小学校教師が、虐待を受ける教え子の少女と疑似親子を演じながら逃避行する姿を描く。大学の研究室が閉鎖され、研究員だった奈緒(松雪泰子)は、小学校教師に。1年生の担任になった奈緒は、生徒の怜南(芦田愛菜)が夜一人で歩いている姿を見つける。また、体中にあざがあることに気付き、怜南が気になるように。
奈緒(松雪泰子)は怜南(芦田愛菜)を継美という名に変え、東京へ向かった。そんな中、下車した駅でバッグを盗まれてしまう。途方に暮れた奈緒は、子供のころに預けられていた施設を訪ねる。だが、施設は荒れ果て、老婦人が一人で暮らしていた。一方、奈緒を心配した妹・果歩(倉科カナ)は奈緒の小学校を訪ねる。
生活費に困窮した奈緒(松雪泰子)は母・籐子(高畑淳子)に会い、援助を依頼。その間、玩具店で奈緒を待つ継美(芦田愛菜)は、居合わせた中年女性・葉菜(田中裕子)と接触を持つ。
奈緒(松雪泰子)の元に雑誌記者の藤吉(山本耕史)が現れ、疑いの目を向ける。そのころ、葉菜(田中裕子)は図書館で北海道の新聞に載る女児遭難の記事を見つける。
奈緒(松雪泰子)は継美(芦田愛菜)と遊ぶ葉菜(田中裕子)が折った紙飛行機を見て、過去の記憶を思い出す。一方、藤吉(山本耕史)は“誘拐”をネタに奈緒に金銭を要求し始める。心配した継美から助けを求められた葉菜は、奈緒の小学校を訪れ、貯金を譲ると申し出る。そんな中、藤吉が再び現れ、奈緒に過去を話し始める。
継美(芦田愛菜)のふとした発言から、籐子(高畑淳子)は継美が奈緒(松雪泰子)の実子ではないと察する。家族に問い詰められた奈緒は、鈴原家から戸籍を外してほしいと申し出て、家を出ていく決意をする。だが、籐子に諭された奈緒はすべてを告白する。一方、責任を感じた継美は奈緒に置き手紙を残し、姿をくらましてしまう。
怜南の行方を捜して、仁美(尾野真千子)は東京の藤吉(山本耕史)のアパートを訪ねる。一方、実家を出て葉菜(田中裕子)の元で暮らし始めた奈緒(松雪泰子)は、継美(芦田愛菜)の提案で葉菜の誕生日祝いに3人で遊園地へ行くことに。楽しそうな継美の様子に、葉菜と向き合うことを決めた奈緒は、自分を捨てた理由を尋ねる。
奈緒(松雪泰子)と継美(芦田愛菜)の元に、仁美(尾野真千子)がやって来る。奈緒はもう一度母親として継美に接してほしいと仁美を説得する。一方、藤吉(山本耕史)は仁美の知人・克子(五月晴子)を訪ね、仁美の過去の話を聞く。そんな中、葉菜(田中裕子)は生命保険に入るため、医師の殊美(市川実和子)に診断書の偽造を頼む。
奈緒(松雪泰子)は、継美(芦田愛菜)と暮らすため、葉菜(田中裕子)の助けを借り、別の戸籍を違法に取得することを決意。手続きのため、静岡・伊豆の市役所へ向かうことに。そんな中、北海道・室蘭の警察が籐子(高畑淳子)の家を訪ねてくる。籐子から連絡を受けた藤吉(山本耕史)は、仁美(尾野真千子)を説得するため、室蘭へ。
仁美(尾野真千子)の告訴状を受け、警察は奈緒(松雪泰子)の逮捕に向かう。マスコミは、仁美の虐待の事実は報道せず、奈緒と鈴原家は世間から非難を浴びる。一方、継美(芦田愛菜)は、北海道・室蘭の児童養護施設に預けられることに。そんな中、奈緒と面会した藤吉(山本耕史)は、継美をあきらめるように諭す。
裁判の結果、奈緒(松雪泰子)は執行猶予付きの有罪判決で、継美(芦田愛菜)とは会えなくなった。だが、継美が施設から電話を掛けてきて、奈緒は動揺する。そんな中、葉菜(田中裕子)の病状は日に日に悪化。奈緒は入院中の葉菜を家に連れて帰る決意をする。家に戻った奈緒らの前に、施設にいるはずの継美が現れる。