都心から少し離れた住宅地に、連日400人の客が訪れる洋菓子店がある。店主・横溝春雄(66歳)は、オーストリアの名門「デメル」に東洋人として初めて入り、腕を磨いた伝説の職人だ。洋菓子作りに真摯(しんし)に向き合う姿勢は、多くの一流パティシエから尊敬を集める。クリスマス、横溝は、弟子たちとともに3500個のケーキを作る総力戦に挑んだ。過酷な現場で、弟子たちをいかに育てるか。職人たちの熱きドラマに密着。