大山の会社では、新商品の提案はすべて毎週月曜日の“プレゼン会議”で行われる。社長である大山はすべての提案を即断即決でさばき、商品化するかどうかの判断を下す。百戦錬磨の大山の目は厳しく、社員にとってそのハードルを越えるのは決して低くない。しかし一方で、大山が「これはいい商品だ」と納得すれば、その場で商品化が決まるのだ。 プレゼン会議という公開の場で、わざわざ決裁をする理由を、大山はこう語る。 「ほかの会社はね、ハードルがいっぱいあってね、1つオッケーになってもね、じゃあ後でお前大丈夫かと。みんな心配するわけ。失敗を恐れる訳ね。それが開発者にとってはブレーキになるわけね。私の判さえとってしまえば、もう鬼の首をとったのと同じですから後から文句言う人いないの。その代わり、責任は全部私にあると。」