴代の名だたる料理人が生み出した最高の料理法だけ。思いつきのアイデアで、すぐに新味を付け加えられるような、簡単な世界ではない。「進化」とは、今まで誰も見出さなかった食材のうま味を、理にかなった方法で、取り出すこと。その食材の最高の味わい方であると確信出来て初めて、本物の「進化」と認められる。 山本は毎晩、営業が終わった深夜から明け方まで、厨房に立ち続ける。料理を化学反応に遡(さかのぼ)って学び、最新の実験器具を駆使し、全身全霊を傾けて、食材の可能性を突き詰めていく。その背中を押すのは、1つの思い。 「日本料理のオリジナルを作った人が、今の世にいたら、同じことをするだろうか?科学技術も流通も進歩した今だからこそできることが必ずあるはず。先人からバトンを受け継ぎ、一歩でも前へ進むこと、その幅だけが、自分が生きた証になると思う。」
大震災発生から3週間、奥田は地元北九州から宮城県入りした。奥田はすでに、ホームレス支援の全国ネットワークと地元九州の生協の協力を得て、被災地での物資支援体制を整えていた。そして、小さな避難所など「公的な支援の網の目からこぼれおちる人々」に向けた支援に乗り出した。この先、自分たちに何ができるか。奥田はこの問いを胸に、石巻市の中心部から離れた牡鹿半島の小さな集落を訪れ、ある夫婦と出会う。仲間を失い、生活の糧であるカキ養殖の道具も船もすべて津波に流された厳しい状況の中で、夫婦が心の拠り所(よりどころ)としていたのは、見知らぬ誰かからの1通の絵手紙だった。 これまで23年間、ホームレスになった人々を社会復帰へと導いてきた奥田。人を支えるとき、何よりも大切だったのは、ひとりひとりと絆を結ぶことだった。被災地で夫婦を励まし続けているあの絵手紙のように、自分もこれまでの経験を総動員し、絆で被災地の人々を支えよう。奥田はそう決意する。
球界を代表するエースを数々育てて来た佐藤。佐藤が選手に指導する時に心がけている流儀、それは選手の「もっともいいときの投球フォームを隅々まで頭に焼き付けること」だ。佐藤は全神経を集中させ投手の投球フォームを観察し、記憶する。佐藤が特に注意してみるのは選手がもっともいい球を投げたときのフォームだ。腕や腰、足など全身の部位がどのように動き、関係し合っているかをチームの投手すべてで記憶している。それがフォームの修正箇所を瞬時に導きだすことができる秘密だ。 佐藤はひとつの型にはまった投球フォームを選手に押しつけることはしない。選手自身のフォームの個性を把握し、そのいいところを伸ばす。 この独自の指導法があるからこそ、選手達は佐藤を信頼し、納得して練習をすることができるのだ。
藤藪が行う自殺防止の活動の拠点は、和歌山県白浜町にある教会。この町にある断崖には、飛び降り自殺を考える人が訪れる。藤藪の仕事は、この断崖の近くに設置された公衆電話からのSOSの声に応え、保護することから始まる。そして、話を聞き、悩みを解決する道を共に探す。また、お金や身寄りがなく、帰る場所を持たない人には、教会で共同生活を送ってもらいながら、自立できるまで支える。自殺を思いとどまらせるだけでなく、再び社会で生きていけるよう基盤を整えるところまで支援する藤藪の取り組みは、国や自治体からも高い評価を得ている。
天野は、執刀医としてたずさわったおよそ6千の心臓手術で、98%という群を抜く成功率をおさめてきた。この成功率を支えるのが、“一途に、一心に”、人生の全てを手術にささげようとするその姿勢だ。 急を要する患者の連絡が入れば、どんなに疲れていようと、手術室に向かう。月曜から金曜までは自宅に帰らず、医師室に泊まり込み、24時間体制で患者を見守る。こうした生活を30年近く続けている。日本の心臓外科医が1年間に行う執刀数は50件が平均という中で、天野の年間執刀数は400以上と驚異的な数。「手術をしていないと、怖い」という天野。この圧倒的な経験値が、手術を成功に導く。 どんなに困難な状況に直面しても、その手が3秒と止まることはない。膨大な過去の経験から、最善の一手を選択し、冷静に手術を進める。
W杯で日本をベスト16に導いた指揮官、岡田武史(55歳)。去年12月、Jリーグやヨーロッパからのオファーを断り、中国スーパーリーグ「杭州緑城」への監督就任を決めた。中国リーグでも中堅、選手の多くが22歳以下という、発展途上のチームを改革するのが、岡田の新たな挑戦だ。 岡田は、理想のチームのあり方を「生物的組織」と表現する。1人1人の間に神経が通い合い、まるで1つの生命体として機能するような組織のことだ。サッカーでは、チーム全員でどれだけ意思を共有できるかがカギ。相手の戦術にどう対応するか、難しい局面をどう打開するか、チーム全体で1つの意思を持って動かなければならないからだ。 そんな組織を作るために、岡田は今回、意外なところから改革に着手した。チームに申し入れたのは、選手を子供扱いせず、責任を持って行動させることだった。中国では、若手選手は寮に住まわせ、コーチが生活全般に目を光らせるのが慣例。だが、それでは選手に自立心が生まれないと岡田は判断した。 1人1人が「自ら考え、動く」ことを岡田は求める。常に責任を持った判断を自分で下すことを普段(ふだん)の生活から徹底させていく。
石を叩(たた)いて55年の経験を持つ、石工・左野勝司(69歳)。これまで、イースター島のモアイ像の修復、エジプト・スフィンクスの保全調査、そして1300年の歴史で劣化した高松塚古墳の解体など、世界18か国でその腕を振るってきた。 左野は、機械を極力使わず、徹底的にハンマーとノミだけの作業にこだわる。石の「目」と呼ばれる特徴を見極め、何時間もハンマーを降り続けて自らの思い描く形に石を仕上げていく。 左野の愚直な姿勢は、石を修復する時も変わらない。今年、左野に舞い込んできた、世界遺産、奈良・春日大社の石灯籠修復の依頼。平安時代からの灯籠が立ち並ぶ、重要な文化財だ。通常、灯籠の修復は、傷んだ部分全体を取り替え、壊れた部分はカットして新しい石を継ぎ足すが、左野はできるだけ元の石を生かす方法を選ぶ。石の割れ面に合わせて新しい石を彫ることで元々の凹凸に石同士がかみ合い、100年単位で見れば、長持ちすると考えるからだ。その方法が石にとって最も良いなら惜しみなく時間と手間を注ぎ込む左野。「手間を惜しむな、積み上げろ」。それこそが左野の信念だ。
大胆で特徴的なデザインで知られる手塚貴晴と手塚由比の建築。二人が建物を作るときに心がけている流儀が「たくさんの要望に応えるより、たったひとつの“お気に入り”を作る」ということ。たとえば家を作るとき、依頼主は間取りや収納について、たくさんの要望を手塚たちに伝える。しかし、その要望をすべて叶(かな)えることは難しいことも多く、さらに二人は全ての要望に添うだけだと場合によっては平均的でつまらない建築になってしまうと考えている。そこで、すべての要望を満たして満足させるよりも、どこかひとつ、その建物を気に入ってもらう取り柄を作るようにしている。人が大切にするのは、自分だけの、個性のある、世界にひとつの建築。そんな信念があるからこそ、二人は斬新なデザインの建物を世に送り出し続けることができる。
「衣にくっつけて油の中に放り込んだらおしまい」。早乙女がこう語るように、天ぷらは極めてシンプルな料理だ。しかし、そのなかで、ひとつひとつの工程をいかに深く掘り下げ、素材の風味をギリギリまで引き出すか。そこに、早乙女の本当の闘いがある。 例えば、キス。鍋に入れてから2分、全体に熱が通り、揚げたくなる頃合いだ。しかし、早乙女は揚げない。何度も何度もキスをひっくり返し、ギリギリまで水分を抜いていく。キスは水っぽい魚だけに、長く揚げることで余分な水分を抜ききり、素材本来の繊細な風味を浮かび上がらせるのだ。 一方、エビは、一転して短期決戦を仕掛ける。狙いは、エビの甘み。通常180度で揚げるところを220度まで火力を上げて、23秒前後で一気に揚げる。そうすることで中心だけはレアに保ち、また、温度を人間が最も甘みを感じやすいとされる45度に仕上げる。 早乙女の手法は、一歩間違えれば、失敗につながりかねない、限界ギリギリのものだ。キスはわずかでも揚げ過ぎれば風味まで消えてしまうし、エビは早く揚げ過ぎれば、生臭さが残ってしまう。しかし、素材を熟知し、ギリギリの崖っぷちを攻めることで、最大限の旨(うま)みを引きだすのが早乙女流だ。その手法に、料理評論家の山本益弘さんも舌を巻く。 「昔は生で食べるのが一番いい、その次に焼いて食べる、煮て食べる、天ぷらなんて魚が傷んだものを揚げて食べるとみんな思っていたがとんでもない。最高の食材を生以上のものに仕立てるということを初めて教えてくれたのは早乙女さんです。私が40年間で出会った最高の天才です」。
レインボーブリッジや東京湾アクアライン、羽田空港D滑走路など、数々の大工事を陰で支えてきた渋谷。水中での作業は常に危険と隣り合わせだ。現場の視界は1メートルもないことが普通。そうした中でも渋谷は、現場の状況を的確に見極め、素早く正確な判断を下す達人だ。35年の豊富な経験と、海の状態を感じる優れた“嗅覚”がそれを可能にする。 「現場のイメージがすぐ湧く。絵になって見えてくる。見えないんだけど、見える。」研ぎ澄まされた感覚は、水中の職人そのものだ。
日本全国で200万人を超えるといわれる認知症。その介護の世界に、新しい風を吹き込み続ける和田。介護の現場に飛び込んだのは、25年前。その当時、認知症になれば、多くの行動が制限され、“普通の暮らし”とはかけ離れた状態で介護されることが当たり前のことと思われていた。 そうした状況に疑問を感じた和田は、介護の仕方によっては“普通に生きる姿”を続けられると主張。認知症のお年寄りたちが家庭的な環境のもと、少人数で共同生活を送る「グループホーム」で、先駆的な取り組みを続けてきた。 和田の施設では、お年寄りたちは、自分でできることは自分でするのがルール。包丁を握り、火を使って料理をし、洗濯、掃除を行い、街へ買い物や散髪にも出かけていく。もちろんすべてを完璧にこなせるわけではない。けがや事故のリスクも常にある。それでも和田は、お年寄り1人1人の認知症の度合いや身体能力などを見極めながら、できる限り“普通の暮らし”を維持できるよう奮闘し続ける。
森本には、転職希望者と面談をするとき、大切にすることがある。それは、その人の「本当にやりたいこと」を探ること。一般に転職で重視されるのは、その人がどんな経験を持ち、どんな仕事ができるか、いわゆる仕事のキャリアだ。次の職場で仕事をこなせるかどうか、それまでのキャリアから判断を下していく。森本ももちろん、キャリアは重視する。だがそれ以上に大切にするのが、心の底では本当はどんな仕事をやりたいと思っているのか、だ。なぜか?森本は、「人は、本当にやりたいことをやるとき、最もモチベーションが上がり、潜在能力を最高に発揮できる」と言う。数々の体験を通して学んできた現場での確信だ。本人さえも気付いていない、本当にやりたいこと。その真実を知るために、森本は徹底的に心を砕く。ただし、心の奥底を探るのは簡単なことではない。そのため面談では、独特の質問をぶつけていく。「人生で楽しいと感じた瞬間は何か」「あなたはなぜ生まれたと思うか」など根源的な質問をさまざまな角度から浴びせて、本当にやりたい仕事を探っていく。
この20年で、崩壊したクラスを次々と立て直してきた小学校教師・菊池省三。クラスを再生させるとき、菊池が大事にしているのが、「自信が人を伸ばす」という流儀だ。 「自信がないから、友達をいじめたり、教師に反抗的になる」と言う菊池。「自信」を持たせることこそが、学級崩壊やいじめをなくす秘けつだと考えている。 そのため、菊池は子どもたちを褒めることにこだわる。何気ない仕草やちょっとした表情など、ささいな事までも、きちんと褒める。また、教師が褒めるだけではなく、子ども同士でも褒め合う機会を毎日設け、自分の良さや友達の良さに気づかせる工夫を重ねている。
“駅弁販売のカリスマ”として全国から注目を集める三浦。専業主婦だった44歳の時、駅弁を販売する会社でパート販売員として働き始めると、担当する売店の売り上げは急上昇。53歳で埼玉・大宮営業所の所長に抜擢された。現在、JR大宮駅構内の売店など9つの店舗で100人を超える部下を統括している。 三浦は、出勤する日は必ず部下たちと店頭に立つ。接客する時に大切にしていることは消費者の立場で考えること。三浦は専業主婦時代、「まだ買うか決めていない時に押し売りのように店員に声をかけられるのが嫌だった」という。その経験から店に立ち寄る人すべてが駅弁を買うと決めていると考えず、場合によっては、そっと見守ったり、世間話をしながら、買うと決めるまで待つ。その客がどの駅弁にするか具体的に悩み始めてから、それぞれの商品の個性や特徴を正直に伝えアドバイスする。客が買ってよかったと納得して駅弁を食べてもらうことを、何よりも大切にしている。こうした姿勢が、店の売り上げを結果的に伸ばすことになると三浦は考える。
浅利の店は、江戸時代から300年以上続く老舗のこうじ屋。今も代々伝わってきた手仕込みの伝統を守り続けている。しかし、浅利はその伝統をただ守っているわけではい。肉も魚も簡単においしくできるという“塩こうじ”を使ったレシピを1000以上考案。その魅力を伝えようと定期的に料理の講習会を開催する。今年はなんと、ニューヨークにまで出向き、その良さを伝える活動を行った。 こうじは、みそやしょうゆ、みりんや甘酒を造る原料として日本の食文化に欠かせないもの。その歴史は1000年を超える。しかし家庭でみそや甘酒がほとんど造らなれなくなった今、各地のこうじ屋は次々と廃業に追い込まれている。浅利の店もかつては赤字続きで、さまざまな副業をしながら生計を立てていた。“時代遅れ”のこうじに未来はあるのか・・・。追い込まれた浅利がもう一度こうじに向き合おうと専門書を読みあさりたどりついたのが、庶民の食生活を記した江戸時代の書物だった。そこに記されていた「塩こうじ」をアレンジし売り出したところ、一大ブームとなったのだ。「宝は、足もとにあった」浅利はいま、そう感じている。
高倉は、「同じことを何度も演じろといわれても、できない」と口にする。その言葉の裏には、演技者としての技量とは別次元の、真摯(しんし)な姿勢が秘められている。役を演じる時、高倉は何より「自分の心によぎる本当の気持ち」を大切にする。心をよぎった本物は、自然とにじみ出ると信じるからだ。だから高倉は、最小限のセリフで演技することを好む。長いセリフや大仰な仕草よりも、たった一言のセリフが雄弁になる、そう考えている。 ロケ地の空気、風景、匂い、スタッフの緊張感・・・。そうしたものから、本当の気持ちにつながる何かを見つけ出し、気持ちを盛り上げる。そして、最高に気持ちが高まった瞬間に「一度きりを、生きる」。そうやって高倉ならではの演技が生まれていく。
高倉の立ち居振る舞いは、数多くの伝説とともに語られてきた。その中でも最も有名なのは、「現場で座らない」というものだ。今回、81才で臨んだ映画の現場でも、スタッフのそばにそっと立ち続ける姿が見られた。高倉はこの理由を次のように述べている。 「居たい。そばに。なるべく居て見ていたいですね。鳥肌が立つ思いの時ありますよ。スタッフの、ぼくは狂気の集団と言ったけど、本当にあの人たちの努力ですよね。一番やってる人たちが一番お金もらってない人たちなんだよね。おかしいんですけど。反省しますね。本当は後ろの人たちの力なんですよね。そういうの分かるのに何十年もかかるよね。え~ってぞくぞくするのが。何十年もかかりますよ。ぱっときても分からない」
遊川は、これまで40作以上のオリジナルドラマを制作してきた。浮き沈みの激しい業界の中で、25年にわたり第一線を走り続け、次回作がつねに期待される脚本家だ。 遊川は脚本を書く時、登場人物たちの心の内を探ることに最も時間を費やす。それは遊川にとって自分の内と向き合う作業でもある。糧となっているのが、自身の複雑な家庭環境だ。遊川が高校生の頃に父親が蒸発した。その時に感じた貧しさや心の痛み、そうした経験を掘り下げながら、登場人物の思いを考え抜く。「物語は、自分の中にある」という。 さらに遊川は、「人さえ描ければ、物語は動き出す」と口にする。何を食べ、何時に起き、どんな服を着ているのか、ドラマには反映されないようなことまで考え抜き、人物像を浮き彫りにする。「今のドラマは、演出方法が多様化する一方で、安易な方向に走りすぎている。だからこそ、リアルな人間を書く意思を大切にしたい」という。『家政婦のミタ』や『女王の教室』、『さとうきび畑の唄』。奇抜な登場人物たちが話題になる中で、実はその登場人物たちのリアルな心の動きの描写が、見る人たちを引きつけてきた。
イチローは昨シーズン、かつて経験がない深刻な不振に陥った。10年連続で達成してきた年間200本安打もオールスター出場もゴールドグラブもすべて失った。不振は今シーズンも続き、メディアからは年齢的な衰えを指摘する声も相次いだ。通常スランプに陥ったバッターは狙い球を絞り、甘い球を待つのがセオリーだ。だがイチローは、イチローらしい「攻めるバッティング」を貫き、相手投手の決め球に真っ向勝負を挑み続けた。自らのバッティングについて、イチローはこう語った。「瞬間的に結果を出すために、自分が信じているものを崩してしまうということは、自分の生き方も否定してしまうということ。結果を出すためにいろんなことをしますが、姿勢というものが変わってしまうと、もうバッターボックスに立つ意味はない。これは生き方に通じるものなんです」。
指や耳、手足など“本物そっくり”な義肢を作る若き職人・林伸太郎、38歳。不慮の事故や病気などで、過酷な運命にうちひしがれている人々の人生を支える。しわや血管までもがリアルに創られた義肢は、まさに「その人の一部」。義肢を装着する人の「人生の伴走者になる」、それが林の信念だ。ダンサーになる夢を追う女性、もう一度職場に戻りたいと願う金型職人。さまざまな人生が交錯する、小さな工房で起こる感動のドラマ。
囲碁7大タイトルのうち6つを独占するという、前人未踏の快挙を成し遂げた井山裕太。そのきわだった特徴は、直感的に打ちたいと感じた手を重んじるところにある。プロ棋士の世界では、一手打つために1,000の可能性を読み合うと言われ、トップどうしの対決では読みの力はきっ抗することも多い。だがその中で井山は、並み居るプロたちの読みを超えた常識外れの手を放ち、新たな展開を生み出してきた。「結局、人まねでは勝てない。常識から外れていても、自分はこっちに打ちたいと思ったら、迷わず自分の信じる手を打つ」と井山は語る。
世界初のサイボーグ型ロボットを生み出した山海。人が筋肉を動かす時に出す「動け」という意識を【電気信号】として解析し、人間の複雑な動きを瞬時に実行できるロボットだ。今このロボットが大きな注目を集めるのは、リハビリの分野。脊髄損傷や脳卒中になり、まひを抱える人々が、山海のロボットを装着して何度もまひした部位を動かすことで、「動いた」という感覚が脳にフィードバックされていく。これが脳神経機能の回復や治療につながり、これまでのリハビリでは考えられなかった身体機能の改善がなされる、と注目されているのだ。こうした山海の技術は、技術を利用する人々に”寄り添っていく”こと進化していく。ロボットをどう改良すればその人の症状が改善していくのか、困難を抱える人個人に徹底的に向き合っていく。 「たった一人の方に対してピタッと合わせた技術がうまくできれば、それはその方のものでしかないのかもしれませんが、実はその背後には類似の多くの方がいらっしゃるので、そうした方々にフィードバックできる。それが一つまた大きな扉を開けることになって、また新しい技術につながっていく」
ワールドカップまで5か月を切ったサッカー日本代表。そのチームに欠かせない男が遠藤保仁だ。歴代の代表監督から高く評価され、日本代表出場試合数は史上最多の140を誇る。遠藤の強みは、華麗なドリブルでも豪快なシュートでもない。「ボールを止めて、蹴る」という基本技術を究極まで突き詰めること。昨秋、強豪相手に苦戦が続く代表戦と、リーグ戦を平行して闘う姿に密着。ひょうひょうとした男が胸に秘める熱い思いに迫る!
都心から少し離れた住宅地に、連日400人の客が訪れる洋菓子店がある。店主・横溝春雄(66歳)は、オーストリアの名門「デメル」に東洋人として初めて入り、腕を磨いた伝説の職人だ。洋菓子作りに真摯(しんし)に向き合う姿勢は、多くの一流パティシエから尊敬を集める。クリスマス、横溝は、弟子たちとともに3500個のケーキを作る総力戦に挑んだ。過酷な現場で、弟子たちをいかに育てるか。職人たちの熱きドラマに密着。
大山の会社では、新商品の提案はすべて毎週月曜日の“プレゼン会議”で行われる。社長である大山はすべての提案を即断即決でさばき、商品化するかどうかの判断を下す。百戦錬磨の大山の目は厳しく、社員にとってそのハードルを越えるのは決して低くない。しかし一方で、大山が「これはいい商品だ」と納得すれば、その場で商品化が決まるのだ。 プレゼン会議という公開の場で、わざわざ決裁をする理由を、大山はこう語る。 「ほかの会社はね、ハードルがいっぱいあってね、1つオッケーになってもね、じゃあ後でお前大丈夫かと。みんな心配するわけ。失敗を恐れる訳ね。それが開発者にとってはブレーキになるわけね。私の判さえとってしまえば、もう鬼の首をとったのと同じですから後から文句言う人いないの。その代わり、責任は全部私にあると。」
サミットから貿易交渉まで、日本外交を40年間も陰で支えてきたすご腕の通訳がいる! 長井鞠子(70)。あらゆる専門用語に精通し、発言を瞬時に「同時通訳」するワザは、並ぶ者がないと言われる。言葉を越え、心の思いまでも伝えてくれると言われるその腕は、歴代首相や政府要人から直接指名されるほどの信頼ぶり。去年のオリンピック招致活動でも、力を発揮した。通訳47年のプロ中のプロ、その知られざる覚悟と信念とは?
「京都で最も予約が取りにくい」といわれる料亭を営む、料理人・中東久雄(61)。タイや伊勢エビなどの豪華食材は用いず、野山から集める素朴な食材などから、“命を感じる”料理を生み出す。四季の移ろいを映し出す技は、国内外の一流料理人から尊敬を集める。この冬、中東は、春に向けて命を育む野菜の力強さを凝縮した、究極の一品に挑んだ。世界無形文化遺産に登録された和食文化、その神髄を体現する料理人の闘いに密着!
日本中を感動に巻き込んだ宇宙探査機「はやぶさ」。國中均は、NASAですら実現不可能と諦めた「マイクロ波型・イオンエンジン」を開発し、奇跡の帰還を支えた男だ。今、「はやぶさ2」のプロジェクトマネージャーとして来冬の打ち上げを目指している。“最先端”に常にトライすることを信念とし、前回よりも遠い小惑星に赴いて有機物を持ち帰るという極めて難しいミッションに挑む。超機密の開発現場に、異例の長期密着!
かつて、がん治療の最高峰・国立がん研究センターで、2,000件を超える手術を行い、副院長にまで上り詰めた笹子。いまや胃がん治療の世界では「最後の砦(とりで)」とまで称されるほどだが、胃がんと向き合って35年、笹子が痛感するのは、“がんという病気には絶対がない”ということだという。 「あの人のがんは絶対に残っていると、取りきれなかったと思っているのに、最終的には治った人とかもいるのはいるんですね。絶対に治らないということもないし、絶対に治るっていうこともない病気だから、100%と0%はありません。」 笹子は“絶対がない”からこそ、早期の胃がんでも油断せず、進行した難しいがんの治療でも諦めずに自分のできるベストを尽くす。
ヨコハマの港には、作業員たちの尊敬を集める男がいる。巨大ガントリークレーンの運転士、通称ガンマン、その中で卓越した技を誇る上圷茂(47)だ。50mの高さから数十トンのコンテナを自在に操り、正確に積み上げる速さは世界平均の1.5倍。驚異の効率を誇る。胸に秘め続けてきた一つの記憶。乗り越えるための葛藤を初めて明かした。今年2月、歴史的な豪雪となったあの日、港で繰り広げられた総力戦に密着した!
日本競泳界のスーパースター・北島康介。平泳ぎで2004年のアテネ、2008年の北京とオリンピック2大会連続2種目金メダルという偉業を成し遂げてきた。しかし、3連覇が期待された2年前のロンドン大会、北島はトップから大きな差をつけられ敗れた。このときすでに29歳、引退を予想する声も少なくなかった。北島自身もみずからの進退について考え続けたことを認める。 しかし、北島は現役続行を決め、今も戦いの世界に身を置き続けている。北島を水の中へとつなぎ止めるものは一体何なのか。 北島はこう答えた。――「日常では感じ得ることができないものを、水の中に入ったら改めて感じることが出来る。それがレベルが低いにしろ、結果が出ないにせよ、そういう刺激を味わえるというのが水泳にどんどんのめり込んでいくきっかけだったりする。水泳を続けるという選択肢を選ぶのも簡単だけど、やめるという選択肢を選ぶのも簡単。だから、選手として水泳と向き合う時間がある以上は、続けた方がいいなって」
Perfumeのライブや、東京オリンピック招致のプレゼン、さらには浅田真央や羽生結弦が滑るフィギュアスケートエキシビション。大胆な発想とプログラミングを武器に、ハイテク技術を駆使して、幻想的で近未来的な「誰も見たことがない光景」を作り上げる男、真鍋大度。今、世界からオファーが殺到している。ラジコンヘリを使った世界初の演出に挑む姿に長期密着。時代の最先端を生み出す闘いが、ここにある!
母からの言葉。妻からの言葉。先輩からの言葉。これまで番組に出演してきたプロフェッショナルもさまざまな挫折や困難に直面したとき、自らを奮い立たせる「言葉」と出会い、支えられ乗り越えてきた。そんな珠玉のエピソードを紡ぐ“言葉SP”第3弾は、うなぎ職人、義肢装具士、ロボット研究、同時通訳のプロなどが登場。仕事や人生に悩むあなたの、明日を生きるヒントがきっと見つかる。人は、言葉とともに生きている!
「こないだ言われました。『うらやましい。なんでそんな課題ばっかり見つかるん?』って。『アホ。別に見つけたくて見つけているわけじゃないわ』って。確かにアホみたいに課題見つかってくるから。世界に誇れること見つかりました。課題の多さです。世界でいちばん課題多いと思います。その伸び代に(可能性を)感じているんです。まだまだ伸びるって。なぜならオレ、体力ないから。小さい頃から体力なかったんですよ。コンプレックスだったんですよ。それを克服したとき自分の成長だけが満足なんで自分のコンプレックスを人に言うのが全然恥ずかしくない。それがスタートなんです。その10日間ですべてが変わるわけじゃないです。でもその10日間でそのあとのすべてを変えるきっかけにするんですよ」
「ゼロとは僕は言わないですけど、天才なんかこの世の中にほぼいないと思っています。才能の差は若干なりともあるというのも認めます。ただ若干でしょう?っていうことを僕は言いたいです。 ライオンと格闘するわけじゃない。馬と競争するわけじゃない。「あいつが別の生き物だ」とか、「あいつだから」っていう考えは馬やライオンにすればいいんです。そんな天と地がひっくり返るほどの差はないでしょう?って。 だから僕よりも才能のある選手に僕は今までも勝ってきたし、なぜならそんな差はなかった。でも「その差は大きい」と見るか、「越えられるもの」と見るかは自分しだいなんです。それをみんな自分の限界を決めてしまって、挑戦することをやめてしまうんです。だから夢がかなわないなんていうことになるんです。 「夢がかなう」とは僕は子どもたちに言ったことはないですよ。「大きな夢を持ってください」と僕はいつも言うんです。なぜそれを言うか。「絶対にかなう」っていうふうには僕は言ったことも1度もないし、ただ頑張ればかなう可能性があるわけですよ。頑張るということは自分で決められるんです。頑張るか、頑張らないかは。だから「その夢をかなえる可能性があるかどうかは、あなたしだいですよ」って言う。常にチャンスはその本人にあったほうがいいと思うんです。ただ、がんばるつもりがないなら、夢はかなうわけがないんです。 僕はどんな人にも、どんな位置に今いる人でも、チャンスはあると思う。それを目指すかどうかは明日からじゃなくて、今日決めるんです。やれることは今日からあるんです」
おなかの中の赤ちゃんを危機から救うスペシャリスト、川鰭市郎。双子の1人に酸素や血流が集中してしまう“双胎間輸血症候群”や、胎児の胸に水がたまってしまう“胎児胸水”…。そんな難しい症例から赤ちゃんを救ってきた。診断の正確さと、内視鏡などを用いての“胎児治療”。この道一筋30年の川鰭は、「産まれて来ない方がよかった命など、一つもない」と語る。小さな命の重さをかみしめ、闘い続ける現場に密着する。
ゴミ屋敷、孤独死、ひきこもり。既存の法や制度では救いきれない“制度のはざま”に陥り、自らはSOSを出せない人々を「地域の課題」と捉え、行政と連携しつつ住民とともに解決に取り組む、コミュニティソーシャルワーカー(CSW)という仕事が今、注目を集めている。その第一人者が大阪・豊中の社会福祉協議会の勝部麗子。「一番厳しい人を見捨てる社会は、誰もが見捨てられる社会」と語る勝部の終わりなき闘いの日々を追う。
その料理を味わいたいと、全国から客がやってくる北海道の三つ星シェフ・中道博(62)。エゾシカやカスベなど地元の食材に徹底してこだわった「北海道フレンチ」の確立に心血を注いできた。こだわるのは“上質にして粗野”な一皿。火入れの時間や温度を細やかに調整し、食材の自然なうまみを最高に引き立たせる料理は、ミシュラン三つ星に輝く。初夏、中道はアイナメを使った新作料理に挑んだ。北国のシェフ、熱き開拓魂に密着。
ことし31年目のシーズンを迎える現役最年長の山本。ベテラン選手ともなれば、練習内容を配慮されることも少なくない。だが、山本はそれを拒む。 入団当時から山本を指導してきた三木安司コーチはこう語る「ウォーミングアップ1つとっても、若手と同様のメニューを同じ数だけ黙々とこなします。故障していない限りは、俺別でアップするねということがない。山本はベースになるものをとにかく変えずに続ける。その積み重ねこそが、今も現役でいられる理由だと思います」
上原さんの担当するポジション・クローザーは、心理的な負担が大きいポジションだ。マウンドを託されるのは、接戦で勝っている試合の終盤ばかり。上原さんが逆転を許してしまえば、それは負け試合となってしまい、その責任を一心に背負わなければならない。 しかも、対戦相手となるのは、屈強なメジャーリーガーたち。圧倒的パワーを武器に、ホームランを放つ可能性も高く、毎回チームの期待にこたえることは決して容易ではない。 そんな壮絶なプレッシャーがかかるマウンドの上で、上原さんが大事にしている流儀が、「怯えたら、打たれる」ということだ。 「恐怖心でどうしようって考えた時点で負けなんで。自分より、すごい給料もらってるバッターが立ちました。何でこんなやつに打たれなあかんねんと思いながら投げてるし。負けると思ってやってるやつはいないと思うよ。それが勝負の世界でしょ。」(上原さん) 不安な気持ちでマウンドに上がれば、それがわずかなコントロールミスにつながり、痛打を浴びたり、よけいなフォアボールを出してしまう。さらにピンチを招くと、精神的に負のスパイラルに入ってしまう。だからこそ上原さんは、絶対に怯えない。自分のボールを信じて真っ向勝負を挑むと決めている。
種田は1つの映画のセットを作るとき、いつも「その仕事の中に、“自分”がいるか?」ということを心の奥底で自問自答しているという。美術監督はその映画を見た誰からも注目を浴びるような主役や監督とは違い、“黒子”ともいえる裏方の仕事。ややもすれば、監督やプロデューサーの指示のもと想定どおりのものを作り出すことになってしまう。しかし種田は全く違う。提示された“物語”にみずから解釈を加え、新たな提案を盛り込み、映画の舞台となる土地の地形、建物、調度品など登場人物の回りに広がる空間すべてを設計し、実際のセットをつくりあげていく。そうした種田の姿勢から生み出されるセットは、当初の想定を超えるアイデアが詰まった空間となり、監督たちに新たな刺激を与えていく。クエンティン・タランティーノ、チャン・イーモウ、三谷幸喜など、国内外の名だたる映画監督が種田に強い信頼と尊敬を抱くゆえんだ。
かつて倒産の危機にあった、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを、わずか1年でV字回復へ導いた、マーケター・森岡毅(41)。得意の数学を生かした独自の調査手法、そして8千人の社員を生き生きと動かすリーダーシップに注目が集まっている。2014年夏に挑んだのは、年間予算の5倍を投資するハリー・ポッターの新アトラクション。絶対に失敗できないプレッシャーのなかの闘い。人気テーマパークの舞台裏の闘いに密着!
昨年11月、フィリピンを襲った巨大台風・ハイエン。 死者6,000人、避難民は400万人を超える未曽有の大災害となった。この緊急事態にいち早く駆けつけ、食糧難にあえぐ大勢の人々を救う活動を指揮したのは一人の日本人だった。 忍足謙朗(おしだりけんろう)、58歳。災害や紛争などの緊急事態の現場に食糧を届ける、国連機関・WFP(世界食糧計画)のアジア地域局長だ。 忍足はこれまで25年に渡って、世界各地の修羅場を渡り歩いてきた。 カンボジア、ボスニア、コソボ。そして世界最悪の人道危機と評されたスーダン・ダルフール紛争のときには、この組織史上最大規模の3,000人のスタッフを指揮し、任務を遂行した。 こうした想像を絶する過酷な現場では、一般的な価値観は通用しない。 忍足は、みずからの行動哲学をこう語る。“正しいこと”をやりとげるには、ルールを破ってでもやる意気込みがなくてはいけない、と。 今、地球上には8億以上の飢餓に苦しむ人々がいる。 「やらなければならないことは、やる」と語る、強固な信念をもつ男の、知られざる生きざまに迫る。
都内の訪問管理栄養士・中村育子は、認知症・糖尿病・腎臓病など1000人もの患者の食生活を劇的に改善させてきた。2014年夏、中村に困難な依頼が舞い込んだ。脳出血の後遺症で飲み込む力が低下した70代の女性が、夫が作る大根の煮物をもう一度食べたいと言うのだ。だが、リハビリを始めた直後、思わぬ難題が…。食と命の営みを見つめた記録。
特別企画。“魚”にまつわるプロの仕事を大特集。日本人にとって身近な食材であり続けてきた魚はどのように取られ、食卓に届けられるのか?その道をたどると知られざるプロの仕事が見えてきた! ○いま築地市場で「最もいい魚を仕入れる」と評される下町の鮮魚店主 ○明石浦でタイの水揚げ10年連続1位を記録する伝説の漁師 ○震災で店を津波に流されながらも店を再建した「日本一の焼き魚」を供する料理人。熱き男たちの物語
健康に暮らす上で重要な「歯」。この分野の世界的エキスパートが山形県酒田市の熊谷崇だ。いわゆる“町の歯医者さん”ながら、その実績は圧倒的。80歳を過ぎても、20本以上の歯が残る人が大勢いるほか(全国平均は11本)、虫歯が全くなく成人を迎える子どもも実に約8割にのぼる。痛くなったら行く歯医者ではなく、痛くならないための歯医者へ。虫歯と歯周病を防いで35年、歯科医療に革命をもたらした信念の医師に密着!
11歳のデビューから30年にわたってクラシックの最高峰を走り続けているヴァイオリニスト・五嶋みどり。世界中の名だたる指揮者やオーケストラから共演のオファーが後を絶たず、参加したCDがグラミー賞に選ばれるなど、その評価は揺るぎない。 聴く者の心を揺さぶる音は、どうやって生み出されるのか。五嶋がずっと貫いてきたのが【“自分”と向き合う】という考え方だ。 「自分の中にある音、自分がどのようにその音楽に対して反応するかが大切だと思います。外から持ってくるより、自分の中からどうやって出せるのかとか、中には何があるのか、そういうことを考えていく」と語る五嶋は、音楽を通してひたむきに己と対話し続ける。
この10年で4度の日本一に輝くカツオ一本釣り漁船・第83佐賀明神丸のリーダー、明神学武(40)。圧倒的な分析力でカツオの群れをピンポイントで探し当てるその「読み」で、型破りな漁法を編み出してきた。海水温の異常や台風に見舞われた2014年は、記録的な不漁。だが漁の成否には23人の男たちの生活がかかる。予測不能な荒海で、逆転をかけて臨む勝負の漁!やさしい笑顔の裏の覚悟、若き天才カツオ漁師の闘いの記録。
「人生の最後は、自宅で穏やかに迎えたい」。そんな末期がん患者の切実な願いを叶え続けてきたのが、在宅ホスピスのパイオニア、川越厚(67)だ。まだ「在宅ホスピス」という言葉すらなかった時代から始めて25年。およそ2,000人の末期がん患者を家で看取ってきた。 病院ではこれ以上の治療が難しいとされた末期のがん患者。その多くは、がんの進行から生じる神経の圧迫や呼吸苦などの体の強い痛みで苦しむ。川越は触診を行いながら、患者の状態をこと細かに観察し、その痛みの緩和に必要な薬の種類や量を処方していく。薬の量が少なければ痛みを取りきれないし、多すぎれば副作用で患者を苦しめることになる。川越はこの見極めの技術が群を抜くと言われている。 さらに川越は、死期が迫るにつれて強くなる死別の悲しみなどの“心の痛み”にも寄り添っていく。患者とその家族に、独特の語り口で死期を伝え、死を受け止められるようにいざなっていく。 川越が目指すのは、人生の幕引きを穏やかに行うための医療だ。 「“退く”医療ですね。病気を治す医療が全く無力になったとき、同じ姿勢で医療を行ってはいけない。お迎えが来るときまで人間として生きるわけですからね。今度は、生きていくということを大切にした医療」
選手が入れかわり、浮き沈みが激しいのが常識の高校スポーツ界。だが愛知・桜花学園女子バスケットボール部監督・井上眞一は違う。29年で主要三大大会に56回もの優勝を遂げた。選手を育てる秘密はその人間力だ。指導は厳しい。だがコートを離れると“ただのおじいちゃん”と化す。体罰も、学年間の上下関係も、寮の規則も門限以外一切無し。「いい人間である前に、いい選手であれ」と言い切る男の、型破りな人育ての極意とは!
人気沸騰のイギリス人ガーデンデザイナー、ポール・スミザーに長期密着。農薬や化学肥料を使うことなく植物本来の力を引き出した庭は「自然より自然らしい」と称される。 名門・王立園芸協会で技術を学び、来日して25年。日本の草木を知り尽くすスミザーの手にかかれば、ススキも庭の主役に生まれ変わる。 この夏、困難な依頼が持ち込まれた。木が生い茂る日陰の急斜面を明るい庭にして欲しいという。スミザーが下した決断は?
出版不況と言われるなか、「宇宙兄弟」「ドラゴン桜」などのヒットを連発し、業界の革命児と言われるマンガ編集者・佐渡島庸平(35)。大手出版社の安定した職を捨て、担当するマンガが売れなければ収入がないという“崖っぷち”に自らを追い込んだ男の流儀とは?南アフリカで暮らした中学時代の激動、スラムダンクやバガボンドを描いた天才・井上雄彦との日々は何を教えたのか。最新マンガ創作の舞台裏!
狂言は、日本が世界に誇る“笑いの芸術”。 その舞台に立つ狂言師・野村萬斎の根底にある流儀だ。狂言は、庶民の目線から権力者をチクリと風刺したり、人間だれもが持っている欲望や虚栄心などをおもしろおかしく描いた演目が多い。番組で紹介した「棒縛」のように、縄で縛り上げられても酒が飲みたいという人間の強欲さ、無理な体勢で必死に酒を飲む姿は、観客の笑いを誘う。人間が必死に生きる姿は、たくましくもあり、滑稽だ。必死になればなるほどおかしさは増す。だからこそ、舞台に立つ萬斎も懸命に芸を磨き、演じる。笑いは無理に取りにいくものではなく、“本気”の先に自然に生まれるものだという。目指すのは、一過性の表面的な笑いではない。登場人物の姿や心境に「ある、ある!わかる!」と観客が共鳴したときに沸きあがる、あたたかい笑いだ。 “酒が飲みたい”“甘い物が食べたい”“仕事中なのに眠い”というささいな欲求から、社会の不条理や世の無常観まで。「生きていればさまざまなことがあるけど、それを笑い飛ばして明日も生きていこう。それが狂言のよさ」と萬斎は言う。
小さな命を救う”最後の砦(とりで)”と呼ばれる山髙は、日々特別なプレッシャーと向き合っている。 山髙が専門とするのは、生まれつき臓器に異常を抱える赤ちゃんや、難病を抱える子どもたちの手術。新生児の臓器は大人の10分の1ほどしかなく、さらに、体温や心拍も変化しやすく、手術に耐える体力は大人よりも少ない。手術は困難を極め、わずかなミスでも命が危険にさらされる。山髙はその現場に30年向き合い続け、ほかの病院で「治療ができない」と言われた子どもなど、これまで1万人以上の命を救ってきた。その手術への情熱は、めっぽう強い。「気合入れろ!」「絶対ここを動かすな!」と周りの医師にげきを飛ばし、一切の妥協や失敗を許さない。その目指すところは、至ってシンプル。最も安全で、確実な手術を行いたい、という思いだ。そんな修羅場でこそつかんだ、流儀がある。 「僕は手術は急がないの、絶対に。絶対失敗したくないから。だって一生残るんだよ。まだ何十年ていう人生が待っているわけだし。ゆっくりはやくやれって言ってさ。手とか機械の動きはゆっくりなんだけど、やってることはむだじゃないから早く終わるんだよ」
日本の全世帯の3割がペットを飼っているという今、ペット医療も急速な発展を遂げている。そんな中、町のかかりつけ医として、飼い主から絶大な信頼を集めている蓮岡。営むのは、お世辞にも大きいとは言えない動物病院だが、他の病院で治療が難しいと言われたペットと飼い主が毎日何十組もやってくる。 そんな蓮岡の強みは、丁寧な診察と鋭い診察眼にある。とにかくじっくりと触診し、呼吸の速さや体温、そして内臓の腫れまでをも感じ取っていく。そして少しでも異変を感じれば、入念に検査し正確な診断を下す。たっぷりと時間をかけた診察があってこそ、的確な治療法を導き出せるという。 「呼吸のしかたとか、歩き方とか。見る、体中触る。どうなんやどうなんやって。じゃあなんとなく、私は僕はここが具合悪いねんって何となくわかるような気がするねんね。 動物を察してあげるっていう。治療を優先した診察じゃなくてまず動物をみて治療法を構築していく方が、時間かかってもそっちの方が、自分には合ってますね。」 過剰な治療は動物にとっても飼い主にとっても大きな負担となる。治療を押しつけるのではなく、時間をかけた診察で症状を見極め、治療は必要最小限にとどめることが獣医師の責任だと、蓮岡は考える。
「時をかける少女」「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」など、数々のヒット作を手がける細田。一貫してテーマに据えているのが、「人生の肯定」だ。実は細田は、燦々(さんさん)と光り輝く道を歩んできたわけではない。かつて超大作の監督を降板するという人生のどん底を味わった。それでも、あきらめずに挑戦を続け、絶望の底からはい上がってきた。「人生は捨てたもんじゃない」、自らの経験に裏打ちされた信念が細田を突き動かしている。 企画の種も、細田自身が直面したつらい経験から生まれている。かつて親戚と関係が悪かったことから発想した「サマーウォーズ」は、大家族が一致団結して、世界の危機を救う話。そして子どもについて悩んでいたことから、前向きに子どもを育てる母の物語「おおかみこどもの雨と雪」を生んだ。 絶望から生まれた映画は、今、多くの観客にとって希望となっている。 「映画を作るとか、見るとかっていうのは、希望を表明する行為でさ。その時の自分は幸せじゃないかもしれないけど、人生は幸せかもしれないって大声で言っているようなものなんだよ。幸せじゃない人だからこそ、作ったり、言ったりする権利があるってことだよ」
街角でキラリと光る、小さいけれど評判の店。今回は町に愛され世界に知られる名店を支える二人のプロが登場。神奈川の精肉店・畑は、入手ルート確保に12年かかったこだわりの肉や、本場ドイツで金賞を取る自家製ソーセージを販売。東京の喫茶店・田口は、数十年来世界を飛び回り豆を知り、ばい煎を極め海外でも“レジェンド”と評される存在。そんな二人に共通するのはお客への真摯(しんし)な態度。妥協なき仕事の日々に密着!
フランスの世界的な三つ星店などで最先端のフレンチを習得し、5年前に富山にやってきた谷口。華やかな経歴を持つシェフだが、彼の店ではフランス産のフォアグラ、トリュフといったフレンチで定番の、有名輸入食材がコースの主役になることはない。 出されるのは、地元でとれた山菜やヤギのミルク、イノシシや熊の肉、そしてホタルイカや白エビ、ゲンゲ、ノドグロなどの富山湾の海の幸が使われた、独自のフルコース。地元で食べ尽くされた食材が、谷口の手にかかると全く新たな料理へと生まれ変わっていく。 いま谷口が作り続けるのは、これまでに体得してきた最新のフレンチの料理哲学と、伝統の食文化を研究して活用、双方を掛け合わせた、「どこにもない料理」だ。
ひきこもり、家庭内暴力、不登校。佐賀で、悩む子供や若者への支援活動を行う谷口仁史に、今全国から注目が集まっている。運営するNPOに寄せられる相談は、この12年でのべ16万件以上だ。社会や家族からも孤立し、SOSを出せない若者。谷口は、相談窓口で待つのではなく、自ら積極的にアプローチする“攻め”の支援に挑む。ある過去の体験から「どんな境遇にある若者も見捨てない」と固く誓う谷口。その奮闘の日々を追う。
太古の昔、地球上を支配していた恐竜。いまだ多くの謎に包まれているその研究で、次々と新発見を成し遂げ、世界の注目を集めているのが北海道大学の恐竜学者・小林快次だ。小林は貴重な化石を見つけ出す卓越した能力で、“ファルコンズ・アイ”=「ハヤブサの目」を持つ男と呼ばれる。ティラノサウルスのハンター能力、未知の新種、そして恐竜絶滅の謎。カナダの発掘現場やアラスカを舞台に、壮大な謎に挑む小林に密着する。
サイバーセキュリティー技術者の中でも最高の技術を持つ“トップガン”と称され、日本のみならず世界からも注目を集める、名和利男(44)。その仕事の大きな柱の1つは、サイバー攻撃を受けた可能性のある国や企業から依頼を受け、その実情を正しく捉えることにある。例えば、データを破壊したり盗みとったりするマルウェア(悪意のあるソフトウェアの意)が紛れ込んでいるかどうか、また紛れ込んでいる場合、どのような悪さをするものなのか、その対応は一刻を争う。 しかし年々巧妙化し、かつ悪質化しているサイバー攻撃において、攻撃の実態を正確に把握することは難しくなっている。そこで名和は、こうした緊急対応のとき、つねに「攻撃者になりきる」ことを心得に作業にあたる。 時に何万行にも及ぶ膨大なプログラムの中から、通常あり得ない、異常な文字列を見つけ出すこの作業。文字や数字の羅列からいち早く異常な文字列を見つけるためには、たとえば、「金」や「個人情報」など、攻撃者はどの情報を狙っているのか、想像力を働かせながら探すことが重要だと名和は考える。
年間300件、国内トップの手術実績を誇る肝臓外科医、高山忠利。新たな手術法を確立し、治療の可能性を切り開いてきたエキスパートだ。肝臓は無数の血管が複雑に入り組み、「血の塊」と言われる。一歩間違えれば大出血につながる難手術を、細心さを徹底した丁寧な手術で成功に導いてきた。この夏、一刻の猶予も許さない厳しい病状の女性が高山の腕を頼りやってきた。命をかけた大手術。全身全霊で闘う信念の医師に密着!
CD・DVDのレンタルで日本最大のチェーンを展開する増田。だが、増田は自らの仕事はレンタル業ではなく企画業だと言う。大切にしているのは、世の中にないアイデアや発想を形にして、新たなビジネスを企画すること。増田は、32年前に創業して以来、次々と企画を生むことで、年商2,000億円の企業へと押し上げてきた。 例えば12年前、いち早く始めたポイントカード事業。増田はポイントと引き換えに、客の購買データを収集し、年代や性別、売れる物の傾向などを分析して、企業に販売する仕組みを構築した。今ではコンビニや飲食店など100社を超える企業が提携している。また4年前には、ネット時代における書店の新たなビジネスモデルも開発。コーヒーを飲みながらゆっくり本を選べる店舗の設計、ジャンルごとにオススメの本を探してくれる専門のコンシェルジュを置くなど、独自の店作りで売り上げを伸ばしてきた。増田は、なぜ「企画」という仕事にこだわるのか。 「(かつての経営は)同じものをとにかく速くたくさん作る。それが競争戦略だったし、成長だった。だけどその延長に未来はないのよ。過去の延長線上には未来はない。新しい未来のためにプラットフォームを作るのが企画会社だし、それをしないと生き残れない」。 消費者の価値観が多様化し、求めるものが目まぐるしく変化する時代。その変化に対応する者だけが今の時代を生き残れる。強い危機感が増田の企画への情熱を駆り立てている。
プロフェッショナルたちを訪ねる旅に出たお笑い芸人・岡村隆史。今回の企画を引き受けたのには、深い理由があった。 「芸人として今後進むべき道や方向性がグラついている。プロフェッショナルたちと話すことで、軸を1本ピシッと入れられれば・・・」 これまでの出演者291名の中から岡村が選んだのは、職種も年齢も異なる3人。それぞれの仕事場を直撃し、ガチ対談に臨んだ。
スガが生みだす歌の最大の魅力は、その独特の歌詞にある。作詞を担当したSMAPの『夜空ノムコウ』は、ミリオンヒットを記録し、学校教科書にも掲載される。描いたのは、自分が予備校に通っていた時に当時付き合っていた人とのたあいもない話や、抱えていた葛藤や不安感。このようにスガの歌詞は、そのほとんどが実体験に基づいている。 そうした歌詞は、各界の一流のプロたちをもうならせる。小説家・村上春樹は『かなり特徴的な「文体」である』『微妙なごつごつさや、細かいツノの立ち具合、エラの張り具合が、なんといってもこの人の歌詞の持ち味なのだ』(「意味がなければスイングはない」文春文庫)と高く評価している。 日本を代表するロックバンド・ミスターチルドレンの桜井和寿は、『誰しもが心の中に汚れている部分を多かれ少なかれ持っていて、それをスガさんは吐き出す。そうした“裏の顔”を登場させることで独特のリアリティーが生まれる』と語り、名曲「川の流れのように」など数多くの作詞を手がけてきた秋元康は、『訳知り顔で全てを伝えるのではなく、ぽつんぽつんと語った言葉の隙間に彼の思いや温度があって、聞く人が自分の考えと照らし合わせて完成する』と、その魅力を分析する。 スガは歌詞を書く時は、必ず一人で部屋に籠もる。そこで自分自身の「弱さ」と徹底的に向き合い、その中でリアリティーのある言葉を紡ぎ出していく。 『正直になれないと気が済まないっていうか。自分がきれいで正しいっていう立場から物を言ってもあまり伝わらないような気がするんですよね。「お前らダメだろ!」 みたいな言い方では何も伝わらないから』。
和食ブームの今、世界から注目されている“和牛”。 中でも日本最高峰との呼び声が高い「宮崎牛」の生産者に、神様と呼ばれる男がいる。 鎌田秀利、52歳。 5年に一度開かれる国内最大の品評会「和牛オリンピック」で肉質日本一に選ばれ、松阪牛や米沢牛など全国の肉牛農家から一目置かれる存在だ。 生み出す霜降り肉は通常の5倍もの値が付く。 芸術的な霜降りを生み出すその秘けつは、鎌田の徹底して牛に寄り添う飼育法にある。 一般的に牛の脂肪量は、体内のビタミン量の調節によって左右される。 成長に応じて与えるビタミン量を的確に減らすことで、脂肪を蓄えていくのだ。 しかし一歩間違えれば体調を崩し、食欲は落ち、思ったような霜降りにはならない。 だが鎌田は牛の体調を崩さず、通常の牛農家の半分以下までビタミンを下げ、見事な霜降りに仕上げることができる。 鎌田が貫くのは、「無理に食べさせず、牛に合わせる」という流儀。 鎌田は日に何度も牛を見回っては、一頭ごとの調子に合わせてエサの量や配合を変えていく。 さらに通常は朝夕2回のえさやりを鎌田は4回に小分けし、極力胃に負担をかけさせないよう心がけている。 「決して牛を作っとるわけじゃないからよ。 常に牛と相談して、牛が嫌がることはしない。 やっぱり牛と自分を常に重ねて、同じ立場で物事を考えてやることが私の仕事じゃ。 」
インド、台湾など世界のトンネル工事現場を渡り歩き、活躍する土木エンジニア・阿部玲子。だが若き日には「女性がトンネルに入ると山が崩れる」という言い伝えから、現場に立ち入ることも許されなかった。それでも阿部はこの仕事にこだわり続け、圧倒的に男性優位のこの業界で今、存在感を示している。この夏、インドネシア・ジャカルタの地下鉄建設現場に赴いた阿部。無謀も積み重ねれば道になる、と笑う阿部の挑戦の日々に密着!
広島に「神の手を持つ」と評される老兄弟・小山明と博久が営む小さな自動車整備工場がある。エンジンが動かない半世紀前の車。コンピューター制御の最新高級車。そしてトラック。県の内外から続々持ち込まれるどんな種類の車でも、二人は直してしまう。しかも単に修理を施すだけでなく、客すらも気づかない点まで気づき、快適に運転できる車に仕上げていく。半世紀にわたり二人三脚で歩んできた老兄弟。心温まる感動の現場に密着!
2006年1月の放送開始から10年。これまでに登場したプロフェッショナルたちはその後、どのように闘い、今、何と向き合っているのか。厳選したプロたちに再び密着した10周年スペシャル! 社員数が倍になっても変わらぬ流儀を貫く人気リゾートの経営者、新国立競技場のデザイン案で話題のあの建築家、50歳にしてなお高みを目指して挑戦を続ける世界的バレリーナなど、あしたへの元気をもらえるオムニバスの拡大版。
10月に放送した、岡村隆史と道を究めるプロフェッショナルたちとのガチンコ対談、その未公開トークスペシャル。前回お伝えできなかったトークやロケ部分を一挙公開! 10月、ナインティナイン・岡村隆史と道を究めるプロフェッショナルたちとのガチンコ対談をお送りした。放送後「もっと話が聞きたい」など多くの反響が寄せられた。そこで今回は、みなさまのご要望にお応えしての未公開トークSP。実は、プロ3人と岡村のトーク撮影は、いずれも予定時間をオーバーするほど白熱した。前回、放送時間の都合で割愛したトークやロケ部分を公開。「岡村隆史×プロ」パート2としておとどけする。
出版不況の中、付録もつけずに売り上げを伸ばし、全女性ファッション誌ナンバー1にのし上がった雑誌「VERY」。この成功の立役者が編集長の今尾だ。企画の採択から原稿、写真選びに至るまですべての行程に関わり判断を下す。中でも腕の見せ所は、雑誌の目玉となる特集とタイトル。その善し悪しが雑誌の売れ行きを左右するという。 たとえば昨年一番のヒットとなったのは『スーパーマーケットで浮かない秋のオシャレ』という特集。ファッション誌で王道のよそいきの洋服ではなく、あえて“スーパーマーケット”という主婦にとって身近な場所でのオシャレに着目。すぐに真似できるファッションから少し背伸びした憧れの姿までを提案し、読者から大反響を得た。 今尾はこう語る。「単なる実用だったらつまらないじゃないですか。主婦の日常って基本ルーティンだし、毎日の同じ事を繰り返しているけど、その中に幸せな瞬間があったりっていうのをできるだけ我々はドラマティックにビジュアル化してお届けしたい」 読者である主婦にとって、リアルで役に立つ情報を紹介するだけでなく、その半歩先の“憧れ”をスパイスとして盛り込むことで、主婦の毎日を応援するというのが今尾の基本姿勢だ。
「もてなし」を究め、ここ7年で6回、あの三つ星を獲得した日本料理人が京都にいる。石原仁司(62)。全15品の懐石コースは、四季折々の旬の食材に彩られ、五感を刺激する。その料理は、芸術品とも言われる。客を迎えるのは一日一回、カウンター席の14名のみ。数寄屋造りの店全体でもてなし、感動を生み出す。華やかな秋の料理から、1年を締めくくる師走のごちそうへ。もてなしの心をひたむきに追求する石原に密着する。
世界中から“レジェンド”とたたえられる日本人、スキージャンプ日本代表・葛西紀明。5つのギネス記録をもつ、類まれなアスリートだ。「冬季五輪最多出場」、「冬季五輪最年長表彰台」、「スキージャンプW杯最年長優勝」、「スキージャンプW杯最多出場」、「スキージャンプ世界選手権最多出場」。世界に挑み続けて25年、43歳となった今も、なぜ、ジャンプ界のトップで争えるのか?秘密の一端が、夏の合宿に隠されていた。 葛西はトレーニングに、“球技”を多く取り入れている。その際、無駄を省いた正しいフォームにこだわり、体幹を軸に筋力がバランスよく付くことを意識している。だが、それだけではない。 時速およそ90キロで滑り降りるスキージャンプ競技。実は、目の前を横切る雪や虫、突然吹き付ける風など、自然の猛威に対して、“瞬時”に対応をしなければならない。実際、ジャンプは、命の危険を伴う、数少ないスポーツといえる。瞬時の対応を誤れば、引退に直結する。葛西が長く現役を続けられるのも、“瞬間の対応力”という鍛えにくい能力を、実直に磨きあげてきた成果ともいえるだろう。
東京・銀座のバーテンダー、岸久(50)。31歳にして世界一に輝いたカクテルの腕前と、決して客にこびない絶妙の接客で、海外でもその名を知られる名バーテンダーだ。そんな岸にも、1年で最も緊張するカクテルがある。毎年、年末に店を訪れるアメリカ人夫婦が必ず注文するアイリッシュコーヒー。夫婦にとって、若き日の思い出の味を飲むのが年越しの儀式だ。岸は、いかにしてその一杯を仕上げるのか。人生の交差点の物語。
大量生産・大量消費の時代に、“最後の職人”と呼ばれる男たちがいる。引退までの残された日々を、己が積み上げてきた最高の技術で、最高のモノを残そうと奮闘している。そこには、半世紀以上にわたる職人人生でたどり着いた境地がある。凝縮された仕事の流儀がある。今回は「漆かんな」「江戸やすり」の職人に密着。激動の時代を生き、喜びや悲しみを味わってきた職人たちが迎える“最後の日々”をオムニバス形式で紹介する。
国際災害ボランティア・吉椿雅道が所属するNGOは、神戸にある。スタッフはたった2人、活動資金のほとんどは市民からの募金で潤沢ではない。それでもこれまで、世界34の地域でさまざまな支援を展開してきた。吉椿のモットーは「大きな支援から取りこぼされている人を救うこと。」短期的な緊急支援ではなく、中長期的な復興支援に取り組んできた。 昨年4月のネパール大地震。すぐに現地に向かった吉椿は、支援先を、山岳地域にあるグデル村とした。それは一人の出会いから始まった。ネパールの少数民族シェルパ族のラクパさん。聞けば故郷グデル村へは歩いて二日かかり、報道もされておらず支援も全く入っていないという。吉椿はラクパさんやその仲間と共に、グデル村の住宅再建プロジェクトを立ち上げた。吉椿は8月に、地元の大工を集め耐震技術を学びながら再建の構想を一緒に考えた。そこには吉椿ならではの狙いがあった。「耐震のことを知っている大工を連れていけば確かに早い。でもそれではその土地の力にならない。」今ではなく未来につなげたいという、吉椿の理念がある。
映像に音楽をつける「劇伴」でヒット連発の作曲家・佐藤直紀。心揺さぶるメロディーを多数生み出す佐藤だが「自分は芸術家じゃない」と言い切り、ひたすら映像と向き合い「あがく」日々があった。その原点は「君には個性がない」と言われ悩んだ体験にある。今回、大友啓史監督の話題の新作や、NHKの大河ファンタジー「精霊の守り人」に挑む姿に長期密着。果たして「最高のメロディー」は生まれるか?「音の職人」の現場に迫る!
どこの家でも大変な「引っ越し」。そのエキスパートが伊藤秀男(47)だ。シェア日本一の運送会社で作業員の頂点に立つ。専門は、海外への引っ越し。1万件以上の家族を送り出してきた。数か月コンテナ船で運ばれる海外引っ越しでは、家財は極めて傷みやすく、使える資材も、段ボールとエアクッションだけ。その中で、壊れやすいものもこん包する技を数多く生み出してきた伊藤。暮らしを陰で支える仕事人に密着する。
2か月先まで予約が入るという人気の焼き鳥店。店主池川の最大の特徴は、遠火が一般的な炭火焼きにおいて、常識外れの“近火の強火”。炭と食材を極限まで近づけ、表面を高温で素早く焼き固めることで、中からあふれる肉汁を閉じ込める。近火では、すぐに黒焦げになるため、池川は指がやけどするのもいとわず、ひたすら串を動かし続ける。焼き鳥という食文化を徹底的に突き詰め、地位向上を目指す熱き男の日々に密着する。
主人公は全員高校生! 未来の日本を支える若き“プロたち”に密着するSP。企業と契約する天才プログラマー、トッププロとしのぎを削るゴルファー、12歳でデビューしたピアニスト、そして日本一を目指すボクサーの4人が登場! 大人顔負けのプロ意識にあふれるその仕事ぶりに密着! さらに、どうやって天才たちを育てたのか、親や教師などの教えの流儀も満載! さらにインタビュアーとして松岡修造が登場! 天才に迫る!
長年自殺率ワースト1だった秋田県はここ10年で自殺者が半減した。その立役者が命の相談員・佐藤久男。彼のもとには、経済的な事情や病気などで自殺を考える人々が駆け込んでくる。佐藤はあえてアドバイスせずに苦しみを一つ一つ吐き出させ、相談者の言葉の中から問題解決の手段を探る。そしてさまざまな分野の専門家につなぐのだ。「秋田モデル」と呼ばれる佐藤の取り組みを紹介する。
脳卒中や肺炎がきっかけで、口からの食事をあきらめていた患者。その食べる力を次々に回復させるスゴ腕看護師・小山珠美。声のかけ方、座り方、食器の使い方など患者の症状や回復状況に応じた適切な食事介助の技術を究める。「できないと思わない。できると信じる」という小山は、多くの患者の食べる喜びを守り続けてきた。重篤な脳梗塞に倒れた81歳の女性。患者や家族の願いに寄り添う小山、その命の現場に密着。
請川は操縦技術だけでなく、その映像センスにも多くの撮影関係者から高い評価を得ている。だが安全確実なフライトをモットーとする請川は空撮のとき、常に上空の機体を凝視し、映像が映し出されるモニターにはほとんど目を向けていない。カメラに装着したレンズの性能を把握し、機体と被写体の距離感を見極めれば、撮影されている映像は頭に浮かび上がってくるからだという。そして機体を操る指先に神経を集中させることで自在に機体を操り、イメージどおりの映像を切り取ることができるのだという。30年のキャリアを持ちながらも、時間を惜しまずトレーニングを重ね続けてきたことが、空撮のたくみともいえる境地に請川を達し得させたといえる。
産科医でピアニスト…異色の医師が登場し、ドラマにもなった人気漫画「コウノドリ」。その主人公のモデルが、産科医・荻田和秀(50)だ。病気や早産など高いリスクを持つ母子を数多く救ってきた荻田は、若手医師や救命センター、さらには新生児科などと連携し、チームの力で高いレベルの医療を進めてきた。その命の現場に密着。生死にも関わりかねない大きなリスクを乗り越え、新たな命を次々と誕生させる感動のドラマ!
年6兆円の黒字を生む日本一の貿易港・名古屋港。この港で活躍する「複数のプロ」を同時に密着する番組初のスペシャル版! 船長に代わり湾内で巨大船を動かす水先人の“熟練の技”。コンテナ貨物をさばく沿岸作業員のリーダーの“人情”。自動車積み込みのプロ集団を指揮する男の“瞬時の判断力”。船の食料などを調達し「ママさん」と慕われる女性の“真心”。ナビゲーターは織田信成。日本経済を支えるプロの誇りに迫る。
独創的な文字を次々に生み出す書体デザイナー・藤田重信。2015年、世界的PCメーカーが藤田の書体を標準装備したニュースは、業界で大きな話題となった。個性的でありながらも美しさを感じさせる藤田の書体は、時に「異端」と称される。150年前に福沢諭吉によって刊行された書の手習い本に見つけた「ふ」の一文字。その「ふ」を原型に新しい明朝体の開発に取りかかった藤田。奇才と呼ばれる藤田の書体作りの現場に密着。
30年以上前から、障害のある子どもや年齢の違う子どもを一緒に育てる「インクルーシブ保育」を実践してきた野島。子どもたちが自分で考え、支え合っていくその手法は、研究者から大きな注目を集めている。ヒントになったのは、自らの経験だ。野島は子どもの頃、年齢も体格も違う子どもたちとよく遊び、ケンカしていた。人とぶつかり合うことで、相手の気持ちや感情に気づかされ、人を思いやる心を育んできたと言う。 そこで徹底しているのが、年齢も能力もバラバラの子どもたちで小さなグループを作り、グループで1つの課題に取り組ませることだ。「グループの名前を好きなように決める」「給食を好きな場所で食べる」など、子どもたちの興味を引く課題を次々と投げかけ、どうグループでまとめていくか考えさせる。野島はあれこれ指示はしない。言葉がつたないところをフォローしながら、意見をぶつけ合わせ、相手を尊重する力を身につけさせる。このプロセスの中で、子どもたちは互いに刺激を受けながら、成長し合っていくと言う。 「子どもはね、ほかの子どもを教材として学んでいってると思うんですよ。人は人に影響されて、自分の価値観も、大切なことも、みんないろんな価値観があると思いながら、自分で作っていくもんやというふうに思っているので」
お絵かきしたサカナが泳ぐ!? 今、国内外で200万人が体験し、話題沸騰の“デジタルアート”。制作したのは猪子寿之(39)。NHK大河ドラマ「花燃ゆ」のオープニング映像やミラノ万博日本館の展示など、今世界で活躍するデジタルクリエーターだ。自他ともに認める“欠落人間”。漢字は読めず、大の遅刻魔、しかも打ち合わせ中に熟睡してしまう男。しかし突然、常識外のアイデアを思いつく。規格外の男の仕事に密着!
大手航空会社で2800人の整備士の頂点に立ち、「親分」の愛称で慕われる整備士、杉本好夫(59)。高校を出てからこの道42年、髪の毛1本よりも繊細な精度で修理する“神業”職人だ。巨大な飛行機が1mm以下の単位で修理され、古い部品がまるで新品のように元に戻る超絶技巧の持ち主。今回、10年に一度と言われる珍しい故障が持ち込まれた。異変が起きたのは、わずか1cmのボルト。杉本は、難局をどう乗りこえるか。
IT企業経営者・川上量生(47)。視聴者が動画にコメントをのせられるネットサービスや、高音質の携帯着信メロディなど、独創的なサービスを次々と世に送り出してきた。常に15ものプロジェクトを抱える川上には、どんな企画にも貫く大原則がある。それは「無いものを、作る」というものだ。 「無いものを作るのが重要で。ニーズがあるんだけど、まだ世の中にないものを僕らは作ろうとしているだけなんです。競争相手がいなければ、好きな道を歩めるし、そこにはユニークな歴史が生まれますよね。他の誰かができることはその人がやればいい。自分がやらなければ起こらなかった歴史はおもしろいかなって思います」 オリジナリティに徹底的にこだわることで、川上は時代を切りひらく大ヒットを飛ばしてきた。
スター選手を資金力で集めることはできないチーム事情にもかかわらず、4年で3度Jリーグ制覇を果たした名指揮官。その秘密の一つは選手のやる気に火をつけ、成長を促す巧みさだ。「監督は選手の“心”を預かる仕事」と語る森保。選手と心を通わせ、逆境に陥っても粘り強く乗り越える、強い集団を作り上げていく。離脱者が相次ぎ、チームは最大の危機に。果たしてこのピンチをどう打開するか。
数多くの義足アスリートをパラリンピックにおくりだし、競技用義足作りの第一人者として知られる臼井二美男(61)。しかし臼井が手がけるのはそうした特別な義足だけではない。日常的に使用する生活用義足作りこそ、臼井が最も大切だと考える仕事だ。 臼井が大事にするのは、はく人のことを一番に考えた義足作り。義足は、はく人の体にあわせて一つ一つオーダーメードで作られる。なかでも履き心地をきめる重要な部分が、切断した足を入れる「ソケット」と呼ばれるパーツだ。一般的にソケットを作る際、腰まわりや足の長さをメジャーなどで計測する。しかし、臼井がたよりにするのは手の感覚と目。道具を使わずに、足の大きさや特徴を的確につかむ。 「ここが何ミリ何ミリというのは作る側のただのデータで。数字のことで議論するっていうのは、あくまで技術者側の話。お客さんはそんなの関係ないんですよ。数字よりも快適で美しくて、はきごこちがいいっていうものを求めてるわけだから。」 さらに臼井がこだわるのは履き心地だけではない。はく人との会話を通じてその人が義足で何をしたいかを聞き出し、目的に応じた義足を作る。薄手のスカートをはきたい人には、ラインが目立たないコンパクトな義足。ミニスカートがはきたい人には、本物の足そっくりの質感のある義足。これまで400人以上の、ささやかな希望をかなえてきた。 「義足にかける期待とかかける望みが必ずあって、はく人とその家族には。言葉にはならなくてもそういう思いをもって訪ねてくる人がけっこうたくさんいますから。それにはこたえなきゃいけないっていう。それは使命みたいな感じでしょうね。」
2013年に無形文化遺産に登録された「和食」。世界的に高まる和食ブームとは裏腹に、家庭では作る機会が減るなど、和食離れが進んでいる。「このままでは、10年後に和食はなくなるかもしれない」と危機感を抱くのが、日本料理人の奥田透(47)。奥田は30年間、食材が持つ旬や素材の力を最大限に引き出す和食の神髄を突き詰めてきたスゴ腕だ。その奥田が和食の未来のためにと、3年前にフランスに乗り込んだ。「食の都・パリで和食が認められれば、もう一度日本でも和食が復権するはずだ」。パリのど真ん中に店を作り、現地で採れた魚や野菜など限られた食材を使い、王道の和食を再現した。しかしその一方で奥田は、日本の店で7年連続で獲得してきたミシュランの3つ星を、2つ星に落とした。それでも未来のためにと、フランスでの挑戦をやめることはない。 そんな奥田に千載一遇のチャンスが舞い込んだ。「フランス料理の革命児」と称される3つ星シェフ、パスカル・バルボが店にやって来る。奥田が勝負の品と決めたのが、チュルボというヒラメの一種。これを日本の伝統技術「活け締め」を使い、鮮度を保ちながら身の熟成を進め、刺身や塩焼きであえてシンプルに提供する。和食を守るためにこそ、攻める。それが奥田の“世界遺産”を守るための流儀。 「(和食が)嫌いなわけではないと思うんですよ。ただ日本人の意識として、なんかあんまり大事にも思っていないんじゃないかなと。だから、問題提起していかないと、気がつかないうちに(和食は)なくなって終わっちゃうものになっちゃうのかなと。どんなに欧米化が進んでも、残さなきゃならない文化は十分あるんじゃないかなと。そこにちゃんとした価値と値打ちをつけるには、やっぱり海外に進出してきちんとしたものを出して、評価されることが一番の近道になるんじゃないかなと」。
いま全国の自治体関係者から注目を集める男がいる。島根県邑南(おおなん)町役場の職員・寺本英仁。高齢化率40%超の人口1万1千人の過疎の町で、「3年連続社会増」と考えられない「結果」を出し続けている。その町おこしの手法は、徹底した“グルメ”に特化した事業の数々。この町でしか味わえない特産品や料理を全面に打ち出すことで、観光客を呼び込み、移住者を招いた。地方を元気にする熱血公務員の奮闘に密着!
認知症のお年寄りたちの「問題行動」を抑え、穏やかに過ごす介護技術で注目を集める施設が神奈川県藤沢市にある。代表の加藤忠相は、「利用者がどうすれば活躍できるか」を徹底的に追求し、“型破り”ともいわれるアプローチを実践。これによって利用者のうち3割以上の要介護度が改善した。その極意は、「感情に働きかける」という加藤。認知症のお年寄りたちの底力を引き出す、先端の介護現場の日々に密着する。
女性から人気を集めるファッションデザイナー皆川明が登場。今、できるだけ早くトレンドを察知し、商品を発売する「ファストファッション」が人気を集める中、流行を無視しながらも美しく楽しい生地の服で売り上げを伸ばす。東京スカイツリーの制服を作って話題になるなど評価は高く、糸井重里さんなど各界の著名人からの称賛の声も多い。物静かな皆川さんの服作りに密着。流行にとらわれずとも、人々の心を動かす秘密に迫る。
常識破りといわれる材料・製法で作られた、絶品モチモチしっとり食パンや、ふわっふわサックリの驚がくメロンパン…。料理業界でも「ほかで食べたことがない」と絶賛される、パン職人・竹内久典の独創的なパンを求め、山あいの店に人々が殺到。そこには、かつて金もうけだけを求めた苦い記憶から生み出された、魂の流儀があった。酷暑となったこの夏、予想外の事態を乗り切るための、“どこにもない”パン誕生の裏側に迫る。
世界で激しい開発競争が進む中、ユニークな発想で「暮らしを支える」ロボットづくりに励むプロフェッショナルたちを描くスペシャル版!プロたちの挑戦に密着するVTRに加え、スタジオに劇団ひとりさん、市原悦子さん、大学でロボット工学を専攻したモデル・梨衣名(りいな)さんを迎える。「私、ロボットには疑り深いの」と語る市原さん、初めてロボットに接した驚きの感想とは!?
駅や博物館、商業施設など、あらゆる場所で私たちを目的地へ導いてくれる目印「サイン」。ひかえめかつ、わかりやすいサインが求められる中にあって、廣村の作品は異彩を放つ。 事務用品メーカーのオフィスでは「アイデアや発想力が刺激される」という狙いでミーティングルームや喫煙室に「思考」を想起させるサインを施した。 東京スカイツリー内の水族館では、海洋生物の解説をカラー写真ではなく、あえて点描のイラストで表現。そこには「生き物図鑑を巡るように館内をまわって欲しい」という思いを込めた。 そんな廣村のサインは目的地へ導くと同時に、“新たな体験”を生み出していると評される。
名だたる企業からの依頼が引きも切らない、ベンチャー企業社長・道脇裕(39)。生み出すのは、コペルニクス的発想で問題を鮮やかに解決する発明品。どんな衝撃でも緩まず、宇宙開発での使用も期待されるネジ。音の反射を計算し尽くし、高速道路の騒音を吸収する新たな装置。数々の社会的課題にアイデアで立ち向かう「日本のエジソン」…その原点は、小5で学校を自主休学、さまざまな職を渡り歩いた驚きの半生にあった!
宮崎の小さな港町にありながら、東京の星付きレストランから注文が殺到する魚屋さんがいる。門川安秀さん、通称“ねこさん”だ。どんなに不漁な時期でも、独自のネットワークと天候を読む目で、魚を集めるねこさん。取引先のシェフたちの好みや癖までも知り尽くして魚をさばく腕も持つ。今年の夏は、東京の一流フレンチレストランの特別メニューのために、高級魚を200人分依頼された。自らのプライドをかけた闘いが始まる。
弟子入りを受け入れてくれた一人目のプロが、当代屈指と言われる天ぷら職人・早乙女哲哉(70)。料理人志望の佐藤花菜子(18)と、灘高生の中野誠大(18)が、1か月弟子になる。 初日、早乙女が2人に働く際の心構えを伝えた。「修業は、魚をさばくとかそういう技術を覚えに来るんじゃなくて、我慢を覚えに来るもの。我慢していれば、いつのまにか技術はちゃんと身についてるから。」 とはいえ、体力勝負のこの仕事。天ぷらを2階に運ぶ仕事をひたすら繰り返す1日に、中野は早くも心が折れかける。「明日からの選択肢・・・死ぬ気でがんばるか、帰るか・・・」。 一方、ふだんから料理店でアルバイトをしている花菜子は、順調に仕事を覚え、仕込みを手伝うようになっていた。そんな花菜子に、まかないで食べるキスの天ぷらを作らせる早乙女。客に料理を出す重圧、孤独を経験してもらうためだ。キスのさばきから揚げまで、失敗を重ねる花菜子。それでも食らいつき、修業最終日に早乙女に、自分の天ぷらを振る舞おうとする。早乙女のいう「我慢」を2人はどう受け止めたのか。
ギラギラした光は、もういらない。世界的照明デザイナー・東海林弘靖の流儀は、“居心地がよい暗闇”に宿る。緻密な計算と感性によって作り込まれた光と影の交錯に、人は安らぎを覚え、時に涙する。その原点は、東日本大震災。計画停電や節電で、町から光が消えた。自分の存在理由が揺るぐ中、答えはなんと、南太平洋の島にあった! この秋挑んだのは、九州随一の城下町の廃虚…人々の心に灯をともす、起死回生のアイデアとは?
3人のプロフェッショナルが“食の宝庫”築地市場で繰り広げる真剣勝負に密着。60歳にして「新参者」の中国料理の奇才・古田等。一級品の食材を求め、買い付けに労する姿に密着! 日本料理人・奥田透が出会った驚異の可能性を秘めた“未知の食材”。和食の神髄を極めた男が1つの食材と向き合い続ける苦闘の連夜を追う。“マグロのカリスマ”と呼ばれる仲買人・藤田浩毅。その目利きの極意も大解剖!
築60年の木造アパートが超人気物件に! リノベーション業界で注目を集める建築家・大島芳彦(46)。廃虚のような団地が再生するなど、全国で捨て置かれてきた数々の建物に命を吹き込んできた。「オシャレにするだけでは、早晩、古い物件に逆戻りしてしまう」と語る大島。空き家や空きマンションが急増する中、その斬新なアイデアに注目が集まる。建物の個性を生かし、その再生を通して街までもデザインする現場に密着!
平等院鳳凰堂、二条城二の丸御殿、西本願寺御影道・・・。 世界に誇る日本の宝を未来につなげる京都の女性職人、荒木かおり(58)。経年劣化して色褪せた国宝や文化財の色彩をよみがえらせる日本屈指の彩色復元師だ。 彩色復元に臨む時、常に心に留めているのは「色は心 その心を、写す」という信念。 その言葉は、彩色復元の礎を築いた重鎮、父親の川面稜一さんから受け継いだものだ。 図面や資料もまず残っておらず、確かな正解などない彩色復元の世界。そのなかで稜一さんは、モチーフとなる花の詳細から当時の流行、食文化まで細かく調べ上げることを自分に課していた。 「色というものは、その時代の人の心が現れている」。稜一さんは、この言葉を荒木に残し亡くなった。描いた人の気持ち、描かれた時代の気持ちと向き合うことで真実の色に迫れると荒木は考えている。
夜間動物救急のパイオニア、獣医師・塩田眞(69)。 東京・荻窪にある、塩田の動物病院はスタッフ6人。ごく小さな病院だが、彼の診察を求め関東一円から飼い主がやってくる。だが彼の名が知られるのは夜の活動にある。それは夜8時から深夜3時まで365日、要請があれば、すぐ往診に向う夜間動物救急。 塩田の獣医師としての信条は、「どんな命にも、フェアに向き合いたい」。 塩田が父の動物病院を継いで間もない頃、日本は空前のペットブーム。だが獣医師の世界では夜間に往診する習慣はなく、当時の塩田も急患の要請を何度も断った。思い立った塩田は、自ら「動物専用の救急車」をつくり、日本初の試みとも言われる夜間救急の往診を始めた。「人間なら救急があるのに、動物にないのはアンフェア。医療に対してフェアでありたい」。 夜の救急を始めて15年。塩田の救急車は走り続ける。
日本を代表する脚本家・倉本聰(82)。「北の国から」、「前略おふくろ様」など、これまで数々の大ヒットドラマを世に送り出してきた。倉本のドラマに登場する人物たちはいつも強烈な個性を放ち、その人物たちが織り成すドラマは、多くの人の心を打ってきた。 そんな倉本のドラマの基盤にあるのが、脚本を書く前に半年以上かけて作るという「登場人物たちの緻密な履歴書」。ドラマを1本の木に例えると、登場人物という“根っこ”があり、そこから人物同士が織りなす物語という枝葉が生まれる。倉本がとことんこだわるのは、その根っこだ。父母の出身地から、恋愛遍歴、さらには実家周辺の地図に至るまで、ドラマには描かれない部分も含めて、その人生を詳細に掘り下げる。 「近頃のドラマは『実をどう美しくつけようか』、『花をどう咲かせようか』ということばかりに気を取られていて木が寄って立っている“根っこ”を忘れている」、そう苦言する。 膨大な時間をかけて練り上げられた登場人物たちが交わったとき、そこにドラマが生まれ、ようやく人間が生きてくると、倉本はいう。
競走馬は、優秀な戦績を残している血統から生まれているかどうかで、その価値は大きく左右される。血統が良ければ、取引額も高く、大きな期待が寄せられる。一方、血統が悪ければ、・・・いうまでもない。競走馬は、血統が圧倒的にものを言う、厳しい“格差社会”で生きている。オグリキャップは、父親の競走成績が優れていなかったため、“二流の血統”と評価されていた。そのため、30年前、岐阜の笠松競馬場でデビューしたとき、活躍を期待する人は、ほとんどいなかった。 しかし、馬主の小栗孝一は、オグリキャップに自分の人生を重ね合わせ、期待を寄せていた。貧しい家庭に生まれ、幼くして叔母の家に養子に出された孝一。「恵まれない環境に負けてたまるか」と、自ら事業を興し、ガスバーナーの製造販売などで成功した。馬主となった孝一は、たとえ血統が良くなくても、きゅう舎を毎日訪ねるなど、家族の一員として馬に愛情を注いだ。馬に託した願いはただひとつ。「“血統”という格差を乗り越えて、走ってほしい」
2016年、東京のど真ん中にオープンした高級日本旅館。そのレストランシェフとして、“日本発”のフランス料理を振る舞うのが、浜田統之(41)だ。世界最高峰の国際コンクールで、日本人初の3位に輝き、一躍注目を集めた。浜田が使うのは、王道とはかけ離れた食材や時には捨てられる食材たち。それを高級料理へ生まれ変わらせる。この冬、前代未聞の魚だけのフルコースに挑む浜田に密着。独創的な料理を生み出す秘密に迫る。
広尾病院は東京都の基幹災害拠点病院として、災害医療や島嶼(とうしょ)医療に力を入れている病院だ。救急で受け入れる患者は、年間およそ2万2千人にのぼる。そんな“365日24時間の病院”で、事故や病気で命の危機にひんした人たちのために走り続ける男がいる。城川雅光、38歳。東京の夜を守る「最後の砦(とりで)」だ。城川の当直の日の勤務は、日中から夜をまたいで翌日の午前まで。夜間の救急医は2~3人で全ての患者に対応する。ギリギリの攻防に、若き医師は決して冷静さを失わない。城川は丁寧な口調で、動揺する患者の不安を和らげる。 常に、命にかかわる決断を迫られる城川の仕事。命を救うという使命感。それが城川の支えとなっている。生きたいと願う人々のために、城川は夜を徹して戦い続ける。そんな城川が心に決めていることがある。 【準備8割、実戦2割】 患者の救急要請が入った瞬間から、患者が運ばれてくるまでが、城川の正念場。いかに最悪を想定して準備ができるか。起こりうることを考え、専門医の確保、輸血の準備。1分1秒が患者の命を分ける救急医療の世界。キャリア13年、人の命を救い続けてきた。支えになるのは元気を取り戻して行く患者の姿。 城川は、今日も夜を徹して戦い続ける。 「準備をして作戦を立てることで物事8割方、決まっている。残りの2割は実戦で予想外のことが起きるのでそこはまた臨機応変にやらないといけない、いざ具合が悪くなった時に想定済みであればあまり慌てずに対応ができるようになる。慌てるとやはりふだん持っている能力100%は出せない」
重い病を抱えていても、自宅で療養して最期の時を迎えたい。そんな患者たちの望みをかなえているのが神奈川県横浜市にある在宅療養支援診療所の院長・小澤竹俊だ。小澤のクリニックでは6人の常勤医が手分けして1日平均40軒の患者宅を訪問。対応する疾患は、がん、脳こうそくの後遺症、神経難病など多岐にわたる。そして小澤は、患者だけでなくケアする家族も支える。小澤は、ケアマネジャーや居宅介護支援事業所、訪問看護ステーションなどと連携しながら24時間体制でバックアップする。連携する事業所は160以上。地域連携体制を築くため、小澤は開業から10年間、地道な努力を続けてきた。たとえばクリニックで毎月欠かさず開いてきた勉強会。患者と家族を支えるために、どんなふうに向き合って誰がどんな役割を果たせるのか。勉強会を通じて、患者・家族の思いをくみ取る技術や価値観を共通していく。こうして、それぞれの事業者が持ち味や得意分野を生かせるように導き、在宅医療の可能性を広げようとしている。
6年前、津波で壊滅的な被害を受けた宮城・気仙沼。本場フランスにもその質の高さで名がとどろくカキの産地だった。養殖場など全てを失い、ゼロからの復活に挑んだのがカキ養殖50年の巨人・畠山重篤。海を豊かにするため植林を行うなどユニークな活動で知られる、人呼んで気仙沼の父。しかし立ちはだかる壁。体調の悪化。それでも決して下を向かず海を信じ、海と共に生きた。震災直後の8ヶ月に密着した格闘の記録を再び。
世界を飛び回り、オークションにかける美術品を集めるスペシャリスト、山口桂(53)。時にがん作や粗悪品も入り乱れる中、本物を見極め、飛び抜けた価値を持つ品だけをえりすぐる、「目利き」のプロだ。日本美術品史上最高額の14億円で落札された「大日如来座像」など、あまたの美術品を扱ってきた。極秘のお宝ハンティングにカメラが長期密着、なんとあの天才絵師の真筆が! 知られざる仕事の闘いと秘めた志に迫る。
創業145年の老舗豆腐店の5代目、豆腐職人山下健。絹ごし豆腐作りの名人だ。昔ながらのにがりを用い、独特の作り方で口の中で溶けていく柔らかさを生み出す。同業者から神業と呼ばれるその技で、豆の味をしっかりと引き出す豆腐を作る。かつては家業を継ぐことが嫌でしかたがなく逃れようとして早稲田大学に進学した山下。今は人生をかけ、まるで哲学者のように豆腐に向き合う。自らをあまのじゃくという職人の技と心に迫る。
江戸時代以来と言われる空前の落語ブームをけん引する気鋭の噺家(はなしか)春風亭一之輔、39歳。人間国宝・柳家小三治が「久々の本物」と評する21人抜きの真打ち。なぜこの男の落語は面白いのか。喫茶店やカラオケ店でのヒミツの稽古に密着。古典を守りながら現代的で新しい。どんなことも笑いに変える強烈な話芸を今回たっぷり!口癖は「やりたくない」「帰りたい」。素顔は意外にも無愛想でへそ曲がり!立川談春も登場!
久保俊治(69)は、北海道標津町で暮らす猟師。 猟師生活40年を超えた今も集団で猟をするのではなく、一人での猟にこだわっている。 小樽市で生まれ、父と父の仲間から猟の手ほどきを受けて育った。20歳のとき成人祝いでライフルをもらって以来、一人前のヒグマ猟師になりたくて徹底的に山へ通った。射撃だけでなく動物の生態も学ぼうとアメリカのハンティングガイドの学校にも留学。帰国してからは知床を拠点に、命を掛けてヒグマを追っている。 10月、久保が狙うのは鹿。気配、鳴き声、においを頼りに獲物の居場所を探る。「山に入る自分が、自然の中で異質ではいけない」と、えさを探す鹿と同じ速さで歩き、自らを自然に溶け込ませる。異常を感じた獲物はすぐに逃げてしまうのだ。山にこもり、一歩間違えれば命のない現場で、気配の消し方を身に付けた久保。「生き物を獲るっていうことはそんなに単純なものじゃない」という。
2017年3月に敢行された“歴史的大工事”のドキュメント。東北地方最大の有人島である「大島」と宮城・気仙沼を結ぶ橋の架設工事。本土との交通手段が船舶しかなかった大島は震災直後、島民が20日間も孤立。本土と結ばれる橋は、悲願の橋だった。工事に挑むのは、3000tを持ち上げる巨大クレーン船「富士」と乗組員たち。全長200mを超える橋を持ち上げ、一気に完成させる。工事終了までの20時間に完全密着!
日本プロ野球、レギュラーシーズン24勝無敗という前人未踏の記録を残し、海を渡った田中将大。新天地アメリカ・メジャーリーグでも3年連続二桁勝利を残し、メジャー屈指の投手として活躍を続けている。しかし、才能だけで言えば田中をりょうがするものは何人もいるだろう。では、なにが田中将大を現在のレベルまで引き上げたのか。それは、日々の積み重ねに他ならない。一見、当然のように聞こえる『積み重ね』という言葉。だが、田中ほどこの言葉が当てはまる男はいないだろう。 例えば、野球の基礎練習であるキャッチボール。肩慣らし程度に行う選手も少なくないなか、田中はひとり異彩を放つ。相手の構えたミットに寸分たがわず投げることに徹底してこだわる。足の踏みだし、腕の振り、球の握り、あらゆることに神経を行き渡らせ、1球1球動作を確認していく。地味で単調な練習のなかにも自ら課題を見つけ出し、それを克服する姿勢を貫く。圧倒的な練習の密度。田中はそれをずっと続けてきた。超一流への道のりは、地道で実直な日々の努力の積み重ねによってのみ築かれる。それが、田中将大だ。
ケガや重い病気で命の瀬戸際に立つ子どもを、危機から救い出すのが、小児集中治療室「PICU」。その日本でのパイオニアが植田育也だ。小さな命のために日夜戦い、実に98%の子どもを回復に導く植田。トレードマークのヒゲは、かつて救えなかった子どもとの約束の証しだった。火事で重症を負った3人の兄弟が運び込まれた。必ず助けると誓う植田。戦いの日々に密着した、感動のドラマ!
京都迎賓館主賓室座敷など日本を代表する数寄屋建築を手がけ、当代一の腕と称される名大工・升田志郎。木材のもつ個性を生かし切り、シンプルでありながらも精緻な計算をもとに“わびさび”の美を作り出す。66歳の升田は8年前に胃がんを患い、数年後には引退を覚悟していると語る。2017年春、100年ぶりの大改修となる老舗料亭の和客室作りの現場に密着。名工の技と、後世に伝えたい職人の信念に迫る。
命のエネルギーがあふれ出る写真はいかにして生まれるのか? 「猫とイコールでありたい」と語る岩合光昭に長期密着。ボスニア・ヘルツェゴビナでは予期せぬハプニングのなか、奇跡の瞬間がやってくる。40年にわたるキャリアを、ライオンやパンダなどの貴重な映像でひもとくほか、2017年10月からの朝ドラでヒロインとなる女優・葵わかなが「猫好き」代表として、岩合に「猫を上手に撮るコツ」を教わるコーナーも。
樹齢2千年の巨大桜、倒木で危機にひんした公園など30か所以上の桜の名所を復活させ育ててきた樹木医・和田博幸。樹木をみるだけでなく、多くの人に長く愛される名所にするためのロードマップを作るのが和田の真骨頂だ。花見客が歩く動線や見上げる角度、地元市民が手入れをしやすい品種などさまざまな視点から立案していく。桜が満開になる春は回復具合をみて計画を練り直す季節。100年後を見据えた和田の地道な挑戦を描く。
長いサッカー日本代表の歴史において、歴代3位の通算50ゴールを誇る岡崎慎司(31)。 日本サッカー界のレジェンドである釜本邦茂(同1位)、キング・カズこと三浦知良(同2位)に次ぐ屈指のフォワードだ。昨年には、所属するイングランド・プレミアリーグのレスター・シティFCで、“サッカー史上最大の奇跡”といわれるリーグ優勝の中心選手として躍動した。 そんな歴史に残る記録を積み上げてきた岡崎だが、同年代の本田圭佑や香川真司のようなスーパースターの派手さはない。その武器は、どんな形でも得点を決める“泥臭さ”だ。ゴール前に飛び込むダイビングヘッド、相手守備の隙を突いてマークを外す動き。さらには、グラウンドを走り回りFWでありながら守備もこなす献身性。 そこには、死に物狂いでピッチに立ち続けることではい上がってきたという、岡崎の自負がある。
子どもの生体肝移植で毎年、世界一の手術数を誇る移植外科医、笠原群生(51)。世界各地から移植の依頼が殺到、生存率は9割と群を抜く、スーパードクター。数々の画期的な手法を編み出し、他では助からない命を救い続けてきた。春、笠原の元に急患が運び込まれた。劇症肝炎で命の危機にひんした1歳の男の子。だが懸念材料が…。その時、事態が動く。「最後のとりで」として家族の未来をつなぐべく闘う、泣き虫ドクターに密着!
「もっと自分を疑え」という言葉は、宮沢が慕う世界的演出家、故・蜷川幸雄さんが稽古場で発したひと言だという。 『作品に携わると決めた以上は、ゴールは無いわけですよね。ここまで行けば100点、っていうのはないんですよ。どこまでも上を目指せる。だから、「これでいいのかな?なんかもっとあるんじゃないかな?」とずっと思っていて。あるとき、蜷川幸雄さんが稽古場で、ある俳優さんに、「もっと自分を疑えよ!」とおっしゃったんですね。その言葉が、はっとさせられたというよりは、「肯定してもらえた」っていうか。自分をずっと疑って、「それでいいのかな?」「もっとないのかな?」って、手放しで喜ぶ瞬間がずっと無いっていうか。でもそれをすごく肯定してもらった思いでいっぱいだったし、「自分を疑え」っていう言葉は、私にとってエネルギーになりましたね。』
ギリギリの闘いだけが自分を成長させてくれる プロボクサー山中慎介(34)。 中学生の時にテレビで見たボクシングの試合に影響を受けボクシングを始める。 山中は、29歳で世界王者になった遅咲きのボクサーだが、権威あるアメリカのボクシング雑誌が選ぶ、現役最強ボクサーランキング“パウンド・フォー・パウンド”で、日本人ながらトップ10入りを果たしている。数多くいるチャンピオンの中で、山中の評価が世界的にも高いのは、12度の防衛(日本歴代2位)のうち8回をKO勝利という圧倒的な戦績だけが理由ではない。防衛戦の相手に、常に“強い相手”を指名してきたからだ。その強い相手を選ぶ訳は、かつて日本チャンピオン時代に経験した一戦からだ。 日本タイトルの初防衛戦、当時鳴り物入りでプロ入りしてきた岩佐亮佑と対戦。 初めて恐怖と不安を感じ懸命に自分を追い込んだ。試合も両者譲らずの打撃戦を最終ラウンド劇的な逆転TKO勝利で日本タイトルを守った。そのとき、山中が感じたことは「自分が勝って当たり前の相手、どう倒すかっていう相手だったら試合までに成長はできない。どちらが勝つかわからないっていうぎりぎりの相手と闘って、その危機感が自分を成長させる。」ということ。以来、山中はその流儀に基づき防衛を重ねてきた。
舞台は、世界で一つだけの花束を作るオーダーメードの花屋。店主の東信(あずま・まこと)は若干コワモテ。でもCM、パリコレなどオファー殺到。「一度見たら忘れない」と称される東の花束作りの舞台裏に密着する。この春、特別な依頼が舞い込んだ。亡きあの人に贈る恩返しの花束。だが悪天候などトラブル続発。シャクヤクが咲かず、苦渋の決断を迫られる。
7月に運行を開始した豪華列車「THE ROYAL EXPRESS」。列車デザインのカリスマ・水戸岡鋭治(70)が、新たに挑んだプロジェクトだ。横浜から伊豆を走る、全国最大級の8両編成という豪華列車。これまでにない「夢の列車」を作るには、どうすればいいか。プロジェクトを成功させるためには、職人たちの気持ちを最大限に奮い立たせなくてはならなかった。水戸岡は、職人たちを一斉に集め、これまでにない「夢の列車」の構想を熱く語った。水戸岡は言う。「面倒なことをやれっていうのはね、それは一番簡単なことだけど、そんなことやってくれるわけないですよね。“予感の共有”っていいますか、みんなが何となくこの仕事やると楽しくなりそうとか、おもしろくなりそうとか、成功しそうだという感じね。その“予感の共有”ができたときは、プロジェクトが成功する可能性が高いですね」
夢の万能細胞を作り出したノーベル賞学者・山中伸弥。「iPS細胞」は、皮膚などの細胞から、人の体を作り上げているどんな細胞にも変化させることができ、再生医療や新薬の可能性を大きく切り開いている。そして今、生命科学の根幹に関わる新たな研究に踏み出した。挑むのは、謎多き遺伝子。襲い来る予想外の実験結果に立ち向かい、「不治の病を治す」ために走り続ける、世界最前線の現場にカメラが初潜入
東京・日比谷の雑居ビルの地下にあるフランス料理店。外の光やBGMが一切ない地下空間。そこで客は料理と酒に集中する。 創業34年。政財界をはじめ、あらゆる食通や名だたる料理人たちをうならせてきたのは、料理の味だけではない。「超一流」のサービスがある。その中心となるのが、ソムリエ・情野博之(52)。業界では重鎮と称される人物だ。 およそ700種類3,000本用意されている店のワイン、そのすべての特徴を把握し、料理との相性、客の好み、しゃべり方やしぐさ、数少ない情報を元にその人にあったワインを瞬時に選び出す。軽妙しゃだつなトークで、最高のひとときを演出する。そこには、情野が考えるソムリエ像がある。
渡り歩く企業で驚異的な業績を上げてきた「雇われ経営者」松本晃が登場!自らを「ホラ吹き」と称して社内に風を起こし好業績を実現してきた豪腕だ。2009年、老舗菓子メーカーの会長に就任。8期連続で増収増益を達成。その独特の流儀がいま、注目を集める。2017年、ジャガイモの記録的不作により売上が激減!海外事業にも陰りが…。「ホラ」を「現実」に変えるたくらみの舞台裏に密着!知られざる経営者の仕事が明らかに!
渡り歩く企業で驚異的な業績を上げてきた「雇われ経営者」松本晃が登場!自らを「ホラ吹き」と称して社内に風を起こし好業績を実現してきた豪腕だ。2009年、老舗菓子メーカーの会長に就任。8期連続で増収増益を達成。その独特の流儀がいま、注目を集める。2017年、ジャガイモの記録的不作により売上が激減!海外事業にも陰りが…。「ホラ」を「現実」に変えるたくらみの舞台裏に密着!知られざる経営者の仕事が明らかに!
前人未踏、39回の優勝を積み重ねる横綱・白鵬の記録更新や、19年ぶりの日本人横綱・稀勢の里の誕生など、いま大相撲への注目度が高まっている。1500年以上の歴史と伝統があるといわれる相撲、その誇りを胸に力士と共に闘う裏方たちがいる。呼出し、そして床山だ。3横綱2大関が休場するという99年ぶりの異例事態!その九月場所の土俵を支える、もうひとつの真剣勝負に密着した。
医師がヘリで飛び、現場に駆けつける。テレビドラマでも取り上げられ知られるようになった『ドクターヘリ』。年1900回と出動回数全国一位を誇る兵庫の病院の救急チームリーダーが小林誠人だ。小林の口癖は、『救急医療は、地域の“歯車”』。救急車が赴くのに1時間かかる地域に安心感をもたらす“歯車”でありたいという。ある日入った「女性が倒れた」という一本の電話。ところが病の原因が分からない。格闘の日々を追う!
川人は遺族から相談を受けると、証拠や証言をつぶさに集め、過酷な労働実態をあぶり出し、労災認定を積み重ねてきた。川人のもとには、毎日のように遺族が相談に来る。彼らと向き合うとき、川人には一つの信念がある。それは、労災申請は“心の救済”につながるということだ。 「『あなたの子どもさん、もう亡くなったんだから生き返るわけじゃないんだよ。これからの新しい将来を考えて生きていこう』と言う人がいる。ところが、ご遺族の感情としては、亡くなった原因とかあいまいにされて、『前を見て生きよう』と言われても納得できないというか、気持ちがそうならない。亡くなった方は戻ってこないけども、(労災申請は)亡くなった方に対する“供養”として、とても大事なことであると思います」。
舞妓が朝一番に向かう場所がある。舞妓専門の美容室だ。舞妓はカツラを用いず、地毛で髪を結うのが習わし。その髪型は、舞妓の重要な要素である「おぼこさ(幼く、かわいらしいこと)」を表現する上で欠かせない。しかも一度結うと、洗髪することなく、1週間はもたせないといけないため、その髪結いには熟練の技が求められる。 そんな舞妓の髪を結い続けて65年の髪結い師が芦田須美(83)だ。京都で5つある花街のひとつ、宮川町で最も多くの舞妓を顧客に抱える名人だ。 用いるのは、びんつけ油とこより。芦田には、油を極力使わないというこだわりがある。油を多くつければ髪はまとまりやすい一方で、髪結い後に舞妓が日々行う手入れは煩わしくなる。髪をただ結うだけではなく、舞妓のためになりたい、という芦田ならではの気配りだ。 しかも、その手は、まるで“意思”を持っているかのようにサッサと動き、舞妓の髪をあっという間に結い上げていく。舞妓の日本髪は、立体的で難しい造形にもかかわらず、やり直しは、ほとんどない。 「何も考えず結ってるんですけど、手が覚えてんのか、手が勝手に動いていきます。だいたい一発でいきますね。長年の“アレ”でしょうね。やっぱり一生懸命、結っているんです。」 舞妓を送り出すとき、芦田が決まってかける言葉がある。「いってらっしゃい。」これから始まる、舞妓の長い一日にエールを送るのだ。
今年の箱根駅伝優勝で三連覇、同時に大学三大駅伝の三冠という偉業を成し遂げた青山学院大学。チームを率いるのは監督の原晋と、妻で寮母の美穂。夫婦は東京・町田の学生寮で学生たちと共同生活し、弱小集団から強豪チームへと成長させた。しかし、今年の駅伝シーズンは波乱の幕開けとなった。10月の出雲駅伝でまさかの2位。次なる大会に向け、夫婦は学生たちをどう導くのか。その2か月間に密着した。
世界最高峰のオーケストラ、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団。このクラシック界のスター軍団のトップに立つ日本人がいる。楽団を束ねる「コンサートマスター」を8年間にわたって務める樫本大進だ。撮影がほぼ許されない舞台裏を独占取材。“猛獣”とも称される個性派集団を樫本はいかに束ね、極上のハーモニーを作り出すのか。オーケストラの舞台裏で巻き起こる“知られざる闘い”に密着。
2年連続でセ・リーグを制した広島東洋カープ。この躍進の陰に、名物スカウトの存在がある。スカウト統括部長・苑田聡彦。72歳になった今なお現場で“ダイヤの原石”を探し続ける球界最年長スカウトだ。40年にわたるスカウト人生で、小早川毅彦・江藤智・金本知憲・黒田博樹・丸佳浩など、数多くの名選手の発掘に携わってきた。統括として、部下である8名のスカウトに求める流儀がある。 「選手に惚れる。惚れて、とことん練習に見に行く。ただちょっと1回見て良かったからって報告するなって。本当に、悪いところもちゃんと見て、報告してくれって。」
ワインの聖地ブルゴーニュに飛び込んで23年。ワイン醸造家として注目を集める仲田晃司に密着。「極上の一滴」を生み出すための驚きの哲学。悪天候でブドウの収穫量の減少が続く中、雹(ひょう)が畑を襲った。傷だらけになったブドウを慈しむ仲田。3か月の取材で見えたのは、逆境でも常に前向きにワインと向き合う誠実な生きざまだった。人気ワイン漫画「神の雫(しずく)」も登場!これを見ればワインが100倍面白くなる!?
日本卓球界をけん引するエース、石川佳純(24)。ロンドンオリンピック、史上初のシングルス4位・団体銀メダル。リオオリンピックでは団体銅メダルと、その功績は輝かしい。石川の武器は、強烈な回転とパワーで打ち抜くフォアドライブ。そして、どんな苦しい状況でも強い精神力で巻き返す「負けず嫌い」な卓球スタイルだ。 だが今、石川はかつてないほどの苦境に立たされている。2017年に行われた日本一を決める大会。4連覇をかけた石川だったが、高校生の平野美宇に惨敗した。背景には、公式ボールの変更がある。ボールの材質がセルロイドからプラスチックに変わり、ボールに回転がかかりづらくなったことで、回転を生かした石川の卓球が通じなかった。 負けず嫌いの石川、今、新たなスタイルに挑み始めた。それは「高速卓球」。ボールが卓球台から上がりきらないうちに早いタイミングで打つ、スピードに重きをおいた卓球だ。スタイルを変えるのは容易ではない。厳しい強化メニューを自らに課し、改革に挑む。
未知の魚を求めて、世界の海に潜る河原直明(44)。多くの水族館が展示用の生物を業者から買う中で、葛西臨海水族園は自ら採取する専門部署を持つ。そのリーダーが河原だ。魚の種類ごとに行動を予測し、捕獲作戦を遂行する河原のプロの技を、潜水撮影を駆使し、半年間かけて撮影した。日本固有種が生息する小笠原や、南極にほど近く「謎に包まれた海域」といわれるオーストラリア南部での、知られざる戦いを追った!
流行のヘアスタイルを次々と世に送り出し、業界をけん引するカリスマトリマー小島麻里。斬新なヘアスタイルを生み出すセンスだけでなく、ワンちゃんそれぞれの体型や骨格までも計算し、ハサミひとつで理想のボディーラインまでも生み出す卓越した技術を持つ。そんな小島だが、絶大な人気を誇る今もなお、その腕を磨く努力をたゆまず続けている。挑んでいるのは、プードルが狩猟犬だった時代のスタイルを元に確立されたクラシカルなカット。ペット用のカットとしては一般的ではないものの、今ふたたび基本に立ち返ることで、さらに高い技術を身につけられると考えたためだ。「今さら、基礎なんてやる必要あるの?」という声もあるが、小島は語る。 「犬を通じて周りの人たちをハッピーにできるように。かわいいカットにしていれば喜ばれるし、飼い主さんも自慢したくなりますし、連れて歩きたくなるでしょう。すると犬と飼い主さんが一緒にいる時間も増えるので、犬にとっても幸せにつながって行くと思っています。」
世界遺産・日光東照宮の「美」を支えてきたものがある。日本文化の象徴「漆」だ。塗師・佐藤則武は漆を塗る「塗師」として、その輝きを守り続けてきた。国宝・本殿の改修に密着。2017年春、佐藤は特に劣化が激しい一角を発見した。原因を調べた結果、過去の塗師たちが悪戦苦闘してきた形跡が浮かび上がってきた。佐藤は、400年前の輝きを取り戻せるのか? 難所に挑んだプロフェッショナルの記録。
プロボクサー山中慎介(35)。 山中は「神の左」と言われる左ストレートを武器に強い挑戦者を選び、5年以上も防衛を重ねてきた。去年8月、具志堅用高の大記録に並ぶ13回目の防衛戦でメキシコのルイス・ネリと対戦。 4ラウンド、山中はネリの強打でバランスを崩し、連打を浴びた。反撃できるチャンスを狙っていた時にタオルが投入された。山中は「まだやれると思っていたが周りを心配させた。」とタオルを投げたトレーナーをかばった。 試合後、対戦相手ネリのドーピング疑惑が発覚し、さらに後味の悪い結果に・・・。 一度でも負けたら引退を公言してきた山中だが「納得できない終わり方で終われば、数十年後悔する。あの負けでは終われない。」と現役続行を決意。 そして、「相手がドーピングだとしても一度KOで負けた。よくないことかもしれないけど負けは負け。素直な思いです。もう一度ネリとやりたい。」 元王者と現王者の戦いは、勝った現王者の方が自信につながり、有利と言われる。ボクサーとしては決して若くない35歳。山中はネリに借りを返したい一心でボクシング人生の全てを賭けて再戦に臨んだ。
吹奏楽部音楽監督・藤重佳久が率いる、長崎・活水高校の挑戦は、苦境の中から始まった。8月、年に一度の大切な大会で惜しくも敗れ、全国大会への切符を逃した。しかし、藤重はショックを受ける部員たちを鼓舞する。1か月後に、もうひとつの大きな大会、「マーチングコンテスト」が待っていた。マーチングでは、演奏をしながらさまざまな隊列を組んで行進する。大きな楽器は12キロにも及び、体力・集中力ともに求められる難易度の高い大会だ。 練習中、藤重は難解なフレーズが演奏できない生徒を見て、専門ではない楽器を自ら吹き、指導者自身が全力で諦めない姿をさらけだす。さらに、集中できておらず音が乱れた生徒には、自分でできるようになったと思うまで、離れた場所で練習させる。そこにあるのは、「全力が、全力を引き出す」という藤重の流儀。また、肩に力の入った生徒には、ユーモアを交えた言葉をかけ、正確なだけでなくイキイキとした音を引き出す。生徒に「嵐」と呼ばれる破天荒な藤重、あの手この手を使い、生徒のやる気をひきだしていく。
前人未到の「永世七冠」を達成し、棋士初となる「国民栄誉賞」を受賞した羽生善治(47)の特別編。これまでに勝ち取ったタイトル数は通算99期。他の追随を許さない、圧倒的な強さはどのようにして生まれ、育まれたのか。“史上最強”へと至る軌跡をたどる。 「プロフェッショナル」では、2006年・08年に羽生を主人公とした番組を放送。若くして天才と呼ばれた陰にあった「苦悩」、ライバルとの「死闘」を通して浮かび上がる勝負師としての生きざまを生々しく記録してきた。今回、その2本を再編集し、インタビューを新たに収録。密着取材した30代から10年あまりを経た今、どんな地平を目指すのか。羽生は、驚くほど赤裸々に47歳の心境を語った。人生において長きにわたる「仕事」、そのさまざまなステージで闘う人たちに向けた特別版。
福島県白河市。その田んぼ道の真ん中に、全国から客が殺到する人気ラーメン店がある。店主の名は、竹井和之(63)。自らを「ラーメンバカ」と呼び、一杯のラーメンに40年にわたって情熱を注いできた。竹井が作るのは、一見、昔ながらの醤油ラーメンだが、なぜか忘れがたい印象を残すと評判だ。休日ともなれば、遠くは四国・九州からも400人もの客が押し寄せ、開店前から大行列ができるほどの人気ぶりだ。 だが、その過去には、「天才」と謳われた先代の父との葛藤があった。父の急死を受けて店を継いだものの、常連からは「まずくなったな」とこきおろされた。その悔しさを胸に味作りに励み、数え切れない失敗を乗り越えて、自分にしか作ることのできない味を確立した。そんな竹井がいま挑むのは、自らが培ってきた味の「継承」。ただおいしいラーメンを作るだけではない、竹井が本当に伝えたいこととは?稀代のラーメン職人の奥深き仕事の流儀に迫る。
日本の景気や時代を映す街、銀座。昼は世界中の観光客でにぎわい、夜は企業のトップをはじめとした一流ビジネスマンたちの社交場として、数百もの高級クラブが光り輝く。今回は、そんな夜の銀座で22年、高級クラブを経営してきた“銀座のママ”、白坂亜紀(51)の仕事に密着。客の心をつかむ色気はもちろん、秘書のように立ち回り、ビジネスマンの商談をサポートする心配りの数々など、クラブの平均寿命が5か月ともいわれる銀座で生き抜いてきた手腕に迫る。さらに、銀座で「生きる伝説」と称される、“文壇バーのママ”、園田静香も登場。銀座で半世紀、店を守り続け、名だたる作家や漫画家たちをとりこにしてきたその魅力を、今なお常連だという北方謙三氏、大沢在昌氏が語る。 一流の男が集う銀座の、一流の女のもてなしとは―。秘密の夜の世界をひもとく45分。
北海道で小さな町の本屋を営む岩田徹(66)。岩田が注目を集めるきっかけとなったのが、11年前から独自で展開しているサービス「1万円選書」。1万円の予算で岩田が客1人1人にあった本を選び出すというものだ。全国各地から注文が殺到、3,000人待ちという盛況ぶり。岩田のもとには日々、選書した本によって「人生を救われた」、「運命を変えてくれた」といった感激の声が寄せられる。なぜ岩田は客の人生に寄り添う「運命の1冊」を選び抜くことができるのか。その目利きの秘密と本屋に人生を捧げた男の流儀に迫る。 バブル崩壊や出版不況など、幾度も廃業の危機に陥りながらも闘い続けた壮絶な過去。 40年間探し続けた「町の本屋の役割」、そしてドン底のなか偶然生まれた1万円選書の誕生秘話を明かす。 また今回は「コーナー企画」として、読書家としても知られる高山一実(乃木坂46)が1万円選書を体験、岩田の流儀を紐解いていく。
わずか3時間で1週間分のつくりおきを生み出す、料理専門の家政婦・タサン志麻に密着。元はフランス三ツ星レストランの料理人。7800円でフレンチから和食、中華、エスニック、デザートまで15品を超える絶品が続々! さらに家庭の状況や会話をヒントに、その家ならではの味に仕上げ、「伝説の家政婦」と称される。だがそこにはレストランから逃げ、家政婦の仕事を恥じた過去が。
サッカーW杯ロシア大会の開幕まで1か月。本田圭佑(31)が登場! イタリアの名門・ACミランからメキシコの中堅クラブへ。ハリルホジッチ監督(当時)が率いる日本代表からも落選。かつてないどん底に本田はいた。しかし、メキシコでの密着取材を始めた私たちが目にしたのは、「まあ、見ていて下さい」と言わんばかりの不敵な笑顔。そこで繰り広げられていたのは、極秘トレーニング。標高2400メートルの高地で心肺機能を徹底的にたたき直す本田の姿があった。特訓はオフも返上で行われ、ロングインタビューでこう語った。「自分ですよ、敵はどんなときも」。カメラが捉えたのは、どれだけ笑われようとも、どれだけ批判されようとも、自らの生き方を貫き通そうとする本田圭佑だった。 逆転でのW杯出場、そして悲願の世界一へ。どん底に墜ちたかつてのエースの孤独な闘いに独占密着。「すべて」に迫る。
「食べると幸せな気持ちになる。」東京・丸の内にあるチョコレート専門店には、ショコラティエ・三枝俊介(61)のチョコレートに魅せられた人々が集う。 そのチョコレート作りは、カカオ豆の焙煎から始まる。アフリカ、アジア、南米など世界各地から取り寄せたカカオ豆を、様々に温度を変え、その土地の個性を引き出すよう焙煎する。三枝は、カカオ豆からチョコレート作りを行う「Bean to Bar」を日本で先駆けた。 もともとはパティシエとして、いくつものケーキ店を持っていた三枝。ある出会いをきっかけにチョコレートの世界にのめり込んだ。57歳の時に全てのケーキ店を閉める決意をし、残りの人生をチョコレートの追求にかけた。 三枝が挑むのは「究極のチョコレート」。時代を超えて人々から求められる、新たな味を目指す。渡ったのは、日本から14000 ㎞のカリブに浮かぶ島国。三枝のチョコレートは完成するのか・・・。
「だるまちゃんとてんぐちゃん」「からすのパンやさん」など、500を超える作品を生み出してきた絵本作家・かこさとしさんが今年5月、亡くなりました。92歳でした。「プロフェッショナル」では、「どろぼうがっこう」などの続編を続々と発表し、90才を超えてなお意欲的に絵本を制作するかこさんに、今年3月から4月までの1か月間、密着取材しました。これが、かこさんの創作の現場を取材した最後の記録となりました。私たちが目にしたのは、最後の最後まで、こどもたちのために創作に向かおうとする姿。未来あるこどもたちのために、衰えゆく体に鞭打ち、命を削るがごとく筆を握ろうとする壮絶な日々でした。世代を超えて愛される稀代の絵本作家の、知られざる記録です。
ツイッターでも人気の、“言葉のプロ”が登場!日本でも数少ない、辞書作り専門の日本語学者・飯間浩明。ネットやテレビ、新聞雑誌のみならず、街を歩き回り新たな言葉を探す姿は、さながら“言葉ハンター”。見つけ出す新語は、1年で4000語以上にも及ぶ。その飯間が、編さん者のひとりとして手がけるのが、現代語に最も強いとされる国語辞典。およそ6・7年に一度行われる改訂に向け、編集作業が本格的に始まった。集めた新語を厳選し、さらに「語釈」と言われる言葉の意味をいかに的確かつ端的に書き上げるか。その思いを支えるのは、幼い頃からずっと言葉に悩み続けてきたという過去、そして“辞書の神様”と呼ばれる人物の影響があった。出版不況やインターネットの普及で、辞書の存在意義が問われる今、言葉に溢れんばかりの愛を注ぐ、熱き現場に密着!
天才左官と謳(うた)われた父に3歳から技を仕込まれ、最難関とされる京都御所の外壁修復に20歳にして携わり、今や世界中で壁を塗る屈指の左官職人・久住有生(46)に密着。カメラが捉えたのは、現場でギリギリまで迷い続ける姿。僅かでも気に入らなければ何度でも壁を剥がし、やり直す。都会のど真ん中に山寺を作るという壮大なプロジェクトでも土壇場で迷い、重大な決断を下すことに。「優柔不断」を良しとする流儀に迫る
シンガーソングライター・宇多田ヒカル。15歳の鮮烈なデビューから20年、その音楽制作の現場に、初めてカメラが入った。 イギリス、ロンドン。取材を始めた1月、新しいアルバム作りは佳境を迎えていた。作詞、作曲、そして編曲まで、曲作りの全てを一人で行う宇多田。自宅やスタジオでの日々は、ひたすら自分の内面の奥深くをみつめ、そこにある“感情”や“真実”という自分にしか分からないものと向き合う、途方もない作業だった。宇多田はいう。「本当のことはなんだろう、真実はなんだろう。それを探すことが、私にとって希望を持ち続けるということ」。 現場で悩み、あがきながらも、チャーミングな素顔をみせる、トップ・アーティスト宇多田ヒカルの、仕事の流儀に迫る。
いま注目を集める遺品整理のプロが登場!亡くなった人の部屋に残された愛用品を片づける遺品整理は、誕生して20年足らずのまだ新しい仕事。しかし、核家族や少子化が進むに連れて、その需要は飛躍的に高まっている。全国に1万社以上と言われる業者のなか、受注件数・成約率などでトップクラスの横尾将臣(49)。横尾はこれまで、1万件以上の現場を経験してきた。 「葬儀は肉体的な別れ、遺品整理は精神的な別れ」と考える横尾は、ただ遺品を整理するだけでなく、悲しみに暮れる遺族の心も整理する。人の死と向き合う過酷な現場に密着した。
多田が自ら生産した牛乳を原料に作るプリンやケーキは、東京の人気菓子店で瞬く間に売れていく。柳田国男は遠野物語で「平地人を戦慄せしめよ」と書く。多田もまた商品で「人々を驚かせる」ことをモットーにしている。今、仕掛けているのは遠野の若い世代の経営者とのコラボ。売り上げが伸び悩む漬物屋、そして精肉会社とともに、岩手の埋もれた魅力を掘り起こし、海外向けの新商品開発に挑む。 遠野の次世代の経営者たちに、自立とは何かと、多田が問いかける現場をドキュメント。
長崎県平戸市。自然あふれる辺境に、世界から絶賛される写真家がいる。その名は、栗林慧(79)。栗林の写真に、ある人は「かわいい」といい、ある人は「人間味を感じる」という。まるで虫たちが語りかけてくるような感覚をもたせるのだ。その評価は国際的に高く、スウェーデン「レナート・ニルソン賞」、世界野生生物映像祭「特殊撮影賞」、日本科学技術映像祭「内閣総理大臣賞」など受賞歴は枚挙にいとまがない。アメリカNASAからも栗林の写真を論文に載せたいと連絡を受けるなど、世界から注目を受け続けてきた。 だが、その過去は壮絶だった。小学生の頃、父を亡くし、同級生からいじめにあった。写真家になって軌道に乗った頃、人生最大のスランプもあった。そんな時、助けとなった”ある経験”は、今の栗林の作風を支えている。そして今年、新たに挑むのはホタル。これまで50年に渡って撮り続けてきたが、新たにホタルの光が水面に映り込むさまを撮るという。しかし、天気や身体が思い通りにならない。世界屈指の昆虫写真家としてのプライドをかけ、生涯最高の一枚へと挑んでいく。
「上っ面だけじゃなくて、腰の入った支援をせにゃつまらん!それが地域金融機関の使命じゃろ!」正論を堂々と吐き、部下に「金融とはいかにあるべきか」を毎日熱く語る男が広島にいる。それが、全国の金融関係者からも注目される広島市の信用組合のトップ、山本明弘だ。 山本は、地道に中小企業への融資に専念し、マネーゲームに走らない姿勢を貫きながら、なんと15期連続の増収増益。その信念は揺るぎない。 「地元で集めたお金”=預金」を「“地元の企業に還元”=融資する」という金融の原点。しかしそれは言うはやすいが、行うは難い。融資先の可能性や状態を見誤れば、すぐに金融機関として立ち行かなくなるからだ。そこで山本は72歳の今も、現場でしか感じとれない“空気”があると、毎日5件の融資先の工場などを訪ね歩き、厳しくも、愛情豊かな目で見守る。 この夏部下とともに挑んだ、ある会社への支援。その行方は?熱血金融マンの格闘の日々に密着!
5つ星のホテルから話題のスイーツ“ウチカフェ”、視察が絶えない新時代のショッピングモールまで、“時代の顔”を生み出すヒットメーカー、柴田陽子。企業や商品の価値を引き出し新たなブランドを作り上げる、ブランドプロデューサーとしての手腕が注目を浴び、日本を代表する企業から依頼が殺到する。 「ブランドを作る上で本当に大切なアイディアは、道の真ん中にある」と語る柴田は、二児の母でもあり、かつ元秘書という異例の経歴。9割が女性というユニークな事務所を率いながら、一過性では終わらない魅力あるブランドを生み出し続けてきた。 この夏舞い込んだのは、大手カフェチェーンの再建、そして美容業界に革新を起こす挑戦的な企画。柴田のブランド作りの現場に密着。モノやサービスがあふれる時代、流行に左右されない価値を生み出す、その流儀に迫る。
これまで350人以上のプロが登場した、プロフェッショナル仕事の流儀。彼らが講師となり、子どもたちに仕事の体験を通して、流儀を伝える唯一無二の場、「プロフェッショナル子ども大学」が誕生した!今夏、未来のプロを夢見る小学5、6年生を番組で募集。第1回「もの作り」をテーマに講師を務めるのは、商品開発“伝説のヒットメーカー”佐藤章(59)。型破りの発想で、清涼飲料水や世界初のノンアルコールビール、スナック菓子などヒットを連発してきた。佐藤が子どもたちに課したテーマは“ヒットするスナック菓子を開発せよ”。プロ✖︎小学生の1か月に渡る真剣勝負。もの作りを通して“生きる力”は得られるのか。プロの“流儀”に触れて、目の色が変わる!前代未聞の授業が始まる。
流行を生み出し続ける街・ハラジュク。 若者から「神」と呼ばれる3人のカリスマに密着した特別版。 美容師・髙木琢也(33) 予約は常に2か月待ち。月間最高売上1200万円。日本最大規模のヘアコンテスト2年連続1位。伝説を作り続ける、今、最も予約が取りにくいとされるカリスマ美容師。髪で人生を変える、驚きの現場。 古着店長・むゆあ(20) 原宿に通う若者から熱烈に支持される人気古着店のカリスマ店長。ファッションリーダーとして注目を集めるが、今に至るまでには鬱屈した学生時代が…。人生を変えた、ハラジュクとの出会い。 モデル・横田真悠(19) 榮倉奈々、木村カエラ、北川景子、武井咲、中条あやみ、桐谷美玲、永野芽郁ら「時代の顔」を生み出してきた人気ティーンファッション誌の専属モデル。今年の表紙登場回数は最多の5回。今、最も勢いに乗るカリスマモデル。19歳の挑戦と苦悩。
2016年10月の監督就任会見。中田久美は、高らかに宣言した。しかし、世界の強豪国には190センチ台の大型スパイカーがズラリと揃うなか、日本代表にはゼロ。ロンドン五輪銅メダルの立役者・木村沙織は引退し、その代わりとなる選手も見当たらない。4年後の東京五輪で“伝説”を作ることがいかに困難か、誰の目にも明らかだった。それでも代表監督に立候補した中田の“強さの源泉”を探るべく、密着取材は始まった。
市川海老蔵、40歳。5年前に父、十二代目市川團十郎を亡くし、市川家を率いる長となった。2人の子を持つ父として、そして350年の歴史を背負う歌舞伎俳優として、「少しずつ歌舞伎の理想に近づきたい」と語る。 海老蔵が挑むのは、270年前に二代目市川團十郎が演じた「雷神不動北山櫻」。海老蔵はこの伝統ある演目に、大きく変更を加え、自ら5役を演じる。 海老蔵がセリフを発すれば、客席から笑いがおきる。迫真の大立ち回りでは、満場の拍手がわき起こる。たとえ伝統であろうと、「荒らして」いく。 それこそが、伝統を次に繋いでいく一歩となると、答えなき芸の道を突き進む。 そして、「歌舞伎の道に進みたい」と宣言した5歳の長男、勸玄。夏、初の昼夜2公演に挑んだ。演じる役は合わせて3役、セリフもある。 迎えた本番、1000人以上の観客が見守る中、勸玄は・・・。 父から子へ、350年の歴史を背負い、繋いでいく。歌舞伎俳優・市川海老蔵に密着した。
ADHDや自閉症、虐待による心の傷など、子どもの“心”を診る小児神経科医・友田明美(57)に密着。その診察室には切実な思いを抱えた親子が訪れ、友田との対話を通し、心の重荷を下ろしていく。友田は、虐待が脳に与える影響を世界で初めて実証し、研究の分野でも最先端を行く。児童相談所への相談件数が過去最多の13万件を記録する中、親子を励まし、時には10年以上にわたって伴走する友田の流儀に迫る。
若干23歳で『東京ラブストーリー』という大ヒット作を献上して以来、『mother』『最高の離婚』『カルテット』など名だたるヒットドラマを手掛けてきた脚本家・坂元裕二(51)。 描くのはシングルマザーや犯罪加害者家族の葛藤など、テレビドラマでは希有な難しいテーマ。“坂元節”としか呼びようのない、鋭く、生々しいセリフで逆境に生きる人々のせつなさやたくましさを丁寧に書き続けてきた。 これまで一度もテレビ出演をしたことのない坂元から「最初で最後」という取材が許されたのは今年3月。キャリア絶頂の最中でドラマ制作の休止を宣言した直後のことだった。 自身初となる舞台脚本の創作現場にカメラが密着、新境地を切り開こうと葛藤する姿を捉えた。ーそして生まれた新たな物語。孤高の脚本家、思索の記録。
空前のブームに沸くプロレス界。数年前まで閑古鳥が鳴いていた客席にファンを呼び戻したのは、“100年に一人の逸材”棚橋弘至や、“リングにカネの雨を降らせる男”オカダ・カズチカといった個性あふれるプロレスラーの登場だ。だが今、並みいる看板レスラーを抑え、ファンから圧倒的に支持されるプロレスラーがいる。内藤哲也、36歳。スポーツ紙などの記者が選ぶ「プロレス大賞」は2年連続MVP。ファンによる人気投票「プロレス総選挙」でも2連覇。グッズは飛ぶように売れ、所属プロレス団体のおよそ4割を占めるほどだ。 内藤の魅力は、必殺技「デスティーノ」に象徴される、抜群の身体能力を生かしたダイナミックな技。だが、ファンが支持するのはそこだけではない。目つぶしなどの反則も辞さない熱いファイトや、ときにはチャンピオンベルトをも投げ捨てる“制御不能”っぷりにある。本人は否定するが、その存在はヒール(悪役)。 なぜファンはそんな内藤に心惹かれるのか。番組ではその秘密を探るべく、2か月にわたって内藤に密着取材を敢行。カメラが捉えたのは、リングを離れてもなおプロレスのことを四六時中考え続けるストイックな生き様。ジムで体をいじめながらその日行われた試合を見返し、反省材料を洗い出しては翌日の試合に生かす。プロレスを語る内藤の瞳は、かつてプロレスファンだった“内藤少年”そのもの。プロレスを愛する、あまりにも無垢な素顔に迫る。
先天的な障害や、事故や病気で失った体の一部を補うシリコン製のボディパーツ“人工ボディ”。この分野のパイオニアとして知られる、福島有佳子(47)。キャリア26年、2000人以上の体をよみがえらせ、時に人生も変えてきた。血管やシワなど細部までリアルさを追求することはもちろん、ネイルやオシャレなサンダルを楽しみたいという女性客の要望にも徹底的に応えてきた。 取材を始めた7月。肌の露出が増える時期、一人の女性が福島の工房を訪ねてきた。彼女の依頼、それは福島も経験がない難題だった——涙を笑顔に変える、“女神”の闘いが始まる。
女性がかかるがんの中でもっとも多い、乳がん。11人に1人が罹患するいま、手術から化学療法まで、治療法もめまぐるしい進歩を遂げている。そのフロントランナーとして注目されているのが、昭和大学病院のブレストセンターでメスを執る外科医・明石定子(53)だ。乳腺外科一筋25年の明石。その腕を頼って全国から患者が訪れ、これまでおよそ3000件の乳がん手術を任されてきた。明石の手術最大の特徴は、術後にあわられる。がんを切除した胸ができるだけ変形しないよう、細やかな手技で形を整える。さらに、術後の痛みも少ない。 その明石が、もっとも大切にするのは、患者が「納得」する治療を施すということ。ただがんを治すだけではなく、患者が自ら治療法を選択し、納得することで、その後の人生を前向きに生きられると考えている。 “神の手”とまで言われる繊細な技と、患者への深い思いを見つめる。
いま、日本の製造メーカーや海外のエンジニアが“からくり人形”に熱い視線を送っているのを、ご存知だろうか。 電気的な動力などを使わずに人間のように振る舞う、木と糸で出来た人形。シンプルな仕掛けで複雑な動作を可能にする“発想力”、木材からギアや歯車を削りだす“職人技”、まさに日本のモノづくりの原点として“からくり人形”が見直されているのだ。 そんなからくり人形の製造や修復を、280年、家業にしてきたのが9代目玉屋庄兵衛だ。 京都の祇園祭やユネスコ無形文化遺産に登録される愛知の犬山祭では、山車の上で披露される“からくり人形”を代々守り続けてきた。さらに9代目は、修復不可能といわれた江戸の人形たちを次々に復元。確かな腕を、世に知らしめてきた。 今回の取材では、市場価値1億円のからくり人形の修復に挑戦。ひょうひょうと作業する姿から見えた、9代目の流儀とは。そして、尼崎の名刹から舞い込んだ新作の依頼。9か月に及ぶ製作現場にカメラが密着した。
「仏教界の革命児」と呼ばれる、僧侶・高橋卓志。100人いれば、100とおりの送り方があると、手作りの温かな葬儀を創り出してきた。高橋の葬儀は、「聞き取り」で始まる。故人の人生を遺族から聞き、音楽と写真を駆使して短い物語にまとめる。物語には、人を癒やし強くする力があるという。そして、高橋に末期がんの40代の男性から相談が寄せられた。心配は、妻。最愛の夫を失う妻にどんな葬儀で向き合うか、挑戦が始まる。
「進撃の巨人」「ワンピース」など数々の作品に声で魂を込めてきた、声優・神谷浩史(43)。声優ブームといわれる今、「オファーがなければ収入ゼロ」という厳しい世界で、神谷は業界最大の顕彰式で数々の栄冠を手にするなど、圧倒的な存在感を放っている。現場からの信頼は絶大で、神谷の声は“リアル以上にリアル”と評される。今回そんな実力派声優・神谷に5か月間密着。アニメのアフレコ、外国ドラマの日本語吹き替え、テレビ番組のナレーションなど、神谷は現場現場で、期待以上の「声」を追求する。仕事を全うしたいという信念の陰には、過去に経験したある大事故が関わっていた。 そして新たに挑む、新感覚の朗読会。2000人の観客を前に、「声だけの演技」で魅せる大きな舞台。ギリギリまでこだわったクライマックスシーン、迎えた本番で神谷は、どのような声で表現したのか。「声優は、作品やキャラクターがいないと存在できない」と語る神谷。己の声だけで生き抜く、その覚悟とは。声優・神谷の闘いの日々に迫った。
熊本県をPRするためにこの世に生を受け、9年。関連商品の売り上げは年々増え続け、いまや年間1400億円。熊本県に莫大な経済効果をもたらし、キャラクターの好感度調査では名だたる人気者を押さえ、堂々の首位。大手出版社の伝記まんがシリーズには、去年、人以外で初めて名を連ねた。 いち自治体が作ったキャラクターが、なぜここまでの存在になれたのか?今回、その秘密を探るべく、くまモンに2か月にわたって密着。彼が大切にする、公務員としての流儀をあぶり出す。その背景には、全く人気の出なかった下積み時代や、熊本地震で全ての活動を自粛した過去があった。 さらに今回、熊本県庁「くまモングループ」の活動にも初密着。そのプロデュースの裏側に潜入し、くまモンとその仲間たちの、決してゆるくない流儀に迫る。
この夏、しんかい6500(通称・6K)が向かったのは、小笠原諸島の北西に位置する海底火山。海深くに潜り、希少生物のアルビンガイを探し、謎に包まれた生態を解明する。番組では、9日間の航海に密着。1989年の誕生以来、世界を驚かせてきた有人潜水調査船の“流儀”に迫る。私たちの知らない深海へ、大冒険が始まる。
「北海道物産展」は、百貨店業界にとって重要なイベントだ。集客力が極めて高く、デパート入場者数が通常の倍近くに達することもあるという。この北海道物産展に人生を賭ける男、本田大助が大事にするのは、「縁」。元々もは関係の無かった生産者や料理人などが本田を介してつながるとき、それぞれが気づいていなかった可能性や、新たな価値が生まれる。商人の役割とは何か。その原点を問うかのような本田の日々を見つめる。
東京オリンピックの式典も手がける、演出振付家・MIKIKO(41)。その独創的な振り付けと最新テクノロジーを駆使した演出で“恋ダンス”の星野源や紅白歌合戦「椎名林檎と宮本浩次」など数々のアーティストを輝かせてきた。 番組では振り付けが生まれる瞬間を取材し、創作の秘密に迫る。さらにPerfume全国ツアーでは大きな賭けに出る。予想を裏切る大胆な演出は成功するのか!? 今、注目の演出振付家、その挑戦に密着!
華やかに細工され、ウニやトビコで彩られたイカ。だしの余韻がふわりと残る漬けマグロ。福岡・北九州のすし職人・天野功(62)の握りは、日本料理がシンプルさを突き詰める中、緻密に考え抜かれた「たし算」の妙技。この冬、極上のサワラを手に入れた天野。地元漁師の思いを客に届けるため、その真価を引き出すための調理法を見つけ出す。すし一筋62年、涙もろくて頑固なプロフェッショナルの、年の瀬の挑戦に密着する。
日本一の観客動員数を誇る喜劇集団「吉本新喜劇」。今年結成60年を迎える劇団のなかで、ひときわ異彩を放つ破天荒座長・小籔千豊(45)。新喜劇の歴史上初めて、座長でありながら東京へ進出。かつて「大阪の文化」と呼ばれた新喜劇を全国区へ押し上げた立役者だ。180日にわたる密着で浮かび上がってきた、誰も見たことがない素顔とは?!
今もなくならない医療事故。その中で、事故を未然に防ぎ、被害を最小化するために格闘するのが、名古屋大学病院の医師・長尾能雅(49)。「逃げない、隠さない、ごまかさない」という信念のもと、主治医などに聞き取りを行い、事故の原因を徹底的に追求。院内で起きるさまざまなトラブルに毅然と対応してきた。「医療安全」専門の医師という、全く新しい分野を切り開いてきた長尾の哲学に迫る。
秋田に「伝説の杜氏」がいると聞きつけ、密着取材を開始したのは2018年夏。「酒造りを知りたければ、田んぼに来い」。杜氏・高橋藤一(73)が見せたのは、肥料をできる限り与えない米作り。秋、酒造りが始まると、半世紀かけて培ってきた技術の「粋」を、高橋は惜しげもなく見せた。なんと、働き方改革まで・・・!? これまで全国新酒鑑評会で金賞19回。酒造りの常識「櫂入れ」を廃止するなど、革命児として名を轟かせてきた高橋。しかし、どれだけ評価されてもまったく売れない時代があった。困難な日々を、支えてくれた人がいた。 「俺の酒造りの、最後の挑戦」。この冬、高橋は、最高峰の酒「大吟醸」づくりに新たな手法で挑んだ。だが想定外の事態が頻発。驚きの決断とは?うまい酒は、こうして生まれる。200日の記録。
幼い我が子を背負いながら工房に立ち続ける革製品修復職人・保科美幸。100万円を超える高級バッグを次々と修復し、有名ブランドからも直接依頼が届くほどの業界屈指の腕利きだ。かつて目的もなく渋谷をブラつくコギャルだった保科が、なぜ職人の世界に飛び込んだのか?そして、この冬、修復の域を超えた前代未聞の依頼が。保科はどう立ち向かうのか?母親でありながら一流の職人として工房に立ち続ける、そんな保科の覚悟の日々に迫る。
“放浪の菓子職人”と言われる男がいる。小幡寿康(72)、自分の店を持たず、店から店へと渡り歩いては極上のあんこ炊きを伝授し、その技ひとつで30軒以上の菓子店を再建させてきた。名だたる老舗や名菓子店が教えを請うその製法は、まさに型破り。300年以上変わらずにきたあんこ炊きに革新をもたらし、小豆本来の香りを存分に含んだその味は、極上と称される。 実は小幡は、かつてある店で皇室御用達の菓子を任される職人だった。その男が、いわば流しの生き方を選ぶことになった謎。小幡の旅に長期密着する中で、秘められた思いが明かされていく。これまで裏方に徹し、決して表に出ることのなかった男が、旅路の果てに得たものとは…。半世紀、あんこを炊き続けてきた男の技と心に迫る。
医療過疎が進む青森で地方の救急医療のパイオニアとして命を救ってきた医師!この道30年のエキスパート、救急医・今明秀(60)。雪が舞う冬の青森をドクターヘリで駆け巡る!若き日に感じたへき地医療の限界と絶望。そこから、行政にドクターヘリやドクターカーの導入を訴え、体制や仕組みづくりに立ち上がった。あきらめない強い気持ちを持ち、1分1秒を争う極限の現場で患者の命と向き合い闘い続ける、信念の医師を追う!
“美尻”ブームの中、絶大な人気を集めるお尻専門のトレーナーがいる。「美尻の魔術師」の異名を持つ、美尻トレーナーの第一人者・岡部友(33)。彼女の元には、丸くて大きいお尻を目指す女性が殺到する。 岡部はアメリカの名門・フロリダ大学留学中にアスリートなどを指導するトレーナーの資格を取得。栄養学や解剖学にも精通する。膨大な知識を元に、これまでに数えきれないほどの女性を変身させてきた。岡部は、言い切る。「お尻は、絶対に変えられる」と。主に脂肪でできたバストと異なり、ヒップはそのほとんどが筋肉で構成されているため、正しくトレーニングを積むことによって、確実に、丸く大きくすることができるのだという。 だが、岡部が真に目指すのは、お尻から“心”を変えること。その思いの原点には何があったのか?密着取材を進める中で、岡部自身が「大失恋」と振り返った過去が明かされる。 仕事に恋愛、結婚…。悩みが尽きない女性たちが自分らしく生きるための後押し。その仕事に人生をかける岡部と、強くなろうと奮闘する女性たちの物語。1か月の記録。
日本人が愛してやまない、カレー。今回は王道と革新、2人のカレー料理人に密着する。 いまカレーの新定番として注目されるのが何十種類ものスパイスを駆使して作る“スパイスカレー”。その人気を牽引する1人、植竹大介(46)。植竹のカレーは、意外な食材とスパイスを組み合わせた独創的な味。しかも店に決まったメニューはなく、月替わりや日替わりで新しいカレーを生み出し続けている。20年で1000を超えるレシピを開発してきた植竹のカレー哲学に迫る。 一方、伝統的な手法でカレーを極めるのが、小美濃清(70)だ。今年で38年目となる小美濃のカレーは、ルーを使ったいわゆる“王道”。丁寧に下ごしらえしたとびきりの食材と、一週間寝かせたルーで手間暇を重ねて作り上げる一皿はまさに極上だと、有名グルメサイトでも日本一を獲得。王道と革新、全く違う2人の男が作るカレーと人生を追った。
格付けでは数段劣る牛肉を、最高ランクに勝るとも劣らない味へと昇華させる男がいる。精肉店店主の新保吉伸、57歳。滋賀県草津市にある店には、新保が手がける肉を目当てに全国から客が押し寄せ、星付きレストランを始め、年間300軒以上の店が、その肉を卸して欲しいと取引を願い出る。新保は、肉に“熟成”という魔法をかけることで、その肉が本来持っていた個性を引き出す。18年の研究を重ねて確立させた独自の下処理や、9年かけて育てた菌や微生物を使った熟成。徹底した肉本位の仕事から生まれる味は、「和牛の新境地を開いた」と評される。「名もなき牛こそ、美味しくしたい」と語る新保。だが、30代の彼は、今とは真逆の人生を歩んでいた。どん底で見つけた生きる道、あえて茨の道を選択することで手に入れた精肉店店主の誇りとは…。孤高の匠の技と心に迫る。
予約は常に2か月待ち。月間最高売上1200万円。日本最大規模のヘアコンテストで3年連続1位。伝説を作り続ける、「いま最も予約が取りにくい」とされるカリスマ美容師・高木琢也(33)に密着。 ▼泥をなめ続けた失敗だらけの過去…両親に誓った約束とは? ▼期待のアシスタントに愛の指導! ▼人生初の海外進出に密着!次々起こるアクシデント!苦境に追い込まれた高木…美容師人生最大の危機に打ち出した秘策とは?
芸者・赤坂育子(79)。長年、東京・赤坂の宴席を艶やかに彩ってきた。若手の芸者が舌を巻く踊りと、徹底した気遣いで、石原裕次郎や岸信介などそうそうたる大物たちをとりこしてきた。2016年には芸者として初めて旭日双光章を授章。まさに花柳界の生ける伝説だ。 芸者一筋62年、いまなお現役で活躍する育子は、生活すべてを芸者の道に捧げている。自宅を稽古場にし、親子ほど年の離れた芸者衆とともに踊りの鍛錬を欠かさない。食事や掃除、朝起きてから夜眠るまで、1分1秒が芸者としての仕事と語る育子。79歳、体調は万全ではないが、お座敷では全身全霊をかけ、客をもてなしていく。 だが、芸者を取り巻く環境は年々厳しくなっている。料亭の数も減少傾向にあり、働く場所が失われつつある。そんな中育子は、今年3月の春の大宴会に向け、後輩の芸者たちに、新作の踊りで挑もうと提案した。しかもそれは、後輩たちが経験したことのない難題—— そこには、育子が次世代の芸者たちに伝えたい思いがあった。昭和・平成・令和をひた走る芸者の生きざまに迫る。
亡き人を悼み、送る「納棺師」。映画「おくりびと」では、父と共に技術指導を行い、今、葬送の世界に新たな風を吹かせている納棺師がいる。木村光希、30歳。木村の元には、全国から様々な依頼が舞い込む。「おしゃれが大好きだった母を、最後はきれいな姿で送りたい」、「十分に話せなかった父と、最後の時を過ごしたい」、「果たせなかった、母への親孝行をしたい」・・・。亡き人の体を拭き、化粧を施し、棺に納める。人が亡くなり、棺に納められるまでの間、木村は、亡き人の家族や友人が、死を悼む時間と空間を創り出す。時に、その納棺は、届けられなかった声を届け、納棺を終えた遺族は、晴れやかな顔になる。 父の背を追い、納棺師となった木村。時にいわれのない偏見を受けることもあった。だが、「より良い送り方をすることが、人を変え、社会を変えていく」と力強く語る。 死と向き合い、今を生きる人にささやかな光を届ける、“おくりびと”の記録。
出版不況をものともせず、発行部数を伸ばす“食の専門誌”がある。発行部数は毎月10万部以上。その編集長を務めるのが、植野広生(56)。読者の胃袋に訴えかける、独自の視点や斬新な企画を連発。2年前、植野が編集長になって以来、売り上げは10%以上伸びている。その秘密は、徹底した現場主義。植野自身も全国各地の名店を食べ歩く。その数、年間600軒。「おいしさとは、なにか」、その答えを探し求め、自分の足で、目で、舌で、見極める。 ここ最近植野は、食パンやおにぎり、さらにはシュークリームなど「シンプルな料理」をあえて取り上げ続けている。インターネットにおいて、食に関する情報があふれかえっている時代。そんな時代だからこそ、「シンプルで、おいしい、本物」を読者は求めていると植野は言う。 番組では、雑誌作りの現場に密着。いかにして、隠れた名店を探しているのか?理想のおいしさとは何か?自称“食いしん坊ニッポン代表”という名物編集長の、「覚悟」に迫る。
秋葉原の定番スポット、メイドカフェ。とある店に「レジェンド」と呼ばれるメイドがいる。その名はhitomi(志賀瞳)。メイド服をまとうこと14年。料理や飲み物にかけるおまじない「萌え萌えきゅん」など個性的な演出を数々編み出し、メイドカフェの礎を築いたパイオニアだ。店に所属する約300人のメイドのトップに君臨し、近年は後輩の指導育成にも力を入れている。 なぜ、hitomiは「レジェンド」と呼ばれるのか。その背景には、客から無視された新人メイド時代、「アキバブーム」で向けられた冷やかしの目など、数々の困難に直面しながらも自分を貫き通した過去があった。 男性客だけでなく女性客も増え、ときには修学旅行生が来るほどの観光スポットとなったメイドカフェ。増え続ける外国人観光客をどうもてなすかなど、様々な課題に真摯に取り組み、メイドカフェをこの国の「文化」にすべく奮闘するカリスマメイドに密着。「萌え」の流儀に迫る。
国民の4人に1人が、悩んでいるといわれる、『腰痛』。その腰痛治療のスーパードクターが、四国にいる。徳島大学の整形外科医・西良浩一だ。西良の武器の一つは、徹底した問診。これによって特定が難しいといわれる腰痛の原因を、見事に突き止めていく。その様子は、まるで探偵のようだ。そしてもう一つの武器は、内視鏡手術の凄腕。患部が「これまで不可能」といわれていた場所であっても、自ら開発した手術法を駆使し、治療する。「日々進化し続けること」を自らに誓い、挑み続ける医師の格闘の日々を捉えた。
世界一清潔な空港として名高い「羽田空港」。2016年に、世界中の国際空港の中で「最も清潔な空港」として賞を受けて以来、今年2019まで実に4連覇を成し遂げた。 その清潔さを支える清掃員500人の頂点に立つのが、新津春子(49)。技能選手権・最年少で日本一に輝くカリスマ清掃員だ。4年前に取材して以来、世界中で紹介され、その業績は道徳の教科書にまで記載。日本人残留孤児2世として差別を受けてきた新津だが、今では「国宝級日本人」とアジア各国で称えられるようになった。 そんな新津は今、自分の技術をさらに高めようと新たな清掃の道へと歩み始めた。それはハウスクリーニングと駅の清掃。空港だけでは経験できない新たな汚れと向き合いたいという。そのために道具選びや鍛錬など、毎日腕に磨きをかける新津。その日々を再び取材した。
メーカーですらさじを投げる故障家電を、95%以上という驚異的な成功率で再生させる男がいる。電器店主、今井和美(60)。今井が営むのは、三重の山深い里にある小さな電器店。そこにはもう修理できないと断られた家電が全国各地から送られてくる。その数は年間数百件、行き場をなくした家電にとっての最後の病院だ。20年前の食器洗い乾燥機、30年前のコンピューター、40年前のカセットデッキ・・・。販売が終わり、部品すら調達できない家電を、今井は驚くべき修理技術でよみがえらせる。町の電気屋さんが消えゆく中、修理一筋50年、時代や環境に流されることなく貫いてきた信念と流儀に迫る。
北陸・石川に、“世界一”のジェラートが食べられる店がある。食べた誰もが驚くのが、果物や野菜の強烈な存在感。「まるで本物を食べているみたい」と評される美味を求めて、県外からも大勢の客が足を運ぶ。店主の柴野大造(44)は2年前、誰も使おうとしなったセロリの爽やかな甘みを引き出し、本場イタリアの大会で優勝。秘訣は、化学式のような緻密なジェラート理論と、生産者の思いをも練り込もうとする情熱だ。開店以来、様々な素材に挑み、これまでに作ったジェラートは2000種類にのぼる。その柴野が立ち向かうのが、長年二の足を踏んできた最難関の食材への挑戦。そこには生まれ育った牧場と父親との知られざる物語があった。
女性を専門に診療する「女性外来」のパイオニア、内科医・天野惠子(76)。更年期障害、微小血管狭心症…女性特有の病気に向き合い続ける不屈の医師 ▼「性差医療」男性と女性でかかりやすい病気に差がある!同じ病気でも治療法や薬の効き方が違う場合も ▼「異常が見つからず、治療法がわからない」絶望の中にある女性たち救う「患者を識(し)る」流儀とは ▼原因不明の病「慢性疲労症候群」に挑む医師の覚悟とは
6年後、700万人を超えるという認知症。令和の日本が直面するまったなしの課題だ。不安と共に語られてきたが、認知症のお年寄りと向き合い、笑顔を取り戻してきたケアのプロフェッショナルたちがいる。家庭的なグループホームで注目された大谷るみ子。認知症の“常識”を覆し普通の暮らしを守り続けてきた和田行男、そして、地域密着型のサービスを充実させ最期まで自宅で過ごしたいという希望を支えてきた加藤忠相だ。これまで番組が密着した、認知症ケアの最前線を切り拓いてきた3人の取り組みを一挙紹介。さらに今回、より地域との距離を縮めようと始めた斬新な試みも取材。「その人らしさ」を奪わないケアの極意を見つめる。
がん治療に革命をもたらした極小ハサミ。その開発者、西村幸(69)▼刃渡りわずか2.4ミリ。誰も思いつかなかった世界最小の内視鏡用のハサミ▼独創的な発想と卓越した技術「無いものは自分で作る」孤高の職人▼「とりあえず、形にする」流儀の意味とは▼自らも11年前に重いがんを患った。ものづくりに懸ける職人の意地▼従来のものよりもさらに25%小さい新型ハサミの開発に着手。西村の執念の現場に密着!
移民社会にかじを切ったと言われる日本。現在、在留外国人は270万人を超え、300万人の大台は目前に迫る。いまやコンビニエンスストアからファストフード店、工場や建設現場、介護の現場においても外国人労働者はなくてはならない存在だ。 だが外国人が増える一方、彼らを受け入れる体制には不備が多く、最低賃金以下の労働や、暴力やセクハラなど様々な問題が頻発している。 そんな問題山積の状況の中で30年にわたり支援活動を続けてきたのが、外国人労働者支援NPO「移住者と連帯する全国ネットワーク」の代表をつとめる鳥井一平さんだ。日本でもっとも外国人労働者問題の事例に接し、解決してきた第一人者。支援してきた外国人、およそ4000人。その実績を評価され2013年、アメリカ政府から日本人として初めて「ヒーロー賞」を贈られた。 なぜ鳥井はここまで外国人のために奔走するのか。そして鳥井がめざす、次の日本社会のあり方とは? 奔走する鳥井に密着する。
大手ガイドブックの三つ星をはじめ、名だたる料理人たちが絶大な信頼を寄せる職人がいる。包丁研ぎ一筋53年の研ぎ師・坂下勝美(76)。その手にかかれば、家庭用の包丁ですら、名刀のような切れ味に生まれ変わる。これまで手がけてきた包丁は20万本以上、佐賀県みやき町の工房には全国の料理人から包丁が届き、研ぎの予約は2年待ちという状態だ。 包丁の刃の表面にほんのわずかなへこみを作り、切った食材との間に「空気の通り道」を作り出す技術や、刃についた小さな「欠け」から使い手の癖を読み、最善の研ぎを選び抜く気配り。命を削るかのようにして研がれた包丁は、食材の繊維を押しつぶすことなく、素材本来の味を引き出す。 しかしかつては、「包丁屋の分際で…」とバカにされる、屈辱的な日々を送ってきた坂下。長年包丁を押さえ続けてきた指は変形し、食いしばってきた歯はほとんど抜けた。それでも今なお道を極めんと、ひたすら包丁を研ぎ続けている。日本の誇る食文化を縁の下で支えてきた、孤高の職人の流儀に迫る。
開業からわずか1年5か月、世界最速で大手ガイドブックの三つ星に輝いた料理人がいる。米田肇、46歳。「地球との対話」という壮大なテーマのコース料理に、約400種類に及ぶ旬の食材を使用し、一つ一つの食材の最高の“輝き”を引き出す。 “孤高の天才シェフ”と言われ、謎のベールに包まれてきた米田だが、今回これまで誰にも見せてこなかった調理の舞台裏に初めて密着。塩1粒、温度0.1℃の差など「常軌を逸したこだわり」の数々が明らかになる。 今や世界から称賛される米田だが、その経歴は異色だ。一度は電子部品メーカーのシステムエンジニアになったが、「料理人になりたい」という幼い頃からの夢を諦めきれず、25歳で脱サラして調理学校に入学。血のにじむような努力の末に三つ星に輝いたが、実はその後も、誰にも打ち明けられなかった苦悩と葛藤の日々が待ち受けていた。そして、進むべき道を示してくれた常連客との出会いと、今に続く10年の物語があった―。“孤高の天才シェフ”、その素顔に迫る。
「伝説」とされる、あの家政婦が再び登場! 料理専門の家政婦・タサン志麻は訪ねた家庭に残された食材と調理器具だけで、3時間でおよそ1週間分、15品を超える“つくりおき”を即興で作りあげる。しかもレストラン顔負けの本格フレンチから、和食、中華、デザートまでバリエーションは600以上。さらに家庭の状況や会話からヒントを得て、客が求める料理、好みの味付けを生み出していく。 そんな志麻が今年、第二子を出産。現在、育児の合間を縫って、忙しい人でも簡単に作れるレシピ本作りに取り組んでいる。だが、そこには思わぬ壁も・・・。 伝説の家政婦・タサン志麻の、もうひとつの物語。
山崎豊子の小説『華麗なる一族』の舞台として知られ、国内外の賓客をもてなしてきた三重の老舗ホテル。その7代目にして、女性初の総料理長・樋口宏江(48)に密着する。伊勢志摩サミット(2016年)で、自ら考案したフルコースでオバマ大統領(当時)など各国首脳をうならせた「樋口ワールド」と称される極上フレンチの秘密に迫る。樋口には、「男性社会」とされる料理界で女性のキャリアを切り開いてきたパイオニアとしての顔もある。二児の母として、夕方になると自宅に戻り、夕飯の支度をするのが日課。だが、この夏、アワビの長引く不漁で、新たな看板メニューの創作を迫られた。だが、メニュー開発は、苦戦。そこで繰り出した一手とは。母として、総料理長として、「昨日よりも今日、今日よりも明日」と挑み続ける日々の記録。
国民的俳優・吉永小百合(74)が異例の長期密着取材を受け入れた。最新映画の制作舞台裏にカメラが潜入し、その一部始終を記録。ディレクターが目にした“意外な素顔”とは?10か月にわたる密着取材で国民的俳優の実像に迫る73分スペシャル。 去年11月の取材初日。吉永は、はにかむような表情で言った。「60年間、自分をプロだと思ったことはありません。でも、この取材を通してプロになるにはどうしたらいいか、自分を見つめ直せたらと思っています」。その真意はどこにあるのか…。取材は、吉永にとっての“プロフェッショナルとは”を探す旅となった。 密着は、衣装合わせに始まり、クランクアップ、さらにはプライベートに及んだ。過去にも密着番組はあったが、吉永のスタッフ曰く「これほど密着されるのは初めて。最初で最後」。やがて私たちは、フィルムには記録されることのない闘いを吉永が繰り広げていることに気づいた。それは、“限界”との闘い。撮影終盤のアクシデント。撮影続行を望んだ吉永の覚悟とは…。 あなたは、本当の吉永小百合を、知る。
“見えにくい障害”として社会的な注目を集める「発達障害」。文科省の調査では小中学生の15人に1人が発達障害の可能性があるとされるが、「こだわりが強い・空気が読めない・じっと座っていられない」など、大なり小なり誰にでもある特徴のため、周囲に気付かれないまま苦しみ、心の病で不登校や引きこもりになるケースも多い。 そんな中、31年にわたって発達障害と向き合い続ける不屈の医師がいる。信州大学医学部附属病院の精神科医・本田秀夫(55)。発達障害を専門にする日本屈指のスペシャリストで、乳幼児期から成人期まで長期にわたって診察を続けるという世界的にもまれな臨床経験を持つ。 本田の診察室には、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害(LD)など、様々なタイプの発達障害のある人たちがやってくる。そこで本田は、自信を失った人たちの生き方を肯定し、「相手のすべてをリスペクト」してカウンセリングする。 「発達障害の特徴は決してゼロにはならない。それは優劣ではなく、病気とも限らない、あなたの個性そのものだ」と語る本田。「“普通”とは何か?」「“幸せ”とは何か?」そんな根源的な問いを胸に、生きづらさを抱えた人々を笑顔で包み、寄り添い続ける本田の流儀に迫る。
中村倫也・松坂桃李・菅田将暉…人気俳優を次々と世に送り出す芸能プロダクションの社長・渡辺万由美(57)に密着。数千人を抱える事務所もある一方で、渡辺は目の届く範囲しか抱えない。その根底には「実家のように」「人生を預かる」という流儀と覚悟があった。華やかな世界に身を置きながら「人見知り」と語る渡辺の3か月の記録。芸能界にこんな社長がいたなんて!
モンスター・井上尚弥(26)に、密着10か月!世界最強を決める世紀の一戦、その舞台裏▼18戦全勝16KO!世界が注目する「怪物」の強さの秘密を長谷川穂積、八重樫東らが解説▼「衝撃の70秒KO」の真実▼究極の反復練習!世界をとるためにやるべき「努力」とは▼あこがれの「父親の背中」の意味▼運命の対決・ドネア戦、井上陣営の秘策▼初めてのスランプ!今大会で見せた井上の弱音▼井上尚弥「引退」を語る!?
山本千織(57)が弁当販売を始めたのは、8年前。季節ごと彩り豊かで丁寧に作り込んだおかずが10種類以上も詰め込まれた弁当は瞬く間に人気を獲得した。見た目が美しく、ヘルシーなだけでなく、男性も満足させるボリューム感。「ロケ弁」の世界で不動の人気を誇る弁当は、いかにして生み出されるのか?日々、お弁当作りに奔走する方、必見の50分!
キティにマイメロディ、キキララ、シナモロール…人気キャラクターに会えるテーマパークが今、ブーム。年間200万人以上が訪れている。特にオトナ女子から絶大な支持を得て、インスタグラムなどのSNSで話題に。休日ともなれば、開店1時間以上前から大行列ができる。だがこの施設、5年前までは赤字続きでじり貧の状況だった。それをV字回復に導いたのが、社長を務める小巻亜矢だ。赴任当初はテーマパークに関してはずぶの素人だったという小巻だが、キャラクターもスタッフも変えることなく、来場者数をほぼ倍増させた。 一体どのようにして成し遂げられたのか。その手腕に迫るべく、今回、テーマパークのバックヤードに初めてカメラが入り、小巻の仕事に密着。そこには、キャラクターの見せ方からお土産商品のデザインまで寸分の妥協も見せないこだわりと、社員への信頼を貫く姿勢があった。 さらに、夏から新たに小巻が舵取りをすることとなった九州・大分のテーマパークで仕掛けるビジネスの現場も追う。
東大合格者数全国トップレベルの超進学校に在籍しながら、“教えない”教育で注目を集める型破りのカリスマ教師がいる。生徒たちから「イモニイ」の愛称で親しまれる井本陽久、50歳。その授業をひと目見ようと、全国から教育関係者が続々と見学に訪れる。 「できる・できない、正解・不正解に意味はない。大切なのは、自分の頭で考えること」と断言する井本。授業では教科書を全く使わず、ノートも一切取らせない。使うのは、生徒の解答を元に作られたオリジナルプリントのみ。1時間でたった1問、答えすら出ないまま授業が終わることもある。だが生徒たちは夢中になって立ち上がり、ライブのように拍手が沸き起こる。教えないのに、伸びていく。その裏には、1時間の授業のために時に10時間以上かける地道な準備と、子どもたちの心を動かす“仕掛け”がある。 2019年の春、井本は27年勤めてきた学校の正職員から非常勤講師になり、授業数を減らす決断をした。その分、進学校だけでない様々な生徒のために学外に立ち上げた教室と、22年間続けてきた児童養護施設での指導に時間を割く。朝から夜まで、異なる学びの場を飛び回りながら、思い描く教育を模索している。 変化の激しい、先の見えない時代。生きていく上で、本当に大切にしなければならない学びとは何か。教育のみならず、子育てや人材育成などにも通じる「人を育てる極意」とは。
日本社会が抱える大きな問題のひとつ、ひきこもり。家族以外との交流を断って孤立している人は100万人を超え、その半数以上は40歳以上の中高年と言われる。 その現場で20年に渡って、ひきこもる人たちの支援に当たってきたエキスパート、石川清(55)に密着。組織に属することなく、たった一人で支援を続ける一匹狼だ。他の医療機関や支援団体ではどうすることもできなかった“重度のひきこもり”の人たちを中心に支援する。 他者との関わりを拒絶し、支援を受けることすら拒む人たち。石川は彼らのもとを訪問し、何年もかけて信頼関係を築き、希望の明かりを灯してく。石川の支援によってひきこもり状態から脱し、就職や結婚にいたる人もいる。評判を聞きつけた家族からの依頼が絶えない。 心の扉をたたきつづける石川の日々に密着し、人を癒やすとはどういうことなのか、そのありのままの姿を見つめる。
東京・田園調布にある動物病院には、少し変わった動物が訪れる。左目が腫れたカメレオン、おなかを詰まらせたサバンナオオトカゲ、ペニスが出っぱなしになったフクロモモンガ…。院長・田向健一は、あらゆる動物を診る“珍獣ドクター”。だが、この道20年、100種以上の動物を診てきた田向をも悩ませる難しい患者がやってきた。一刻の猶予もない緊急手術。頭をよぎる14年前の苦い記憶。命を巡る戦い。
「ダリアの神様」と呼ばれる育種家・鷲澤幸治(72)に長期密着! 秋田市の郊外にあるダリア園で、花業界に衝撃を与える斬新な新品種を次々と生み出し、かつては地味な存在だったダリアをハレの日を彩る人気の花へと押し上げた。はだしになって土にまみれ、畑の脇の小屋に寝泊まりする日々。その裏にある壮絶な人生。ダリアにのめり込むあまり、犠牲にしてしまった家族への思い…。“魔性の花”にとりつかれた男と家族の物語。
児童虐待の相談件数が過去最高値を更新するなか、大人になってなお、かつて受けた虐待の傷に苦しむ人がいる。高橋亜美(46)はそうした人を支援してきた第一人者。相談者と向き合い、人生を懸けて支える。「支援にゴールはない」と言い切る彼女には壮絶な過去があった。虐待を受け、「死にたい」と思い詰めた幼き日。そのとき見つけた希望の灯(ともしび)とは…。#もしかしてしんどい? #虐待を考えるキャンペーン
越前ガニで知られる福井県・三国港で繰り広げられる、カニに人生を捧げた男たちの物語。カニの旨みを極限まで引き出す料理人。凄(すご)腕漁師、起死回生の漁に密着。「越前ガニ」で知られる福井県・三国港で繰り広げられる、カニに人生を捧げた男たちの物語。▽昨年度のカニ漁解禁日に港史上最高となる691万円の水揚げ額を記録した凄腕漁師・熊谷正数に密着。だが、予想外の不漁…起死回生の策は?▽全国から食通が訪れる伝説の料理人・大森幹夫。茹で一本でカニの旨みを極限まで引き出す凄技とは…。口にした人に衝撃を与える「命のスープ」の秘密。▽大舞台に挑む男と女たち…特別予告編。
日本有数のIT企業トップ・三木谷浩史は今、大きな逆境に立たされている。「携帯電話事業」に新規参入し、料金の値下げにつながると期待されたが、本格スタートが延期。さらに中核のショッピングモール事業でも、送料の一部無料化を巡る問題で、対応を迫られている。その逆風のさなか、三木谷に2か月密着。激烈な競争のただ中にあるビジネスの最前線にカメラを入れ、賛否両論の“問題児”と呼ばれる男の知られざる実像に迫る。
百貨店の大人気イベント「北海道物産展」のカリスマ・本田大助。業界唯一の北海道常駐バイヤーとして、きめ細かな情報網を張り巡らし、知られざる食材を次々と発掘。さらに発掘した食材を使い、スイーツ、コロッケ、海鮮丼などオリジナルメニューも続々と生み出す。本田が何より大事にするのは人の「縁」。海産物の不漁や大地震に見舞われた北海道のために、新たな価値を生み出そうとこの冬も挑む。
「視聴率100%男」と称されたTV界のレジェンド・萩本欽一(78)。去年、80歳までの2年間を“笑い”に専念すると宣言。無名の芸人や俳優を相手に、笑いの徹底指導を始めた。さらに、新たなコント作りにも挑戦。「昭和の奥ゆかしい笑いが欲しくなる、そんな時代が間違いなく来る」と語る萩本。太田光、香取慎吾が見た欽ちゃんとは?“老い”と闘いながら追い求める笑いとは?希代のコメディアンの知られざる日々を追う。
世界一の靴磨き職人・長谷川裕也。1足4000円という高値ながら、どんな靴もピカピカに磨き上げる技術を求め、客が殺到する。だが、彼が本当に輝かせたいものは別にあった。「人生を、磨く」という流儀を胸に靴を磨き続ける長谷川に密着。靴磨きという仕事の常識を覆そうと奔走する姿を追う。靴をピカピカに磨く裏技も大公開!
映画『おくりびと』で、アカデミー賞外国語映画賞を受賞。独特な存在感で世界的な評価を得る国民的俳優・本木雅弘さん(54)が、初めて密着取材を受け入れました。22年ぶりの出演となる大河ドラマ「麒麟がくる」の舞台裏にカメラが潜入し、その一部始終を記録。半年にわたる密着取材で、本木さんの知られざる素顔に迫る73分スペシャルです。
あの超人気テーマパークで史上初となる長期密着取材が実現!ホウキ片手に園内を歩き回る清掃のプロ、夜に保守・点検を行うメンテナンスのスペシャリストに密着。その仕事から見えてきたのは「誰かを笑顔にしたい」という姿勢だった。休園のため春休みに行けなかった人たちに向けて。そして、世の中が重苦しい空気に包まれている今だからこそ、人知れず、誰かの笑顔のために生きるプロフェッショナルたちの物語をお届けする。
2018年3月に放送し、大反響を呼んだ「新しい仕事スペシャル」をリメイク。「なりたい職業ランキング」で上位に入るようになったユーチューバーのカリスマ「HIKAKIN」に密着。世界大会の優勝賞金がときに“億”を超えるプロゲーマーの先駆者「梅原大吾」にも密着。時代が生んだ新たな職業のプロフェッショナルたち、その知られざる戦いの日々から見えてきたものとは?!
数多くの女性誌に連載を抱え、著書の累計発行部数は134万部超えと、人気沸騰のカリスマ美容家・神崎恵(44)。化粧品やメークの知識、服の合わせ方など、美しくなるためのあらゆる方法を授けるプロフェッショナルだ。劣等感に苦しんだ自分の経験から「美容は人生を変える“魔法”」という神崎は、家事や育児にも追われる3児の母。その技と心で、コンプレックスや悩みを抱えたさまざまな人たちを生まれ変わらせる現場に密着!
家で過ごす時間を少しでも楽しく、意味のあるものに!番組の呼びかけに、伝説の家政婦から一流料理人まで、日本各地のプロフェッショナルたちが立ち上がった。「自宅でできる簡単・絶品レシピ」を自撮りで紹介。歳月をかけて“食”を究めてきたプロフェッショナルならではの“知恵”と“技術”が詰まった料理は「食欲」ばかりでなく「挑戦欲」をそそること必至。ご自宅で、ご家族と。ひとりでも!この困難を一緒に乗り越えたい。
新型コロナがもたらす未曽有の危機にどう立ち向かうべきか。そのヒントを探る緊急企画。放送開始から15年、登場したプロフェッショナルは400人以上。各界を代表する一流のプロたちは今、世界各地の最前線の現場でそれぞれの闘いを繰り広げている。今回、そのプロたちに緊急インタビュー!現場で何が起きているのか。それをどう受け止め、どんな行動を始めているのか。この先に何が待っているのか―。熱いメッセージを届ける。
4月に放送し、大きな反響を呼んだ緊急企画「おうちごはん」第2弾。自宅で過ごす時間を楽しくするために『食』を究めたプロフェッショナルが簡単・絶品レシピを自撮りで紹介。日本人初の三ツ星フレンチシェフとなった岸田周三さんは「じゃがいもグラタン」。当代随一とされる天ぷら職人・早乙女哲哉さんは「まかない天丼」。今すぐ作りたくなるレシピが続々登場。この危機を一緒に乗り越えたい。
緊急企画「おうちごはん」第3弾。自宅で過ごす時間を楽しくするために『食』を究めたプロが結集し、簡単・絶品レシピを紹介。『伝説の家政婦』と呼ばれるタサン志麻さんは「フランス風グラタン」。世界一のジェラート職人・柴野大造さんは「アイスケーキ」。ショコラティエ・三枝俊介さんの「フレンチトースト」など今すぐ作りたくなるレシピが満載。ふだん料理しない方も大丈夫!一歩踏み出せば、きっと、うまくいくはず。
プロフェッショナルたちが自宅でできる簡単・絶品レシピを紹介する特別企画「プロのおうちごはん」最終章。フランス・パリで日本人初の快挙を成し遂げたフレンチシェフ・小林圭さんをはじめ、山本征治さん、米田肇さんの三つ星料理人が登場。さらに伝説のパティシエ・杉野英実さん、料理家・栗原はるみさんも。「プロフェッショナル仕事の流儀」ならではの超一流料理人たちによる『夢の競演』を召し上がれ。
本州の北端・津軽半島。日本の原風景が残る美しい土地で30年以上、たった一人で年間5万個のササ餅を作り続ける職人・桑田ミサオさん93歳。山に分け入ってササの葉を採り、材料の小豆から全て手作りで絶品のお餅を作る。「十本の指は黄金の山」という母の言葉を胸に営まれる、知恵と工夫でいっぱいの心豊かな暮らし。仕事とは?人生とは?幸せとは?こんな時代だからこそ心にしみる、つつましく温かな、餅ばあちゃんの物語。
地方の魅力を発信する人気雑誌の編集長でありながら、旅館の再建からまちづくりまで手がける異色の仕事人・岩佐十良(53)。「地方再生のスゴ腕」「地方創生のキーパーソン」として全国から依頼が殺到。東京から新潟の里山に会社ごと移住し、既存の枠にとらわれないその働き方で注目を集める。老舗旅館を再建し温泉街を活性化するプロジェクトに長期密着。危機の中にある日本を復活させていくための、大切なヒントがここにある。
陸上短距離のエース・山縣亮太。日本選手の100mオリンピック記録を2大会連続で更新。リオ大会では400mリレーで銀メダル。山縣の真骨頂は「逆境を乗り越える力」にある。未熟児で生まれながらも、ケガなどの逆境を乗り越えるたびに強くなってきた。東京大会に向けた勝負のシーズンも、病気や故障などの逆境に次ぐ逆境。そしてコロナ禍が…誰もが逆境に立たされている今こそ届けたい、ミスター逆境の流儀。(2020年)
広島が誇るソウルフード・お好み焼き。「当代屈指」と評される職人・市居馨(66)に密着。専門店として初めて有名グルメガイドに掲載されるなどそのお好み焼きは「B級グルメを超えた」と評される。秘密はキャベツの甘みを極限まで引き出す技術。ハイスピードカメラなどを駆使し蒸気を巧みに操る職人技を解明する。だが市居の人生は平坦(たん)ではなかった。飲食業界が苦境にある今だからこそ響く自称「お好みバカ」の生きざま
女優やモデル、一般女性からも絶大な支持を集めるヘアメークのカリスマ・イガリシノブ(41)。「おフェロメーク」で一大ブームを呼ぶなど、常識にとらわれない発想で“時代の顔”を作り出す。今イガリが力を入れているのが、コンプレックスを抱える人たちの悩みをメークで解消する試み。実はイガリも肌が弱くてメークできない劣等感に苦しんできた。5歳の娘を育てるシングルマザーでもあるイガリの、明るく前向きに生きる流儀。
大人気のトンカツはいかに作られるのか? 東京・上野で115年続く老舗洋食店の4代目・島田良彦に密着。タンシチュー、エビフライ、ポークソテー…。池波正太郎や白洲次郎など多くの文化人が愛した味には秘密があった。豚肉は産地やブランドを固定せず、その日の最もいいものを厳選。タンシチューのデミグラスソースは木べらで小麦粉とバターを混ぜ、20日がかりで。手間暇惜しまぬ姿勢の原点には、亡き父との約束があった。
田代誠一郎の釣り船は、2年先まで予約がいっぱい。人気の秘密は、素人でも大物を釣らせてしまうという“ワザ”。狙うのは“ブリ御三家”の1つヒラマサだ。年間1500本以上という実績は、田代の“観察の目”による。潮流や風向き、場所や時間帯、そして客の腕や準備の様子まで見つめる。それらの情報から“運”ではなく、狙ってヒラマサを釣り上げる。舞台は世界有数の漁場として知られる玄界灘。田代のアツイ釣り旅に密着!
新型コロナウィルスとの闘いの最前線となった大学病院で、何が起きていたのか?次々に搬送されてくる患者たち…そこは戦場だった。「記録に残したい」という病院の意向もあり、ディレクターが2か月にわたって常駐し、小型カメラで撮影した。陣頭指揮を執っていたのは、感染症のスペシャリスト・笠原敬。日々摩耗していく現場にあって、笠原は常にひとつ先の景色を見ていた。未知のウィルスに立ち向かう医療従事者たちの記録。
リオデジャネイロ五輪で400メートル個人メドレーを制し、「水の王者」となった萩野公介(25)に独占密着。リオ五輪以降、主要な大会で優勝なし。「水泳がつらいです」と漏らし、海外を放浪した。東京五輪を目指し復帰したものの、待っていたのは試練。ブランクが響き、タイムが上がらない。しかし、萩野はもう逃げなかった。やがてパズルのピースがはまり始める。転落から再起へ。水の王者の知られざる闘いが明らかになる。
ロンドンオリンピックで日本を史上初の団体銀メダルに導いて以来、『女王』でありつづけてきた石川佳純に独占密着。東京オリンピックを懸けた代表選考レースは、伊藤美誠、平野美宇に遅れをとる苦しい展開。「勝負弱くなっている」「卓球やめたいな」と涙を流した。だが『女王』は崖っぷちでよみがえった。彼女に何が起きていたのか? 1000日にわたる密着取材で明かす、誰も知らない石川佳純の記録。
伝説の家政婦、三ツ星フレンチシェフ、中華料理の鬼才、世界的パティシエ…。超一流のプロフェッショナルたちが簡単・絶品レシピを紹介!イチジクのパイ包み、桃のコンポート、くずきりココナッツミルク…。夏を乗り切るスイーツレシピがぞくぞく登場!自撮りならではのハプニングも!?あのショコラティエは肩にギブス…何が?!銀座の名バーテンダーが紹介するスイカカクテル&自家製モヒートも必見。おうちがBARに早変わり!
妻・内田也哉子は見た!強化ガラスをも粉砕する驚異の念?大和田常務ならぬ香川照之は見た!「私なんて」を連発する乙女おじさんの正体。大河ドラマ「麒麟がくる」まで待てない方、必見。3月に放送した本木雅弘スペシャルではご紹介できなかった未公開映像を蔵出し!道三の最期、全舞台裏。本木が「もう一度撮りたい!」と語ったカットとは?バンジージャンプは捨身飼虎?!大型ドローン・最新4Kカメラ投入。本木がまた翔ぶ?!
テニス四大大会のシングルス優勝23回、パラリンピック金メダル3つ、前人未到の107連勝。数々の栄光に輝いてきたレジェンド、車いすテニス選手・国枝慎吾(36)。高速のチェアワークや強烈なバックハンドショットなど革新的な技を次々と開発し、競技そのものを格段に進化させてきた。しかし4年前、ケガをきっかけにリオデジャネイロパラリンピックで惨敗。東京の大舞台を目指す絶対王者、復活への苦闘に密着する。
オリンピック2連覇、世界選手権6連覇。「史上最高の体操選手」とされた絶対王者・内村航平(31)が大きな決断を下した。6種目で競う個人総合を断念し、鉄棒1種目に絞って東京での金メダルを狙うという。だが全人生をかけて取り組んできた個人総合に別れを告げるまでには知られざる葛藤があった。私たちは去年夏から月1回インタビューを実施。極秘のオーストラリア合宿にも同行。誰も知らない、王者の心の軌跡が明かされる。
突然の解雇や雇い止めなど、新型コロナによる不況のしわ寄せに苦しむ働く人たち。その“駆け込み寺”となってきたのが、誰でも入れる労働組合「派遣ユニオン」だ。運営する関根秀一郎(56)は、リーマンショックの際にもあの「年越し派遣村」を仲間と設置するなど、数多くの非正規労働者を支えてきた。「働く人がひどい目にあうのは我慢できない」と語る関根。派遣や契約社員、働く全ての人を守るための闘い、5か月の記録。
こんな時代だからこそ、あなたを取材したい。そんな願いに応え、芸能界の“生きる伝説”黒柳徹子が、コロナ禍の中で10日間の撮影を受け入れた。テレビ史に刻まれる数々の名番組に出演し、国民的タレントとして多方面で活躍し続けてきた黒柳の「今」に密着。あの長寿番組の舞台裏から、たまねぎヘアの驚きの秘密、タモリとの交流、さらに老い・孤独・死生観に至るまで。たまねぎの皮をはぐように、人間・黒柳の真実に迫っていく。
カリスマ美容師・高木琢也が泣いていた。新喜劇座長・小籔千豊がボヤいていた。銀座クラブのママ・白坂亜紀は奔走していた。あのプロフェッショナルたちは、未曽有の危機にどう立ち向かったのか。キャンセル続出で美容室は大赤字。高木がスタッフを集めて語ったこととは? 舞台上もソーシャルディスタンス。制約を逆手にとって小藪が繰り出した笑いとは? 頭をひねり、手を尽くし…5か月にわたる知られざる記録。特別編。
一流料理人が惚(ほ)れ込む魚の仲買人・長谷川大樹が登場。捨てられる魚に価値を見いだし魔法をかけるがごとく魚本来の味を引き出す。長谷川が求めるのは「生命力」。極上の魚を求め自ら海へ。素潜りで追いかけたのは高級魚・スジアラ。仲買人でありながら大海原に身を投じ、魚と命のやりとりをする理由とは。だが長谷川には「死んだ魚の目」で都会をさまよった時代があった。異色の仲買人のひと夏に密着!あなたの心に火を灯す。
箱根を走る路線バスの名物ドライバーに密着!バス運転手として40年のキャリアを誇る大森透(62)。急カーブや急坂の連続する山道を走る高い運転技術、そして乗客のニーズを考え尽くした驚きの接客と心遣いで、長年にわたり地域を支えてきた。「当たり前の生活を支えていくことに、誇りを持っています」という大森。コロナ禍を機に、社会を縁の下で支える仕事に注目が集まる今、かけがえのない日常を陰で支える男の信念に迫る。
暴走行為や窃盗、家出、薬物乱用、援助交際…。思春期の少年少女が起こすさまざまな問題行動。彼らを逮捕するのではなく、立ち直りを支援する「警察職員」がいることはほとんど知られていない。大人を拒絶する少年少女たちの心を開き、更生へと導く知られざる「少年育成指導官」の仕事に密着。なぜ子どもたちは非行に走り、どうすれば立ち直らせることができるのか。非行の根っこにあった、子どもたちの「声なきSOS]の正体とは
写真集は発行部数60万部超の大ヒット。愛用するコスメや服がバカ売れする田中みな実(33)に密着。アナウンサー、モデル、俳優…彼女は何者なのか。取材初日、「私は何のプロフェッショナルでもないから」と言い放った田中がカメラに見せたのは、正直で、面倒で、人間臭い姿。仕事に120%の力を注ぎながらも「この仕事に固執していない。いつでも辞める覚悟がある」と語った田中の真意は…?33歳の素顔を捉えた。
北の大地に生きる羊飼い・酒井伸吾(49)。育てた羊のラム肉は洞爺湖サミットのメインディッシュを飾り、三つ星など名シェフたちからも絶賛される。羊毛も高品質ウールとして人気だ。極上の羊を生み出す酒井の口癖は、「羊と相談」「羊に聴く」「羊が教えてくれる」。遊牧民のような自給自足の暮らしを夢みて、まっさらな大地に自らの手で牧場を作り上げ、20年。北海道の美しい四季の中で、命と向き合う10か月の記録。
三つ星シェフが大絶賛する新進気鋭の中国料理人・川田智也(37)が登場!伝統の中国料理と日本料理の技を調和させた「和魂漢才」という新たな中国料理を生み出し、世界から注目されるシェフだ。客に最高の瞬間を提供するために、ちゅう房では1分1秒を逃さぬよう走り回るスタッフの姿が。その原点には、川田の人生を変えた師匠の一皿があった。ひたすら試作を繰り返し、愚直に料理と向き合い続ける熱い男の、ひと夏の挑戦に密着
ゴミ排出量が年間122万トンにのぼり、日本の市町村で最も多い横浜市。日夜、人知れずゴミを回収するエキスパート・岳裕介は市内最大手のゴミ回収会社のエース社員。飲食店や病院などのゴミを1日に3トン以上、たった1人で回収する。効率を突き詰め、ゴミを回収する技術の数々。だが岳は効率だけを追求しているわけではなかった。回収現場でカメラが捉えた知られざる仕事とは…。コロナ禍でも決して立ち止まらない男の記録。
数々の国宝などの文化財を復元してきた第一人者・馬場良治(71)。平等院鳳凰堂や三千院などを手がけ、国の「選定保存技術保持者」にも認定されている。卓越した技と知識、さらに最先端の科学技術も駆使し、当時の材料や技法まで忠実に再現。いにしえの姿、日本人の心を鮮やかによみがえらせる。馬場が今挑むのは、約400年前に描かれた「狩野派」のふすま絵の復元。かけがえのない伝統文化を、人知れず支える現場に1年密着。
“一匹狼”と呼ばれる、孤高のイタリアンシェフ・斎藤智史(46)。一人で全てを行うことにこだわり、コース料理だけでなく、パンやデザートまで自ら作る。さらに、斎藤は新作料理を作る際、試作・試食は一切しない。本番一発勝負の緊張感の中で、極限まで自らを追い込み、唯一無二の一皿を生み出す。接客担当の妻・典子さんと共に、常に自らをギリギリに追い込む日々に密着。料理とは何か、レストランとは何か、その真意に迫る。
英国ロイヤル・バレエ団のトップとして活躍したバレリーナ吉田都(55)の芸術監督デビューに独占密着!コロナ禍で公演は中止となり売り上げは激減、海外からスタッフも呼べないという逆風にみまわれる。ダンサーもマスクをつけての練習という異例の事態に苦しむが、そんな状況でも吉田は練習を基礎から見直せとダンサーたちを叱咤激励する。新監督のもとで、バレエ団はどう生まれ変わったのか。美しくも過酷な闘いの舞台裏。
新型コロナウイルスの感染拡大で「ステイホーム」が求められる今、人気家政婦・タサン志麻の「おうちごはん」を大特集。去年春の緊急事態宣言期間中に彼女が寄せてくれたレシピ動画を再編集しつつ、新たな絶品料理を追加。視聴者の皆様にお届けする。「あたたかな家族になれるように」と願い、長年レシピを開発してきた志麻ならではの優しさと工夫に満ちたレシピが続々登場。日本全国の「おうち時間」をグッとあたためます!
“災害大国”日本を陰で支える災害救助犬訓練士・開田宏(57)。この道33年、数々の名犬を育ててきたパイオニアだ。東日本大震災や熊本地震など250以上の現場に出動し、多くの行方不明者を発見してきた。しかし取材さなかの去年7月、未曽有の豪雨が九州を襲い、熊本県の人吉球磨地方にある開田の訓練所も流された。それでも開田はすぐに、捜索へと向かった。家族の思いを背負い、過酷な現場に立つ不屈の男と犬たちの記録。
各界の第一線で活躍するあのプロたちが、家で過ごす時間を楽しく豊かにするとっておきの技や極意を、“自撮り”動画で大公開!マスクやリモートでも映えるメーク術。おうちも心もピカピカに。在宅・リモート時代の仕事術。花で部屋と気分を変える。レジェンドが教える絶品コーヒー。大切な革製品がよみがえる。そして、あの人からも…。長引くコロナ禍、先の見えない不安や鬱々とした気持ちを、少しでも前向きにする“贈り物”。
美容家・神崎恵、経営者・小巻亜矢、自動車整備士・小山博久、腰痛専門医・西良浩一…あのプロフェッショナルたちに視聴者が「人生相談」!突然の対面に悲鳴が…。卓球選手・石川佳純、芸術監督・吉田都が教える「リラックス法」。包丁研ぎ職人・坂下勝美、美容師・高木琢也、クリーニング師・古田武が授ける「プロの技」。明日を変えるためにプロフェッショナルたちが大集結。特別企画・パパママの流儀も。
東洋医学の鍼(はり)を用い、体の痛みや不調に悩む多くの人たちを治療するすご腕の鍼灸師・大髙茂(47)に密着!俳優・渡辺謙やトップアスリートから、肩や腰の痛みなどに苦しむ一般の高齢者やサラリーマンに至るまで、誰もが「前向きな人生」を実現できるよう支える。大髙はかつてプロ野球選手を夢見て挫折し、鍼灸師の道へ。以来23年、1万人以上の苦しみを取り除き、懸命に生きる人たちの体と心をサポートしてきた。
木綿布団づくりに人生をかける職人。腰痛などに悩む全国の人々から注文が入り半年待ち。客の体型などに合わせフルオーダーで作られる。天然の木綿布団にこだわり、世界中から選(え)りすぐりの木綿だけを仕入れ、独自の配合で調合。理想の弾力と肌触りを追求している。工房の壁には己を鼓舞するさまざまな言葉が手書きのチョークで書かれている。「誰にでもできることを、誰にもできないくらいやる」。布団に魂を込める職人に密着
全国の農家から絶大な信頼を寄せられる野菜バイヤー。誰も目をつけなかった野菜に、新たな価値を見いだし、ヒット商品を連発。スーパーなどで当たり前にみかける「安納芋」も先駆けて発掘し、大ヒット▼石川で偶然出会った350年前から加賀藩に献上されていた伝統野菜のごぼう▼去年冬、挑んだのは新種の野菜1トンの販売。しかし、産地に大雪が。そのとき下した決断とは。野菜を愛し、野菜に人生をかける女性バイヤーを追う。
キロ3万3千円、史上最高額の値が付いたかつお節の作り手が鹿児島県枕崎にいる。瀬﨑祐介(40)が生み出すその味は国内はおろか世界の名だたる三つ星シェフをも魅了してきた。手がけるのは日本古来の本枯節。半年近い時間をかけうまみを凝縮したその節には宝石のような光沢が宿り、ひとたび出汁(だし)をひけば食材の魅力を何倍にも引き立てる。かつて己の弱さと向き合えず逃げ出そうとした過去。若き求道者の迷いと成長の物語
あの『エヴァンゲリオン』がついに完結する。番組は総監督・庵野秀明(60)に4年にわたって独占密着。これまで長期取材が決して許されなかった庵野の制作現場を、シリーズ完結編となる『シン・エヴァンゲリオン劇場版』で初めて余すところなく記録した。巨匠・宮崎駿をして「庵野は血を流しながら映画を作る」と言わしめるその現場で一体何が起きていたのか?稀代のクリエイターの実像に迫る75分スペシャル。
好きな芸人ランキング3年連続1位。人気絶頂のサンドウィッチマンに半年密着。廊下でも楽屋でも、気づくと始まる『即興コント』にカメラは翻弄されっぱなし!?最強のお笑いコンビが織りなす抱腹絶倒の72分スペシャル。ポケットに100円しかなかった超貧乏時代…コンビ解散の危機にふたりが交わした約束とは?東日本大震災から10年、ふたりが届けようとしたもの。日本一愛されるふたりの『笑いの流儀』に徹底的に迫る。
去年3月、この世を去ったコメディアン・志村けん。「変なおじさん」「バカ殿様」など誰もが知る名物キャラクターを生み出し、国民的コメディアンにまで上り詰めたが、晩年になっても新しい挑戦をやめることはなかった。番組では『となりのシムラ』『エール』『キネマの神様』関係者や志村を深く知る人々の証言、そしてNHKに残された貴重な秘蔵映像から、志村が貫いた「笑いの流儀」と生涯をかけて目指した「夢」をひもとく。
日本最高峰のクイズ作家がふたり。ひらめきクイズを得意とし、謎解きブーム陰の立て役者と評される、矢野了平。膨大な知識をベースにした早押しクイズを得意とする、日髙大介。数々のクイズ番組を手がけてきた名コンビに、“人生最高の一問”を依頼したら、どんな名クイズが生まれるのか。クイズに取りつかれ、翻弄され、それでもクイズから離れることのできないふたり。狂気の特殊能力者たちが生み出した、人生最高の一問とは…。
笑いの影にはこの男がいる。ナインティナイン、南海キャンディーズ山里亮太、かまいたち…お笑い界を席巻する人気芸人を育ててきた「伝説の講師」本多正識に密着。漫才作家としてこれまで2千本以上の漫才台本を書き、63歳の今も教壇に立ち、明日のスターを夢見る若手を指導する。「鬼の本多」と畏怖されながらもそのまなざしはどこかあたたかい。個性的な才能を開花させる極意はどこにあるのか?笑いにかける講師と生徒の物語。
日本のワインがこれほど美味(おい)しいとは…。最優秀ソムリエが「エレガントな酸味と果実味があって、後半から旨みがジュワジュワ出てくる」と絶賛。国際線のファーストクラスで日本代表として提供されるワインの秘密に迫る。醸造家は相撲好きのシングルマザー・斎藤まゆ。シコを踏み、ワインと向き合う。夏から冬にかけて山梨県甲州市にある小さなワイナリーに密着。彼女たちのワインが世界に旋風を巻き起こす理由とは。
たった1本の動画でスターダムにのし上がった女性がいる。トップユーチューバー・竹脇まりな(31)。自宅でできるフィットネス動画「宅トレ」が人気を博し、チャンネル登録者数は220万人。総再生回数は4億回を超える…だが彼女はわずか1年半前まで誰からも注目されない主婦だった。急成長の陰で膨らみ続ける重圧に葛藤する竹脇をカメラは捉えていた。番組史上初のほぼ全編リモート密着。令和のシンデレラストーリーに迫る。
その美しさを求めて国内外から注文が殺到し、1本数百万円の値がつく現代最高峰の日本刀がある。作るのは当代一の刀鍛冶・吉原義人(78)。「鍛錬」「火造り」「焼き入れ」など千年以上前から伝わるいにしえの技で、鋼から究極の“宝物”を作り出す。原料の玉鋼という鉄の塊から、まるで魔法のように名刀が生まれるまでの4か月を記録。後継者だった息子の死や自身の病を乗り越え、今なお高い頂を目指し続ける吉原の流儀に迫る。
コロナ禍で日常生活を支える「エッセンシャルワーカー」として注目を集める宅配ドライバー。業界最大手に所属する6万人のドライバーの中で、トップの実力と評価される永澤康太(29)に密着。驚きの配達スピード、地域を知り尽くし安全を追求した“心配り”の技に迫った。さらに、当たり前のように届く荷物がどうやって運ばれるのか、ある1つの荷物を新潟から埼玉まで追跡。そこには多くのドライバーや作業員たちの熱き思いが!
義務教育の内容を学び直せる夜間中学。日本で暮らす外国人が288万人に上る今、その生徒の8割は外国人だ。そこで27年教壇に立ち続け、慕われてきたのが入江陽子(53)。日本語のイロハから丁寧に教え、この国で生きていく力を身につけようと懸命に学ぶ人たちを支えている。言葉、国籍、文化など、さまざまな違いをどうすれば乗り越えていけるか。「心が通じ合う瞬間がある」という入江と生徒たちが織りなす心の交流の記録。
「売れないものはない」と豪語する、この道20年のカリスマ販売員・橋本和恵(43)。数百円の食料品から高額な家具まで、さまざまな企業から依頼を受け、どんな商品でも売り上げを伸ばす販売のプロだ。その技術を徹底分析し、たゆまぬ研究で培った販売の極意に迫る。実はもともと橋本は人と接するのが苦手だったという。33歳の時には、自ら死を選ぶ寸前まで追い詰められた壮絶な経験も。そして見つけた自分の仕事の意味とは?
小倉智昭74歳“最後の1か月”に密着!今年3月、22年間司会を務め、同一司会者による情報番組として日本一の放送回数を誇る長寿番組が終了。小倉は鋭いトークで長年視聴率トップを独走したが、近年は一転「老害」とまで言われるようになった。幼少期から苦しむ吃(きつ)音症、5年前に見つかった膀胱がん、忍び寄る老い。小倉が引き際で見せた、意地と未練が入り交じる複雑な胸の内。人生を懸けた仕事の終(しま)い方とは?
ロバート・デ・ニーロなど名だたる海外セレブが愛し、メトロポリタンなど有名美術館も作品を所蔵する孤高の陶芸家が奈良にいる。辻村史朗、74歳。荒々しさと静けさが同居する作品は辻村の生き方そのものを映す。自宅は自ら山を切り開き井戸を掘り建てたもの。自生する野草やキノコを日々採り、畑で野菜を育て暮らす。作陶も独学、露天で売るところから始めた。生きることとは何かを問いかける辻村の日々を半年にわたり記録した。
好きな芸人ランキング3連覇!サンドウィッチマンの未公開スペシャル。3月の73分スペシャルでは語り切れなかったふたりの魅力をさらに深掘り!中川家・ナイツなど、ふたりを熟知する芸人仲間が爆笑トークで真実の姿を浮かび上がらせる。坂上忍・立川志の輔の秘蔵インタビューも必見!M-1グランプリ優勝後にあったふたりの苦悩…救った言葉とは?!抱腹絶倒、でも、涙あり。幻の「プロフェッショナルとは?」もお楽しみに!
東京五輪マラソン代表に内定している大迫傑(30)。6年前、プロランナーに転向しアメリカに移住、その後日本新記録を2度たたき出した。大迫の実像は謎に包まれてきたが、今回、陸上部の後輩だったディレクターに対し異例の密着取材が許された。華々しく見えるそのランナー人生は実は挑戦と挫折の連続で、何度も屈辱を味わってきた。それでも大きな壁に挑み続け、従来の常識を覆してきた“愚か者”。知られざる闘いの記録。
崖っぷちからの逆転を果たした、日本を代表する5人のアスリートたちの特別編。卓球・石川佳純、体操・内村航平、車いすテニス・国枝慎吾、競泳・萩野公介、陸上・山縣亮太。王座からの陥落やケガによる不調など、数々の逆境に悩み苦しんできた。しかしその後、日本記録の更新や下馬評を覆す代表入りなど、見事な復活劇を演じている。その裏にはどんな流儀があったのか?困難や苦しみの中でも、前を向いて生きるためのヒントとは?
フレンチの巨匠、アラン・シャペルの右腕として、独創的かつ奥深い洋菓子で世界中のVIPを魅了した伝説のパティシエ・西原金蔵(68)に密着!数々の名店を渡り歩いた後、京都に開いた自らの店は全国から客が訪れ、行列の絶えない人気店となった。しかし、西原は人気絶頂で店を閉めてしまう。あれから3年、西原はひとり、陽(ひ)だまりの中で菓子を作る。夫婦で営む小さな洋菓子店で見つめた、栄光の先にあった奥深い物語。
治療が最も困難とされる『すい臓がん』と闘い続けてきた世界的外科医・中尾昭公(73)に密着。不可能とされた手術を引き受け、それでいて手術の死亡率は全国平均の20分の1。理由は自らが開発した画期的な手術法にある。だが古希を超えてなおメスを握り進化を追い求めるのはなぜか…?気づかないままがんが進行し約7割の人が手術不可能と診断される『最難関がん』との闘いに身を投じ命を救う『最後の砦(とりで)』迫真の記録
愛媛の離島で“海のダイヤ”クロマグロを養殖する福島和彦(55)。4年以上かけて育てるそのマグロは時に天然物さえも超えると言われ、養殖の常識を覆す大きさときめ細かな脂が乗った美味は、豊洲市場や三つ星すし店で絶賛される。福島は去年、脳出血で倒れ、左半身には今もまひが残る。それでも「世界一のマグロを作る」という夢を追い、復帰は不可能と言われる中、再び海に戻ってきた。マグロに人生を懸ける男の執念の物語。
この道25年の交通誘導警備員、上野敏夫84歳。年齢を感じさせない切れ味鋭い所作で旗を振り、車や人を安全に誘導するこまやかな技と心配りで「超一流」と言わしめる。撮影当初、上野は「金のために働く」と言い切った。だがカメラが捉えたのは、とても金のためだと割り切ることのできない、仕事への真摯な姿勢と情熱だった。やがて吐露した壮絶な人生の歩みと、亡き妻への思い。“旗じいちゃん”の働く意味、そして幸せとは?
日本最大手の航空会社で接客技術No.1に輝いた空港グランドスタッフ・中山弓子(36)に密着!働くのは日本最大規模の東京国際空港・羽田空港。些細なことにまで心を配る“おもてなし”を提供しながら、飛行機へ安全・定刻通りに搭乗させるプロだ。コロナ禍で会社は過去最大の赤字に直面。減便、給与カット、突然の出向…。未曾有の危機の中で“おもてなし”の心をどう磨いていくのか。知られざる羽田空港の舞台裏に迫る。
7月8日午後2時。新型コロナウイルスと闘う最前線の現場、レッドゾーンと呼ばれる重症患者の集中治療室で撮影を始めた。現場を率いるのは集中治療医・竹田晋浩(61)。コロナ治療の“最後の切り札”と言われる体外式膜型人工肺「エクモ」による治療の第一人者で、日本のエクモ治療の生存率を世界トップレベルに引き上げた立て役者だ。この夏、感染爆発の裏で何が起きていたのか?私たちの命を守るための闘い、40日の記録。
誰もが一度は目にしたことがある人形に、「命」を吹き込む女性操演者がいる。業界最年少ながら操演数は最多。舞台の下、決して表に出ることのなかったもう一つのドラマ。 形の手足を動かし、まるで生きているかのように操る「操演」。業界最年少ながら、TV番組、CM、ミュージックビデオなど年間300本以上の収録を抱える女性がいる。指や腕のわずかな傾きや動きで幾通りもの感情を表現する技と、「人形がなかったら廃人」と語るほどの情熱。共演者の多くが、その操演に一目を置く。「時に人形のほうが伝えられることがある」。舞台の下で人知れず汗をかく人形操演者の思いとは。
アルコールや薬物、ギャンブルなどの依存症からの回復を支援する“最後の砦”と呼ばれる男、栗原豊78歳。全国最大規模の支援施設の代表として他の施設や病院で断られた人も含めおよそ300人を受け入れ、さまざまな回復プログラムを行い社会復帰させている。実は栗原自身も60歳まで酒や薬物に溺れた依存症の当事者。その経験から独自の支援策を構築し、依存症で苦しむ多くの人たちにとことん寄り添ってきた。密着3か月の記録
大阪で最も人口密度が高く、コロナの感染制御が難しい地域を担うベテラン保健師・小川理乙子。コロナ患者が急増する中で、まったなしで濃厚接触者の特定や患者の健康管理を行うエッセンシャルワーカーだ。さらに虐待、精神疾患、自殺未遂、コロナ禍で孤立しがちな母親たち、治療が難しい難病など、さまざまな問題をかかえる地域住民によりそう。地域住民ひとりひとりの命を守るために奔走する保健師の知られざる闘いの日々に密着。
現代の名工、黄綬褒章など日本最高峰の称号を最年少で総なめにした庭づくり職人・小林徹。デザインだけでなく剪定(せんてい)や土木工事まであらゆる技術に通じ、植物と語らうようにして作る庭には草花の命があふれる。数多の栄誉を手にしながら、誰よりも泥くさく、何度も修正を繰り返す小林。次第に明らかになる、過去の挫折と未だ癒えることのない心の病。仕事とは、生きるとは。果てなき答え合わせを続ける熱き造園職人の物語
コロナ禍のアパレル不況をものともせず活躍するスタイリスト・大草直子。年齢や体型に寄り添ったリアルなおしゃれと、デニムやシャツなど定番の服も素敵に見せる着こなしの技が人気の秘けつだ。番組では、体型に悩む人や今ある服が似合わなくなった大人の女性に大草がスタイリングのコツを提案。さらにゼロから挑む新たな雑誌の裏側にも密着。込めた思い、そして涙の理由とは。キャリア、離婚、子育て…大草の半生と共にひも解く。
「下町ロケット」の町、東京・蒲田に当代屈指の旋盤職人がいる。岩井仁、85歳。0.01ミリの精度でさまざまな金属を自在に削り、コンピューター制御の機械でも難しい精密部品を手作業によって生み出す。そのたくみの技で新幹線や瀬戸大橋の安全に不可欠な部品などを作り、私たちの暮らしを陰で支えてきた。機械化や不況など時代の波にあらがい、今も旋盤の前に立ち続ける老職人のプライド。町工場での日々を見つめる。
東日本大震災から10年、あのマー君が帰ってきた。2013年、24連勝の記録を打ち立て楽天を初の日本一に導き、メジャーリーグでは6年連続2桁勝利の偉業を達成した田中将大(33)。“神の子”と呼ばれた田中だが、強い決意で臨んだ今シーズンは不振にあえいだ。「しんどい」「最悪」とカメラの前で弱音を吐露。田中に一体何が起きていたのか?苦闘の果てにたどり着いた「原点」とは?独占取材で迫る72分スペシャル。
人気番組の俳句コーナーで「辛口の先生」として知られる俳人・夏井いつき。堅苦しいイメージのあった俳句をお茶の間のエンターテインメントに押し上げ、空前の俳句ブームの立て役者となった。梅沢富美男や千原ジュニアも「最高の先生」「ライフスタイルを変えられた」と激賞する。これまで明かされてこなかったその素顔と俳句作りの現場に密着。世界で最も短い文芸と言われる5・7・5の俳句にかけ、俳句に救われてきた人生とは?
拠点は群馬ながら全国から依頼が届くウエディングプランナー、佐伯恵里。“ウエディングの甲子園”と呼ばれる「GOOD WEDDING AWARD」で数々の賞を受賞し、担当した結婚式は2千を超える。かつて人間不信の中で仕事に通えなくなった過去と、自分を変えてくれたある結婚式。夏、新たな依頼が佐伯の元に寄せられた。「このままだと本当の結婚式にはならない気がする」佐伯の決断、生まれたひとつの結婚式。
女性誌NO.1の販売部数を誇る雑誌の編集長・山岡朝子。民事再生法の適用を申請するほど存続の危機にあった出版社からヘッドハンティングされ、2年で雑誌の売り上げをV字回復させたすご腕だ。ターゲットは50代以上のおとな女性。書店に並ばない定期購読のみの月刊誌にも関わらず圧倒的な支持を集め、部数38万部と5期連続でトップを独走する。雑誌が売れない時代に、どう客の心をつかんでいるのか?ヒットの秘密に迫る。
千二百年の織物の歴史をもつ古都、京都。世界の名だたる有名デザイナーから指名を受け、話題の生地を生み出し続ける織物職人がいる。金谷博(68)。生地でありながら立体的で、さまざまに表情を変える織物は、最高級のホテルや車の内装、さらに東京オリンピックのステージ衣装にも用いられ、今、世界を席けんする。2021年、金谷は自身も初めてという難題に挑んだ。68歳の今もなお進化を求める理由。そして生まれた水の織物
あなたのすぐ隣にもいるような身近な人たちを取材し、人生をちょっと豊かに、幸せにするためのヒントを探る特別企画「となりのプロフェッショナル」。第1弾は推し活に励む“推し活熱心さん”に密着。年間約250回のライブで全国を駆け回るアイドル推しの女性。“ゲラおじさん”の異名をとる芸人推しの男性。ある推し活が高じて東京から青森に移住、生き方まで変わった人も!?語りは天海祐希さん。『あさイチ』とのコラボも!
「あなたにとってのプロフェッショナルは、誰ですか?」そんな質問を道行く人に聞いてみたらどんな出会いがあるだろう?それを数珠つなぎに進んでいくと、どんなところにたどりつけるかな?花嫁たちの間で大人気のエステティシャンから、まさかの世界的デザイナー、ひとつのモチーフを10年以上描き続けてきたイラストレーターなどなど。誰もが心に秘めている、生きる上での道しるべ。そっと教えてもらう、スピンオフ企画。
ロープ1本でダムや橋を点検する土木技術者。明石海峡大橋や首都高速道路をはじめ、依頼は全国のみならず海外からも!▼兵庫にある大橋の点検現場に密着。およそ100種類の道具を駆使し、わずか数ミリのひび割れを見つけ出す、その技とは▼去年冬、巨大ダムでロボットを使った点検に初挑戦!しかし、失敗の連続…。点検の自動化にかける思いとは?▼人々の安全を守る為、ロープ1本に人生をかける、土木技術者を追う。
米津玄師、YOASOBI、Ado。今、音楽シーンを席巻するアーティストたちのルーツとも言える存在が、バーチャルシンガー・初音ミク(16)。制作した楽曲を歌ってくれるソフトとして2007年に世に出ると、それまで手段を持たなかった才能たちのよりしろとして次々と新たな音楽を世に放ってきた。時に人の能力を超えた歌唱を披露し、それをさらに超えようとすることで生まれた、歌い手たちの進化。初音ミクの素顔と真実。
静岡、天竜川が流れる山あいに『伝説のわな猟師』と呼ばれる男がいる。片桐邦雄、70歳。広大な山の中、野生動物の動きを読み切り、くくりわなを仕掛けることで、イノシシやシカを捕獲する。わな猟の先駆者として40年以上先頭を走り続けてきた。さらに片桐は、わなにかかった獲物と素手で対じし生け捕りすることで、その血肉を余すことなく生かし切ることを己に課す。静謐な森の中、自然とともに生きる男の、熱き闘いの記録。
2021年3月放送の「サンドウィッチマンスペシャル」、副音声に本人による「爆笑裏トーク」を収録!廊下でも楽屋でも、気づくと始まる『即興コント』にカメラは翻弄されっぱなし!?最強のお笑いコンビが織りなす抱腹絶倒の72分。ポケットに100円しかなかった超貧乏時代…コンビ解散の危機にふたりが交わした約束とは?東日本大震災から10年、ふたりが届けようとしたもの。日本一愛されるふたりの『笑いの流儀』に迫る。
14歳からホームレス問題に取り組んできた社会起業家の女性に密着!ホームレスの人に仕事を作ろうと「シェアサイクル事業」を手がけ、今や売り上げは年間5千万円近くに達し、支援したホームレスの人は2千人を超える。よほど情熱的な女性かと思いきや、本人は「私、“無”なんで」が口癖の風変りな人だった。14歳で人生を決めた女性の“無”に込めた思いと、路上生活から仕事をみつけ、新たなスタートを切る人々の姿を追った。
密着400日、小栗旬の素顔に迫る―。ドラマや映画、舞台で活躍を続ける俳優・小栗旬。初主演を務める大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(北条義時役)の舞台裏に完全密着した。「撮られたくないものはない。聞かれたくない質問もない。」取材初日、小栗はこう言い放った。そしてその言葉どおり、稽古場から移動の車中まで、カメラを全て受け入れた。NGなしの真剣勝負。39歳、等身大の素顔。最後の最後に見つけた、小栗の流儀。
北海道、札幌。ここに、他では治療が困難とされた難症例を次々と成功させてきた脳神経外科医がいる。谷川緑野、60歳。少しでも傷つければ、術後深刻な後遺症を引き起こしかねない繊細な脳内で、はりめぐらされたどんな細い血管をも温存する谷川の手技は、世界最高峰と言われる。時に10時間以上に及ぶ術中、岐路に立たされた谷川を鼓舞する信念。“ラストサムライ”とも称される無骨で真っ直ぐな男が見つめる、医療の未来とは。
京都で95年。客の目の前のカウンターで料理して出す「板前割烹(かっぽう)」の始祖とされる伝説的な名店。その技と心、味を受け継ぐのが3代目・森川裕之(59)だ。森川が作る料理は、食材を引き立てシンプルな見た目に徹する、言わば“普通”の日本料理。しかしその味は、常連だった川端康成が「日本の味」と評するなど、名だたる食通たちを魅了してきた。“普通”を極めたその先にある、未踏の感動を求める男の哲学に迫る。
この20年でイメージを一転させ、国民的人気者になったリアクション芸人・出川哲朗(58)。私生活から民放の人気バラエティー番組の裏側まで、密着すること100日。見えてきたのは、体を張った笑いを生み出すための信念、誹謗中傷を受け続けた30代の時に母と交わした約束、変化するテレビバラエティーに向き合う決意、そして、盟友上島竜兵さんとの別れ・・・。笑いあり、涙あり、人間・出川哲朗の素顔に迫る激動の物語。
俳優・藤原竜也に密着。今年、舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」で主演に挑む。演じるのは、トラウマを抱え息子への愛情表現に悩む父親のハリー・ポッター。この難解な役に、藤原は従来とは異なるアプローチで挑んだ。劇場へ向かう車中で明かした挫折と葛藤。40歳、自らも父となった藤原がカメラの前で見せた、これまでにない素顔。そして語られた亡き師・蜷川幸雄との約束。世界的舞台の裏で紡がれた、喪失と旅立ちの物語。
内閣総理大臣でも芸能人でも予約は一切お断り。3時間半待ちの大行列ができる焼き肉店の名物は、「日本一」の呼び声高い牛の内臓肉・ホルモン。豊島雅信(63)は、ホルモンの魅力を見いだし世に広めてきたパイオニア。「ホルモンの神様」と慕われ、文字通り夜を徹し、その個性を引き出すための仕込みに命をかける。幼い頃事故で右指をなくし、仕事のほとんどは左手一本。ホルモンに救われ、ホルモンと共に挑む、人生の物語。
今、最もチケットが取れないといわれるコント師・東京03。人の心の機微を掘り下げた笑いは、同業者をして“生きる処方箋”と言わしめる。30代半ばまでは鳴かず飛ばす、幾度となく解散の危機があった3人。ドラマやCMなど活躍の場を広げる今も板の上にこだわり、他の追随を許さない圧倒的な数の公演を行っている。純粋にコントを楽しんでもらいたいと、これまで舞台裏を明かすことを断ってきた3人。その素顔と創作の現場。
日本ボクシング界の最高傑作、あの驚異の「モンスター」が、再び登場する!23戦無敗、20KOの圧倒的な実績をひっさげ、日本人初となる4団体統一という快挙に挑んだ、井上尚弥(29)。激闘までの3年半、井上は何を思い己の拳を磨き上げてきたのか。これまで決して明かされてこなかった舞台裏。目にしたのは、鍛錬の日々と王者の孤独。全ボクサー中、世界ランキング1位の頂をも経験した男が見つけた“本当の強さ”とは。
ロックバンドXJAPANのリーダーとして、数々の伝説を残してきたアーティスト・YOSHIKI。取材は3年半前、突然アメリカに呼び出されたことから始まった。世界各国での音楽活動、多忙な合間を縫っての被災地ボランティア、満身創痍(い)の中でのライブ、父への思いや、亡き盟友との約束、そして最愛の母の死…。番組は予想もしなかったエンディングへと加速していく。生と死の狭間で揺れる男。1200日の記録。
書籍や雑誌など、出版物に記されたことばを一言一句チェックし改善策を提案する校正者。並みいる作家や編集者から絶大な信頼を受けるのが、大西寿男(60)。『陸王』や『推し、燃ゆ』など話題となった数々の作品を支えてきた。柔らかな雰囲気ながら、ひとたびゲラと向き合うとまばたきも忘れ、ことばの海に潜り込む。小さな部屋で人知れず1文字の価値を守り続けてきた半生。大西と迷い込んだ、豊かで奥深い、ことばたちの世界。
『風に立つライオン』『案山子』『北の国から』半世紀の間、誰もが一度は耳にしたことのある曲を生み出し続けてきたシンガーソングライター、さだまさし(70)。同世代のアーティストたちが一線を退く中で、その露出はむしろ増している。なぜ今、さだなのか。番組では曲作りからコンサートの裏側までを密着取材。歌うことを手放しかけた過去や、故郷への思い。46年ぶりに臨む特別な舞台への覚悟。そして生まれた、新たな曲。
奈良時代から読み継がれてきた短歌の歴史に革命をもたらした歌人・俵万智(60)。280万部のミリオンセラー『サラダ記念日』や『チョコレート革命』。その歌は今なお多くの人を魅了する。俵万智とは何者なのか?これまで一切私生活を明かしてこなかった歌人との日々が始まった。40年ぶりに挑む50首の新作。老いへのまなざしや60歳の恋愛論。平凡な日常の中にある、きらめきの見つけ方。言葉に生きる女性の物語。
麻薬取締官、通称“マトリ”。その実態は厚生労働省に所属する全国で300人に満たない違法薬物捜査のスペシャリスト。中でもエースと呼ばれるのが、捜査一課長の麻薬取締官・X。他の捜査員と共に数々の巨大事件を解決に導いてきた。大麻の摘発が年々増加し、若年層をむしばむようになった違法薬物汚染。日常に薬物が紛れ込む現実と、それをせき止めようとする水際での攻防。異例の密着で明かされる、マトリの真実。
その小児科病棟は、不思議と柔らかな空気がある。厳しい医療環境にある子どもたちの心を支えるのが、佐々木美和(41歳)。チャイルド・ライフ・スペシャリストという日本ではまだ50人程の職種を切り開き、千人以上の子どもたちに伴走してきた。医師と患者の間に立ち、主体的に治療に向かえるためのサポートを行う。ささやかな日常を取り戻すためにできること。子どもたちが教えてくれた、涙が笑顔に変わる時。#君の声
静岡・焼津にある一見普通の魚屋が、世界中から注目を集めている。殺到するグランメゾンの料理人たちの中心で魚をさばくのは、前田尚毅(48)。魚体に含まれる水分量にこだわった「脱水」と呼ばれる独自の技や、魚の匂いで内臓の状態を言い当てる経験と嗅覚。1日の睡眠時間は3時間。それすら漁船からの連絡をいつでも受けられるよう、座ったまま眠る日々。誰からも相手にされず、それでも歩みを止めることのなかった男の物語。
1年間で外泊200日。鹿児島から北海道まで、蜂とともに花畑をめぐり蜂蜜を集める暮らしを60年続けている、藤井さんと従業員たち。 ‟炊事班長”である妻の繁子さんが各地で作る料理で、必ず活躍するのが蜂蜜でした。 卵焼き、カレー、炊き込みご飯、大根の漬け物、あらゆる料理にはたっぷりの蜂蜜が入っています。いただくと、ほんのりとした甘みがクセになり、ご飯がすすみます。 旅のあいだ、風邪などで体調を崩す人は誰一人いないそうです。藤井さんは「栄養価の高い蜂蜜のおかげ」とおっしゃっていました。それを聞いて、私も毎日スプーン1杯舐めるようにしています。その時に思うのは、「蜂は60日間の生涯のなかでスプーン1杯の蜜を集める」という藤井さんの言葉です。ひと舐めすると、蜂の営みをいただいていることに思いを馳せます。でも、おいしいので大体2、3杯食べます。 蜂が命をまっとうして、次の世代につないでいく、その営みを見つめ支えることを藤井さんは何よりも楽しみにされていました。蜂は蜜を集めるだけでなく、花から花へ花粉を渡し、農作物の受粉を手助けします。スプーン1杯の蜂蜜のうらにある、一匹一匹の蜂の営みと、養蜂家の努力を知ることができました。
100人に1人の新生児に現れるといわれる「先天性心疾患」。山岸正明は4千人以上の子どもの命を救い、治療困難な難症にも解決策となる新たな術式を数多く生み出してきた。誰よりも努力をしたというその指先、コンマ以下の精度で切除と縫合を繰り返し、不全の危機にある心臓をよみがえらせる。かつて幼い弟を心臓病で亡くした過去。今も3つの病院を駆け回りながら生死の境に立ち続ける。人を救うことに生涯をかけた医師の物語。
移住してでも通わせたい!滋賀県に全国から子どもたちが学びにくる少年野球チームがある。練習時間はほかのチームの半分ほど、参加自由、指示は一切なしのノーサイン野球、型破りな教えで全国大会を連覇、世界大会をも制した。率いるのは、辻正人(55)、公務員のかたわらほぼボランティアでの活動を35年、休むことなく続けてきた。勝利に固執し真逆の指導にのめり込んだ過去。白球と子どもたちとの夏。もうひとつの甲子園。
「男はつらいよ」「幸福の黄色いハンカチ」。日本映画の巨匠、山田洋次。“最後のスター”と呼ばれ、主演のみを受け続ける映画俳優、吉永小百合。92歳と78歳の制作の舞台裏を、カメラは記録してきた。老いと向き合いながらも一切の妥協なく現場に立つ山田。視線の先には吉永。「山田監督の映画だったら、これで辞められる…」。その言葉に秘めた思い。「幸せとは何か」を問い続けてきたふたりの巨星。初めて明かされる物語。
番組史上初となるアニメ主人公へのインタビューが許された。人類と巨人の壮絶な戦いを描くアニメ「進撃の巨人」。その最終話となる完結編を前に、主人公エレン・イェーガーに密着。調査兵団兵士として、運命にあらがい続けてきた男の“仕事の流儀”に迫る。ミカサやアルミン、リヴァイが語るエレンの素顔。エレンは何を求め戦い続けるのか?初めて明かさされる心の内。そして、エレンにとってのプロフェッショナルとは?
空前のブームを迎えるカプセルトイ。専用コーナーには親子連れが列をなす。月300種以上の新商品が生まれる中、メガヒットを生み出し続けるのが、誉田恒之(54)。代表作「いきもの大図鑑」は学校の教材にも使用され、カプセルトイの概念を変えてきた。かつて企画開発の現場を外され、20年にわたる遠回りを経て見つけた生きる道。初めて明かされる開発の舞台裏と、未知のサイズへの挑戦。直径7センチの球体に込めたもの。
「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」「紅の豚」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」「崖の上のポニョ」「風立ちぬ」などを世に送り出してきたスタジオジブリの映画監督・宮崎駿(82)はいかにして新作「君たちはどう生きるか」を作り上げたのか。創作の舞台裏で繰り広げられていた物語。2399日にわたる記録。
耳の不自由な人が音楽を体感できる装置や自動運転の車いす。障害や差別、あらゆる社会課題をテクノロジーで克服し、「壁を、壁でなくそう」と挑み続ける研究者、落合陽一。“現代の魔法使い”と呼ばれる男が見据える未来。「人に興味がなかった」という少年が、わが子の障害をきっかけに見つけた新たな生き方。人工知能・AIの進化がめまぐるしい今、人とテクノロジーの間に立ち、架橋しようと疾走する若きパイオニアの素顔。