問題児ばかりを集めた学生寮「さくら荘」。平凡な普通科2年生の神田空太は、変人たちに囲まれた生活に嫌気がさし、「脱、さくら荘!」を掲げていた。 さくら荘の監視要員である美術教師・千石千尋に呼び出された空太は、5歳くらいの少女が写った写真を差し出され、駅に迎えに行くようにと言われる。駅に着くと、そこには、どう見ても同い年くらいの、まっしろな少女が一人ベンチに座っていた――。
さくら荘会議の結果、空太の抵抗も空しく、1人では、ぱんつも穿けない少女、椎名ましろの世話係「ましろ当番」に任命されてしまう。 翌日。さっそく、ましろの世話を焼く空太は、食べそびれた朝食を求めてコンビニへと向かう。そこでバイトを終えたクラスメイトの青山七海と合流し、3人で登校することに。 七海にましろを紹介する空太だったが、ましろがふと口にした一言で、二人の関係を七海に勘違いされてしまうのだった。
ましろの経歴を知り、さくら荘で唯一何もない自分に焦りを感じ始める空太。 さくら荘の先輩である三鷹仁にその思いを語るが、一般寮に戻ろうとしている空太には関係ないと一蹴されてしまう。 そして空太は「脱・さくら荘」を果たすため、飼い猫たちの里親を真剣に探し始める。 そんなとある日曜日、201号室に住む先輩・上井草美咲が、空太の部屋のドアを蹴破り、ましろと仁がデートでラブホに行くのだと騒ぎたてる。 二人が気になる空太と美咲は尾行を開始するのだが…。
猫の引き取り手も決まっていき、空太はさくら荘を出て行く準備を着々と進めていた。 そこに、浴衣姿の美咲とましろが現れ、さくら荘の中庭で七夕をすることに。 それぞれの思いを短冊に書く一同。 短冊に何を書けばいいか分からないというましろに空太は、マンガの新人賞が取れるようにお願いすればどうかと提案する。 しかしましろは、自分の力で取るからお願いする必要はないのだという。 そこに、ましろの携帯電話が鳴り、新人賞での結果が伝えられる…。
試験で0点を取ってしまい追試を受けることになったましろ。 明日が試験日だというのに何も準備をしていない彼女を、空太は千尋から丸投げされてしまう。 そこに突如現れた美咲によって始まったゲーム大会。 翌日、ましろと空太は眠い目をこすりながら追試に望むことになるのだった…。 その帰り道、立ちくらみで倒れそうになっている七海を助ける空太。 生活費を自分で稼ぐためにバイトを頑張る七海に、家賃が格安なさくら荘に引っ越すことを提案するのだが…。
ましろ当番になった七海は何もできないましろの世話を、バイトやさくら荘の食事当番、養成所の中間発表会の練習と一緒に完璧にこなし続ける。 そんな七海のことを心配して仁に相談する空太だったが、ふとしたきっかけで仁の秘密を知ってしまうことに! 美咲には黙っていて欲しいと言われるが、直後に当の美咲から仁の事で相談されてどぎまぎしてしまう。 そうこうするうちに七海は中間発表会の当日を迎えるが、連日の無理がたたって体調を崩してしまう…。
突然さくら荘に現れた空太の妹の優子。 お兄ちゃんが大好きな優子は、玄関先でたまたま裸のましろに押し倒された空太を目撃してしまい思わず固まってしまう。 以降、ましろに対して明らかな敵意を向けるが、対するましろも空太に馴れ馴れしい優子に敵意を燃やす。 さらに七海やメイドちゃんまで現れ、さくら荘が大変なことに!? 一方、美咲は運転免許を取るために、教習所で熱いカーアクションを繰り広げるのであった!
ある日、空太に2通の手紙が送られて来る。 1通は『「ゲーム作ろうぜ」選考委員』から。 もう1通は「恋を教えて」の一文だけが書かれた謎の手紙だった。 それを不審に思っていた空太の元にましろが現れ、ましろのマンガ新連載を決める会議と、空太の「ゲーム作ろうぜ」のプレゼンが同日であることを知る。 空太はお互い頑張ろうと励ましつつ、さくら荘の皆を相手にプレゼンの練習を何度も繰り返す。 そして、ついにプレゼンの当日を迎える!
朝、空太が目を覚ますと、ましろと美咲が部屋の壁一面に絵を描いていた。 これは幼稚園の頃からあたためていた長編アニメ企画「銀河猫にゃぼろん」だと設定を朗々と語り続ける美咲と、黙々と絵を描き続けるましろ。 おかげで2学期初日から遅刻ギリギリで学校についた空太を待っていたのは、七海との関係を噂するクラスメート達だった。 その夜、さくら荘のダイニングで皆に日頃の行動を正すように言う七海だが、生返事の一同。 と、そこに突然現れたのは金髪の美少女だった。
文化祭の出し物として「にゃぼろん」の制作を開始したさくら荘の面々。 ディレクターとなった空太だが、絵コンテが全くはかどらない。 数日後、徐々にスケジュールが遅れ始めているところに、生徒会から参加条件として企画内容をプレゼンするよう要求される。 空太は、作業の遅れを取り戻すため、増員を決断し、現状のクオリティに見合う人材として、ましろがイギリスにいた頃のルームメイトであるリタを勧誘しようとするのだが…。
文化祭が始まり、「にゃぼろん」の制作も佳境に入り徹夜が続く空太の目は虚ろ。 美咲はそんな空太をビジュアルショックで目覚めさせようと、猫娘姿のましろがいる美術科の作品展へと向かう。 バニーガールの猫版だと妄想を膨らませる空太だったが、果たして彼の見たものは!? 一方、さくら荘では龍之介とリタが2人きりで作業を進めていた。 文化祭以上に龍之介に興味のあるというリタは、メイドちゃんの罵声の中、上目づかいで龍之介ににじり寄る!!
ついに「銀河猫にゃぼろん」上演の日を迎えた。 シアターホール前で上演を待つ人の多さに尻込みする空太。 その整理を生徒会長の館林に押し付け会場に向かう仁。 関係者席に現れた千尋とゲームプロデユーサーの藤沢和希。 舞台袖で一人最後まで練習を続ける七海。客入れが終了して、集合の号令をかける美咲。 輪になった一同は全員で手を合わせ、最後の気合を入れる。 そしていよいよ…舞台の幕が上がる!
昼休みに空太たちが屋上で弁当を食べていると、美咲が仁への手作り弁当を持って現れる。 そこに描かれた文字に衝撃を受ける一同。その中でましろだけはなぜかその弁当をじーっと見つめていた。 その日の夕方、七海は仁からクリスマスイブ公演の芝居のチケットを2枚もらい誰を誘うか悩み始める…。 日が替り、空太が部屋で着替えていると、いつの間にかましろが後ろに立っていた。 ノックしろとおこる空太をよそに、ましろは「お弁当を作りたい」と空太に告げるのだった。
空太の部屋の前にバームクーヘンを黙って置き続けるましろ。 そんなましろにイライラし、ほとんど話をしない空太。 そんな空太とクリスマスイヴの夜に芝居を見に行く事を友人にデートと指摘され、途端に緊張して当日の服装に思い悩む七海。 さくら荘を出て大阪の芸術大学に入るために図書館で受験勉強をする仁。 その仁にイブの夜、告白をすると決意しそのことに緊張する美咲。 それぞれの想いを抱え、クリスマスを迎える…。
千尋がオーストラリアにバカンスに行くため、冬休みの間さくら荘に残れなくなった一同。 実家に帰れない七海、帰りたくない美咲、帰る気のないましろを連れて、空太は新幹線で福岡の実家に行く事に。 そこで待っていたのは、女子達の来訪を知らされずに動揺する優子と、面白いからという理由でそれを教え無かった張本人の母、そして「一夫多妻制を認めた覚えはない!」とうそぶく父であった…!?
とうとう空太はプレゼンの当日を迎える。 前回失敗した時のような思いをまたしたくないと意気込む空太。 ましろの応援にも熱く返事をする空太だったが、千尋から頑張るなと忠告を受ける。 放課後、気合と緊張と不安が入り混じりながらプレゼンに向かう途中にもらった七海からのメールに励まされる空太。 冬の曇り空の中、ゲーム会社についた空太は、ついにプレゼンの時を迎える!
バレンタインデーで、七海のオーディションの日でもある朝、緊張する七海を見送った空太は、自分1人で外出の準備を済ませ気合の入ったましろを見て驚く。 そこに突然リタもやって来て、挨拶も早々に龍之介のもとにチョコを渡しに急ぐ。 学校では美咲が手作りチョコを渡そうと仁を待つ。 そして空太はましろからメールを貰い、期待を隠せずに放課後の屋上へ向かう。 しかし七海からの大ピンチの知らせを受け、助けるために走り出す!
和希とのタイトル審査会へ向けての打ち合わせを終えた空太。 その後、七海と優子の合格発表を見に行こうとすると、今後のプランに関わるとましろもついてくることに。 2人の仲の良さにむっとするましろをよそに学校に着くと、仁が受験の報告で来ていることを知る。 仁と美咲がすれ違ったまま卒業して欲しくないという思いから、2人を引き合わせるべくそれぞれのもとに走る!
さくら荘が今年度限りで取り壊されることが決まったことを、千尋の口から聞かせられた空太たち。 自分たちの意見を聞かずに取り壊しを決定した理事会に対して納得のいかない七海と空太。 そんな空太が状況をきちんと理解していないましろと部屋で話をしていると、1枚の写真が出てくる。 それを見た空太は、自分がさくら荘に初めて来た時のことを思い出す。
さくら荘の取り壊しに反対するため、学校側の決定に異議を申し立てる事ができる全校生徒の3分の2の賛同を集めるべく署名活動を開始した空太たち。 しかし取り壊しの真の理由を龍之介から聞かされる。 更に理論的に署名活動がいかに無駄であるかを突っ込まれ、ついに言葉が無くなる空太。 そんな彼らがさくら荘に戻ると、七海のオーディションの結果が届いていた。 空太とましろが息を詰め見守る中、通知を読む七海。その結果は…!!
遂に署名活動の期日を迎える。テスト中にもかかわらず署名の集計をしてしまう空太だったが、ふと七海の方に目を向けると、そこにはまっすぐ前を見つめたまま涙を流す七海がいた。 何事かと教室内がざわつく中、すぐに空太は七海を保健室へと連れて行く。 大丈夫だという言葉に後ろ髪を引かれつつ七海をおいて教室へと戻る空太。 そこに和希から電話があり、タイトル審査会の結果を告げられる…。
美咲と仁の卒業式を迎えたさくら荘。空太はましろを起こそうと部屋に行くが姿が無い。 さくら荘中を探すもいっこうに見つからないましろ。すると千尋が今朝方一人でさくら荘から出て行ったことを伝える。 その事実に責任を感じる空太をよそに、龍之介とメイドちゃんがGPSでましろの居場所を突き止める。 しかしそこにもましろの姿はなく、代わりにさくら荘の面々が描かれた絵画だけが残されていた…。
空太たちは卒業式に出席するため、急ぎ学校へと向かう。 遅刻しながらもこっそりと在校生の最後列に潜り込む一同。 新生徒会長の送辞も終わり、卒業生代表の答辞が始まる。 しかしなぜか元生徒会長の舘林ではなく、美咲が壇上に現れ会場にどよめきが起こる。 美咲はそれを意に介さず、3年間の想いをこめて堂々と答辞を読み始める。
千尋に別れの挨拶をし、美咲の車でさくら荘をあとにする一同。 イギリスへ帰国するリタ、大阪の大学に向かう仁、声優という夢を追い続けるために両親を説得しに里帰りをする七海、引越しの準備のため一旦実家に帰るという美咲、そして外で打ち合わせがあるとその場を去る龍之介。 それぞれを見送った空太とましろは、さくら荘へと帰る。 そして誰もいなくなったさくら荘で2人は…。