CD・DVDのレンタルで日本最大のチェーンを展開する増田。だが、増田は自らの仕事はレンタル業ではなく企画業だと言う。大切にしているのは、世の中にないアイデアや発想を形にして、新たなビジネスを企画すること。増田は、32年前に創業して以来、次々と企画を生むことで、年商2,000億円の企業へと押し上げてきた。 例えば12年前、いち早く始めたポイントカード事業。増田はポイントと引き換えに、客の購買データを収集し、年代や性別、売れる物の傾向などを分析して、企業に販売する仕組みを構築した。今ではコンビニや飲食店など100社を超える企業が提携している。また4年前には、ネット時代における書店の新たなビジネスモデルも開発。コーヒーを飲みながらゆっくり本を選べる店舗の設計、ジャンルごとにオススメの本を探してくれる専門のコンシェルジュを置くなど、独自の店作りで売り上げを伸ばしてきた。増田は、なぜ「企画」という仕事にこだわるのか。 「(かつての経営は)同じものをとにかく速くたくさん作る。それが競争戦略だったし、成長だった。だけどその延長に未来はないのよ。過去の延長線上には未来はない。新しい未来のためにプラットフォームを作るのが企画会社だし、それをしないと生き残れない」。 消費者の価値観が多様化し、求めるものが目まぐるしく変化する時代。その変化に対応する者だけが今の時代を生き残れる。強い危機感が増田の企画への情熱を駆り立てている。