1986年11月−夕凪大学の二年生・藤井冬弥はある朝悪夢にうなされる。 それは恋人である新人アイドル・森川由綺の夢…。 寝坊でバイトを初日からすっぽかしてしまった冬弥は仕方なく大学に向かう。 学内でTV番組の収録に向かう由綺と偶然会うが、二人は短い会話を交わすのみに留まる…。 「…会えなくなるんだから。今よりもっと」冬弥は大学の先輩、澤倉美咲からの忠告も今ひとつ実感を持ってとらえられない。 友人の七瀬彰の紹介で喫茶店“エコーズ”でバイトすることになった冬弥。 一方、東央テレビのスタジオでは、由綺と同じ事務所の先輩にしてトップアイドル・緒方理奈の出演する番組の収録が始まろうとしていた。 アシスタントとして出演する由綺は、彼女や理奈を敵視するアイドルグループ「桜団」の嫌がらせを受け窮地に陥るが…。
「今夜は寝ません。待ってます」--- はるか経由で由綺からの伝言を聞き、困惑する冬弥のもとに泣いて取り乱す美咲から電話が入る。 台本自体は演劇部に採用されたが、美咲と因縁のある演劇部部長・田丸の嫌がらせで、 衣装と小道具まで作ることになってしまった、という。期限は二週間と少しだけ。 そんな美咲に冬弥は快く協力を申し出る。落ち着きを取り戻す美咲。 電話を終え由綺のマンションに走る冬弥は、玄関前に停まる弥生の車を発見し、踵を返す。 翌日、思い直した冬弥は再び由綺のマンションを訪れるが、由綺は不在。 由綺はその頃、スタジオ "Tri−Sad" にいた。 英二が書下ろした由綺のデビューシングル、「White Album」のレコーディングが始まる…。