賭場で、壺振りの姉と旅人の弟が親の借金を返すためにイカサマで儲けていた。姉を裏切り、金を持ち逃げした弟から五十両を奪い、姉に届ける紋次郎。この女は紋次郎の死に別れた実の姉に瓜二つだった。 先程の賭場の代貸が実姉の稼ぎ先で、さらに実姉を見殺しにしていたことを知る紋次郎。五十両を探して紋次郎と鉢合わせした代貸に紋次郎の刃が光る。
道端で動けない男が紋次郎に助けを求める。男は死に際に紋次郎に「書状を二通届けてほしい」と言う。紋次郎が最初の家に書状を届けると、泊まっていくよう言われる。 死んだ男は、紋次郎が昔斬った男の身内で、この家も身内のものだった。紋次郎の隙を見て男達が襲いかかるが、逆に紋次郎に斬られてしまう。紋次郎は死んだ男との約束を守るため、次の家へと、地蔵峠の雨に消えた。
立ち寄った村で、「村の外の世界が見たい」という足の悪い娘の世話になり、別れた紋次郎。しかし嫌な予感と共に駆け戻ると、村は荒らされていた。昔「惚れた娘を殺した」と村を追われた男が復讐に来たのだ。 紋次郎は悪行を止めるために男を斬る。そして足の悪い娘に、ひと目村の外の世界を見せようと、紋次郎は走る。
その村には「二十年前に侍を殺したことで追い出された男が帰って来る」という言い伝えがある。村のある若者は「そんなことは起こらない」と言い切るが、村は騒がしくなった。その男が帰って来たのだ。 しかしその男を名乗る男が二人いる。本物は誰なのか。それとも言い伝えを利用した陰謀か?その時、若者の口から意外な事実が…。
いきなり紋次郎を斬りつける男達。紋次郎には百両の賞金がかけられていたのだ。その主は石切の作業をしている男たちを先導し、問屋に「賃金を上げろ」と動かない、問屋にとっては目の上のたんこぶ。百両の鍵を握るのはこの男だけ。 そして解かれた百両の謎。紋次郎を利用して目障りなこの男を殺そうという問屋の奸計だったのだ。事実を知ったこの男は…。
紋次郎は下高井戸で、病気の女連れの一行に、女の夫である江戸で捕まった大泥棒の男を看取ってほしいと頼まれる。 盗んだ金千五百両の在処を告げないまま死んでいく泥棒が、紋次郎に送る謎の合図。その合図を巡って繰り広げられる様々な陰謀と血の争い。不安に駆られた紋次郎は、江戸の闇を下高井戸へと走った。
「紋次郎のにせ者がやくざの親分を殺したため、やくざが紋次郎を狙っている」と紋次郎に教える旅人。にせ者は旅人の幼馴染みで、紋次郎に心底惚れており、紋次郎の名を出して雲隠れしたという。 紋次郎を襲う様々な罠。刀を奪われ危機一髪。
あるやくざを殺したという女を妻に持つ刀鍛冶に、「やくざの子分が向かっている」と知らせようとする刀鍛冶の妹。 道中、危機にあった妹を紋次郎が救った際、刀が折れたのでその刀鍛冶へ行くことに…
ある娘の危機を救い、怪我を負った紋次郎は、娘の実家で湯治をしていた。しかしその村に賊が現れ、娘の家に乗り込み女をさらい、足を痛めている紋次郎をいたぶる。 湯治場で働く女の介抱で足は治り、紋次郎は賊を斬るが…。
怪我をした紋次郎が絵馬堂で休んでいると、盗賊が隠したという百両を横取りしたとのことで、盗賊から脅されている農家の人たちに縛られる。その後、紋次郎が縄を切った時には…。
病気の妹の療養費のために命を売るという男。「紋次郎を斬った男に娘を嫁にやる」というやくざの親。娘と恋仲の若者は男の命を買い、紋次郎に化けた男を斬るが、本物の紋次郎が現れた…。
かつて紋次郎に楊枝笛を教えた娘が売られていた。紋次郎の前に現れたある女が、娘が死んだことを伝える。その娘と同じ名前の娘の夫となる男を殺そうとする男達。男が死ねば、娘の運命は…?
先代が死ぬ前に跡目を決めたが、思わぬ者が三代目となることに不満を持った手下の代貸が先代を殺し、紋次郎の仕業にした。旅に出たまま三代目が帰らないため、四代目を決めることになっていた地元では、当の本人である三代目が帰り大騒ぎに…。
ある親分に「弟に金を届けてくれ」と頼まれた紋次郎。途中、紋次郎に救われた三人親子の父親が紋次郎と間違え斬られ、父の仇討ちだと子どもが紋次郎を刺した。これは弟がいた組の親分が殺した弟のことを隠すための罠だった…。
昔、家を出た息子の居所を教えられ、旅に出た父親と妹は追い剥ぎに遭い、父親だけが殺された。実は兄の話は嘘で、追い剥ぎもグルだったのだ。 現場にいた紋次郎は疲れ切った妹を宿に預けるが…。
生きて帰れないと言われる佐渡から逃げ、12年前の許婚を探し旅を続ける長次郎。探していた女に出会った長次郎だったが、12年もの佐渡の労役は人相をも変えるのか女は気づかない。女は商家に嫁ぎ、その夫が無実の罪で佐渡送りにされるところだから助け出して欲しいという。女の一味に不審を抱きつつも、彼女の幸せのために夫を逃がしてやる長次郎だったが、一味が盗賊だったことを知って…。長次郎は初めて心のうちを明かすが、12年の歳月は女の心をも変えてしまったのか。
信州無宿の丈八は、誤って女の右腕を斬り落としてしまったことから、今度刃を抜いたら右腕を斬ると、自ら長脇差を封印する。それから3年、喧嘩を素手で収める「抜かずの丈八」は渡世内で名を呼んでいた。不運な巡り合わせから小伝馬町送りになった丈八は、牢を出るとそこで世話になった老人・鉄砲の吉兵衛が娘・お京に会うための旅に同道する。しかしそこで見たものは、嫁いで幸せになったはずのお京の、変わり果てた姿であった。娘の敵の悪人は牢内で丈八を半殺しにした男だった。丈八は死んでゆく老人の腕から右腕覚悟で刃をとって…。
銀次は国定忠治の晒し首を葬りたいので、晒し場から盗んでくれと金を積まれるが断る。だが、忠治の首を自ら盗もうとする娘に心を打たれた銀次は、首を盗み彼女のところへ走る。しかしそこで銀次が見たものは、先ほど金を積んだ男たちだった。娘と男達は知り合いだったのだ。銀次は男達を斬るが、娘の心は本物だったことが思い起こされ、娘に忠治の首を渡すのであった。
敵の渡世人を追う伊三郎に好意をもつ少女。その渡世人には強い浪人の味方がいた。果たし状を受け取った伊三郎は浪人と斬りあうが倒れたのは浪人のほうだった。伊三郎の腕についている鈴から、伊三郎の姉が渡世人の妾であることがわかる。伊三郎は渡世人を斬ることで、姉への思いを断ち切る。そうして思い出の鈴を少女に与えると伊三郎は去っていった。
三国街道沿い、渡世人に婚約者を殺された女。婚約者の母は渡世人を憎み、心を開かない。その頃、土地の博徒一家の三人が続けて殺された。
木曽路・須原宿、紋次郎に「かつて盗んだ金の仏像を一目見たい」と頼む病床の老人。仏像の在処を知る紋次郎に近づく老人の子分、老人の娘を名乗る奉公人。そして、仏像を老人に見せまいとする女が…。
農民たちの水争いがもとで、その後次々と起こる農民殺しに脅える人々。農民である恋人の安否を気遣う貸元の娘。紋次郎は貸元一家の代貸達の農民殺しを目撃し、狙われることに。
紋次郎が宿を借りた家の男が襲われた。男は「恋人の身請けをしてほしい」と紋次郎に金塊を託して絶命する。一方、日光御神領の農民に姿を変え、金塊を狙う夫婦の盗人がいた…。
山間の貧しい村で、紋次郎について歩く男児。村人に、自分が生ませた子と言われ困惑する紋次郎。養父は貸元。元は流れ者で紋次郎の来村が気に食わない様子。
紋次郎が道を間違って教えてしまった男が襲われた。犯人の強盗は母親に頭が上がらず、再会した恋人と一緒になる勇気もない。そんな男に悪事を続けさせるのは…?
内房総の漁村、大網主の娘は三年前に探し出され今は仇の網主の息子と恋仲。その網主を殺し跡目を狙っている大網主の身内は、紋次郎の名を悪用していた…。
火を招く牛の伝説のある村。昨年の火事で妹を失い、夫は放火の疑いで村を出たという女。伝説は、豪商が放火を隠すための狂言と知った紋次郎は手下の者に狙われるが…。
奉公先の若旦那に惚れられたが、我慢できずに飛び出した女。紋次郎を頼るうち恋心を抱くが、親切な旦那達の所へ戻ろうと思い直す。しかしその旦那は、息子のために邪魔なその女を女郎屋へ売るつもりだった!女は若旦那に手籠めにされかけ、誤って殺されてしまう…。紋次郎の怒りは頂点に達し…!!
峠の茶屋に盗賊一味が立てこもり、茶屋の女が人質に取られる。紋次郎に女の救助を頼む男。女の名が亡き姉と同じだったため、紋次郎の心は動く。しかし男の正体は盗賊の頭で、何者かに殺害される。巻き添えで怪我した女が紋次郎を止めるが…。
安中宿の貸元の女房が夜逃げする。貸元の評判は良かったが、裏では関所破りの手引きをしていた。女房の父親は抜荷をネタに脅され、嫌々ながらの縁組だったのだ。女の口を封じようと追う貸元一家。女の友人が女房と入れ代わり、ともに駈入寺まであと一歩のところまでやって来るが…!?
昔、盗賊に奉公先の夫婦を殺された男。男は死に際「主人の娘に」と紋次郎に金を託す。途中、紋次郎が捕らわれた盗賊の頭の女は、探していた娘の腹違いの姉だった。賊のもとを娘の恋人の手引きで逃げた紋次郎だが、女は盗賊の味方を装う一方で一味を陥れようと計画、恋人さえ利用する復讐の鬼だった。
その昔虐殺のあった怨念坂に化け物が出たと騒ぐ女。名主の女房は否定するが、若い男が真相を確かめに行くことに。女房は男の生き別れた姉であったため、役に立ちたいと思ったのだ。男と共に怨念坂へ向かった紋次郎だったが…。
酒に溺れる浪人とその妹を貸元が雇って以来、仇の貸元衆が次々と殺される。だが、ならず者な浪人の犯罪のため、誰も手を出せないでいた。刀を振り回しても恐れを見せない紋次郎を追い回す浪人だったが…。
以前、ある貸元に病から救われたことのあった紋次郎は、その貸元の身内と仇の貸元の女房との逢引を目撃する。一見仏のように見えた貸元は、仇の貸元を女房を使って殺し、自分の縄張りを広げる気だった。身内も仇の女房も道具に過ぎないのだ。仇方の三下は紋次郎の警告で計画に気付き、親分を救って手柄を立てようとするが…。
晩秋の夜、とあるごろつきが殺された。殺したのは名主の手下で、嫁入りする娘が、実は子のない名主が女房と組んで女中に生ませた子だったのだ。その秘密を知るごろつきと勘違いし殺害。手籠にされた女中の恋人の下男に頼まれた本物のごろつきは、祝言直前の娘を誘拐し真実を暴露する…。
貸元に命を救われた紋次郎。娘の婿にという貸元の願いを断り出発。怪我が完治するまで「身代わりになる」という男と出会う。娘との仲を利用し仇の一家を潰そうと考える男と、その男を使って父親に力を示したい娘だったが、紋次郎と男は道中友情が芽生える。しかし仇を倒した後、男は自らの自尊心と出世のため紋次郎に刃を向け…。
父親のいない、亡き姉の子どもを育てる女。そんな女が初めてときめいた男が紋次郎だった。村の若者の悪企みで、置き手紙を紋次郎のものと勘違いし、手籠にされる運命とも知らずに出掛ける女。留守中に盗金を家に持ち込んだ盗人が子どもを殺したことも、その盗人が子どもの父親であることも知らず……。
父を殺し許嫁を奪った仇と紋次郎を人違いした若侍。二人は三人の女達と共に雪崩で山小屋に閉じ込められた。この三人の中に、自分の許嫁がいると感じた若侍だったが、死の恐怖から次々と死者が出て、若侍も自害してしまう。 残されたのは一人の女と紋次郎。実はこの女、若侍の許嫁だったのだが…
雷に撃たれた紋次郎が目覚めたのは故郷の村。助けたのは供養地蔵を彫る無宿の男と孫娘。村人たちは、盗賊一味が用水の資金を奪いに来るのを恐れていた。盗みの場面に遭遇した紋次郎はなんとか資金を守り、盗賊の頭と対峙するが…!