戦国時代前期、鹿島神宮の神官の家に生まれ、幼い時から鹿島中古流の剣を学んだ塚原新右衛門（堺雅人）は、１７歳で回国修行の旅にでる。道中、立ち寄った村では、盗賊たちの襲来に村人たちが困惑していた。命をかけた武者修行の最初の腕試しとばかりに、新右衛門は、お供の左門（平岳大）が止めるのも聞かず、盗賊退治をかってでる。盗賊とはいえ、初めての実戦。幼い時から鍛えた新右衛門の、鮮やかな剣がうなる。
小田原で、領主・伊勢宗瑞（中尾彬）の御前試合に臨む塚原新右衛門（堺雅人）。難敵・牧元鬼（ジャッキー・ウー）との戦いに勝った新右衛門は、一路、京へと上る。京では、管領代・大内義興の家老・平賀丹後守（風間杜夫）の娘・鹿乃（京野ことみ）を助けた縁で、将軍・足利義伊（本田博太郎）の御前試合に出場することとなった。大内の政敵が抱える海内無双の剣士・大野秀孝（鈴木豊）を倒し、新右衛門の名声は一気に高まる。
新右衛門（堺雅人）が、御前試合で倒した大野秀孝の弟子に襲われる。鹿乃（京野ことみ）は、新右衛門が真剣勝負を続ければ、負けた側の恨みを買い、命を狙われると心配する。将軍・義尹（本田博太郎）が襲われた。新右衛門は、丹後守（風間杜夫）から、刺客の円珍（辻本一樹）討伐を依頼される。鹿乃は、新右衛門が大内家のために危険な目に遭うのを案じる。新右衛門は、円珍の意表をついた攻撃でけがを負うが、かろうじて倒す。
船岡山の戦いで大内軍に加わって戦功を上げ、将軍・義尹（本田博太郎）から賞せられた新右衛門（堺雅人）は、細川高国（安田顕）のたくらみで、再び御前試合を行うハメになる。相手は両端に刃の付いた長刀を巧みに繰る南永（ダンテ・カーヴァー）。新右衛門は死の恐怖にとらわれる。鹿乃（京野ことみ）は、新右衛門が死ぬようなことがあれば、自分も死ぬという。とっさの動きで南永を倒すが、新右衛門の手から血の臭いが消えない。
新右衛門（堺雅人）は、奥津源三郎（榎木孝明）がかつて無双の剣豪だったと知り、手合わせを願う。しかし奥津は、「もう剣は捨てた」と取り合わない。剣客が立て続けに斬殺され、奥津が犯人と分かる。新右衛門を挑発するため、奥津が仕組んだのだ。奥津を許せない新右衛門が挑むが、奥津は圧倒的に強い。偶然に新右衛門が勝ちを拾うが、奥津は「人の血に染まった身は、無明の闇に沈む。お前も同じ」と言い残して死んでゆく。
新右衛門（堺雅人）は、これまで倒してきた者たちの亡霊に悩まされる。心は死の恐怖にとらわれ、神から遠ざかっているのを感じる。家族のように親密だった鹿乃（京野ことみ）や平賀丹後守（風間杜夫）と別れ、鹿島に帰る決意をする。鹿島では、人々が新右衛門の帰りを待ちわびていた。しかし、新右衛門は鹿島神宮に１０００日間にわたって籠もる新たな厳しい修行に。満願の日、鹿島の祖神より「一つの太刀」の啓示を受ける。
新右衛門（堺雅人）の名声は高まり、教えを請う者が鹿島にやって来る。鹿島城内では政争が絶えず、新右衛門は養父・塚原土佐守（田山涼成）から味方するように求められる。山本勘助（三浦アキフミ）が、新右衛門を訪ね、再び諸国を巡る旅に誘う。迷う新右衛門に、松本備前守（永島敏行）が真剣勝負を挑み、新右衛門は一つの太刀で備前守を制する。備前守に勧められて新右衛門は左門（平岳大）を供に、再び回国修行の旅に出る。
