出世を目前に凶弾に倒れたサラリーマンは、気が付くと15歳・ジョブ「治癒士」のルシエルとして異世界に転生していた。「絶対に寿命で老衰する!」という決意を胸に、新たな人生をスタートさせたルシエル。前世で培った営業スキルを活かし女性聖騎士隊隊長・ルミナに治癒士ギルドへ案内をしてもらうが、まだ治癒魔法が使えないルシエルは10日間のスパルタ訓練を受けることに…。
負傷した新米冒険者4人の治療を試みるルシエル。しかし緊張のせいかヒールをうまく発動させることができず、魔力枯渇も起こしてしまう。そこでルシエルは、経験を積んで治癒士としてもレベルアップするため、冒険者ギルドの門を叩くことに。受付嬢のナナエラに迎えられ、魔法による治癒行為を対価に武術の指導をお願いしたルシエルの元へやってきたのは厳つい顔を浮かべるブロドだった。
鍛錬のため冒険者ギルドに身を置き、ブロドによる修行と、冒険者への治療を始めたルシエル。さらに修行の一環として、クソまずいというデメリットを持ちながらチート級の効力を持つ「物体X」を、シェフのグルガーから飲まされることに。その後「物体X」と修行の日々を送るルシエルは、ある時から“視線”を感じるようになるのだが・・・!?
修行に明け暮れるルシエルは、初めての休息日を迎える。グルガーの兄・ガルバから魔物の解体を、ナナエラたちからはこの世界の歴史などを教えてもらったりと有意義な時間を過ごしていく。そしてその後のある休日、ナナエラと買い物に出ると、帰り道で突如響き渡る叫び声が・・・!? その声の元へ駆けつけたルシエルが見たものは、血を流した治癒士ギルドの受付嬢・モニカの姿だった…。
冒険者ギルドでの1年間の生活を終え、治癒士ギルドへ登録更新にきていたルシエル。新たな働き口を探そうとするが、そこにブロドが現れる。 その後、再び冒険者ギルドに戻ることになったルシエルだが、メラトニ最大の治癒院の長にしてモニカを襲わせた元凶であるボタクーリが、武器を持った護衛を連れて強引に乗り込んで来て…!?
ボタクーリの一件から半年が過ぎたころ、ルシエルの元に一通の手紙が届く。その内容は聖シュルール教会本部への異動辞令だった。辞令が自分を冒険者ギルドから追い出すためのボタクーリの仕業であることを知りながらも、ルシエルは半年後の異動へ向けて準備を始める。そして迎えた最終日、ルシエルはある思いを胸に、ブロドを訓練場へ呼び出すのであった。
聖都シュルールへ到着したルシエルは、司祭・グランハルトから退魔士として教会本部の地下迷宮でアンデッドを祓う仕事を命じられる。そこで偶然再会したルミナから、地下が迷宮化した理由や危険が伴う仕事だと知らされるのだが、多少の不安はあるものの前任の退魔士・ジョルドからアンデッドの倒し方を学んだルシエルは、いざ地下迷宮へと足を踏み入れるのであった─。
無事に初日の迷宮探索を終えたルシエルは、迷宮内で手に入れた魔石を交換してくれるという教会本部内にある売店へ向かう。店主のカトレアから格安で剣と槍を購入し、『二槍刀流』での迷宮探索を進める。十階層までたどり着いたルシエルの前に現れた怪しげな部屋。そこは主部屋と言われ「アンデッドが集団で襲ってくる場所」だという。ルシエルは早速十階層の主部屋へと挑むが…!?
なんとか十階層の主部屋をクリアしたルシエルだったが、戦闘においては反省点も多く、更なる修行を思案していた。そこでルミナに相談すると、『戦乙女(ヴァルキリー)聖騎士隊』の訓練へ参加させてもらえることに。厳しい訓練の甲斐もあり、無事に二十階層の主部屋を突破したルシエルは、教皇から主部屋で戦ったワイトの正体を明かされる。
「物体X」を補充するために聖都シュルールの冒険者ギルドへやってきたルシエルは、マスターから冒険者たちの治癒を依頼される。引き受けたルシエルに冒険者からは感謝の「ドMゾンビ」コールが。治療と引き換えに「ドM」呼びを禁止するも、通り名会議は難航し…。一方、ルシエルの強さに疑問を持ったカトレアは「物体X」の存在を教皇へ報告。教皇から語られる「物体X」の正体とは…?
アンデッドの情報収集のために冒険者ギルドへ向かったルシエルは、遠いメラトニの街からやってきたナナエラとモニカに再会する。二人の近況を聞きたいルシエルだったが、ギルドで治療を心待ちにしていた冒険者たちに駆り出されてなかなか話せない。しかも、獣人の少女・シーラが助けを求めて駆け込んできて、彼女と共にスラム街へ向かうと、そこでは大勢の獣人が苦しんでおり…!?