天才建築家ガウディの7つの建築が世界遺産に登録されています。 中でも人気なのは、世界中から観光客が押し寄せるサグラダファミリア教会です。 最近驚くべき発表がありました。300年掛かるといわれたその完成が150年も早まるというのです。 撮影隊は特別な許可を得て建設現場に潜入。数々の最新技術を使い建設が急ピッチで進んでいる様子を目の当たりにしました。 ガウディの作品に隠された謎を解き明かしていきます
ロッキー山脈の山中、標高2000mにある公園は10月から3月頃まで深い雪に覆われる。 500もの間欠泉が集まる世界最大級の熱水地帯は、冬、吹き出す熱水や水蒸気が寒さで際立つ。 それらはすべて地下にあるマグマが引き起こす現象。公園の平原は64万年前の巨大噴火でできたカルデラだった。 巨大噴火は「七色の温泉」をも作った。ここは野生動物の王国でもあり、絶滅したオオカミやビーバーの生態系が戻りゆく姿を追う。
世界で最も活発な火山活動を、最も安全に観察できる場所…それがハワイ火山国立公園です。 2014年6月にキラウエア火山のプウオオ火口から噴出した大規模な溶岩流は、約20km離れたパホア村に到達しました。 溶岩に襲われた村は今、一体どのような状況なのか、撮影隊は特別な許可を得て村に入りました。 そこで見たものとは?そして村の人々の思いとは…? 溶岩は全てを「破壊」すると同時に、島を「再生」する力をも秘めていました。
地中海に浮かぶ小島マルタ。その半島に作られた都市がヴァレッタです。 16世紀、ヨーロッパを攻めようとしていたオスマン帝国に対する防衛の要でした。 半島は付け根を深い堀で切り離され、周囲を高い壁で囲まれた難攻不落の要塞です。 今ではマルタ島は地中海クルーズの寄港地としても名高い美しい島。 ハチミツ色の美しい街並みと温暖な気候から女性に人気の観光地となっています。 そんな島の地下に隠された秘密を紐解きます。
自然の宝庫ニュージーランド南島の4つの国立公園から成る「テ・ワヒポウナム」は、2000万年前から続く地殻変動と氷河が生んだ絶景の地です。 標高3000m級の大山脈サザンアルプスは140もの氷河を抱き、氷河が削った内陸の入り江フィヨルドには世界でもまれな生態系が育まれています。 水深わずか10mに奇妙な深海生物が生息し、海辺の森には木の根元に巣をつくり子育てする不思議なペンギンが暮らしているのです。
モロッコ王国で最も古い都、フェス旧市街。 無数の細い路地が町中を走ることから、“世界一の迷宮都市”とも呼ばれる。 しかし一見無秩序にみえる町には、住民が快適に暮らすための独特な家作り、また貴重な水を町中へ行き渡らせる驚きのシステムがあった。 番組では、住民の家々を訪ね、中世から続く暮らしの知恵を紹介する。
フロリダ半島最南端に広がる大湿地帯「エヴァグレーズ国立公園」。 半島のほぼ真ん中にある巨大な湖から、ゆっくりした速度で川が流れ巨大な湿地帯を作っている。 海、湿地、森と大きく3つの環境があり、暮らす動物も異なる。 海にはゾウと同じ祖先を持つマナティー、淡水の湿地にはアリゲーター、森には絶滅危惧のフロリダパンサーが生息し、開発により湿地帯が減る一方、保護活動により生態系は守られている。
トルコ最大の都市・イスタンブールは、ヨーロッパとアジアに跨る世界で唯一の街。 その特異な地理的条件から、古来、東西から様々な文物が集まり、溶け合いながら独自の文化が花開きました。 キリスト教の教会からモスクに転用されたアヤ・ソフィアは、こうした街を象徴する建物で、世界最大のドーム建築としての地位を長らく保ちました。 地震大国トルコで1500年立ち続けるアヤ・ソフィア。その巧みな構造の仕掛けに迫ります!
全長400kmの本島と小さな島々からなるニューカレドニア。 周囲にはサンゴ礁が生んだ浅瀬の海“ラグーン”が広がります。 魚やサンゴの種類はグレートバリアリーフを凌ぐほどで、世界有数のジュゴンの生息地です。 取材班はイル・デ・パン島へ向かいました。砂浜の白さは世界一といわれています。 その純白ビーチ誕生の秘密に迫り、ジャングルに隠された水中鍾乳洞に潜入。 さらに夜の海で、奇妙な生き物や光るサンゴを発見します。
イタリアとフランスの国境に近い街トリノは、アルプスの峰を背景として優雅な佇まいを見せる。 19世紀、イタリアが統一されると最初の都になる。もともとトリノは初代国王のサヴォイア家の拠点でもある。 王家の威勢を示すべくトリノを中心に、絢爛豪華な宮殿が次々と建設され街も美しく整備された。 今回は高精細4Kカメラで撮影、サヴォイア家が収集したダ・ヴィンチの画など貴重な遺産を余すところなく映像に記録した。
1993年、日本で初めて世界遺産に登録された姫路城。今年3月、5年半にも及ぶ「平成の修理」を終え、新しく生まれ変わりました。特筆すべきは、その「白さ」。城全体が漆喰で塗られているのです。番組では、この「白さ」に注目、城の修復作業を取材するとともに、漆喰作りに欠かせない<あるもの>を求めて、北海道の海へと向かいます。また築城以来400年以上倒れることなく建ち続ける、巨大な天守閣のヒミツに迫ります。
ドイツに源流を持つ大河ドナウは、全長2800kmのヨーロッパで2番目に長い川です。 ドナウ川はルーマニアに入ると無数の支流に枝分かれし、巨大な三角州を形作ります。それがドナウデルタです。 そこはヨーロッパ最大級の湿地帯。100万羽の渡り鳥が繁殖に訪れる野鳥の楽園です。 ドナウ川の終点、黒海に流れ込む河口には大型タンカーが何隻も座礁していました。 上流から運ばれた大量の土砂が地形をも変えていたのです。
サルデーニャ島はイタリア本土の西、地中海で二番目に大きな島、世界的ビーチリゾートです。実はこの島には、謎の巨石文明の痕跡が残っているのです。 世界でこの島にしかない円錐形の建造物「ヌラーゲ」は3500年前のもので、7000以上見つかっています。 要塞説、見張り塔説、宗教施設説など、何のために造られたものなのかはっきりしませんが、明らかなのは、信じられない高度な石の建築技術がそこに存在していたことなのです。
世界三大瀑布の1つヴィクトリアの滝。アフリカ中央部ザンベジ川の中流域にある幅1700mもの巨大な滝です。 現地の言葉でモシ・オア・トゥニャ「轟音とどろく水煙 」。 雄大な流れはここで100mもの絶壁を一気に落下、風速20mもの風を生んで水しぶきを空高く舞い上げるのです。 実はヴィクトリアの滝は、30万年をかけて水が大地を削って出来た滝です。 ここに近年、新たな滝が生まれようとしているのです!
ベトナム北部ニンビン省にあるチャンアンは、奇岩の山と渓谷が織りなす景勝地です。 石灰岩の大地が長い時をかけて作り上げました。 コックピットと呼ばれる四方を山に囲まれた窪地が連なり、50か所にも及ぶ洞窟河川がコックピットをつないで流れます。 さらに取材班はいくつもの不思議な地形に遭遇します。空から見なければ分からない不思議な真ん丸の島。 断崖の岩場に刻まれた一直線の窪み。絶景に隠された謎に迫ります。
古代ローマの地方都市ポンペイは、2000年前、きらびやかな文化、そして栄華を誇っていました。 ナポリ湾に近く交易で栄え、ローマをしのぐ町でした。整然と張り巡らされた碁盤目状の通りと、インフラ技術による驚くべき都市計画。そこで、人々は、ワインと美食に明け暮れる、享楽の日々を送っていました。 しかし、西暦79年、町の北西に位置するヴェスヴィオ山の巨大噴火により、ポンペイは灰の下に埋もれてしまったのです。
2014年、イタリア50番目の世界遺産に登録されたピエモンテのブドウ畑の景観。 モザイク模様のような美しい畑からは、バローロ、バルバレスコといった世界に名だたる赤ワインが世に送り出されています。 この類まれな景観と名品を生んだのは、ワインに情熱を注いだ地元の小さな生産者たち。地盤を深く掘り抜いて貯蔵室を造るなど、独自のワイン文化を築き上げました。
ヨルダン南部、切り立った断崖に彫り込まれた壮麗な遺跡群が残されている。紀元前2世紀頃から紀元後3世紀ごろまで繁栄した、隊商の民ナバティア人の都市ペトラ。
今回は4Kと8Kカメラ、ヘリとドローンによる空撮を駆使し知床の四季の絶景を捉えた。ダイナミックな半島の地形やその成り立ちにこだわった内容となっている。冬にシベリアから流れ着き半島を取り囲む流氷。巨大な溶岩ドームが山頂を形作る羅臼岳。火山活動で山頂が崩落した硫黄山。温泉や硫黄が噴き出す海岸線。半島全体が紅葉に覆われた秋の絶景、そしてヒグマやシャチなどの動物たち。こうした絶景が知床の一年を彩っている。
大西洋を望むロカ岬から続くシントラ山脈。山の頂、まるで天空に浮かぶように赤や黄色の壁のカラフルな宮殿がそびえています。19世紀に建てられたペナ宮殿です。その眼下まるで中国の万里の長城のような石の砦も。9世紀に北アフリカから侵略してきたイスラム勢力の要塞です。山の麓に2本の白い円錐形の塔をもつ王宮があります。ポルトガル王は気候の良いシントラに離宮を建てました。ポルトガルの大航海時代が生んだ景観です。
ヨーロッパ7か国にまたがる、アルプス山脈。ゼメリング鉄道は、この大山脈を初めて越えた鉄道。開通は1854年。橋とトンネルを駆使し、当時、世界で最も高いところを走る鉄道だった。まさに、山岳鉄道の草分けだ。ハプスブルク帝国の首都ウィーンと、地中海を結んだ路線。驚くべきことに、150年以上ほとんど変わっていない。世界で初めてアルプスを越えた鉄道の魅力に、大迫力の空撮映像で迫る。
ベトナム北部に位置するチャンアンは、石灰岩の山々や鍾乳洞からなるカルスト地形。湿地に囲まれた塔のような山並みや、森に覆われた岩山を流れる洞窟河川が、不思議な景観を生んだ。さらに驚くべきは、かつてチャンアンが海に沈んでいたことだ。地殻変動により海が内陸まで侵入したのだ。岩山の崖には波蝕痕と呼ばれる海の痕跡が残されている。緑豊かな絶景の渓谷はなぜ生まれたのか。その秘密に迫る。
タイ北部に13世紀末造られたスコータイの都がある。「ほほえみ」の国と言われるタイはスコータイから始まった。1辺が2kmという巨大な都にはいくつもの人工の池が造られた。 今は柱が残るのみの建物に安置された何体もの仏像は、みな朝日の昇る方角を向いている。周辺に残る巨大な仏像も見どころだ。世界遺産となったのは南北に並ぶ3つの重要な都市。ドローンで空中散歩しながら、仏教国タイの礎を築いたスコータイの都市を巡る。
世界遺産の砂漠には驚くべき絶景がある。川をのみ込むアフリカの赤い砂漠やアラビアの奇岩の砂漠。メキシコのカリフォルニア湾沿岸には、火山と砂漠が隣り合わせの不思議な風景が広がっている。そして砂漠にはナゾを秘めた古代文明も生まれた。サウジアラビアの古代遺跡は、砂漠の遊牧民が築いたナゾの都。さらにスーダンの砂漠には黄金が隠された謎のピラミッド群。今回は壮大なスケールの砂漠の世界へ!
ウッドバッファロー国立公園は世界最大級の広さを誇り、絶滅の危機にあったバイソンを保護するために誕生した。夏から秋には、赤、白、緑…色鮮やかな大地が広がる。白は塩の結晶、赤は植物。これらは太古ここが海だったことを物語る。冬になるとカラフルな景色は一変、真っ白な世界へ変わり半年以上雪に覆われる。またここはオオカミがバイソンを捕獲する関係が残る唯一の場所。広大な湿地には貴重なツルの姿も見られる。
自然保護の先進国、中米コスタリカ。北西部にあるグアナカステ保全地域は、牧場や私有地を森に再生したりして国が自然保護を積極的に押し進めてきた特別な場所である。森と山と海が登録エリアで、香川県ほどの面積に33万種もの生物が確認されている。今回は空撮映像を駆使しながらその地形の特徴を明らかにし、グアナカステの独特な自然環境を紹介する。そしてその環境に適応したユニークな生き物たちの姿に迫る。
運河沿いに19基の風車が立ち並ぶキンデルダイク。国土の1/4が海抜0m以下というオランダではかつては大量の風車が見られたが、こんなに数多く残るのは今ではキンデルダイクだけになった。ラインの支流に囲まれた湿地は10世紀ごろから干拓が始まり排水ための風車も導入された。国の花チューリップの栽培も風車が干拓に一役買ったからこそ広まった。風車はずっと風車守りと呼ばれる番人が住み管理している。
クロアチアのドゥブロヴニク旧市街は「アドリア海の真珠」とも呼ばれる、絶景の都市。海洋国家ヴェネツィアやオスマントルコとの海上交易によって16世紀に最盛期を迎えた。一周わずか2kmほどの小さな町だが、海側から山側まで、ぐるりと囲まれ、入り口は4つに限られている。紺碧の海に臨む、赤い屋根の町。「ドゥブロヴニクを見ずして、天国を語るなかれ」と謳われる美しい都市だ。
中国有数の絶景「中国丹霞」。そこは、赤い岩でできた山々が聳え、無数の奇岩が林立し、1000を超える滝が流れると言われる地。丹霞とは、砂や小石でできた赤い岩が浸食されてできた地形のことである。丹霞地形は中国各地に点在しているが、中でも特徴的な6か所が世界遺産「中国丹霞」となっている。浸食の度合いによって、様々な表情を見せる丹霞地形。赤い岩でできた地形が、どのように変化していくのかを紐解く。
京都にある10の世界遺産を空から巡る。秋の嵐山の絶景、その嵐山を借景にした天龍寺の庭。紅葉の名所として名高い高山寺。境内がピンクに染め上がる春の仁和寺。深い緑が覆う夏の龍安寺では、空から石庭の白砂の秘密を探る。去年暮れに床板を張り替えたばかりの清水寺本堂の舞台。宇治川を挟んで向かい合う平等院と宇治上神社、鴨川の辺にある下鴨神社と上賀茂神社。二条城では、近年発見された明治維新の痕跡を紹介する。
シドニーの北東770kmの沖合に浮かぶロードハウ諸島。最大の島・ロードハウ島には、美しいサンゴ礁がひろがり、断崖絶壁の山が聳えている。ロードハウ諸島には、秘境の島もあり、その姿はまるで海に浮かぶピラミッド。海から垂直にそそり立つ岩の島には、高さ562mにもなる鋭く尖った峰が聳えている。オーストラリアの秘境、絶海の孤島の誕生のヒミツに迫る。
北イタリアにそびえるアルプス山脈。そこに絶景の地「ドロミーティ」がある。標高3000mを超える白い岩山群は、石灰岩の一種であるドロマイトという硬い岩石でできている。ドロマイトは氷河や雨の侵食に耐えて、天を衝く巨岩の峰が林立する独特な山並みを生んだ。山麓には緑豊かな森が広がり、美しい氷河湖も数多くある。そして絶壁の岩山はロッククライミングの聖地として知られ、ヴィア・フェラータという登山法も生まれた。
タンザニアの平原にある巨大なクレーター、ンゴロンゴロ。直径19km、山手線の内側の面積の約4倍もあり、衛星写真を見て初めてその全容が分かるほど。その中にヌーやサイ、ゾウなどの草食動物、チーターやライオンなどの肉食動物など2万5千頭も生息している。クレーターの中で食物連鎖が保たれていて、ほとんどの動物がクレーターの中で生まれ、一生を終える。今回は番組で初めてドローンとヘリを使った空撮で全体像をとらえた。
ロッキー山脈のただ中にポッカリと空いた平野イエローストーン国立公園。150年前この地を訪れた探検隊はその大自然に圧倒され、後世に残すため世界初の国立公園が誕生した。地球上の半数以上500もの間欠泉や七色の巨大な温泉など、様々な熱水現象が見られるが、すべて巨大な火山活動によるもの。またその大自然の中では多くの生き物が暮らす。一度は絶滅したオオカミが復活、イエローストーンの生態系も戻りつつある。
オランダの首都アムステルダムは扇形に広がる水上都市。アムステル川河口に高潮を防ぐため築いたダムが街の名の由来になった。国土の1/4が海抜0m以下というオランダは干拓で国土を広げてきた。小さな港町を要とし、外側に3本の運河を同心円状に掘ることで17世紀に街を拡張。運河の両岸には高い建物や街路樹が並び美しく計画的に築かれた。 120年ほど前には水の力で首都を守る45の要塞が街の周囲に配置された。
天下人・徳川家康をまつった日光東照宮。実はあまり知られていないが、日光は1200年前から山岳信仰の聖地として栄えていた地。東照宮とともに世界遺産に登録されている二荒山神社や輪王寺はその修行の場として建てられた。今回番組では地形に注目をして、なぜ日光東照宮がこの場所に建てられたかという謎に迫る。さらに、1年をかけて撮影をした男体山、中禅寺湖、華厳滝などの四季の絶景もお届けしていく。
南米・ボリビアの奥地、アマゾン上流域にある「ノエル・ケンプ・メルカード国立公園」。そこは、最寄りの町から辿り着くのに2日もかかる大秘境。人がほとんど足を踏み入れないため、手付かずの大自然が残されているのだ。ジャングルを縫うように流れるアマゾン川の支流もあれば、断崖絶壁に囲まれた広大なテーブル状の台地も広がっている。撮影で訪れた雨季、水が織りなす絶景が待ち受けていた。
地中海のマルタ共和国は3つの島からなる島国である。16世紀、キリスト教徒のマルタ騎士団が島に城塞都市ヴァレッタ市街を築いた。それは当時敵対していたイスラム勢力からヨーロッパを守るため。半島を丸ごと要塞に変えるため、高さ30mもの城壁で周囲を取り囲み、半島の付け根に深いお壕を掘って陸側からの侵入も完全に防いだ。地中海の海に映える石灰岩のバロック建築がほぼそのままの姿で残る、世界でもまれな街なのである。
オーストラリア大陸の西の果て。南北200キロ、東西100キロにも及ぶ広大な湾がある。西オーストラリアのシャーク湾だ。延々と続く200メートルの断崖に守られた、エメラルドの海と、まっ白なビーチ。この湾には、世界最大の海草の大草原もある。その海草を食べるジュゴン(人魚のモデルとされる)が1万頭も暮らしているのだ。そして最奥の湾には、23億年誕生した地球最古の生命体が、今も生きている。
中国は現在、世界遺産の数が55。イタリアと並んで最も多い国。古代からの長い歴史が生んだ多種多様な文化遺産と絶景を誇る自然遺産が数多くある。今回は空撮映像を駆使したスケール感のある映像で中国の魅力を紹介する。雲南省の石灰岩地形が生んだ「石林」と呼ばれる奇岩地帯。古代文明を生んだ黄河流域に築かれた万里の長城は、土を盛り固めたもの。あまり見ることのない、延々と続く土の長城は必見だ。
リドー運河はカナダの首都オタワとオンタリオ湖に臨む街キングストンを結ぶ全長202kmの水の道。作られてから190年ほど経った今も現役の北米最古の運河で、当時のままの姿を残す。今でも水門の開閉は全て人力。8段のオタワロックを超えしばらく運河を行くとリドー川に合流、そこからは自然の川と湖が運河となり進むことになる。自然の川と大小いくつもの湖を繋いで作った運河はたった6年で完成した。
ベトナムの古都フエは、ベトナム最後の王朝の都だった。世界遺産はフエに築かれた華やかな王宮や皇帝たちの墓。19世紀初頭から150年間続いた王朝には、13人の皇帝が誕生した。都を流れるフォン川沿いに、皇帝たちがそれぞれ独特の墓を作ったのだ。中国の皇帝陵墓を手本にした墓やフランスの城のような墓もある。建物の内装は美しいモザイク模様で飾られている。高価な中国の磁器やワインボトルの破片を材料にした独特なものだ。
シアンカアンは東京都の2.5倍もの広さを誇る広大な自然保護区。カリブ海に面し、ビーチや浅瀬のラグーン、湿地などさまざまな表情を見せる。内陸にはメキシコのユカタン半島に特徴的な地形「セノーテ」という泉が点在。その数3000ともいわれる。セノーテは水中洞窟で繋がっているが、その全貌はいまだ分かっていない。今回はマヤ文明の生贄の人骨が見つかった水中洞窟を撮影、その謎に迫る。
今回は、ヨーロッパ最高の絶景とも謳われる世界遺産、クロアチアの「プリトヴィツェ湖群国立公園」。標高500m〜650mの渓谷に沿って連なるコバルトブルーの湖の数は16。まるで「湖の段々畑」のようだ。そして、その湖の間を無数の滝が繋いでいる。ときに水は森の中を縫うように流れる。森と水が混然と溶け合う、珍しい光景だ。緑鮮やかな渓谷とコバルトブルーの湖、そして清涼感ある水の絶景をお楽しみに。
世界最大の島グリーンランド。その西海岸に世界でも珍しい、氷山で埋め尽くされた入り江イルリサット・アイスフィヨルドがある。フィヨルドを70km内陸へ入ったところが氷河から氷山が生まれる場所。ここで生み出された巨大な氷山はフィヨルドを1年かけ漂い外海へ出る。海に浮かぶ氷山もまだ巨大で高さ30m以上のものも。氷山は海流に乗り2年ほどかけてカナダ沖まで流れ着く。かつてタイタニック号を沈めたのもこの氷山だ。
オーストラリア大陸の西の果て。海岸を縁どるように、約300kmもサンゴ礁が続く。裾礁としては世界最大のニンガルー・コーストだ。浅瀬に育つサンゴが、ここにしかない風景を生んだ。毎年3〜6月になると世界最大の魚ジンベエザメが500匹も集まってくる。一体なぜか?その鍵を握っているのもサンゴだった。またこの地の年間降水量は300ミリ足らず。乾燥した大地が広がっているが、その地下には巨大な地底湖が広がっていた。
今回の世界遺産は、世界で一番美しいと謳われるイタリアの「アマルフィ海岸」。ナポリに近いソレント半島の30キロにわたる海岸。険しい断崖に張り付くようなカラフルな街が点在する。イタリアの人気リゾートで小さな入江も急峻な崖に囲まれ独特な景観を見せる。また海沿いの山には、車が通る前の時代から農民達が利用した小さな道が今も残り、切り立った山や、雄大な海を見下ろすことができる絶景トレッキングルートとして人気。
九州から台湾にかけて連なる琉球列島。このうち、鹿児島県の奄美大島と徳之島、沖縄県の沖縄島北部と西表島の森林は、多種多様な動植物の宝庫だ。これらの島々は、かつて大陸の一部だったものの、地殻変動などによって大陸から離れたことで、大陸では滅んでしまった動物たちが生き残っているほか、島々の環境に適応して独自の進化を遂げた。ユニークな生き物たちと、彼らを育んできた島の秘密に迫る。
九州と沖縄の間に位置する奄美大島と徳之島。黒潮と季節風の影響で温暖湿潤な島には、世界でも珍しい亜熱帯性の照葉樹林が広がる。深い森は希少種の宝庫だ。太古の地殻変動によりユーラシア大陸から分離してできた島々は、固有の動植物を育んできた。アマミノクロウサギやルリカケスなどは、世界中でここだけにしか生息しない。珍しい生き物の生態や、美しい海岸線、神秘の鍾乳洞など、島々の自然の魅力を迫力ある映像で伝える。
アメリカ・フロリダ半島にあるエヴァグレーズ国立公園は亜熱帯にある湿地帯としては北米最大。大湿原は北側から南の海に向かって、水浸しの森、平坦な湿原、マングローブ林という3つの顔を持つ。大湿地帯はフロリダ半島の地上や地下を非常にゆっくり流れる大水脈により潤されている。それぞれに、絶滅の危機にあるフロリダパンサー、特徴ある島を作り出したアリゲーター、海の珍獣マナティなどが暮らす。
4000m級の山々が連なるスイス・アルプス。ユングフラウ山地を中心としたエリアが、世界遺産になっている。そこには、3つの名峰「アイガー、メンヒ、ユングフラウ」が聳え、アルプス最大の氷河「アレッチ氷河」が広がっている。他にも、氷河が大地を削って生まれた深い谷や、落差300mの巨大な滝など、ユングフラウ山地には数々の絶景が広がっている。緑の里山から白銀の世界まで、山岳鉄道に乗って旅をする。
南イタリア、プーリア地方の町アルベロベッロには、きのこのようなトンガリ屋根の家々が1600軒も点在する。「トゥルッリ」と呼ばれる石灰岩を積み上げて作った白壁の家々が建ち並ぶ風変わりな町は、まるで、おとぎの国のよう。屋根には、職人が署名代わりに残したとされる様々な形の尖塔や、原始信仰、あるいはお守りとも考えられるミステリアスなシンボルが描かれ、世界でここにしかない町の不思議を一層深めている。
今回は番組25周年を記念したスペシャル。高精細なカメラを使い、日本を代表する聖地、高野山を撮影した4K8K特別編だ。1年をかけて収めた四季の絶景は圧巻。燃えるような紅葉に彩られた秋、雪の舞う静謐な冬、桜の名木が咲き誇る春など見所が満載。更には高野山に現存する最古の建造物でもある国宝の塔の内部を初めて8K撮影。およそ800年守られてきた秘仏の美しい佇まいを克明に捉えた。
南アフリカとレソト王国にまたがり、南北1000kmも連なる山脈がある。「竜の山」という意味を持つドラケンスバーグである。その北部にあったのは、黒い溶岩が長い年月で削られて生まれた高さ1000mの断崖が作り出す絶景。南部には、丘に奇岩がいくつも立ち並ぶ不思議な風景があった。そしてここに住んだ狩猟採集民が描いた貴重な絵も残っている。ドラケンスバーグは自然・文化の両方の価値が認められた複合遺産である。
スウェーデンに「北欧のヴェルサイユ」と言われる美しい宮殿がある。湖の小島に築かれたドロットニングホルム宮殿だ。ここは18世紀ヨーロッパのテーマパークともいえる場所。当時流行した宮殿建築やフランス式庭園、オペラが演じられた宮廷劇場、東洋への憧れが生んだ中国趣味の館などが一か所に詰め込まれているのだ。そして宮殿には現在のスウェーデン国王夫妻が暮らしている。日本で言えば皇居のような場所なのだ。
大西洋に浮かぶカナリア諸島のグラン・カナリア島。火山の噴火によってできた島には、1世紀頃から15世紀まで先住民が暮らし、独自の文化を育んでいた。先住民は、溶岩でできた岩山を崇め、斜面に段々畑をつくり、断崖絶壁に洞窟を掘って、その中で暮らしていた。そんな彼らの文化は、15世紀にスペインが島に入植してくると途絶えてしまった。500年前に消えた、大西洋の先住民文化の謎に迫る。
ノルウェーのヴェガ群島は、北極圏のすぐ南に位置する6500もの小さな島々。ここでは1万年前から大地が上昇を続け、今も海から新たな島が出現してくる。島々は岩だらけ。その厳しい環境の中、人々は1000年前から渡り鳥のカモと不思議な共生関係を築いてきた。毎年やってくるホンケワタガモの産卵場所となる小屋を用意し、カモが巣に残す羽毛を得てきた。それは世界最高級のダウンの原料で、「羽毛の宝石」と呼ばれる。
番組25年で初撮影の国アルバニア。南東ヨーロッパ、バルカン半島にある小さな国だ。国土の7割が山岳地帯にも関わらず、古くから交易の都市が栄えてきた。今回の世界遺産には2つの歴史ある町が登録されている。どちらもオスマン帝国下で繁栄を遂げ、都市の中心にそびえる城が特徴的だ。断崖の城と、「千の窓の町」と呼ばれる不思議な町並み。知られざる世界遺産の魅力をお届けする。
地中海に浮かぶエオリエ諸島は、火山の噴火によってできた7つの島からなる。青く澄んだ海に囲まれた美しい島々は、今も激しく火山活動を続けている。そこは、火山の噴火を間近で見ることができる、世界でも珍しい島。他にも、マグマが生んだ純白の谷や、海底の噴火口、火山ガスを噴き出す巨大な火口を持つ島がある。ごく限られた場所で様々な火山活動が見られる島々は、世界中の火山学者が注目している。
北アイルランドの北端に位置するコーズウェイ海岸は自然が作った石柱が8キロに渡り続く。柱の数は見えているだけで4万本といわれる。その驚異の光景は「巨人が対岸に渡るために作った石の道」という伝説を生んだが、実は6千万年前この辺りで起こった超巨大噴火で噴出したマグマによりできたものだった。溶岩がゆっくり冷えることでできる「柱状節理」。対岸のスコットランドには「柱状節理」でできた島もある。
トルコの高原地帯に聳えるネムルト山の頂で「天空のピラミッド」が発見されたのは19世紀の終わりだった。小石を積んで作った円錐形のピラミッドは、高さ50m、直径150m。周囲には高さ2mを超える巨大な顔が並んでいた。調査が進むとそれはゼウスやアポロンなど神々の石像だと判明した。ピラミッドは2000年前にこの地を支配した王の墓だったのだ。神々が守るナゾのピラミッド、ネムルト山誕生の秘密に迫ります。
今年放送した世界遺産40か所、その全てを紹介する「ベストショット2021」。今年は新たな試みとして、海外の現地スタッフとリモートでつなぎ、壮大な自然遺産や貴重な文化遺産の撮影を行った。日本の世界遺産は、今年登録された「奄美・沖縄」をはじめ「知床」「京都」など珠玉の映像ばかり。さらに、コーナー企画として「杏さんが行きたい世界遺産トップ5」も紹介。第1位は、あの絶景のリゾート地…だった。
7つの海に浮かぶ世界遺産の島々は個性的なものばかり。大西洋には、アイルランドの修道士が残した遺跡の島。ポルトガルから渡った移民たちが作ったブドウ畑の島。太平洋には、メキシコの火山島や中米パナマの珍獣の島。さらに地中海、紅海、南太平洋などの魅力あふれる島々を紹介する。
スペイン南部アンダルシア州の町アンテケラ。ここには6000年以上も前から人の暮らしがある。世界遺産に登録されたのは、古代人が崇めた2つの聖なる山と、ドルメンと呼ばれる巨石建造物の3つだ。太古の昔、地中海伝いに移動してきた人々がアンテケラの地に定住し、農耕を始めるようになった。神殿や墳墓などの巨石建造物は、そんな彼らの生活スタイルに関係するものだ。謎に満ちた古代遺跡を巡る。
インドネシアは世界有数の火山地帯。プレートの境目に位置しているため火山活動が活発なのである。ウジュンクロンは、ジャワ島の西端にある半島の森とその北に浮かぶ火山島を含む国立公園。1883年にも地球の気候変動にも影響を与えた超巨大噴火を起こし、大津波が発生した。それから140年が経ち再び2018年に大噴火。繰り返す噴火で周辺の自然は壊滅状態になりながら、驚異的な再生力を見せ復活を遂げていたのである。
イギリス北部を東西に横断する全長120キロの石の壁。地形に沿うように築かれた壁はまるで万里の長城のよう。1900年前、ローマ帝国北限の防壁として皇帝ハドリアヌスにより作られた。高さ5m厚さ3mという巨大な壁を作ったのは、帝国中から集められた兵士たち。兵士が暮らしたヴィンドランダ要塞からは当時のままの状態の革靴や木の板に書かれた手紙が発掘され、辺境の地でのローマ兵の暮らしが明らかになった。
世界の植物は、共通する特徴から6つの植物区に分けることができる。その中で最も小さなケープ植物区は6000種もの固有種が確認されている。その中にある13の保護地域が世界遺産となっている。日本の花屋さんでも見かけるキングプロテアや極楽鳥花などおなじみの花の多くが実はケープ植物区のもの。我々は2回に分けロケを敢行、8月の終わりに短期間現れる広大な天然の花のじゅうたん、砂岩でできた奇岩地帯を撮影した。
南米ボリビア。15世紀、アンデス山脈の高地には、あの天空都市マチュピチュを象徴とし、アメリカ大陸最大にまで繁栄した謎のインカ帝国が存在した。そのインカを遡ること1200年、聖なる湖、チチカカ湖を中心に栄華を極めたミステリアスな文化、ティワナクがあった。緻密な計算で巨石を組み合わせた驚異の建造技術、そして卓越した天体観測システム。ベールに覆われてきたインカのルーツが、ティワナクの遺跡から見えてきたのである。
アドリア海に浮かぶ水の都ヴェネツィア。かつて交易により巨万の富を築き、海の共和国として1000年の栄華を誇った。そんなヴェネツィアが各地に築いた6つの城塞都市が、今回の世界遺産。3か国にまたがっている。クロアチアには出島のような赤い屋根の町。モンテネグロの深い入り江には、断崖を背負った城塞都市。北イタリアの平原には星形の不思議な町が築かれた。アドリア海からアルプス山麓まで南ヨーロッパを巡る。
中国・湖北省の武当山は72の峰がそびえる広大な山地。道教の道士たちが山に分け入り、修行をかさねた天空の聖地だ。山中には今も道教のお堂が100以上ある。最高峰の天柱峰には黄金300kgと銅の建材で作った金殿。600年前に中国の皇帝が建てた武当山のシンボルだ。金殿に祀られているのは武当山で修行して仙人になった真武大帝。皇帝は峰々に大建築群を築き、道教の力で国を守ろうとしたのだ。
これまで番組では様々な鉄道を撮影してきた。「ゼメリング鉄道」や「インド山岳鉄道群」のような鉄道そのものが世界遺産に登録されているものから、「西ノルウェーのフィヨルド群」や「ジャイアンツ・コーズウェイ」のような自然遺産の中を運行している鉄道だ。そして走る列車も100年前の蒸気機関車から路面電車など様々。今回は雄大な自然の景観と新しい時代を切り開いてきた鉄道の魅力を紹介する。
アルゼンチンとブラジルにまたがる広大な密林イグアス国立公園。その象徴がイグアスの滝。イグアスとは先住民の言葉で「大いなる水」を意味するが、その言葉通り世界一の水量を誇る。全長3キロに渡り大小275もの滝が轟音を立てて流れ落ちる。流れ落ちる水の威力で玄武岩の台地は侵食され、岩の硬さの違いにより2段の滝が形成された。滝の水煙が広範囲に密林を潤し数々の稀少な動植物の命を育んでいる。
南仏・ガール県にそびえたつ古代ローマの水道橋ポン・デュ・ガールは、2000年前の傑作建築。高さ49m、長さは275mに及び、現存する最も高い古代の水道橋だ。この水道橋は50キロも続く大水路の一部。複雑な要因が絡み合った建設地の選択や緻密な傾斜計算など類稀なる建設の偉業がローマ人の技術力を証明する。枯れない泉から運ばれた水量は、実に1日平均2000万リットル。首都ローマさながらの洗練された暮らしを南仏にもたらした。
大西洋の真珠とうたわれるマデイラ島。サッカー選手クリスティアーノ・ロナウドの出身地としても知られる。海底火山の噴火で生まれた島には砂浜がなく、周囲を断崖絶壁が取り囲む。この島の北側に氷河期を乗り越えた貴重な照葉樹の森が広がり世界遺産となっている。森を育んできたのは海から流れ込む分厚い雲。そのおかげで森には常に霧が発生し、水を供給している。島は雨からではなく霧から大量の水を得ているのだ。
メキシコの標高2000mを超える高原にある古代都市テオティワカン。最盛期には10万人が暮らしたという大都市だ。紀元前1世紀から始まり6世紀まで栄えた。その後都市は放棄され、のちの人々がここを発見し「神々が集う場所」という意味のテオティワカンと名付けた。100年以上前から発掘も盛んに行われてきたが、これだけの大都市にもかかわらず「王の墓」が見つかっていない。しかし近年、王に迫る証拠が続けて発見されている。
オーストラリアの北東部にある世界最大のサンゴ礁地帯「グレート・バリア・リーフ」。全長2300kmに渡り、無数のサンゴ礁が帯状に連なっている。そこは、絶景の宝庫。海の中には、カラフルな魚たちが泳ぐ命の楽園。海の上には、世界一美しいと言われる天国のようなビーチに、純白の砂でできた島もある。遥かな地球の営みが生んだ奇跡の絶景に空から迫る。
カナダ西部を縦断するカナディアンロッキー。南北400キロ、3000メートル級の山が連なる大山脈。空から見ると険しい岩肌がよくわかる。氷河が大地を削りこの大パノラマを生んだ。また氷河から溶け出した水がターコイズブルーの湖を作った。不思議な湖がある。秋になると水が消えるという。その秘密はロッキー山脈の形成にあった。かつてロッキー山脈の大地は海底に沈んでいて、そこから隆起したのだ。
ドイツの都市カッセルに築かれた「ヴィルヘルムスヘーエ公園」は、18世紀ヨーロッパを代表するバロック庭園。高さ50mの大噴水や長さ350mの階段状の滝。さらに水の芸術と言われる森をめぐる人工の水路。この地方の君主が300年前に建設をはじめ、100年がかりで完成させた大庭園だ。バロック庭園の特徴は見るものを驚かせる巧妙な演出。ローマ遺跡のような水道橋から流れ落ちる高さ30mの滝も圧巻だ。
太平洋の海の楽園ハワイ島。しかしその素顔はホットスポットが生んだ火山の島で、5つの火山がある。中でもキラウエアは地球で一番活発な火山で、今も噴火を繰り返している。2018年の噴火では山頂火口とカルデラの形が様変わり。割れ目噴火で流れ出た溶岩が海まで流れ、新しい土地を生んだ。ハワイ島がホットスポット上にあるため火山活動が活発に起こる。流れ出た溶岩は世界一長い溶岩洞窟など不思議な造形を生み出してきた。
太古の地殻変動で生まれたコルシカ島は“地中海に浮かぶ山”と呼ばれる。最高峰は標高2710mのチント山。岩だらけの山岳地が多く、人の暮らしには不向きなため“フランスの秘境”とも言われてきた。世界遺産は島の北西部、自然保護区のスカンドラ半島を含むポルト湾周辺だ。その一帯は奇岩の宝庫。ハチの巣のように穴ボコだらけの奇岩が山の上から海底までひしめいているのだ。島の成り立ちや奇岩誕生のヒミツに迫る。
中国、四川省にそびえる岷山山脈に絶景の渓谷「九寨溝」はある。Y字型に連なる3つの渓谷からなり、総延長はおよそ50km。上流の渓谷から下流までの標高差は1000mほどあり、100以上の湖や巨大な滝が美しい自然景観を作り出している。澄み切った流れが生む透明な湖「五花海」や青く輝く棚田のような湖「樹正群海」は九寨溝ならではの独特な景観だ。さらに今回は、四季折々の九寨溝の絶景を紹介する。
日本海から、白山連峰の険しい山々を越えた先にあるのが、庄川のほとりに生まれた岐阜県の白川郷だ。庄川沿いには、他にも富山県・五箇山の菅沼や相倉と言った集落もあり、この3つの合掌造り集落が世界遺産に登録されている。山に囲まれたこの地は、冬は雪に閉ざされ、陸の孤島と化したため、秘境の地と呼ばれていた。今回は、春夏秋冬の絶景をはじめ、特別な許可を得て、高精細8Kカメラを搭載したドローンで撮影。日本の原風景に迫った。
スコットランドの北の海に浮かぶオークニー諸島。最大の島メインランドにある4つの遺跡が世界遺産になっている。イギリスで最古級、直径104mの巨大なストーンサークルや、石造りの村。そして丘のような形をした墳墓。5000年前の暮らし、儀式の場、墓まですべてが残っている。遠くの地域との交流があったとみられる大きな集会場のような施設も見つかり、発掘が進んでいる。5000年前この地は、巨石文化の中心地だったのだ。
今回は特別企画、視聴者が選んだ「一生に一度は行きたい世界遺産ベスト10」。1996年から現在までに放送した番組の中から視聴率の良かったものを選び出し、視聴者1000人にアンケートによる投票を行った結果、南米の大瀑布「イグアスの滝」や古代エジプトの都「テーベ」など様々な世界遺産がランクイン。第1位に輝いたのは、日本のあの世界遺産だった。ここ数年のコロナの影響もあり、身近な日本の世界遺産に人気が集まったようだ。
スペイン最大のドニャーナ国立公園は大砂丘、湿地帯、森林と多様な自然環境を持ち、冬には50万羽以上の水鳥が飛来する。また幻といわれるスペインオオヤマネコの生息地でもある。一時絶滅が危惧されたスペインオオヤマネコは人間のサポートと努力によって数を回復しつつある。沖縄本島の半分ほどの面積を持つ大自然がほとんど手付かずに残されてきたのはスペイン王家の狩猟場として守られてきた歴史ゆえだった。
メキシコ南部、標高1500メートルに位置するオアハカの街。16世紀にスペイン人に征服される前には先住民サポテカ人の街だった。彼らが残した驚くべき遺跡が町から10キロの山の上にある。中央アメリカで最も古い天空都市、モンテ・アルバン。その起源は2500年以上前に遡り、最盛期には25000人が暮らしていたと言われる。山頂を平らにならした中央広場を中心に20以上の宮殿やピラミッドが建ち並び、高度な文化を花開かせていた。
イタリアのナポリ郊外にカゼルタの王宮がある。王宮と庭園や庭園のために作られた水道橋なども世界遺産になっている。ナポリ王が18世紀に、ヴェルサイユ宮殿を越えることを目標として建てた宮殿。王宮の部屋数は1200、庭園の奥行きは3キロで、ヨーロッパ最大級といわれる。その壮大な水の庭園のために40キロも続く水道が作られた。260年前の水道は今も水が流れていて、大量の水が王宮の庭園を満たしている。
ラオス北部の内陸に広大な盆地がある。巨大な石壺=ジャールが2000個もあることからジャール平原と名付けられた。場所は森の中、丘の上、草原などさまざま。10km離れた山中には石壺を切り出した石切り場も見つかった。ところが石壺の使い道はいまだによくわかっていない。文字による記録が残っていないのだ。しかし近年、調査により地面から次々と人骨が見つかっている。石壺が置かれた場所はかつての墓地だったのだ。
カナダ西部アルバータ州にあるライティング・オン・ストーン州立公園は、ミルク・リバーの渓谷沿いに広がっている。川岸には高さ15mほどの断崖がそそり立ち、その上に奇妙な形の石の柱が林立する。石の柱は「フードゥー」と呼ばれ、キノコ形に浸食されたもの。ここを聖地とする先住民族ブラックフットは一つ一つのフードゥーに魂が宿ると考えている。彼らは2000年にわたり、断崖に彼らの歴史や記録を壁画として刻み続けてきた。
イタリア北部、アルプス山脈の麓に広がる丘陵地帯「プロセッコの丘」。全長30kmにも渡って続く急斜面を、ブドウ畑が埋め尽くしている。高低差500m、最大斜度は72度。場所によっては断崖絶壁のようだ。農耕には不向きとされてきた土地を、人間が何世紀にも及ぶ努力の末、世界に誇るブドウ畑に変えてきた。ここはイタリアを代表するスパークリングワイン、プロセッコの故郷なのだ。
南イタリア。ナポリ近郊にそびえる、「世界で最も危険」といわれるヴェスヴィオ火山の大噴火により、灰に埋もれた古代ローマの都市ポンペイ。2000年前のこの先進都市が再び姿を現したのは18世紀のことである。栄華を誇ったポンペイは未だその4分の1が手つかずのままであり、250年以上たった今も発掘が続けられている。近年の発掘により浮かび上がってきた、ポンペイの新たな真実に迫る。
「世界遺産」は放送開始から27年が経ち、これまで世界130カ国以上を撮影してきた。現地を訪れるディレクターは、各地で自然が作り出す素晴らしい絶景や歴史的に貴重な建物を映像に記録する。しかし現場で目撃し涙するほどの感動があっても、公に語られることはこれまでほとんど無かった。今回は特別企画として、ディレクターたちが最も感動し泣いた世界遺産の絶景を初めて紹介する。
世界で最も世界遺産が多い国、イタリア。その数、何と58!その中から厳選した13か所を、空から撮影した特別企画「空から見るイタリア」。地中海とアルプス山脈に囲まれたイタリアの個性豊かな世界遺産を、2週にわたりお届けする。空からイタリアに迫ると、南北に細長い国土で、土地ごとに多様な自然と文化が育まれてきたことが見えてきた。前編はローマより北の世界遺産を空から巡る。
世界で最も世界遺産が多い国、イタリア。その数、何と58!その中から厳選した13か所を、空から撮影した特別企画「空から見るイタリア」。地中海とアルプス山脈に囲まれたイタリアの個性豊かな世界遺産を、2週にわたりお届けする。空からイタリアに迫ると、南北に細長い国土で、土地ごとに多様な自然と文化が育まれてきたことが見えてきた。後編はローマから南の世界遺産を空から巡る。
カンボジアのジャングルに寺院などの遺跡が残るアンコール遺跡群。9世紀末から600年に渡り栄えた都である。最も多い時で10万人が暮らしたという。5本の塔がそびえる有名なアンコール・ワット。巨大な顔が彫られた塔が林立するバイヨン寺院。美しい彫刻が石造りの建物を埋め尽くすことから芸術性の高さも評価されている。一時は内戦により危機遺産となったが、今では政情も安定し国際協力による遺跡の修復と保存が進んでいる。
カナダの東部・セントローレンス川沿いに、17世紀フランス人が植民地として築いた街「ケベック旧市街の歴史地区」。今もフランスの文化が残り“北米のパリ”と呼ばれる美しい旧市街は、崖の上に城塞で囲まれたアッパータウンと川沿いに広がるロウワータウンに分かれています。ケベックは、英仏植民地戦争の舞台となり北米最大級の星型要塞も誕生。断崖に築かれた古都の魅力に迫ります。
南米ペルー、アンデス山脈にマチュピチュはある。500年ほど前、インカ帝国によって築かれた。標高2400mの断崖の上に、石積みの建物が並んでいる。その存在が世界に知られたのは20世紀前半のこと。なぜマチュピチュは造られたのか? インカの人々が文字を残さなかったため、全貌はまだ解明されていない。多くの人が一度は行きたいと願う「謎の天空遺跡」を大迫力の空撮映像でお届けする。
カナダ西部アルバータ州に広がる荒野はバッドランドと呼ばれる。そこは7500万年前の地層が剥き出しになり、シワシワの岩やキノコのような奇岩が聳える。7500万年前の地球は恐竜たちが生きた時代。州立公園は恐竜化石の世界的な宝庫で、少し歩くだけでいくつもの化石が見つかる。過去には恐竜の全身骨格も出た。恐竜の化石からは生態や、当時の環境などもわかってきた。ティラノサウルス科のアゴの化石から新しい説が!
スイス東部、サルドーナ。アルプス山脈の一角、標高約3000mの天空に、一本の不思議なラインが刻まれている。これは地球のダイナミックな営みの軌跡。アルプス山脈はどのようにして生まれたのか?その謎を、この一本のラインが解き明かしたのだ。さらに、青く美しくきらめく湖や、巨大な地中空間、季節のお祭りなど…スイスの美しい景色と、人々の暮らしを紹介。
水の惑星といわれる地球には海が生んだ絶景が数々ある。サンゴ礁の海が広がる南太平洋の楽園。火山活動が生んだ絶海の孤島。入り組んだ海岸地形を利用して造った美しい旧市街。さらにクジラに大接近できるメキシコの海。今回は自然遺産と文化遺産を織り交ぜ、厳選した7つの絶景を紹介する。
全長445キロ、深さ1500メートルに及ぶ世界最大規模の峡谷グランドキャニオンは、コロラド川が果てしない年月をかけて大地を削ったことで誕生した。約20億年の地層が積み重なる断崖には生物進化の歴史が刻まれている。しかしグランドキャニオンの地層には謎の10億年分の空白がある。一体何が起こったのか?ユニークな仮説が登場。また滅多に見ることができない雪化粧をしたグランドキャニオンの姿を紹介する。
エジプトのナイル川中流域にあるヌビア地方には川沿いに古代エジプトの遺跡がいくつも並んでいた。しかしダム建設によって川の水位が上昇、遺跡に水没の危機が迫った。そこで世界各国が協力、貴重な神殿を大工事によって移築した。10か所が登録されているが、ほとんどが移築された遺跡という変わった世界遺産なのだ。人類の大切な遺産を後世に残すという「世界遺産」の考え方はここから始まった記念碑的な存在である。
フィリピン、ルソン島にそびえるコルディレラ山脈。その山肌を埋め尽くす壮大な棚田群が世界遺産だ。階段状に連なる水田の畦道は総延長2万キロ、地球半周分に達するという。 断崖のような急斜面に作られた棚田は、傾斜角なんと70度。世界でも類を見ない急勾配の棚田だ。作ったのは山岳少数民族イフガオの人々。今回は棚田誕生の秘密と山の民イフガオの独特な暮らしぶりに迫る。
南米アルゼンチン、パタゴニア地方に広がる荒野。その荒野の渓谷に、世界遺産リオ・ピントゥラスの手の洞窟はある。洞窟は幅270m、その壁には古いもので9300年前に描かれたとされる手型が残されている。壁を埋め尽くすように描かれた手形は858にも及び、男性から女性、そして子どもまで様々。一体誰が、何のために描いたのか…パタゴニアに残る洞窟壁画の謎に迫る。
今回は人が暮らす世界遺産を巡る特集。氷河から火山まで、それぞれの環境に合わせた伝統の生活が、そこにある。アフリカ・エチオピアでは、コンソの村の段々畑とキノコ形の家々が世界遺産になっている。村には一風変わった食習慣がある。リゾートとして人気のバリ島では、棚田と水路網が世界遺産になっている。元々は火山の溶岩大地だった島を、人々が1000年かけて美しい棚田に変えてきた。そこに根付く人の営みとは?
今年放送した34の世界遺産、そのすべてを紹介する「ベストショット2024」。 多様な世界遺産を、テーマでくくり紹介、バラエティに富んだ映像をお届けする。自然が生んだ美しい景色や世界遺産に暮らす生き物、空から見る古代遺跡、ちょっと変わった世界遺産など珠玉の映像の数々。さらに、ナビゲーター鈴木亮平が選んだ今年の世界遺産ベスト3も見所だ。