ディスプレイを使用するゲームが、レトロゲームに分類されるようになった、少しだけ未来の世界。この世界では、最新のVR技術に内容が追いついていない“クソゲー”が存在していた。そんなクソゲーをクリアすることに情熱を捧げる1人の“クソゲーハンター”陽務楽郎。彼が次に挑んだのはクソゲーの対極、総プレイヤー数3000万人の“神ゲー”『シャングリラ・フロンティア』。最強クソゲーマーによる最高のゲーム冒険譚、開幕。
楽郎は、鳥頭で半裸のキャラクター「サンラク」としてシャンフロを思う存分楽しむが、「跳梁跋扈の森」のエリアボス・貪食の大蛇とのバトルで毒を浴びてしまい、ピンチに陥っていた。その頃、楽郎に想いを寄せるサイガ-0こと斎賀玲は、新人プレイヤーが通る街「ファステイア」でサンラクを探していたが…
レッドキャップ相手に奮闘するサンラクの前に、“七つの最強種”の一角「夜襲のリュカオーン」が突如現れる。ゲーム開始から1年間、3000万人が誰一人攻略できていないユニークモンスター。そんな強敵からの一撃必殺の攻撃をしのいで反撃するが、圧倒的な実力差は埋められず…。しかし、サンラクはその逆境を、『シャングリラ・フロンティア』という神ゲーを楽しんでいた。
兎の国の頭「ヴァイスアッシュ」に認められ、特殊なヴォーパルバニー「エムル」と共に旅をすることになったサンラク。そんな中、クソゲー仲間であるモドルカッツォの呼び出しを受け、クソゲー『ベルセルク・オンライン・パッション』で格闘対戦をすることに。シャンフロの魅力に惹かれたカッツォは、サンラクがシャンフロを始めたという大事件をある人物に知らせていた…
沼地で相性最悪のエリアボス「沼掘り」と戦うことになったサンラク。沼に足をとられ、苦戦を強いられるも、エムルの助けを借りて善戦する。その一方で、他プレイヤーたちの間ではエムルの存在と、体にリュカオーンの呪いを刻印するサンラクが話題に。サンラクたちに二人のプレイヤーが接触してくる…
サイガ-0、エムルの活躍もあり、サンラクはペンシルゴンたちから逃げ出すことに成功。サードレマに無事到着し、ユニークシナリオ「兎の国からの招待」を本格的に始めた彼の前に待っていたのは闘技場。十体のモンスターと戦うことになるが、一体目からサンラクの想像を超える高レベルのモンスターたちが立ちはだかる…。
十体目のモンスターは「妄執の樹魔」。レベル120の強敵から5分間生き延びるというミッションを課せられたサンラクは、理不尽な攻撃の連続に大苦戦。戦いの最中、サンラクはひよった戦い方をしていた自分に気が付く。気持ちをあらため、クソゲーハンターならではの戦略を取り始める。
ペンシルゴンは安定志向の阿修羅会に愛想をつかせ、“七つの最強種”の一角「墓守のウェザエモン」攻略を誓う。一方サンラクは、サードレマで偶然遭遇したサイガ-0に友達になってほしいとお願いされ…。その後、ダンジョン「千紫万紅の樹海窟」に進入したサンラクの前に、昆虫系モンスターが立ちはだかる。
サンラクは「千紫万紅の樹海窟」のエリアボス「クラウンスパイダー」に挑む。“ノーダメ、ノーデス”の討伐を宣言する彼は、闘技場で得た新たなスキルを駆使して戦う。一方、ペンシルゴンは別ゲームの世界にサンラクとプロゲーマーのオイカッツォを呼び出す。彼女は、シャンフロを始めてまもない二人に、驚愕の提案を持ちかけた…
サンラクから「墓守のウェザエモン」の討伐に挑むと聞き驚くエムル。サンラクに討伐へのゆるぎない意志を感じたヴァイスアッシュは、鍛冶師としてサンラクの武器を鍛える。気持ちを新たにしたサンラクは、オイカッツォとともに、ペンシルゴンの指示で「神代の鐵遺跡」に向かう。
墓守のウェザエモンを討伐すべく、「神代の鐵遺跡」の隠しエリアでレベル上げにいそしむサンラクとオイカッツォ。地底湖でお目当てのモンスター「ライブスタイド・レイクサーぺント」に対峙した二人はその巨大な魚影に気持ちが昂る。そんな二人にペンシルゴンは、墓守のウェザエモンと戦う前に、満月の日にあるユニークNPCと対話する必要があると打ち明けた。
サンラクたちは「千紫万紅の樹海窟」の隠しエリアでユニークNPC「遠き日のセツナ」と対面する。サンラクとオイカッツォはセツナの願いを叶えようと動くペンシルゴンに驚く。墓守のウェザエモンとの戦いに備え、サンラクは再びバグまみれの格ゲー「便秘」をプレイする。
サンラクが「便秘」で対戦した相手・ドラゴンフライは、絶滅危惧種の新規プレイヤーだった。「便秘」のあらゆるバグを研究してきたサンラクは先輩として余裕の戦いを見せるが、ドラゴンフライは未知のバグ技を見せる…! その後シャンフロに戻ったサンラクと、レベリングに励んでいたオイカッツォに、ペンシルゴンは問題が発生したと告げるが…
シャンフロの夏の大型アップデートが行われる新月の夜、ペンシルゴンを待つ阿修羅会の面々は、サイガ-0を含む連合クランの奇襲を受けてピンチに陥る。一方、サンラク、オイカッツォ、ペンシルゴンの三人は、「秘匿の花園」でついに墓守のウェザエモンと対峙する。向き合うサンラクとウェザエモン、抜き放たれた太刀は神速の一閃となってサンラクを襲う…
サンラクたち三人は、蘇生アイテムを駆使しながら墓守のウェザエモン相手にギリギリの戦いを繰り広げていた。戦闘開始から10分が経過し、ウェザエモンは戦術騎馬「騏驎」を呼び出す。オイカッツォは騏驎と相まみえるが、5メートルを超える巨体を前にして苦戦を強いられる。
墓守のウェザエモンとの戦いは次のフェーズへ。ペンシルゴンとオイカッツォは、レアアイテムを駆使しながら、甲冑に変形した騏驎と対峙する。一方サンラクは、自壊を始めた墓守のウェザエモンを倒すべく反転攻勢に出る。
オイカッツォとペンシルゴンは、徐々に弱点を露呈し始めた騏驎に対し、必殺の策を繰り出す。サンラクは、墓守のウェザエモンが繰り出す回避不可の奥義「天晴」を生き延びることこそが勝利の条件だと悟り、決戦に挑む。
ウェザエモンが永い眠りにつき、遠き日のセツナはシャンフロの真実に迫るヒントを残す。シャンフロのサービス開始以降、初のユニークモンスター討伐の一報はゲーム内の全プレイヤーに知れ渡る。そして怒り心頭の阿修羅会の面々が、戦い疲れた三人の前に立ちはだかる…
墓守のウェザエモンが撃破されたことで、シャンフロを開発するユートピア社内が慌ただしくなっていた。予想外の展開で動き出したストーリーの渦中にいるサンラクは、気持ちを新たにする一方、ウェザエモン討伐の戦利品を確認していた。入手したアイテムを腕に装着すると…
“ユニークモンスターは金になる”。ペンシルゴンは、サンラクとオイカッツォにクランの結成を提案する。一時解散後、サンラクはオイカッツォから受け取った神代文明の道具「規格外エーテルリアクター」を手に兎御殿へ戻り、ある名案を思いつく。
ビィラックはサンラクの提案を受け入れ、古匠になる決意を固める。古匠に必要な神代の「魔力運用ユニット」を手に入れるべく、「奥古来魂の渓谷」へ。リュカオーンの呪いで低レベルのモンスターはサンラクから逃げていく中、レアエネミー「喪失骸将(ジェネラルデュラハン)」と遭遇。ビィラックはハンマーを手に構え…
サンラク、エムル、ビィラックは「奥古来魂の渓谷」のエリアボス「歌う瘴骨魔」と対峙していた。ダメージは与えられるものの、苦戦が続く。ビィラックが鍛えた斬首剣で反撃に出るが、斬撃のチャンスは8発しかない中でサンラクは行動に出る。
サンラクは、エムルたちの忠告を無視して「奥古来魂の渓谷」に戻り、レベル100オーバーの「水晶群蠍(クリスタル・スコーピオン)」の群れに遭遇する。「適当なレア素材とか持って帰る!」と目標を定めるも悪戦苦闘。だが、水晶群蠍の動きを確認するうちに“あること”に気がつき、秘策を思いつく…。
サンラクが持ち帰った戦利品に、宝石類を見つけたビィラック。それらを「宝石匠」に見せるため、サンラクに同盟国「キャッツェリア」の剣聖にして「長靴銃士団」副団長のアラミースを紹介する。エムル、ビィラック、アラミースを引き連れて「エイドルト」に赴いたサンラクは、考察クラン「ライブラリ」のリーダー「キョージュ」に出会う。
ビィラックの育成に必要な「魔力運用ユニット」を求めて、サンラクたちは「去栄の残骸遺道」に向かう。しかし、サンラクたちの行く手を神代の頃に作られたゴーレムが立ちはだかる。サンラクとエムルがゴーレムに立ち向かおうと思った矢先、その横をアラミースが駆け抜けた…。
「魔力運用ユニット」を求めて、「去栄の残骸遺道」の地下穴を降ろうとするサンラク一行。そんな彼らの前に、ペンシルゴンとオイカッツォが現れる。サンラクを追ってここまで来たという2人に状況を共有し、オイカッツォが先陣を切り地下の縦穴へ降りていくことに。
「ペンシルゴンの策略により、「旅狼」、「SF-Zoo」、「ライブラリ」、「黒狼」のクランが一堂に会す。各々の思惑が交錯する場で、サイガ-100が口火を切った。
ペンシルゴンの発案により、「旅狼」、「SF-Zoo」、「ライブラリ」、「黒狼」によるクラン連盟が組まれ会議を終える。旅狼の二人と別れたサンラクは、ラビッツへ向かう前に、ドロップアイテムを大量に入手すべく再び「水晶巣崖」へ向かう。
「水晶巣崖」でクリスタル・スコーピオンの大量討伐を達成したサンラク。しかし経験値が入らず、レベルアップしないことを訝しむ。まだ戦いが終わってないんじゃ…と表情を引き締めると、サンラクの前に金色のレアエネミー「金晶独蠍(ゴールディ・スコーピオン)」が出現した。
ビィラック育成計画が順調に進むも、リュカオーンのマーキング(呪い)が仇となって新装備が使用できないサンラク。『シャンフロ』からログアウトし現実逃避をするが、「ゲームのストレスはゲームで発散」と久々にロボット格闘ゲーム『ネフィリム・ホロウ』にログインする。そこで待っていたのは…。
『ネフィリム・ホロウ』で過去に引き分けたNo.1プレイヤー・ルストに再会するサンラク。だが、久々の対決であっけなく敗北。明朝の再戦を約束する。「負けるまで機体を替えない」というポリシーの元、無敗を誇るルストの高速機動機衣人(ネフィリム)「緋翼連理(ヒヨクレンリ)」を打ち倒すべく、サンラクは新機衣人(ネフィリム)のカスタムを始める。
サンラクは新たに造り上げた機衣人(ネフィリム)「フィドラークラブ」で再びルストと対峙する。追加した戦闘パーツを駆使し、予想だにしない動きでルストを翻弄。さらにルストの機衣人「緋翼連理」と自身の「フィドラークラブ」の違いを巧みに利用して勝負をかける。
『ネフィリム・ホロウ』をプレイしていた間に、兎御殿に新たなプレイヤーが来ていたことを知ったサンラク。今までのアドバンテージが危ぶまれる事態に焦りの色を隠せない。状況を打開する案が浮かばずジリジリしていたところにビィラックが現れ「完成したんじゃ!」とビィラック育成計画の成果を見せる。
サンラクは、サイガ-0を誘い、「無果落耀の古城骸」攻略に繰り出す。サンラクと距離を縮めたいサイガ-0と、サイガ-0が何を考えているのかわからず怖さを感じるサンラク。互いにドキドキしながらも、順調にエリアを攻略していく。
「夜襲のリュカオーン」の出現座標を特定したAnimalia率いるクラン「SFーZoo」は、合計100回以上のクリティカルを当てるべく、夜襲のリュカオーンと対峙していた。巧みなチームワークで善戦するSFーZooだが、サンラクはリュカオーンの余裕の表情が気になる。まだ“なにか”があるはず…と戦況を見つめる。
「夜襲のリュカオーン」の次なる相手はサンラクとサイガ-0。しかし、圧倒的な力の差に2人は苦戦を強いられる。そこでサイガ-0は自身の称号“アタックホルダー”の由来となった“切り札”の発動を決意。サンラクもサイガ-0の“切り札”に勝負を賭け、ビィラックが修理した規格外エーテルリアクターを使用、ウェザエモンの遺産を起動させる。
「夜襲のリュカオーン」を倒すべく奮闘するサンラクとサイガ-0。そこにエムル、秋津茜、シークルゥが姿を見せ、リュカオーンとの戦いに参戦する。“3人と2羽”でパーティを組み、リュカオーンとの攻防を続ける中、サンラクはリュカオーンの妙な点に気付く。
切り札を発動するためのサイガ-0の長い詠唱が始まった。その間、サイガ-0は無防備。サンラクらはサイガ-0をリュカオーンの攻撃から守るため、必死の攻防を続ける。リュカオーンの「透明分身」攻略に何か気づきを得た秋津茜は、「私たちにお任せを!」とシークルゥと共に「透明分身」に挑む。