気づいたとき、シロエはゲームの中の「アキバの街」に立っていた―。オンラインゲーム「エルダー・テイル」に接続していた日本人3万人が、ゲームの世界に閉じ込められた!画面の向こう側にあったはずの世界が「現実」となり、混乱する人々であふれるアキバの街で、シロエは旧友・直継を見つける。そして、再会に安堵するふたりの前に現れたのは、腕利きの「暗殺者」アカツキ。アカツキはシロエに頼みがあるという。
<大災害>によって、ゲームの世界に閉じ込められた人々は、混乱の極みにあった。アキバの街では大規模ギルドが幅を利かせ、街の外では、凶悪なプレーヤーが他のプレーヤーを襲う、「PK(プレーヤー・キル)」という卑劣な行為が横行していた。そんななか、マリエールたち「三日月同盟」に所属する少女が、北の「ススキノ」の地で救援を求めている、という。忸怩たる思いを抱いていたシロエはひとつの決断をする。
ギルド「三日月同盟」に所属する少女セララは、謎の男にかくまわれ、北の都市「ススキノ」で救出を待っていた。一方、セララを救うため、旅を続けるシロエたち。ゲームの世界特有の味がしない食べものにウンザリしながら北へと向かう。そして、3人が潜入したのは、崩れ落ちそうな古代の坑道が交差する地下迷宮「パルムの深き場所」。この迷宮で、シロエたちを出迎えたのは、不気味なモンスターだった…。
北の都市「ススキノ」へとたどりついたシロエ、直継、アカツキは、ぶじセララと合流した。そして、セララをかくまっていた猫人族の盗剣士・にゃん太とともに、ススキノの街からの脱出を図った。ところが、5人の前に立ちはだかったのは、セララ奪還をねらう凶悪ギルド「ブリガンティア」の一団だった。スゴ腕の武闘家・デミクァスらの猛烈な攻撃を受けるシロエたち。多勢に無勢の状況をいかに切り抜けるのか!?
セララとともに「ススキノ」を脱出したシロエたちは、アキバへと南下の旅を続けていた。その道中、一行はある村で「大地人」の一家と出会う。もともとゲームの中に存在していたキャラクターにすぎない「大地人」は、人格も個性も持たぬはずだったが、目の前で話をするうちに、直継は違和感を覚える…。シロエたちは、自分たちが投げ出されたこの世界が「ゲームだったころ」と同じではないことに、徐々に気づかされるのだった。
アキバへと帰り着いたシロエに、マリエールは街の様子を告げる。当初の混乱は収束しつつあるものの、アキバの街では規模の大きなギルドが幅を利かせ、タチの悪いギルドは、初心者を言葉巧みに誘っては、搾取を続けていた。そんな雰囲気にやりきれなさといらだちを感じていたシロエは、直継、アカツキ、にゃん太に、ある決心を打ち明ける。そして、マリエールたちに「アキバの街の掃除をする」と宣言するのだった。
シロエやにゃん太から伝えられた、この世界での「料理の秘密」をもとに、マリエールたち「三日月同盟」はファストフードの屋台を立ち上げる。味のない無機質な食事にウンザリしていた街の人々に、マリエールたちの「クレセントバーガー」はとてつもない衝撃を与えた。しかし、ハンバーガーを売りさばくことはシロエの本当の目的ではなく、シロエは「三日月同盟」のヘンリエッタとともに次の一手を練り始める。
クレセントバーガーでアキバの人々を驚かせた「三日月同盟」のマリエールとヘンリエッタは、大手の生産系ギルドを率いる「第8商店街」カラシン、「海洋機構」ミチタカ、「ロデリック商会」ロデリックのもとを訪ねる。シロエの描いた青写真どおり、クレセントバーガーの極秘のレシピをちらつかせながら、交渉に臨む敏腕会計士のヘンリエッタ。腹の探り合いが続く交渉のなか、彼女が要求したものとは…。
「アキバの街」の安定を願うシロエは、街の有力ギルドマスターをギルド会館に呼び集めた。目的はアキバの自治を担う「円卓会議」の結成。しかし、ギルド間の思惑が異なり、提案は暗礁に乗り上げかける。そこで、シロエが口にしたとんでもない「切り札」とは…?一方、息詰まる会議の裏では、悪徳ギルド「ハーメルン」からの新人救出作戦も進行していた。アキバの街を舞台に策士シロエの静かな戦いが続く!!
アキバを代表する10人のギルドマスターを前に、シロエは街の活性化と治安維持の必要性を説く。その冷静かつ有無を言わせぬ口調に、ひとりまたひとりと賛意を示す有力者たち。こうして、アキバの街に自治組織「円卓会議」が発足した。そんな一仕事を終え、シロエたちギルド「記録の地平線」は、和気あいあいと引っ越しの日を迎える。その晩、引っ越し祝いににゃん太からは特製のカレーがふるまわれ…。
「円卓会議」の結成をいち早く察知した「自由都市同盟イースタル」の大地人貴族たちは、アキバの街へと使者を送り、シロエやクラスティたちを領主会議へと招待した。魔法の氷に覆われた宮廷で、貴族たちは何をもくろんでいるのか…。同じころ、ミノリやトウヤたち年少プレーヤーは戦闘力強化の合宿のため、海へと向かう。日ごろのストレスを抱えるマリエールも、引率の立場を忘れ(?)、潮騒に心を躍らせるのだった。
新人強化合宿で、ザントリーフ半島を旅する年少プレーヤーたち。ミノリとトウヤ、セララは吟遊詩人・五十鈴と妖術師・ルンデルハウスとチームを組むことになった。彼らが向かったのは、スケルトンが待ち受ける「ラグランダの杜」。おっかなびっくりのセララに、負けず嫌いのトウヤ、プライドの高いルンデルハウス…。初めてのパーティー戦で、この5人組は息を合わせて戦うことができるのか…。
「自由都市同盟イースタル」から宮廷へと招かれたシロエ、クラスティ、ミチタカ。大地人貴族たちは、さまざまな会合に3人を巻き込み、アキバの街や円卓会議について、探りを入れているようだった。そんななか、理知的で堂々たるふるまいを見せていたクラスティが目をつけたのは、コーウェン公爵家の令嬢レイネシア。清楚ではかなげ、でもちょっと気だるそうな姫君にグイグイと迫っていって…!?
シロエとアカツキは、謎の魔法学者リ=ガンの部屋に招き入れられた。彼の口から説き明かされるエルダー・テイルの世界の原理に、シロエは驚きを隠せない。なかでも、冒険者の死と復活にかかわる「魂魄理論」によれば、「ゲームの中であればキャラクターが死ぬと経験値を失うだけだが、この異世界では生身の人間として記憶の一部を失ってしまう」という…。衝撃の事実にさすがのシロエも思わず動揺する。
新人強化合宿に参加しているトウヤやミノリたち年少プレーヤーは、自分たちのふがいない戦いぶりに壁に突き当たっていた。そこで、ミノリが提案したのは、お互い「自己紹介」をすること!?血気盛んなルンデルハウスは「話し合いより実戦経験が大事」と反論するが、はたして「自己紹介」の効果は…?一方、海岸でゆっくりくつろぐ引率役のマリエールだったが、突如、信じられない光景を目撃する。
ザントリーフ半島の海岸で、サファギンによる襲撃が始まったころ、内陸部でも、ゴブリンの進軍が確認された。モンスターたちがねらうのは、レイネシアの領地である「マイハマ」か、それとも「アキバ」か…。シロエたち円卓会議にも緊張が走る。さらに、一部のゴブリンは略奪を目的に無防備なチョウシの町へと進む。何とか町を守りたいミノリたち新人プレーヤーは、戦闘への参加を訴えるが…。
ゴブリンの進撃を受け、自由都市同盟イースタルの大地人貴族たちは、緊急の会議を開く。大地人にとっての守護者である「イズモ騎士団」の消息は知れず、モンスター討伐はアキバの冒険者にすがるしかないはず…。しかし、体面を気にする貴族たちは、シロエたち円卓会議に頭を下げることを拒み、議論は空転していた。そんななか、突然、コーウェン家の令嬢レイネシアが会議の場に割って入ったー。
「アキバの街へ赴き、みずから冒険者たちにゴブリン討伐を懇願する」と宣言したコーウェン家の姫君・レイネシアが、アキバの街へやってきた!正真正銘の「お姫さま」の登場に、三日月同盟のメンバーたちは興奮を隠せない。さらに、シロエがレイネシアのためにあつらえたのは特注の戦場コスチューム。集結したアキバの冒険者たちを前に、戦場の女神のような姿のレイネシアの演説が始まった。
海から、陸から、モンスターたちの襲撃を受けるザントリーフ半島各地で、冒険者たちの防御戦は続いていた。内陸部では、クラスティたちがゴブリンの中枢部隊を急襲。一方、海辺のチョウシの町では、新人プレーヤーも奮闘を続けていた。雨中の乱戦となるなか、トウヤに襲いかかったのは巨大なダイアウルフ。トウヤ、絶体絶命…。そこに飛び込んできたのはルンデルハウスだった。
みずからの正体が大地人であることを隠し、五十鈴やトウヤ、ミノリらと戦闘に臨んだルンデルハウスだが、ダイアウルフを撃退した代償に致命傷を負う。大地人であるルンデルハウスは、このままでは命を失い、よみがえることはない…。ミノリからの悲痛なSOSを受けたシロエは、グリフォンを駆り、チョウシの町へ急行する。はたして、ルンデルハウスの消えゆく魂のゆくえは…!?
ザントリーフ半島でのモンスター戦を制圧した冒険者たちをねぎらうため、エターナルアイスの古宮廷では祝勝の宴が開かれた。冒険者と大地人の融和を象徴するように、クラスティはレイネシアの手をとり、セルジアット公はヘンリエッタを誘い、オーケストラにあわせて踊り始める。マリエールと直継、にゃん太とセララ、次々とダンスのペアが生まれるなか、シロエが声をかけたのは…。
アキバの街には秋が訪れていた。モンスター討伐を終え、シロエは書類との格闘に明け暮れていたが、冒険者たちの初めてのイベントである「天秤(てんびん)祭」を控え、街は活気にあふれていた。祭りの初日には、男女ペアで出場できる「ケーキバイキング」が開かれると聞き、ミノリとアカツキは胸を躍らせる。ふたりとも、シロエとペアになりたいと心に決めているのだが、はたして…。
アキバの街の「天秤(てんびん)祭」も2日目。シロエとの距離が縮まったアカツキは朝から上機嫌で、直継とのドタバタもどこか楽しげな様子。一方、シロエへの恋心に思い悩むミノリは、祭の運営を仕切るカラシンのもとを訪ねる。書類や伝票に埋もれるカラシンを見かねて手伝いをかってでるミノリ。どうやら、相当な数の大地人商人がアキバの街に流れ込んでいるようなのだが…。
「天秤(てんびん)祭」が開かれ、異様なまでのにぎわいを見せるアキバの街。大地人商人が街にあふれ、事故やデマ、痴話ゲンカなど、些細なトラブルが頻発し、さすがのシロエも戸惑いを隠せない。そんななか、ミナミの有力な貴族商人であるマルヴェス卿が突然、レイネシアのもとを訪れる。丁重にもてなそうとするレイネシアに、不気味な笑みを浮かべたマルヴェスが、そっと近づいた…。
西の都市ミナミからの陽動作戦に揺れるアキバの街だったが、マリエールやヘンリエッタは、あえてにぎやかなファッションショーを開催する。カジュアルな衣装に身を包んだアカツキもランウェイを歩くが、そこにシロエの姿はない…。その夜、シロエを待ち受けていたのは、あまりにも妖艶な「闇の女王」だった。陰謀の真意にふれ、誘惑に揺れるシロエ…。ストーリーは急展開する!
シロエたち「冒険者」が、<エルダー・テイル>の世界に閉じ込められて、およそ半年。秋が深まるアキバの街では、運動会イベントが開かれ、活気を見せていた。そんなにぎわいをよそにシロエは、この世界の金貨の流通を取りしきる大地人・菫星(きんじょう)と極秘の会談に臨む。そして、交渉を終えたシロエは「この街を出る」と仲間に告げるのだった・・・。待望の「ログ・ホライズン」第2シリーズ、新たな冒険の幕が開ける!
シロエ、直継、リ=ガンが向かったのは、かつて凶悪ギルド<ブリガンティア>が支配していた最北の都市・ススキノ。この街で、「供贄(くにえ)の黄金」に挑む高レベルの戦士たちを募るため、シロエが訪ねたのは意外な人物だった。一方、雪に覆われた街を歩く直継とリ=ガンは、小柄な美少女「てとら」と遭遇する。「銀河系アイドル」を自称する、やたらとうっとうしいキャラだが、レベルはなんと92・・・!?
「供贄(くにえ)の黄金」にたどりつくため、<パルムの深き場所>へと潜入したシロエたち24名のレイドチーム。地下迷宮のなかで、強力なモンスターが次々と出現し、撤退を繰り返す消耗戦へと突入していた。そのころ、アキバの街で、アカツキは「口伝(くでん)」という言葉を耳にする。難易度の高いレイドを突破することで、自らの特技を飛躍的に高いレベルに到達させられると聞き、強く興味をひかれる。
アキバの街もあと数日でクリスマス。レイネシアの館には、マリエールやヘンリエッタ、リーゼたち女性陣がにぎやかに押しかけていた。笑顔を浮かべているレイネシアだったが、出自の違う冒険者たちにいまだ心を開ききれずにいる・・・。また、姫の警護を任せられているアカツキは、ひとり浮かない顔で、離れて戦うシロエを思い、非力な自らを責め悩んでいた。そんな12月のアキバの街で、衝撃的な事件が起こる。
アキバの街にあらわれたその男は、衛兵の強力な装備を身につけ、冒険者を次々と手にかけていった。この犯人の正体は、なんと都市の警護を担うべき大地人・供贄(くにえ)一族の男・ネルレスだった。大地人の姫君として、まさかの事態に衝撃を受けるレイネシア。そして、苦悩する彼女に寄り添うアカツキは、ひとりクリスマス・イブの街へ飛び出してゆく。そのころ、「西風の旅団」の偵察隊が、ついにネルレスと遭遇する・・・。
クリスマス・イブの晩、暴走した衛兵・ネルレスの凶刃に倒れてしまうアカツキ。そして、気づいたアカツキの目に飛び込んできたのは、現実世界の渋谷の駅前の雑踏だった・・・。なにかから逃れるように街をただようアカツキは、次の瞬間、光につつまれ、静かな砂浜へと転移する。はるか遠くに地球を望む月の浜辺。そこに、シロエがいた。北へと旅だっていたシロエも、同じ晩、どこかで命を落としていたのだ・・・。
大神殿でよみがえったアカツキは、リーゼやナズナ、ヘンリエッタたちに助力を乞い、ネルレスにリベンジを果たすべく、ふたたび立ち上がった。そして、心を開いたアカツキは「D.D.D」や「西風の旅団」の精鋭メンバーとともに汗を流し、「口伝」の技を身につけようと奮闘する。そして、大地人であるレイネシアも、アキバのため、「友だち」のため、打倒ネルレスに挑む乙女たちの輪に加わるのだった。
ネルレス討伐のため、24名のフルレイドが始動した!アカツキ、マリエール、リーゼ、キョウコ、イサミ、ナズナ、櫛八玉(くしやたま)、ヤエザクラ、カワラ、サンディ、セイネ、ユズコ、白虹、ミカカゲ、飛羽、小豆子、オリーブ、くりのん、ドルチェ、チカ、ひさこ、ねみみ、円東あきば、明日架。乙女たちがアキバの街を駆ける!一方、レイネシアとヘンリエッタは、とある作戦のため、ギルド会館の地下へと向かう・・・。
ここは、東北のティアストーン山中にある地下迷宮「奈落の参道」。クリスマス・イブの夜、シロエたち24名のフルレイドメンバーは、レベル97のモンスター「七なる庭園のルセアート」のもとにたどりつき、攻略戦を繰り広げていた。ところが、交戦中の彼らの前に、さらに2体のボスモンスターがあらわれ、戦場は大混乱へとおちいる。シロエと直継も「三なる庭園のイブラ・ハブラ」の炎に包まれて・・・。
精鋭戦闘系ギルド「シルバーソード」を率いるウィリアム=マサチューセッツは、ひたすらオンラインゲームに情熱を燃やす高校生だった。クラスメイトに白い目で見られても、ゲーム仲間とはわかりあえた。だから、この異世界に閉じ込められても、彼は喜びを感じていた。しかし、シロエたちと挑んだ地下迷宮「奈落の参道」で、24人のレイドチームは全滅。勝ち目のない状況にメンバー全員が絶望のふちに立たされていた・・・。
この異世界に流通する金貨の源泉である「供贄(くにえ)の黄金」を求め、地下迷宮「奈落の参道」に潜入したシロエ、直継、ウィリアム=マサチューセッツら24人のフルレイドチーム。全滅を余儀なくされたクリスマス・イブの悪夢を乗り越え、彼らは迷宮攻略に再挑戦する。同時に襲いくる3体のボスモンスターを撃破するために戦術を練るシロエ。成功率はわずか15%・・・。それでも、冒険者たちは戦場に戻ってきた。
デミクァスの単独突破により、地下迷宮「奈落の参道」を突破したシロエ。迷宮の最深部に存在する「供贄(くにえ)の黄金」とは、金貨の大河と湖が広がる、目もくらむほどまばゆい黄金の庭園であった。そして、そこに待ち受けていたのは、幾度もシロエと交渉を重ねてきた供贄一族の若き頭領・菫星。彼はシロエに「好きなだけ黄金を持ち帰ることができる」と告げるが、シロエは意外な行動に出る。
2月14日がやってきた!冒険者たちが迎える初めてのバレンタインデーに、アキバの街はウキウキソワソワ。マリエールや五十鈴は「恋がかなう」という伝説がある「ココニアの実」を使って、お菓子作りに励む。一方「ログ・ホライズン」のギルドハウスでは、てとらにそそのかされ、大量にココニアの実を購入した、アカツキとミノリがキッチンではち合わせ・・・。恋敵どうしの直接対決に、にゃん太も動揺を隠せない!?
<エルダー・テイル>がゲームだったころ、腕利きのソロプレーヤーが気の向くまま集まっては、最難関レイドを制覇していった伝説の集団があった。その名は「デボーチェリ・ティーパーティー」。シロエや直継、にゃん太、ソウジロウに、ミナミにいるカズ彦やKR…そんな実力者を束ねていたのは、快活な女性リーダー・カナミ。彼女は、<大災害>のあと、中国サーバーの広大な大地を旅し、一路ヤマトへと向かっていた。
アキバの街に春が近づくころ、ミノリやトウヤ、五十鈴、ルンデルハウス、セララは、かつての東海道を下り、レッドストーン山地へと向かう旅に出ることになった。空飛ぶモンスター・ワイバーンを狩り、「マジックバッグ」を手に入れるクエストに挑むのだ。年長者に頼らない初めての冒険とあって、5人は興奮を隠せない。なかでも、<吟遊詩人>の五十鈴は、愛用のリュートとともに旅先で歌を披露しようと、意気込むのだった。
アキバを出て、東海道を西へと向かう、ミノリやトウヤたち。思わぬハプニングに出会いながらも、セララが料理の腕をふるったり、五十鈴が歌を披露して宿を確保したり、和気あいあいと旅を続けていた。しかし、道のりが山あいにさしかかるころ、一行は人食い鬼に追われる大地人に出くわす。いったんは人食い鬼を撃退した5人だったが、さらにモンスターは体数を増し、ミノリとトウヤに襲いかかった!絶体絶命のピンチに現れたのは…
ミノリやトウヤたちのピンチを救った、メガネのお姉さんは「ロエ2」と名乗る、召喚術師だった。アイテムやレベルを見るかぎり、かなりの腕利きと推測される彼女だが、やたらお姉さんぶったり、常識が通じなかったり、相当ユニークなキャラクターのようだ…。ロエ2も、ミノリたちと同じく西へ向かう、とのことで、この「お姉さん」を加えた6人組は、みんなで馬車に乗って、ボクスルトの山道を旅することになった。
ボクスルトの山道で出会ったダリエラを加えた7人の一行は、レッドストーン山地にほど近い、サフィールの町に到着した。この町でも、五十鈴が披露する歌は、地元の大地人たちから大歓迎を受ける。自分が知っている歌を気軽に披露していただけの五十鈴だったが、ルンデルハウスは、彼女の音楽が大地人にとっていかに特別であるかを説明する。だがそのころ、サフィールを見下ろすレッドストーンの山中で、異変が起こっていた。
山間部に生息するはずの飛行型モンスター・ワイバーンの大群が、突如、サフィールの町に襲来した!思わぬ事態に、トウヤやミノリ、セララも町の人々を守るべく走り出す。そんな彼らの目に飛び込んできたのは、ワイバーンの群れに無謀に突撃する「オデュッセイア騎士団」の姿だった。命を無駄にするかのような戦いぶりに言葉を失うトウヤたち。一方、ロエ2は、この修羅場を目にしても、平然とした態度を崩さない・・・。
大地人の町・サフィールを襲ったワイバーンの大群。この異変の裏には、ミナミの策略が隠されていた・・・。このたくらみを食い止めようと、にゃん太は単身、鉄鋼車両へと乗り込む。しかし、その前に立ちはだかったのは、かつてススキノで剣を交えた妖術師・ロンダークだった。一方、町なかでモンスターや騎士団との無慈悲な戦闘を目にした五十鈴は、この理不尽な世界を変えたいと、愛用のリュートを手に取り、歌いはじめる。
ミナミの「赤き夜」作戦が中止され、ワイバーンも姿を消したサフィールの町だったが、あたりには甚大な被害が残されていた。トウヤやミノリ、セララたちも、マジックバッグの素材こそ手にしたものの、気は晴れない。そして、アキバの街では、大災害からまもなく1年を迎え、生きる張り合いをなくした冒険者たちが目立っていた。そんななか、「西風の旅団」の乙女たちが、なんだかアヤシげなナンパに遭遇する・・・。
ミノリたちと旅先で別れた謎の召喚術師・ロエ2だったが、アキバのシロエに宛て、一通の書簡を託していた。そこには、彼女たちが「航界種(こうかいしゅ)」という、冒険者でも大地人でもない第三の存在であることが明かされていた・・・。そのころ、アキバの街では、通常のモンスターとまったく違う形で冒険者にダメージを与える「典災・ジーニアス」という新たなモンスターが確認され、円卓会議も対応に苦慮していた。
シロエは、「月と通信ができれば、現実世界に戻るヒントがつかめる」という情報を円卓会議の面々に伝える。しかし、ミノリやセララ、五十鈴たちは、急に浮上した「現実世界への帰還」という可能性に当惑を隠せない。一方、マイハマでは、レイネシアの弟にして、コーウェン家の次期領主となるイセルスの誕生パーティーが計画されていた。そして、宴の夜、イセルスのかたわらに立つアイザックは会場の不穏な気配を察する…。
月の出とともにヤマト各地を襲う、未知なるモンスター・常蛾(じょうが)。大地人のみならず冒険者までもが、次々とMPを奪われ眠りに落ちてゆく…。シロエは、常蛾の拠点であるシブヤの放送局跡「呼び声の砦(とりで)」攻略に踏み切るが、もしモンスターもろともアンテナを破壊してしまえば、月との通信手段が断たれてしまう。ジレンマを抱えたシロエのレイド指揮には迷いが生じ、戦線は大混乱におちいるのだった。
月への通信手段を確保しつつ、新種のモンスター・典災を排除するため、シロエはレイドボス・タリクタンとの誘導戦を開始する。放送局屋上からコンサート ホールへと飛び去ったタリクタンは次々と巨大化し、規格外の攻撃を繰り出すが、ついにシロエの全力管制戦闘がベールを脱ぐ!通信設備を奪還するその先にシ ロエが描くプランとは…!?ゲームの世界に閉じ込められた若者たちの絆と冒険の物語、いま新たな地平が開く!
オンラインゲーム「エルダー・テイル」の世界に、シロエたち「冒険者」が閉じ込められて1年あまりが過ぎた。 ギルド「ログ・ホライズン」のメンバーが暮らすアキバの街は、自治組織「円卓会議」の発足により、安定を取り戻していた。そして、貴族の令嬢レイネシアがアキバに赴任するなど、ゲーム世界の住人「大地人」と冒険者との交流も活発になっている。 そんなある日、レイネシアのもとに母・サラリヤが突然あらわれる。
「円卓会議」の一員でもある大手ギルド「ホネスティ」のリーダー・アインスが、ウエストランデ神聖皇国の斎宮家(さいぐうけ)から「アキバ公爵」に任命された。古くからの権威である斎宮家の後ろだてとあって、アキバの大地人の多くは好意的に受け止める。 その一方で、斎宮家の当主・トウリからレイネシアへの縁談が持ち込まれたこともあり、シロエたちは、ウエストランデやミナミの何らかの策略ではないかと警戒する。
斎宮家から「アキバ公爵」に任命されたアインスは、シロエたちの眼前で円卓会議からの脱退と、大地人をまじえた新たな統治組織「アキバ統治府」の設立を宣言する。最大手ギルドである「ホネスティ」の離脱を受け、大地人との関係を重視する他の大手ギルドも円卓会議から距離を置きはじめる。明確に円卓会議への反旗をひるがえしたアインスではあったが、ある夜、アキバの廃駅のホームにシロエと直継を呼びつけて…。
シロエと斎宮トウリとの会談の場に突如あらわれたのは、水楓の館にいるはずのレイネシアだった。トウリからの縁談を拒み、アキバにとどまって責務をまっとうしたい、というレイネシア。その思いに胸をうたれたシロエは、「アキバ統治府」と「新生円卓会議」の間で信任選挙を行うことを提案する。アキバ統治府から出馬するのはアインス。そして一方、シロエはレイネシアに新生円卓会議の代表として選挙に挑むことを求める。
アキバの人々が未来をゆだねるのは「アキバ統治府」か「新生円卓会議」か?冒険者と大地人もともに一人一票の権利を持つが、大地人の多くは、斎宮家の後ろだてを持つアインスの「アキバ統治府」を支持しているという。優勢が伝えられ、自信を持つ斎宮トウリやマルヴェス卿に対し、他ならぬアインスはシロエの秘策を警戒し、「勝負は五分五分」と慎重な姿勢を崩さない…。そしてついに、アキバの街は投票当日を迎える!
円卓会議の代表であり、アキバ随一の戦闘系ギルド「D.D.D」の指揮官でもあったクラスティは、モンスター討伐中に日本(ヤマト)サーバーから中央アジアにあたるユーレッド大陸・中原(ちゅうげん)サーバーに転移させられていた。そのクラスティがなぜかシロエや直継の古くからの盟友・カナミと行動をともにしているらしい…。 謎めいたクラスティの近況をレイネシアたちに伝えるべく、リーゼと高山三佐が立ち上がった!?
中原サーバーの白桃廟(はくとうびょう)でHP(ヒットポイント)を削られ、過去の記憶もさだかでないまま隠遁生活を過ごすクラスティは、ある日思い立ってファーデャオを連れて山を降りることにする。そんなクラスティに遭遇したのは、葉蓮仙女に言いくるめられ、カナミたち一行と別れたエリアスだった。「相手にとどめを刺せない」という呪いに苦しむエリアスは、クラスティを魔神と信じて襲いかかるのだったが…。
新生円卓会議が発足したアキバの街では、クラスティの捜索を誓ったレイネシアやシロエが慌ただしい毎日を送っていた。ある日、アキバから足を延ばして食料調達にでかけたトウヤ、五十鈴、セララ、ルンデルハウスは、森の中で行き倒れている狼牙族の姉妹を発見する。空腹のあまりセララからキノコを奪いとってかじりつく、姉レリア=モフールと妹リトカ=モフール。ふたりは65レベルに達する「古来種」の大地人だった…。
イズモの護衛騎士団を粉砕したという新たな典災「エレイヌス」。その存在をモフール姉妹から聞きつけ、シロエやアイザックは警戒態勢に入るが、アキバの街では平静が続く。事務作業に追われていたシロエは、ミノリやトウヤたち「年少組」に実戦の機会がないことを詫び、ミノリをともなって装備品の調達のためマーケットにおもむく。期せずして訪れたショッピングデート(?)のチャンスに、ミノリの心はときめいて!?
異様な雰囲気に包まれたアキバの街。ギルドハウスに取り残されたのは、ミノリ、トウヤ、五十鈴、ルンデルハウス、そしてアカツキ。はたして、シロエや直継たちはいずこに…?そして、三日月同盟のギルドハウスでも、マリエールやヘンリエッタが姿を消し、セララは動揺を隠せない。そして、アキバの街路も迷宮と化し、アイザックやウィリアムたちにはモンスターが次々と襲いかかる。ついに典災エレイヌスの攻撃が始まったのだ。
レベル90を超えていたシロエや直継、リーゼたちが軒並みレベル35に引き下げられ、取るに足らないモンスターたちに次々と敗れ去っていく…!?奇想天外な典災エレイヌスの攻撃を受け、絶体絶命のアキバの街。そんななか、ミノリやアカツキはセララたち三日月同盟の若手メンバーとかろうじて合流する。かつて悪徳ギルド「ハーメルン」にとらわれ、シロエたちに救出された若者たち。アキバの命運はこの24人に託された!
不気味な典災エレイヌスを相手に「アキバレイド」が幕を開けた!ミノリの懸命の指揮のもと、典災を追い詰めていく24人。ところが、エレイヌスが繰り出す精神属性攻撃が、若者たちの「思い出」や「あこがれ」を奪い去ってゆく。ミノリのシロエへの想いが、トウヤの直継へのあこがれが、セララのにゃん太への思慕が、次々と砕け散る…。多くのメンバーが戦意すら失うなか、天空から舞いおりたアカツキが刃をふるう!