ネルファ皇国の森で、ライナとフェリスがネルファ兵と対峙していた。『複写眼(アルファ・スティグマ)』と卓越した剣技で応戦し、その場を切り抜けた二人は『勇者の遺物』が眠る遺跡を目指す。一方、ローランド帝国王のシオンは国内の視察から凱旋したばかりにもかかわらず、仕事の手を緩めることはなかった…。
学院時代、「ローランド最強の魔術師」と謳われたシオンは、瞳に朱の五方星が宿る『複写眼』保持者のライナに興味を惹かれていた。強引に自分の班に引き入れたシオンは、ライナにある決意を語る。だが突然、黒装束の男たちがシオンを襲う。徐々に追いつめられ、窮地に立たされたシオンの前に、一人の美少女が降り立つ…。
隣国のエスタブール王国が、ローランドの領土に進軍した。また戦争が始まる、と怯える生徒たちに下る出兵命令。しかし、シオンの根回しによって彼のクラスは非戦闘地域への出兵となる。安堵の息を漏らす生徒たちだが、ライナに想いを寄せるキファ・ノールズだけは何かに怯え続けていた…。
戦争での功績を称えられ、英雄扱いのシオンはエリス家に赴いていた。エリス家の当主であるルシル・エリスに、王となる資格があるか試されていたのだ。一方、ローランド王によって投獄されていたライナは、牢獄内で昼寝王国の王様として君臨しながらも、とある研究を行っていた。そしてライナの処刑が決定されるのだが…。
『勇者の遺物』を探す旅に出たライナとフェリスは、古い時代の遺跡が残るネルファ皇国を訪れていた。二人は『勇者の遺物』に関する書物を探すために王立図書館へ向かうも、門番に入場を阻まれてしまう。だが、ひょんなことからライナがネルファ皇国皇帝の孫、トアレ・ネルフィを助けたことで、無事、図書館に入れるが…。
反国王派が仕組んだネルファ皇国訪問に議論を交わすローランド王宮内。フェリスの妹、イリス・エリスからの報告を受け、ライナとフェリスがネルファ皇国にいることを知ったシオンは、ミラン・フロワードを連れて訪問を決める。両国間の緊張が高まる中、シオンとネルファ皇国王グリード・ネルフィの会見が開かれるが…。
ネルファ皇国のとある砦で『勇者の遺物』探しをしていたライナとフェリスは、宝探しで忍び込んだというスイ・オルラとクゥ・オルラという不思議な兄妹に出会う。翌朝、そのスイとクゥのたれ込みによって、再びミルク・カラード率いる忌破り隊に捕えられそうになったライナ達であったが…。
ローランドに属しているはずのエスタブールが反乱を起こした。反乱の首謀者は、かつてのエスタブール国王の一人娘で、国民から絶大な人気を得ているノア・エン。作戦会議の中、シオンは「自分が鎮圧に行く」と言うフロワードを制し、クラウ・クロム少将を反乱鎮圧に向かわせたのだった…。
ネルファ皇国の宿屋にいるライナとフェリスのもとに、イリスがシオンの伝言を持ってやってきた。だんごを食べるのに夢中になっているイリスによると、どうやらネルファの森に出現した竜を調査するようにという命令らしい。森に向かった二人の前には、付近の住民やネルファの兵士たちの無残な光景が広がっていた…。
戦いで、謎の声を聞いたライナは、暴走状態となり周囲を破壊し続けた。しかしフェリスは動じることなく、ライナに向かって「お前は化け物じゃない」と語りかけるのだった。頬から一筋の涙がこぼれ、脱力するライナを抱き留めるフェリス。一方、シオンは、大陸北方に不穏な動きがあることに頭を悩ませていた…。
国王派の貴族を優遇し、能力ある者は市民でも役職に登用することを決めたシオン。反国王派を挑発することになるが、シオンはあえてこの強攻策を取ることで、国内統一の強化をはかる。一方、ライナとフェリスは、複写眼を持つアルアという少年がルーナ帝国の魔法騎士にさらわれたのを知り、救出に向かうのであった…。
シオンは、アークメル地方で貴族たちの不穏な動きがあるという噂を聞きつける。そこはフロワードの父、カーラルが治める地。反国王派の貴族たちが集まり、シオンを王の座から引きずりおろすための宴が開かれていた。この計画を取り仕切り、全権を任されていたフロワードは彼らの前に立ち、「死んで下さい」と言い放つ…。
ライナの「複写眼(アルファ・スティグマ)」を調べるために、キファ・ノールズはメノリス大陸最大の軍事国家ストオルの兵士になっていた。その頃、ライナとフェリスは、ククを救出するためにレジット村のすぐ近くまで来ていた。しかしそこにスイとクゥが立ちはだかる。「ボクたちは複写眼を狩っているのですから…」
スイとクゥと戦いを繰り広げるライナとフェリス。そんな時、眠っていたアルアが目を覚ました。そしてアルアに向かい、ククを助けようと話すライナ。そんな同じ複写眼の持ち主であるライナをアルアは、「先生」と呼ぶのだった。ククが捕らえられている貴族の館に向かおうとした彼らの前に再びスイとクゥが現れて…。
船に乗っていたライナとフェリスは、ミルクたちとの大騒動と嵐のせいで、偶然ローランドの国内に流れ着いてしまう。ライナたちは、これ幸いとばかりに、自分たちをこき使っているシオンのところに向かうのだった。「傍若無人いじめっ子大王シオンの横暴を許すなーっ!」。
尊敬するお姉様(フェリス)と、一緒にくっついている野獣君(ライナ)を監視しているイリス・エリスの報告書がようやくまとまった。「ゆーしゃのいぶつ」を勝手に大きくする野獣君の失態を暴き、「せいえいぶたいの隊長」が野獣君と行きずりの関係を持っていたというスキャンダルをシオンに報告するイリスであった…。
シオンがエスタブールに行くことになり、フェリスと護衛につくように命じられるライナ。昼寝三昧で過ごそうとしていた目論見がはずれたライナはしぶしぶエリス家に向かい、シオンの命令をフェリスに告げた後、エリス家の道場に入り、そこでルシルと対峙する。そしてルシルのただならぬ雰囲気を感じ取ったライナは彼に…。
エスタブールへの出発を前にして、ライナが突然失踪してしまった。シオンはもちろんフェリスもライナがどこに行ったのか見当がつかなかった。そんな状況の中、シオンはエスタブールにいるクラウから、「魔眼」保持者が現れたとの報告を受ける。シオンはクラウの援護に向かうことを決心するのだが…。
エスタブールで、魔眼保持者に瀕死の重傷を負わされたクラウ。衝撃を受けるシオンだが、「策」があると兵士たちを安心させ、クラウの身を心配するノアとエスタブールに兵を率いて出発する。一方、フェリスは、失踪したライナのことを思い、理解しきれない気持ちに胸を痛めていたが…。
ガスターク王レファルのもとに、瀕死のスイを抱えたクゥが駆け込んできた。スイの話によると、自分たちをこんな目に合わせたのは、ライナ・リュートという名の「複写眼」の持ち主だという。レファルのところに身を寄せていたキファは、ライナの名を聞いて驚愕する…。
ティーアの隠れ家に滞在することになったライナの前に刺客が現れる。シオンの命令によりライナを殺すためにやってきたと聞き、苦渋の表情を見せるライナ。相手の術中にはまりナイフを突きつけられてしまうも、そこに割って入る者が居た。それは…。
もう逃げない。そう誓ったライナは、フェリスとともにローランドに帰還する。シオンの執務室に入った二人は、あふれる書類の山から姿を現したシオンと再会。シオンは嫌がる二人に膨大な書類仕事を押しつける。だが、その時ライナはシオンの顔色が悪いことに疑問を抱く…。
不意をつかれて何者かにナイフで刺されてしまうライナ。その一部始終を見ていたルシルは、ライナを刺した男と対峙するが「勇者の遺物」を用いられ、逃げられてしまう。「遺物」は光の球体となり、ローランド城を覆う。それを見ていたシオンは苦悩の表情を浮かべるのだった…。
無理矢理書類仕事で徹夜をさせられているライナとフェリス。つき合っていられないと、ライナはミルクの手助けでローランド城を抜け出す。そこで初めてミルクの誕生日パーティをすっぽかしたことを詫びるライナだった。その頃、クラウやカルネたちはシオンの誕生日を盛大に祝うために趣向を凝らした式典を計画していた…。
激しい雨が降るローランド城下町。対峙するライナとシオン。いつかこんな風になるのではないかと思っていたと呟くライナ。それに対して、約束を守れなくてごめん、と謝るシオン。そう語り合いながらも、ふたりは戦闘態勢に入るのだった…。