さくら(高野志穂)を心配し、ハワイから駆けつけたロバート(セイン・カミュ)は、さくらが食事を摂らず、薬も飲んでいないことに驚く。信じられない思いのロバートは、それを指示した桂木(小澤征悦)に不信感を抱く。一方、筆子(浅田美代子)や佳奈子(長澤まさみ)たちは、ロバートにうっとりするが、昔かたぎの孫作(奥村公延)は快く思わない。そんなこともあり、ロバートは桂木の住むあけぼの寮に宿泊する羽目になる…。
熱が下がり、さくら(高野志穂)は元気を取り戻す。しかしロバート(セイン・カミュ)は、さくらと桂木(小澤征悦)の親密さが気にかかる。仕事に復帰したさくらは大介(江成正元)と英語スピーチコンテストの特訓を再開する。ロバートは、復帰早々多忙になったさくらを案じて、大介のコーチを買って出る。誰もがうらやむほど仲の良い二人だが、日本のやり方に順応していくさくらに対し、ロバートは一抹の寂しさを覚える…。
さくら(高野志穂)と大介(江成正元)の特訓を見て、沢田(野口五郎)も内心ではその頑張りを認めざるを得ない。コンテスト前夜、弱音を吐く大介を孫作(奥村公延)が、「恥をかくことを怖がるな」と励ます。その結果、大介は特別賞を受賞。校長(江守徹)から、日本の英語教育や沢田の考え方を教えられたさくらは、沢田に今までの自分の態度を謝る。沢田もまた自分の考えを率直に話し二人は初めて気持ちを通い合わせる…。
ロバート(セイン・カミュ)は桂木(小澤征悦)がアメリカの大学で経営学の修士号を取得していたと知る。が、さくら(高野志穂)には信じられない。レオ(ラモス瑠偉)たちの話では、「能ある鷹は爪を隠す」のが日本人の美徳らしい。帰国の日、ロバートはあけぼの中学の生徒たちを前に実体験を基にした世界観を語り、さくらはそんなロバートを誇らしく思う。と同時に「離れているからこそ深まる絆もある」との思いを強めるが…。
このところ竹下教頭(笹野高史)の様子がおかしい。心ここにあらずといった感じで、ぼうっとしがちなのだ。やがて竹下が大金を、それも娘の結婚資金までを何かにつぎこんでいると分かり、さくら(高野志穂)たちは心配する。同じころ、相場詐欺師では?とうわさされる倉持(山口剛)という男が「レオナルド」に顔を見せるようになる。そんなある日、さくらは「レオナルド」で、倉持が意外な人物と会っているところを目撃する…。
2年C組の教室から、生徒の財布がなくなった。生徒のために内々で解決しようとする桂木(小澤征悦)とさくら(高野志穂)だが、盗んだことを名乗り出る者はいない。やがて同じクラスの生徒に疑いの目が向けられるが桂木はあくまで生徒を信じようとする。一方、竹下教頭(笹野高史)は小豆相場に手を出してしまったらしい。桂木の忠告にもかかわらず、竹下教頭は手を引くどころか、さらに信用金庫にも借金を申し込んでいた…。
竹下教頭(笹野高史)の借金の話も、2年C組の財布盗難事件も、あっという間に教職員たちの間に知れ渡る。そんな折、『レオナルド』からさくら(高野志穂)に、倉持(山口剛)が店に現れた、と連絡が入る。店に駆けつて倉持を問い詰めたいさくらだが、急ぎの仕事を頼まれて身動きが取れない。一方、財布を盗んだと噂(うわさ)される生徒は孤立感を深めていく。さくらは気をもむが、打つ手もなく、ただ静観するしかない…。
財布盗難事件の影響で、クラスの雰囲気は悪化する。さくら(高野志穂)は生徒を信じたいと思う一方で、早期解決を焦る。詐欺師の疑いが持たれている倉持(山口剛)が、再び『レオナルド』に現れる。さくらは、倉持が竹下教頭(笹野高史)をだましていると話すのを耳にして、こっそり『レオナルド』に竹下を呼び出す。竹下と顔を合わせた倉持はさすがに動揺を隠せない。そんな倉持を竹下は自分の20年前の教え子だと紹介する…。
元証券マンの桂木(小澤征悦)は倉持(山口剛)の弱点をつき、詐欺であることを証明する。が、なぜか被害者の竹下(笹野高史)は倉持をかばって、その場を立ち去らせる。そんな竹下の態度が、さくら(高野志穂)には信じがたい。翌日、疑問をぶつけるさくらに竹下は、教師としての信念を貫き、あくまで自分の教え子である倉持を信じると話す。そこへ当の倉持が現れる。一方、2年C組の財布盗難事件は意外な展開を見せる…。
財布を盗まれたと言っていた生徒が、思い違いで自宅にあった、と涙ながらに打ち明けてくる。さくら(高野志穂)は誰も傷つかない方法での解決を願う。が、桂木(小澤征悦)は、心の痛みの分かる人間になって欲しいとの思いから、辛くても皆の前で正直に告白するように諭す。さくらは、生徒を信じることの大切さを学ぶと同時に、教師の仕事の難しさを痛感する。悩むさくらに、中曽根(江守徹)は「書」を習ってはどうかと言う…。
夏休みに入り、さくら(高野志穂)は、下呂や郡上八幡、祖父の故郷である白川郷など岐阜県内を巡ろうと計画する。一方、2年C組の生徒たちには、東京の本校で厳しい夏期講習が待っていた。同行するのは、桂木(小澤征悦)と沢田(野口五郎)の二人。ところが、祖父の功(小林亜星)がギックリ腰になってしまったことから、さくらは急きょ計画を変更し、見舞いのために東京の神山家に向かうことにする…。
さくら(高野志穂)は、祖父・功(小林亜星)のギックリ腰を心配して、東京の神山家に駆けつける。功は強がってみせるが、内心ではさくらの訪問に大喜び。そのころ沼田家に、さくらの妹・もも(板倉香)が突然訪ねて来る。ももは持ち前の奔放さで沼田家の面々を翻ろうする。ハワイの響子(太田裕美)にも功の一件が伝わるが、功に負けず劣らずの頑固者である響子は、無関心を装う。二人を仲直りさせたいと思うさくらだが…。
婚約解消で受けた心の傷を明るく振る舞うことでごまかしてきたさくら(高野志穂)。心情を吐露した後は、その反動ですっかり気力がなえてしまう。学校へ行くのも省一(飯泉征貴)に付き添われる始末だ。事情を知らない教師からはロバートとのことを冷やかされ、さくらは無理に作り笑いで応える。桂木(小澤征悦)は、このままでは辛いだろうと気遣うが、「今は気を遣われる方がもっと辛い」とさくらはつぶやく。
さくら(高野志穂)が心労のため突然学校で倒れてしまい、桂木(小澤征悦)は仕方なく教師たちに婚約解消のことを話す。そして、桂木はさくらの辛さを軽くするために、婚約者に贈るはずだったクリスマスプレゼントを受け取る。一方、沼田家ではさくらの心情をくんで、「別れる」「切れる」といった婚約解消を連想させる言葉を禁句にする。ところが使うまいと意識すればするほど使ってしまう沼田家の家族たちであった。
婚約者と別れたさくら(高野志穂)の心の傷はなかなか癒えない。桂木(小澤征悦)はさくらの心を和ませようと、子供を寝かしつけるように昔話を話して聞かせる。静かに寝息を立て始めるさくら。それに引き寄せられるように、桂木はさくらの髪をいつくしむようになでる。桂木は思いがけない自分の行為にうろたえる。翌日、桂木は竹下教頭(笹野高史)からさくらの見舞いを頼まれるが、どこか後ろめたく同僚に押しつけてしまう。
いとしさのあまり、眠っているさくら(高野志穂)の髪をなでてしまった桂木(小澤征悦)。そのことを思い出すたびに、桂木は柄にもなくうろたえてしまう。そんな桂木がさくらを見舞おうとしないことを、学校の教師たちが不思議がる。さくらも桂木が来ないので寂しそうだという。どうすればさくらを励ますことができるか。教師たちはみんなで知恵を絞り、逆療法として沢田(野口五郎)にさくらの見舞いをさせることを決める。
沢田(野口五郎)がさくら(高野志穂)のお見舞いに来た。沢田は学生時代からの自分の失恋経験をさくらに語る。必死に励まそうとするが、さくらは一向に元気にならない。そんなさくらの心の傷の深さを知った沢田は、さくらを避け続ける桂木(小澤征悦)に「苦しんでいる人間を見過ごすなんて男のやることではない」と伝える。そして、桂木はさくらを訪ね、婚約者とのことをきっぱり忘れるためには辛くとも全部思い出せと言う。
桂木(小澤征悦)は、さくら(高野志穂)にロバートとの出会いから別れまでを思い出させる。桂木が考えた荒療治である。ロバートとのことを味わいつくしたさくらは、さらに気持ちの整理をつけるために祖父の思い出の地、白川郷へ出かける。元気を取り戻したさくらは、古川の伝統行事「三寺まいり」に桂木を誘う。ろうそくのあかりが雪景色を彩る幻想的な夜、さくらは桂木からふいに抱きしめられるのだった…。