無限に広がる大宇宙<おおうなばら>に航行宙域からワープアウトし、現れた一隻の宇宙船、「守陀怪」<かみだけ>。その艦長である「山田西南」は、ついに念願の故郷へ帰ってきた。 これから身に降りかかる不幸が待機して待つ、太陽系地球へと向かう。 久方ぶりに地球へと足を踏み入れた西南たちだったが、「実家」周りの様相は彼の記憶とは様変わりしていた。そして地球に着き、出迎えた天地たちとあいさつを交わした早々、爆弾話しを聞かされることになった。 親友で霧恋の弟である「正木 海」は妹の吉子と婚約しており、実家山田商店は、巨大ショッピングモールへと進化しようとしていた。 そんな中で、実家への帰省は海からは歓迎されず、鷲羽たちの計らい(姦計)もあり、海と霧恋の母の「正木月湖」の家に滞在することになった。 …幼き日に霧恋や海そして月湖たちと過ごしたことのある家には思いひとしおであったが、憧れの人である、霧恋の母に対して西南は懐かしくも複雑な心境を抱くのであった。
地球に戻り、月湖の家で夜を明かした次の日、正木村の集会場では西南たちの帰還を祝い、美希たち嫁の歓迎会が開かれることになった。 正木村のご婦人たちは美希たち女性陣やジョビアの事も興味津々、そして子供だった西南が大人の「男」として戻ってきたことに…村での生活に期待も高まっていた。 もちろん月湖の心も…。 まだ地球に戻ってきていない霧恋たちもだが、美希たちが正木村で生活していくため、村の作業を手伝うことをかって出る。 それから数日後、帰省先から戻ってきたジョビアだったが…。
「地元で正体がバレた」ジョビアからの告白に不安に駆られる西南たち。 ジョビアからの説明口調に、語られるその顛末に怒りを覚える月湖。諦め半分、瀬戸へ報告と謝罪をする西南。 その後、盤上島基部が完成したことで、その受け取りと造成に西南たちとジョビア、そして月湖とで、対応することを瀬戸から命じられる。 ”島流し!”と泣きじゃくるジョビアは、鷲羽に言いくるめられ、無事?隔離されることとなり、”盤上島”の基となる航宙母艦を受領するため、再び宇宙へと上がり太陽系外縁近くへ赴くのであった。
宇宙船に突如現れた現象の正体は真沙希。樹雷真皇・妹のアストラル体が西南たちの前に現れる。 ジョビアの魔法により受肉して、盤上島母艦に現出したアストラルクローンは、その状態の観察と、真沙樹の接ぎ木の現状を確認するべく、去っていった。 その後、洋上に着水し、島の形を成していく盤上島。西南はその間、月湖に守陀怪の魔樹ユニット内での生活を提案をする。 環境に馴染んで魔法が使えるようになる、と月湖は心躍らせるのであった。
盤上島の最終調整の中で訪れた“夢”の体験中に魔素風邪の兆候が現れた月湖は、朦朧とする意識の中で夢を見ていた。 しかしそれらは関わり初めであったにもかかわらず、月湖の持つ"魔法"へのポテンシャルを引き上げていく。 夢か現実かがあやふやななか、魔素“システム”の記憶を垣間見るが、それは月湖の懐かしい思い出でもあった。 時を同じく正木村月湖宅にひとつの影。“昨夜の情事”確認のため潜入した海であったが、その“痕跡はなく”拍子抜けする。 ふと周囲を見ると西南宛にGP宅配で届けられた“パンフレット”が否応なく目に入るのであった。
瀬戸たちからの要望で西南たちはなんとか盤上島を形にし、海賊たちギルドの面々を受け入れるところまで持ってきた。 だが、施設までは間に合わず、日々作業に追われている地球へと戻ってきた正木の人たちと西南たち。 引き続き、盤上島の維持、海賊の受け入れ・監視を続けることになるが、地球からの監視者もやってきて、慌ただしい毎日が始まる。 だが、そこに何を間違ったか、地球人の一家が移住してくるというハプニングまで付いてきた。 少年だけが先にやってくると聞き、調整に右往左往する監視者“南田”の姿がそこにあった。