新エネルギー「Hybrid Performance Exceed Reacter(通称:ハイパー)」を動力とするマシンによって繰り広げられる「NEX Race」。 この次世代レースが誕生して5年、絶対王者として君臨する"キング"に対向すべく各レーシングチームがしのぎを削る中、新参の武戦レーシングから一人のレーサーが誕生する。 彼女の名は、輪堂凛―!
「NEX Race」の新シーズンが開幕する。凛の記念すべきデビュー戦は、砂ぼこりの舞う中東レーシング場。同じくこの日デビューを果たす同期の浅河カナタと小町永遠も打倒キングに気炎を上げる。凛も初戦に息巻いていたが、緊張から空回りしてしまう。焦る凛は、前のマシンを追い抜くためある手段に出る―。
反則とはいえキングを抜いた凛に興味を持ったアリスは、直接凛の元を訪れる。 レースのルールはおろか世事にも疎い凛は、アリスがクイーンであることに気づかず、自分のファンだと思い込んで実家のもんじゃ焼き屋へ招待する。 食事中も勘違いしたままの凛だったが、今度はアリスの提案でとある場所へ向かうことに―。
シーズン前半戦が中盤に差し掛かる中、「NEX Race」の関係者が集まるレセプションパーティーが開かれる。しかし出席するはずのキングが会場に現れず、場内は大慌てに。その裏で、パスを忘れて会場に入れずにいた凛は、探し物をしているという男性と出会い、その手伝いをすることにー。
第6戦の舞台はモナコ・市街地コース。クラッシュが多くドライバーの腕が試される難所だが、そのようなコースで凛も決勝レース進出を果たす。武戦レーシング監督代行の千登世は、リタイヤすることなく完走させることで凛に経験を積ませようと考えていた。しかし、凛の言葉を聞きある決断をする―。
シーズン前半戦が終わりオフシーズンに入る選手たち。凛、カナタ、永遠のルーキー3人は、キングやクイーンと一緒のレースを走ったことでその力の差を痛感していた。より速く走るため特訓を開始する凛たちの元に、千登世から新しいトレーニングがあると連絡が入る―。
オフシーズンが明け、後半戦がスタートする。凛は特訓の成果もあり、シミュレーターで好成績を出せるようになり喜んでいた。そんな凛に対しamiは問いを投げかける。「成長することがすごいことなのでしょうか?」その答えは、意外な人物が凛に示すことになる―。
マシンを壊した凛に千登世たちは新たな特訓を用意する。それは伝説のマシン「2000GT」を使った走行訓練。技術の進歩によりマニュアルシフトの優位性は皆無となった時代に、この特訓は無意味だと思われたが・・・。一方、源さんはamiと共に新たなマシンの調整を行っていた―。
劉悠然。天性のドライビングセンスとストイックな努力によって彼女は中国のスター選手となった。しかしレースを重ねるうちに、格上選手との壁の厚さやルーキーの成長に半ば諦めのようなものを覚え始めていた・・・。第10戦の舞台は上海。レースは序盤から波乱の様相を呈する―。
シーズン最終戦は「NEX Race」誕生の地・大阪関西万博の跡地での開催となった。今季から新設された初めてのコースかつ積雪の影響による路面コンディションなど、各チームが懸念材料を抱えるなか予選の走行が始まる。マシンの調整を終えた凛は好調な走りを見せるが、そんな凛の前にキングが躍り出る―。
予選を終え、最終戦の本戦の時が迫る。凛にとっては、オーナー・九頭竜豪志が課した「1年以内に1位を取る」という条件を果たすラストチャンスとなる。ところが、amiは「誰もロレンツォには勝てない」と分析していた。選手それぞれの思いを胸に、いま、スタートのシグナルが灯る―。
凛とキングの決戦。それはクイーンとの戦い以上に限界を超えたものだった。マシンが接触ギリギリでせめぎ合い、かつてキングをここまで本気にさせるほど迫ったドライバーはいなかった。その走りがクイーンや他の選手の闘志にも火をつけ、誰もが最後まで全力で一番を目指す。それこそが絶対王者キングの求めていたものだった―。