高校生の小沢裕美は、親友の阿部純と参加した生徒会で出会った生徒会長の進東健一に想いを寄せていた。 ある時、そのことがきっかけで祖母・貴子に激怒される。恋をした裕美を許せない貴子は裕美を物置に閉じ込めた。 助けてくれる人はなく絶望の中自分を責める裕美。 そんな中、中にあった香水の瓶が倒れ、懐かしい匂いから過去の記憶がフラッシュバックすると同時に気を失う裕美。 気が付くと裕美はもう一つの人格「ユミ」と入れ替わっていた。 ユミは、物置を抜け出し夜の繁華街に繰り出す。ある目的のためクラブを訪れたが、そこで東涼子のグループに絡まれる。 ナイフで脅されるが、微動だにしないユミ。その様子を見ていた堤達也は、ユミに興味を持つ。 翌朝、部屋で目を覚ましたヒロミは腕に切り傷があることに驚く。そして物置に閉じ込められてからの記憶がないことに動揺するのだった。
貴子はヒロミの行動を監視するためにヒロミの部屋に入り日記を読んでいた。一方、進東のことで怒られたヒロミは、自分が間違っていたと進東を避け出した。 放課後、学校でヒロミはユミと入れ替わってしまう。街へ出たユミは達也と再会し、達也のアジトへ向かう。 進東は「小沢さんに嫌われたかも」と気にする中、夜の繁華街で“ユミ”を見かけてしまう。 翌朝、また昨夜の記憶がないことにいよいよ混乱するヒロミ。登校し、純と話しているところに、涼子の仲間・夏帆と芽衣とすれ違う。 2人に“あんたユミでしょ!?”と問い詰められるヒロミだが、身に覚えはない。 その様子を内側から見ていたユミは、ヒロミを守るためふたりを排除する方法を考える・・・。
学校で気を失い倒れてしまうヒロミ。保健室に運んでくれたのは進東だった。そんな進東のもとに退学になった夏帆と芽衣がやってくる。 そして「ユミはヒロミだ」と告げる。進東は確かめる為に夜の繁華街へ繰り出す。 一方、達也は、ユミのために手を貸したことが涼子にバレてしまい、涼子の反感を買う。 涼子とその仲間に拉致られる達也。たまたまそこにいた進東も一緒に連れていかれる。2人が殴られていると、やってきたのはユミだった・・・。 翌日、進東はユミに真相を問いただす。ユミの答えた真相とは・・・。 達也のアジトにひとりでいたユミは、体に異変を感じる。ヒロミが戻りかけていた。 こんな場所でヒロミに戻るわけにはいかない。助けを求めたのは、進東か、達也か・・・。
進東は、ヒロミに戻りかけたユミを連れて小沢家に向かった。 貴子と裕美の養母・小沢みどりを呼び、タクシーからヒロミを降ろす進東。そんな進東に向かって激怒する貴子。 ヒロミが目を覚ますと、「けがらわしい!」と貴子は怒鳴り散らす。何も覚えていないと泣くヒロミがいた。 ユミから真相を聞いた進東は、半信半疑ながらも“多重人格”という病気にたどり着く。 そんな中、進東とユミの関係を疑った達也が学校にやってきた。ヒロミを見つけ「ユミ!」と声を掛けるがヒロミは怯えて逃げ出す。 そこに進東が通りかかり達也に声を掛ける。 夜。ユミは、達也に調べさせた“甲本”という男にたどり着いた。宝石店を経営する甲本一成。その男は一体、何者なのか? 後日、ユミは涼子にその宝石店を襲わないかと提案する。その狙いとは・・・。
ユミは夜中に家を抜け出し、涼子たちのグループと落ち合い、宝石店・貴譚に侵入して行く。 翌朝、泊りに来ていた純と朝食を取るヒロミ。テレビから、宝石店襲撃のニュースが流れてくるとヒロミは頭を抱える。宝石店に侵入する様子がフラッシュバックしたのだった。 達也のもとに刑事が聞き込みにやってきた。ボイスレコーダーを聞かされた達也は宝石店の事件にユミが関係しているのではと心配する。 一方、進東もヒロミの体を心配していた。病院へ行くことをすすめようとするが・・・。 宝石店の一件から、ユミは姿を消す。探し回る達也と進東。進東は達也を頼るが、ヒロミの秘密を打ち明けることが出来ず…。達也はそんな進東の態度に苛立ち、掴みかかる―。
ヒロミは、父親として真摯に対応してくれる甲本に心を許す。 ヒロミが甲本と会ったことを知った貴子は、激怒しヒロミを物置に閉じ込める。泣き疲れ、物置のなかで眠っていると、声が聞こえユミが鏡の中に現れた。 ヒロミは、初めてユミと対話する。ユミは「あいつは嘘つきだ」と激昂するが、ヒロミは甲本を庇う。 ユミは達也にさらに甲本のことを調べさせた。その情報で甲本を脅すが、本当の目的は別にあった・・・。 放課後、進東がヒロミに声を掛ける。しかし、話しているうちにヒロミが消え、ユミが現れた。進東はユミに詰め寄るがそこに甲本が現れて・・・。 ユミと対峙した甲本は、裕美の実母・由紀子に関する真実を話し、態度を豹変させた―。
ユミを止めることができなかったと後悔するヒロミ。甲本が亡くなったことはニュースになり、貴子や進東、達也の耳にも入った。 ヒロミは、進東の元を訪れる。そこで進東は、信じられないことを耳にする。ますます混乱する進東。そして自分にできることはないかと、思案する。 一方で、達也もまたユミを想い悶々としていた。 進東はユミに会うことに成功し、ユミにある頼みごとをする。あっさり引き受けたユミはその場を去った。 進東はその足で達也の元を訪れた。そして達也に“本当のこと”を伝えるが・・・。 そんな中、ユミの周辺では不審な人物の目撃情報が・・・。 その人物はナイフを片手に、夜道を歩くユミに向かって突っ込んでいく―。