華やかに細工され、ウニやトビコで彩られたイカ。だしの余韻がふわりと残る漬けマグロ。福岡・北九州のすし職人・天野功(62)の握りは、日本料理がシンプルさを突き詰める中、緻密に考え抜かれた「たし算」の妙技。この冬、極上のサワラを手に入れた天野。地元漁師の思いを客に届けるため、その真価を引き出すための調理法を見つけ出す。すし一筋62年、涙もろくて頑固なプロフェッショナルの、年の瀬の挑戦に密着する。