天上ウテナは幼い頃に助けてくれた王子様に憧れ、王子様になることを決意する。時は流れ、私立校鳳学園中等部で“男装の王子様”としてアイドルになるが、ある事件をきっかけに決闘ゲームに巻き込まれることになる。
決闘の勝者は“薔薇の花嫁”という謎の少女・姫宮アンシーを従えることができる。その勝者となったウテナは、決闘を仕組む世界の果てが定めた“薔薇の掟”によって、アンシーとエンゲージすることになり…。
婚約という意味であるエンゲージを交わした勝者ウテナと服従するアンシー。友達のいないアンシーのために、ウテナは彼女を舞踏会へ誘う。しかし、その舞踏会には、ある者の仕掛けた恐ろしい罠が待っていた。
私立校鳳学園中等部の生徒会メンバーの一人である天才少年・薫幹。彼は“薔薇の花嫁”である、謎の少女・姫宮アンシーに興味を持ち始める。彼には求め続けた“輝くもの”があり、それがアンシーだと信じ…。
幼き日の思い出である“輝くもの”を取り戻すべく、“薔薇の花嫁”としてのアンシーを求める薫幹。ついに、彼は天上ウテナに決闘を申し込んだ。決闘に勝って姫宮アンシーを自分のものにするために…。
桐生七実は極度のブラコンであり、実の兄・桐生冬芽に近づく女は誰であろうと許さなかった。しかし、あることをきっかけに冬芽が自分の命を狙っていると思い込んでしまう。そんな彼女の前に“王子様”が現れて…。
高級ブランドのモデルに抜擢されるほどの美貌でありながら、その裏には誰もが恐れる一面も合わせ持つ生徒会メンバーの有栖川樹璃。彼女は自分が欲する“奇跡”を否定するために、ウテナに決闘を挑む。
カレーの爆発が原因で、信じられないことに人格が入れ替わってしまった天上ウテナと姫宮アンシー。静かなウテナと活動的なアンシーを見た七実たちは、その責任を取るためにカレー粉を求めてインドへ旅立つ。
幼かった少年時代のあの日、桐生冬芽と西園寺莢一は棺の中に入った一人の少女に出会った。その日以来、西園寺は冬芽に劣等感を抱いてしまうようになったのだ。そして、彼は“永遠”を求め始める。
次の決闘の挑戦者は、一体誰なのだろうか。天上ウテナとの再戦を望む薫幹と有栖川樹璃に、桐生冬芽は助言する。それは、もう一人、“世界の果て”に選ばれたデュエリストがいるという事実だった。
もしかすると、自分が出会った王子様は冬芽だったのではないだろうか。ウテナの疑いは強まっていく一方だった。そんな中、冬芽がウテナに決闘を申し込んできた。冬芽の不可解な行動に戸惑いながらもウテナは…。
冬芽に挑まれた決闘の果て、敗れてしまったウテナ。彼女は女生徒の制服を着て学園へと赴く。決闘の勝者である冬芽はアンジーとエンゲージしたのだ。敗れたウテナの姿に対して、アンジーの態度は…。
深い深い闇の空間。そこにたたずむ一人の王子様がいた。頭を垂れた彼の前に現れたのは謎の男だった。その謎の男は語り始める。今まで行われてきた天上ウテナの決闘について。その決闘の意味について…。
アンシーに学園の理事長代行にして兄の鳳暁生と、そのフィアンセ・香苗を紹介されるウテナ。暁生は鳳家の養子となるらしい。その頃、地下では“黒薔薇会”がアンシーの命を狙って動き始めていた。
双子の兄である薫幹に対して屈折した愛情を抱いている薫梢は、幹に近づく者を力づくで排除する。彼女のその思いを利用しようと、黒薔薇会の魔の手が梢に迫っていた。そして、ある決闘が行われることとなる。
七実は届けられたカウベルをアクセサリーだと思い込み、毎日自分の首に付けていた。樹璃もアクセサリーを好んでおり、それを見た七実はある行動に出る。やがて、七実は身も心も牛へと豹変していってしまい…。
有栖川樹璃の幼馴染みである高槻枝織が鳳学園に帰ってきた。しかし、樹璃は彼女に対して冷たく接していた。人には決して見せない枝織への密かな樹璃の思いを、黒薔薇会が暴こうと動き出すが…。
石蕗美蔓、鳳学園の生徒で初等部の少年である。彼は、憧れの七実に子供扱いされて苛立ちを感じてしまう。どうしたら、七実と同等に付き合える“大人”になれるのだろうか?様々な方法を試みるが…。
ウテナの親友でありクラスメートである篠原若葉の前に現れたのは、彼女が小学生の時に“タマネギ王子”と呼んで慕っていた風見達也だった。しかし、彼はウテナに交際を申し込もうとしていたのだ。
学園に追われた西園寺莢一を匿い、居候として同棲することになったのは篠原若葉だった。普通の少女が手に入れた“特別な時間”だったが、その幸福は長くは続かなかった。決闘の最後で若葉が見せたものとは…。
桐生七実の取り巻きの一人であり、そのリーダー・苑田茎子は冬芽に憧れを抱いていた。それを知ってしまった七実は、彼女に非情な罰を与えた。以来、茎子の中には激しい怒りと嫉妬が渦巻き始めてしまい…。
高等部3年の生徒であり、御影ゼミを主宰する天才・御影草時は回想する。かつて、根室教授と呼ばれ、ある研究を行っていた時を。“世界を革命する力”計画の始まり、そして、千唾時子と馬宮との出会いを…。
デュエリストは薔薇の刻印をしている。ウテナは御影草時がデュエリストを操っていた黒幕だと知る。そしてウテナは、彼に決闘を申し込む。自分の思い出が、彼のものとは違うことを証明するために…。
私立校鳳学園に暴れ馬が出現した。石蕗は七実を助けようとするが、気絶してしまう。その後、保健室で彼の手帳から他人には話せない様々な秘密が明らかになる。その中には、彼が思いを寄せる七実のことも…。
もう決闘はしないと宣言した西園寺莢一。そんな彼の前に現れたのは、桐生冬芽と鳳暁生だった。暁生は西園寺にあることを伝える。それは、「“世界の果て”を見せてあげよう。君にもね」という意味深な言葉だった。
薫幹は苛立ちを感じていた。その感情は、大人への不信感のためだろうか?答えを見い出せないでいる彼の前に姿を現したのは、薫梢と鳳暁生だった。幹は二人に“世界の果て”へと誘われることに。
目覚めたとき、布団の中を見るとそこには卵があった。七実は、それが自分が産んだ卵だと思い込んでしまう。さらに人間の女の子は卵を産むものだと勘違いしてしまった彼女は、卵を自分で育てることを決意する。
病気のために休学していたフェンシング部の部長・土谷瑠果が私立校鳳学園に帰ってきた。彼は樹璃の思いを見透かしているのか、高槻枝織と交際を始めて彼女を翻弄する。そんな折に樹璃が取った行動は…。
枝織が瑠果に捨てられてしまった。その事実に苦悩する樹璃。瑠果はそんな彼女を弄ぶ。しかし、樹璃は彼に決闘を挑む決意を固める。瑠果の真意、そして「心配ない」という言葉の意味が明らかになる。
天上ウテナ、姫宮アンシー、鳳暁生、3人の共同生活が続いていた。暁生は足を怪我してしまったウテナを、自転車に乗せて病院へ連れて行く。そんなウテナと暁生の気持ちは近づいていき、夕陽の中で二人の唇は重なる。
あることがきっかけで、七実は自分と兄・冬芽の間に血が繋がっていないと思い込んでしまう。それが原因で家を飛び出してしまった七実は、ウテナたちの住む理事長館に身を寄せて暮らすようになる。
鳳暁生と姫宮アンシーの関係を知ってしまい、身の置き所を失った七実は私立校鳳学園から出ていくことを決意する。取り巻きとも確執し、失意のどん底にある七実に暁生は“世界の果て”を見せることに。
暁生編の総集編。ある人物と遊園地に遊びに行くウテナ。車に乗ってハイウェイをドライブする暁生。ラジオから聞こえてくる影絵少女のクイズは、次の3つのうち“永遠のもの”とは?を問いかけてくる。
天上ウテナは演劇部の生徒に誘われて、“薔薇物語”の舞台を観ることに。舞台を観終えたその夜、とある夢を見る。それは彼女と王子様が出会った時の思い出の夢だった。それは、ウテナの大切な記憶なのだ。
世界を革命する者、それは次の決闘に勝利した者となる。その挑戦者である桐生冬芽は、天上ウテナと鳳暁生に関する、あるゲームを仕掛けることに。ウテナへの気持ちに気付いた冬芽の思いとは…。
冬芽はウテナに決闘を申し込む。“世界を革命する力”を手に入れるためではなく、幼い頃から棺の中に入ったままのウテナを解放し、守るために。冬芽はウテナに、素直に自分の気持ちを打ち明ける。
天上ウテナに届いたのは、“世界の果て”の手紙だった。その手紙には、天空の城に行けば、薔薇の花嫁とエンゲージした者が手に入れられる“世界を革命する力”が宿り、王子様と再会できると記されていた。
革命という名の決闘。その決着をつけるため、ウテナとアンシーは決闘場へ向かう。そこで待っていた鳳暁生こそ、ウテナが幼き日に出会った王子様であり、かつてのディオスこと“世界の果て”であった…。
“世界を革命する力”を手にするための決闘。姫宮アンシーの剣が、天上ウテナを背後から貫く。これが現実の戦いの恐ろしさなのか、残酷の結晶なのか…。そして決闘場に、人の憎悪に光る“百万本の剣”が現れる。