城の北側に引っ越してきたというボルカ山賊を見張るマッティスたちの前に、ある朝、ボルカと妻のウンディスが、12人の山賊をたずさえて突如現れた。地獄の口を挟んで北と南でにらみあう山賊たち。ローニャは、一団の中にビルクの姿を見つけると…
ビルクに会いたい一心で、地下通路を塞いでいる石をどかし続けたローニャ。ついに石の壁の向こう側から、ビルクの口笛が聞こえてきた。再会を喜び合う二人だったが、ローニャはビルクがひどくやせていることに気づく。
厳しい寒さがようやく和らいできたある日、マッティス山賊たちにロヴィスの厳格な号令が飛んだ。冬の間ため込んだ汚れを落とすため、裸になって次々と雪の中に飛び込めというのだ。山賊たちは抵抗するが…
マッティス城をとりまく森にようやく春が訪れた。久しぶりに森で再会したローニャとビルクは、穏やかな春を満喫しながら自分たちの野馬を捕まえようと奮闘する。ようやく捕まえた野馬に二人は「アバレンボ」と「ムコウミズ」と名前をつける。
ボルカ山賊との争いで、矢をくらったストゥルカスがひどい怪我をしてしまう。日に日にボルカとマッティスの対立は激しさを増し、ローニャとビルクは不安を隠せずにいた。そんなある日、森で過ごしたローニャが城に帰るとそこには…
城の大きな裂け目「地獄の口」でにらみ合うマッティス山賊とボルカ山賊たち。マッティスの側には、ひもで縛られたビルクの姿があった。息子をいますぐ返すように求めるボルカに、マッティスはなかなか首を縦にふろうとしない。その時、ローニャが…
地獄の口での対決の後、ローニャは毎日森に出かけたが、ビルクはやってこなかった。ビルクの様子がわからない中、ただ待つだけの日々を過ごすことはローニャにはとても辛いことだった。一方、父マッティスは、まるで別人のように憔悴しきっていた…
城を出ること決意したローニャは、一人満月の輝く春の夜空の下を歩き、ビルクのいる「クマの洞」にたどり着いた。すやすやと寝息をたてて眠るビルクに対して、マッティス城のことを考えていたローニャはなかなか眠りにつくことができなかった。
二人きりで森の暮らしを始めたローニャとビルク。川に行ってはサケを捕まえ、クマの洞に戻っては、斧で丸太を切ったり、ナイフで椀を削り出したりしていた。けれど3日目になると、サケを食べるのも椀をけずるのも、二人はうんざりしてしまった。
季節は春から夏になり、森は生き生きとした緑へと変化する。ローニャとビルクは助けた野馬の乳をしぼり、自分たちが名前をつけた野馬のアバレンボとムコウミズとたわむれて、森での夏を満喫していた