「下町ロケット」の町、東京・蒲田に当代屈指の旋盤職人がいる。岩井仁、85歳。0.01ミリの精度でさまざまな金属を自在に削り、コンピューター制御の機械でも難しい精密部品を手作業によって生み出す。そのたくみの技で新幹線や瀬戸大橋の安全に不可欠な部品などを作り、私たちの暮らしを陰で支えてきた。機械化や不況など時代の波にあらがい、今も旋盤の前に立ち続ける老職人のプライド。町工場での日々を見つめる。