創業145年の老舗豆腐店の5代目、豆腐職人山下健。絹ごし豆腐作りの名人だ。昔ながらのにがりを用い、独特の作り方で口の中で溶けていく柔らかさを生み出す。同業者から神業と呼ばれるその技で、豆の味をしっかりと引き出す豆腐を作る。かつては家業を継ぐことが嫌でしかたがなく逃れようとして早稲田大学に進学した山下。今は人生をかけ、まるで哲学者のように豆腐に向き合う。自らをあまのじゃくという職人の技と心に迫る。