請川は操縦技術だけでなく、その映像センスにも多くの撮影関係者から高い評価を得ている。だが安全確実なフライトをモットーとする請川は空撮のとき、常に上空の機体を凝視し、映像が映し出されるモニターにはほとんど目を向けていない。カメラに装着したレンズの性能を把握し、機体と被写体の距離感を見極めれば、撮影されている映像は頭に浮かび上がってくるからだという。そして機体を操る指先に神経を集中させることで自在に機体を操り、イメージどおりの映像を切り取ることができるのだという。30年のキャリアを持ちながらも、時間を惜しまずトレーニングを重ね続けてきたことが、空撮のたくみともいえる境地に請川を達し得させたといえる。