広大な宇宙で巨大異星人による二大勢力が戦いを繰り広げていた。一方は男だけの勢力ゼントラーディ軍、もう一方は女だけの勢力メルトランディ軍。そしてこの戦いは地球をも巻き込んでいった。 突然の攻撃に宇宙戦艦マクロスが交戦したが、トラブルから太陽系外縁に飛び出し地球帰還の術を失ってしまう。マクロス内には都市が形成され、市民は地球への思いを馳せ、生きていた。 そんな彼らの心を癒すのは歌手リン.ミンメイの歌声だった。思いがけずスターとなったミンメイが唯一心の支えとしたのは、統合軍バルキリー隊のパイロット一条輝である。輝にとってもミンメイは心休まる存在であった。が一方で輝は上官である早瀬未沙と同じ戦場に生きる中で、愛の芽生えるのを感じはじめていた。 ミンメイと未沙との愛の狭間で、輝の心は揺れ動く。 熾烈をきわめる戦況の中、マクロスは人類の存亡を賭け、ミンメイの歌を唯一の武器に最後の戦いに挑んでいく。
1984年公開の劇場版『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』は、諸般の事情により本編後のエンディングフィルムの制作が見送られた。この中ではエンディングテーマ曲『天使の絵の具』を歌うヒロイン、リン・ミンメイのコンサートシーンが描かれる予定だった。本作品はこのシーンを再現するために企画されたもので、初代マクロスの最後の映像作品となった。 マクロスはアニメとポップ・ミュージックのメディアミックスの先駆けであり、この作品も1980年代のアイドルのミュージックビデオのような、ライブ映像やイメージフィルム風の映像で構成されている。2012年のコンサートシーンを映した『天使の絵の具 part1』と、巨大宇宙移民船メガロード-01の旅立ちを描いた『天使の絵の具 part2』は新規作画。その他8曲の映像には、テレビシリーズと劇場版の編集フィルムや、美樹本晴彦のイラストが用いられている。全編音楽による構成のため、旧声優陣による新たなアフレコは行われていない。 内容に明確な筋立てはなく、戦争、恋愛、別れなどをへて、未来へと飛び立つ人々の希望が表現されている。リン・ミンメイは地球でのさよならサマーコンサートツアーを終え、過去や未来のイメージが交錯(フラッシュバック)するなか、メガロード-01艦長早瀬未沙、航空隊長一条輝らとともに遥かな宇宙航海へと旅立つ。