京都の一角に店を構えた居酒屋「のぶ」は、正面入口がなぜか中世ヨーロッパのような異世界の古都・アイテーリアへとつながってしまう。元は料亭の板前だった大将こと矢澤信之（大谷亮平）と看板娘の千家しのぶ（武田玲奈）が営むこの店では、“トリアエズナマ”が評判となり、衛兵のニコラウス（白洲迅）やハンス（小林豊）も「のぶ」に魅了される。そこへ、鬼の中隊長ベルトホルト（阿部進之介）が訪れ、空揚げを食べるが……。
「のぶ」の評判を聞いて、貴族の令嬢ヒルデガルド（葉山カナ）と叔父のヨハン＝グスタフ（品田誠）がやって来る。わがままなヒルデガルドは謎かけのような注文をする。果たして大将は彼女を満足させられるのか？その後、徴税請負人のゲーアノート（波岡一喜）が来店。悪評高い彼は「のぶ」が繁盛店だと知り、多額の徴税ができると踏んだのだ。しのぶはそうとも知らずパリパリキャベツとトリアエズナマを出し、パスタをゆで始める。
ある日、しのぶは店の鍵が開いていることに気付き、「もしや泥棒？」と近所の精肉店のフランク夫婦（小杉竜一・もりももこ）に衛兵を呼んできてほしいと依頼。しのぶは恐る恐る店に戻るが、目の前に現われたのはエーファ（新谷ゆづみ）と呼ばれる少女だった。別の日、「のぶ」に鍛冶職人のホルガー（三宅克幸）と彼の幼なじみでガラス職人のローレンツ（庄司智春）がやって来る。2人はそれぞれ、鮎の塩焼きとホッケを頼むが……。
アイテーリアの三大水運ギルドの争いが激化し、仲介を頼まれたローレンツはそれぞれのマスターを連れて「のぶ」にやって来る。うまい料理で和やかに話が進めば、と考えたのだが、せっかくの料理は手付かずのまま争い続ける3人に困惑する大将としのぶだったが……。またある日、ダミアン（梶原善）という男が主人・ブランターノ男爵（木下ほうか）のために店を貸し切ると突然押し掛け、“シュニッチェル”という料理を注文する。
ある日、エレオノーラ（八木アリサ）が「のぶ」でひとり酒を楽しんでいると、偶然店に居合わせたニコラウスが酔って彼女にちょっかいを出す。本来、失礼な男が大嫌いなエレオノーラだったが、秋刀魚の食べ方を指南するニコラウスに、なぜか自らの幼いころの記憶がよみがえる――。また別の日には、ゴドハルト（渡部龍平）とラインホルト（小越勇輝）が来店し、新しい特産品にと、ある食材を持参し、資金援助の相談を始める……。
大将がかつて働いていた料亭「ゆきつな」の板長・塔原（木村祐一）がふらりと来店する。塔原は、弟子である大将としのぶがこの場所で居酒屋を開いたことを知り、様子を見に訪れたのだ。大将の料理を口にした塔原は、彼の成長とともに、迷いも見抜くのだった。別の日、隣国の密偵である奇譚拾遺使ジャン（忍成修吾）が「のぶ」を訪れる。その国で評判の店へ行けば、良い情報を仕入れられるからだ。ジャンはサラダを注文するが……。
イカ嫌いであるベルトホルトが、よりにもよってイカ漁師の娘ヘルミーナ（堀田茜）と見合いをすることになり、大将に相談にやって来た。大将は腕によりをかけてイカ料理を振る舞うが、ベルトホルトはどうしても口にすることができない。また、「のぶ」のうなぎの蒲焼きが大評判となり、連日店は大盛況だったが、昼・夜と店を開いても客足は絶えず、居酒屋の営業に支障を来すほどになっていた――。
女傭兵リオンティーヌ（早霧せいな）がやって来た。彼女は店の料理のうまさに感心。また、気立ての良い給仕のヘルミーナと意気投合し、自分がなぜこの町を訪れたのか、理由を語り始める。別の日、ハンスが久しぶりに「のぶ」を訪れると、常連客が口々に「いつもの」と注文する。“いつもの”とはいったいどんな料理なのか？興味を持ったハンスも「いつもの」と注文するが……。
大将としのぶが異世界に「のぶ」を開いてから半年がたった。店で2人が祝杯を挙げているところへ買い物途中のエーファとヘルミーナも加わり、4人でささやかな宴会を始めようとしたその時、ダミアンが新しい主人のバッケスホーフ（篠井英介）を連れてやって来る。2人は「のぶ」のトリアエズナマが禁制のラガーだと指摘し、違法と認められれば莫大な罰金か、最悪の場合は死罪だと告げるのだった……。
「のぶ」のトリアエズナマは禁制のラガーで閉店間近との噂が広まり、店には飲み納めとばかりに客が押し寄せた。逆に、巻き込まれるのを恐れてか、常連客は姿は見せなくなった。そして、店にはバッケスホーフ、ダミアンとともに、常連客のゲーアノートが調査官として訪れる。厳しい表情のゲーアノートは帝都で製造されたラガーの樽が紛失しているという事実を告げる……。「のぶ」最大の危機に大将としのぶは覚悟を決める。
京都の路地に店を構えた居酒屋「のぶ」が異世界とつながってから1年……。大将（大谷亮平）としのぶ（武田玲奈）が営むここ、居酒屋「のぶ」では今日も常連客のニコラウス（白洲迅）、ハンス（小林豊）、ベルトホルト（阿部進之介）が唐揚げの味付け論争で盛り上がる――。別の日、カウンターに見慣れぬ女性のひとり客が。酒も飲まずツマミを注文する彼女はいったい何者なのか！？ 常連客と大将・しのぶの推理が繰り広げられる。
ある晩、ヨハン＝グスタフ（品田誠）が叔父である先帝陛下（大和田伸也）を連れて「のぶ」にやって来る。先帝陛下は、お互いに文化の異なる北方三領邦との難しい会議を明後日に控えていたが、大将から提供された魚料理の数々に舌鼓を打ちながら、会議を成功へと導くアイデアを思い付く。そして後日、「のぶ」に来店した市参事会のゲーアノート（波岡一喜）の口から、北方三領邦との会議の様子が語られて……。
新月の夜、エーファ（新谷ゆづみ）から、酒と甘い物を好む魔女の話を聞いた大将としのぶ。その直後、怪しげな女、イングリド（水野美紀）が「のぶ」に来店。イングリドを魔女だと疑うエーファの前で、イングリドはしのぶ特製のプリンを食べる。また後日、「のぶ」を訪れたエトヴィン助祭（田山涼成）とトマス司祭は、大司教ロドリーゴが魔女を捜しているという噂を口にする。その後、2人はナス料理を注文するが……。
大司教の来訪にアイテーリアが揺れる中、ダミアン（梶原善）の差し向けたゴロツキたちが「のぶ」にやって来る。ゴロツキに絡まれたヘルミーナ（堀田茜）だったが、たまたま居合わせたアルヌ（浅香航大）に助けられる。その後、アルヌが天ぷらを堪能しているとゴロツキたちが戻ってきて……。別の日、大将が立派なカキを仕入れてきた。“鉄砲貝”とも呼ばれるカキに目がないベルトホルトは早速大将に生がきをリクエストするが……。
ある晩、妊娠中のヘルミーナのため、つわりに効くという秘伝のメニューを求めて家を飛び出したベルトホルト。翌朝、彼の行方を捜して「のぶ」を訪れたヘルミーナが大将やしのぶと朝食を食べていると、ベルトホルトが現われる。またある日、イングリドの弟子のカミラ（三原羽衣）が師匠を捜して「のぶ」を訪ねる。試食のやげん軟骨の唐揚げや焼きおにぎりを食べながら、カミラはイングリドと出会ってからの日々に思いをはせる。
すっかり「のぶ」の常連となったアルヌとイングリド。アルヌが頼んだキノコの天ぷらを見て、イングリドはキノコに関する昔話を語り出す。そんな2人に、大将はマッシュルームのアヒージョとペペロンチーノを提供する。数日後、アルヌの家来で料理人でもあるイーサク（才川コージ）が「のぶ」を訪れる。ゴボウとニンジンのかき揚げや牛すじの土手焼きといった未知の料理に感動したイーサクは、料理人として大事なことに気付く。
ある晩、「のぶ」に食通のブランターノ男爵（木下ほうか）と吟遊詩人のクローヴィンケル（武田鉄矢）が来店。大将はカキのグラタンを作るが、「これはこれでおいしいが、あなた自身の味ではないのでは？」とクローヴィンケルに指摘される。またある日、ダミアンから「のぶ」には魔女がいると吹き込まれたエンリコ（好井まさお）が来店。呪術の力を持つというエンリコは大将に出された茶碗蒸しの具材で真相を占うが……。
クローヴィンケルに自分の詩を見てもらったアルヌ。しかし、その詩は何か大事なことからの「逃避」であると見抜かれ、アルヌは落ち込む。一方、アイテーリアではロドリーゴによる魔女狩りが進められていたが、その背後にはダミアンの陰謀が潜んでいた。ダミアンから「のぶ」が魔女のねぐらになっていると聞かされたロドリーゴは、早速、「のぶ」にやって来る。そこにはひとり、酔いつぶれたイングリドの姿があった。
「のぶ」で再会を果たしたイングリドとロドリーゴは、久々に酒を酌み交わす。アサリの酒蒸しをアテに、思い出話に花が咲く2人。また別の日、「のぶ」を訪れたアルヌは、詩人の道を諦めて家業を継ぐべきか悩んでいた。そんなアルヌに、新作の肉じゃがを差し出す大将。そこに込められた深い想いとは？ そのころ、山道には女傭兵リオンティーヌ（早霧せいな）の姿が。年末の大市に向けて、再びアイテーリアを目指していたのだ。
年に一度のアイテーリアの大市が始まった。予想を上回る人出の多さに、開店準備を進める「のぶ」も大忙し。タイミング良く店を訪ねてきたリオンティーヌも手伝いを買って出る。店が開くと、町の常連客のほか、先帝陛下やロドリーゴといった王侯貴族や聖職者らも続々と来店し、「のぶ」にゆかりのある客が一堂に会することに。大将の絶品料理に皆の顔がほころぶ中、何やらイーサクがアルヌのことを皆に紹介して……。
大将（大谷亮平）としのぶ（武田玲奈）が営む「のぶ」は、京都の路地と異世界アイテーリアがつながる不思議な居酒屋。ある日、常連客のハンスが「のぶ」で料理人として働きたいと言いだし、大将としのぶを驚かせる。後日、大将はかつての師匠である料亭「ゆきつな」の板長・塔原（木村祐一）を訪ね、新メニューの味見を依頼する。同じころ、「のぶ」に関する報告書の真偽をめぐり、隣国オイリア城内で議論が巻き起こっていた。
ある晩、「のぶ」でぶり大根を食べていたニコラウス（白洲迅）は、水運ギルドのエレオノーラ（八木アリサ）と再会する。エレオノーラが来ることを知っていたのか、大将たちは2人の仲を取り持とうとお膳立てをし始めるが……。別の日、「のぶ」で働き始めたリオンティーヌ（早霧せいな）はイカを使ったまかない料理を大将にリクエストする。大将の作るイカ飯が出来上がるのを待ちながら、リオンティーヌは自らの過去を振り返る。
大みそか、ベルトホルト（阿部進之介）とヘルミーナ（堀田茜）が「のぶ」を訪れる。ベルトホルトの故郷から届いたチーズで作ったチーズフォンデュを堪能し、一同は新しい年を迎える。後日、オイリアの王女セレスティーヌ（平祐奈）の命を受けたジャン（忍成修吾）が再び「のぶ」を訪れる。完璧なはずの変装もすぐに気付かれ、よもや密偵であることを見抜いているかのような「のぶ」の面々に、ジャンは次第に疑心暗鬼になり――。
イグナーツ（草地稜之）とカミル（瀧澤翼）が大量に仕入れてしまった米をどうさばこうかと悩んでいるところへ徴税請負人のゲーアノート（波岡一喜）が現われる。冷酷な徴税を恐れる2人に対しゲーアノートは山積みの米から彼らの窮状を察知、後ほど米を持って「のぶ」を訪ねるように伝える。別の日、修業の日々を送るハンスから、「のぶ」で使う調味料や仕入れについて疑問を投げかけられた大将としのぶは、ある重大な決心をする。
「のぶ」にやって来たのに大好物のナポリタンも頼まず、珍しく思い悩んでいる様子のゲーアノート。聞くと、旅芸人をしている弟のアウグスト（海宝直人）が街に滞在中だというが、何やら顔を合わせたくない事情があるようで……。後日、オイリアの王女、セレスティーヌがお忍びで「のぶ」にやって来る。目当ての串カツが今日は無いと知り落胆するが、「おわびに」としのぶから特製のアップルパイを提供されて……。
ある雪の日、狩りを終えたクローヴィンケル（武田鉄矢）とブランターノが「のぶ」にやって来る。土産にと渡された立派な豚バラ肉を使ってシュニッツェル以外の料理を……とリクエストされた大将が作った料理とは――。別の日、ハンスはアイテーリアの食材で作った、まかないのおでんを大将たちに振る舞う。日々、料理の腕は上がっているはずなのに、しのぶには一度もおいしいと言ってもらえず、ハンスは焦るが……。
ある晩、ローレンツ（庄司智春）とフーゴ（平埜生成）がハンスの料理を食べようと「のぶ」を訪れる。しかし、今日はハンスの料理は出せないとしのぶに言われ、ローレンツはムキになって食い下がるが……。別の日、ハンスは大将から新しいメニューの考案を任される。悩むハンスを見かねたリオンティーヌとともに試行錯誤するが、料理のアイデアはなかなか出てこない。そんな中、フーゴがひとり、閉店後の「のぶ」に現われて……。
敵国の王女セレスティーヌとの政略結婚に反発するコンラート（平岡祐太）は宮廷を抜け出し、アイテーリアをさまよい歩く。そんなコンラートが偶然出会ったのは、町娘セレスに扮したセレスティーヌだった。お互いの正体も知らぬまま、2人は「のぶ」に行く……。その後、セレスティーヌと別れてからも彼女への恋心が募るコンラート。彼女との再会を願いながら、腹心のゼバスティアン（田中直樹）とともに「のぶ」を再訪するが……。
いよいよ当日を迎えた、皇帝コンラートと王女セレスティーヌのお見合い。先帝陛下（大和田伸也）の意向で、会席の場には「のぶ」が指定される。オイリアの一行の到着を待つ間、先帝陛下と議論を交わすコンラート。セレスへの想いを諦め切れない彼は、縁談の取り止めを訴えるが……。果たして、波乱のお見合いの結末は？ 一方、コンラートとセレスティーヌの恋の行方を見届けたしのぶは、ある決意を大将に伝える。
晴れて婚約を交わしたコンラートとセレスティーヌは、先帝陛下とともに鍋を囲みながら、家族の絆を深めていく。また、偶然店に居合せたローレンツとフーゴも、ハンスと3人で親子の絆を再確認する。一方、家族と仲直りするために実家に帰ったしのぶ。その結果、しのぶが「のぶ」からいなくなってしまうのではないかと心配するエーファたち。大将はしのぶ自身が決めることだと静かに語るが、果たして、しのぶが下した決断は……？
