黄巾党と呼ばれる太平道の信者たちの反乱に、朝廷は、何進を大将軍に据えて対抗しようとした。何進の元には、袁紹ら各地の将軍たちが集結。百名の兵を従えてやって来た曹操は、朝廷から三千の兵を与えられ、最激戦地・潁川で戦うよう命じられた。
進軍の途中、曹操は、黄巾党の兵が占拠する砦を発見。その戦力を見るため攻撃を仕掛けた曹操は、一見無秩序に思えた敵の戦術にア然となった。黄巾党の兵は、常に三人一組で戦い、相手を倒すよう訓練されていたのだ。砦を攻め落とした曹操軍は、潁川の官軍の本陣を守っている皇甫嵩に会い、そのまま最前線へと向かった。
黄巾党軍の戦術をさらに分析した曹操は、三人一組の兵が、盾となる『地』『人』と、相手にとどめを刺す武芸に長けた『天』に役割分担されているのを確認。この『天』『地』『人』の戦術が、黄巾党全体を貫く戦いの思想だと気付いた。
官軍の本陣に戻った曹操は、さっそく軍議で、分析した黄巾党の戦術を紹介し、攻略法を説明した。居並ぶ将軍たちは、曹操の卓越した意見に何も反論できず、ただ舌を巻くばかりだった。
そんな中、曹操らの前に、南方の海賊征伐で名を挙げた孫堅が千人の兵を従えてやって来た。武功を位ではなく金で欲しい、と告げる孫堅に、皇甫嵩の副官は激怒する。だが、財力と信用が大事だと言い切る孫堅は、連れてきた捕虜との約束までも守ろうとする。派手で粗暴に見えるものの、愚直なまでに合理的な考え方を知った曹操は、孫堅に一目置かざるを得なくなった。