かつて、がん治療の最高峰・国立がん研究センターで、2,000件を超える手術を行い、副院長にまで上り詰めた笹子。いまや胃がん治療の世界では「最後の砦(とりで)」とまで称されるほどだが、胃がんと向き合って35年、笹子が痛感するのは、“がんという病気には絶対がない”ということだという。 「あの人のがんは絶対に残っていると、取りきれなかったと思っているのに、最終的には治った人とかもいるのはいるんですね。絶対に治らないということもないし、絶対に治るっていうこともない病気だから、100%と0%はありません。」 笹子は“絶対がない”からこそ、早期の胃がんでも油断せず、進行した難しいがんの治療でも諦めずに自分のできるベストを尽くす。