「ゼロとは僕は言わないですけど、天才なんかこの世の中にほぼいないと思っています。才能の差は若干なりともあるというのも認めます。ただ若干でしょう?っていうことを僕は言いたいです。 ライオンと格闘するわけじゃない。馬と競争するわけじゃない。「あいつが別の生き物だ」とか、「あいつだから」っていう考えは馬やライオンにすればいいんです。そんな天と地がひっくり返るほどの差はないでしょう?って。 だから僕よりも才能のある選手に僕は今までも勝ってきたし、なぜならそんな差はなかった。でも「その差は大きい」と見るか、「越えられるもの」と見るかは自分しだいなんです。それをみんな自分の限界を決めてしまって、挑戦することをやめてしまうんです。だから夢がかなわないなんていうことになるんです。 「夢がかなう」とは僕は子どもたちに言ったことはないですよ。「大きな夢を持ってください」と僕はいつも言うんです。なぜそれを言うか。「絶対にかなう」っていうふうには僕は言ったことも1度もないし、ただ頑張ればかなう可能性があるわけですよ。頑張るということは自分で決められるんです。頑張るか、頑張らないかは。だから「その夢をかなえる可能性があるかどうかは、あなたしだいですよ」って言う。常にチャンスはその本人にあったほうがいいと思うんです。ただ、がんばるつもりがないなら、夢はかなうわけがないんです。 僕はどんな人にも、どんな位置に今いる人でも、チャンスはあると思う。それを目指すかどうかは明日からじゃなくて、今日決めるんです。やれることは今日からあるんです」