東京で一旗揚げようと、中学の先輩である金田一京助を頼り上京した天才歌人、石川啄木は創作をそっちのけで酒と女にうつつを抜かし万年金欠状態。 そんな折、二人は殺人事件の第一発見者となる。被害者は荒川銅山の使用人の達吉。容疑をかけられた二人だが啄木の推理でその場を逃れる。見事な推理に京助は感心する。 その後、達吉の告発状と凶器が発見され、荒川銅山の大番頭の小栗が犯人として逮捕される。しかし、啄木は引っかかるものを感じ、再び推理を始める・・。
警察が京助の部屋へ訪ねてきた。華ノ屋の女郎・お滝が殺されたというのだ。 啄木の「お滝の部屋で京助を見た」という証言から京助に殺人犯の疑いがかかってしまう。酔って帰宅した啄木を問いつめる京助だが、啄木は一向に取り合わない。 一方、京助はお滝の部屋に残されていた啄木のローマ字日記を根拠に、犯人は啄木かもしれないと疑い始める。 果たして真実はどちらにあるのか?
東京で一旗揚げようと、中学の先輩である金田一京助を頼り上京した天才歌人、石川啄木は創作をそっちのけで酒と女にうつつを抜かし万年金欠状態。 そんな折、二人は殺人事件の第一発見者となる。被害者は荒川銅山の使用人の達吉。容疑をかけられた二人だが啄木の推理でその場を逃れる。見事な推理に京助は感心する。 その後、達吉の告発状と凶器が発見され、荒川銅山の大番頭の小栗が犯人として逮捕される。しかし、啄木は引っかかるものを感じ、再び推理を始める……
連日新聞を賑わす凌雲閣の幽霊目撃騒動。浅草を仕切る六郎は、啄木に真相究明を依頼する。京助と現場へ向かった啄木は旧友の元新聞記者・山岡と再会。啄木は幽霊騒動に山岡が関わっていると見抜くが、山岡は「ノドノツキ」と言い残して去ってしまう。 一方、幽霊を映し出す仕掛けを作った幻燈師・松吉が殺されるという事件が起きる。松吉は2か月前に起きた婦女暴行事件の第一発見者で、被害女性は死の間際に「ノドノツキ」という謎の言葉を遺していたという。二つの事件の関連性は?
友人の詩集に刺激されながらも自信を失いそうになる啄木を励ます京助。しかし、同郷の女郎・おえんの見受け話に啄木が関係していることを知ったことで苛立ちを隠せない。 一方、ミルクホールでは、給仕の季久への告白を巡り、吉井・朔太郎・牧水の三人が、胡堂の審判のもと歌合戦をする。 3人が飲み明かした朝、下宿先に啄木を訪ねてきたおえんは京助に餞別を託して去っていった。そこに新しいスーツに身を包んだ啄木が現れ……。
人気役者の橘乙次郎が活人形「金銀花」にかみ殺されるという猟奇事件が話題となる。ほどなくして乙次郎の後輩である泉若が自首したことで落着を見ていたが、泉若はミルクホールで働く季久と恋人同士だった。 吉井は、片思い中の季久から泉若の無実の証明を頼まれる。そこに、京助と絶交中で金欠の啄木が割込み、二人で事件を調べることに。季久に好かれたい一心の吉井は、「金銀花」でぼろ儲け中の傀儡館の館主が犯人とにらみ、啄木と一緒に傀儡館へと乗り込んでいくのだったが……。
大会社から社員全員分の給料が盗まれる事件が発生。犯人は遺留品の煙草を手掛かりに捕まったが、盗まれた給料は依然行方知れずのため、発見に懸賞金がかけられることになった。 啄木と絶交中の京助は、犯人が利用したタバコ屋のつり銭で受け取った二銭銅貨に細工が施されていることに気付き大興奮。隠し場所を示す暗号を見つけたことから、啄木を差し置いたまま京助は平井少年と共に解読に挑む。
血を吐いて倒れた啄木のもとに、女中の加世が依頼人の環を連れてくる。一度は断った啄木だったが、環の死生観や中性的な魅力に惹かれて依頼を受けることに。 環は「蝙蝠男」として活躍した軽業師・鑑と深い関係だったが、鑑が事故死したことがきっかけとなり、彼の弟に脅迫されているというのだ。 一方、京助は死を匂わせる短歌を書いた啄木が心配でたまらなかったが、胡堂たちは啄木の冗談としか受け取らず、心配する素振りも見せない。
貧しい人々に施しを行うことで生きる意味を見出す環の姿に、感化されていく啄木。京助は死んだ鑑の家に幽霊が出るという噂を平井から聞き、啄木と共に調査に出かけるが意外な幽霊の正体にたどり着くことに。 そんな折、環の夫である園部が何者かに窓の外から引きずり落されるという事件が発生する。犯人は鑑の弟なのか? 環と二人きりになった啄木は、おもむろに原稿用紙に何かを書きはじめる……。
環を失った啄木は、歌を捨て社会を変えようと小説の執筆に励み、夏目漱石に見せるが評価してもらえない。環の仇を討つべく園部を殺そうと何度も教会に足を運ぶが、殺すこともできない。自暴自棄になった啄木は、京助から金を巻き上げ花街通いに勤しみ放蕩の限りを尽くす。そんな啄木と、吉井や朔太郎たち文士仲間は衝突する。 心身が蝕まれ絶望していく啄木を前に、ふらりと現れた牧水。牧水の歌を聞いて啄木が向かった先とは? そしてその時、京助は……。
町内の商家で子供の行方不明事件が頻発するが、そのどれもが数日のうちに戻ってくるという。だが依頼主の成田屋の子は既に1か月ものあいだ行方不明。京助は、朔太郎や胡堂を巻き込み体調不良の啄木に代わって調査を進めていくことに。そんななか突然、成田屋の子供が帰ってきた。果たしてこれで一件落着なのか? 一方、環の死によって解決したかに思われていた告発状事件が再び起きる。啄木は真犯人である告発者Xの解明に乗り出す。
体調の悪化が激しい啄木は、京助に教会で見かけた怪しい男の尾行を命じる。告発状によって社会問題が明るみになっていった一連の事件には、告発者Xともいうべき真犯人がいると啄木は確信していた。果たしてXとは誰なのか、そしてその真の目的とは? 一方、ミルクホールには、今日も文士たちと他愛も無い会話をするいつもの日常があった。啄木がいて、京助がいて、皆がいる。啄木は京助に、いつか飛行機に乗りたいのだと告げる。それは叶うことのない夢なのだろうか……。