爆裂団を手下に従えて洛陽に戻った曹操は、盗賊狩りを繰り返す日々。その洛陽では、曹操の祖父・曹騰の引退後、中常侍の最高位に就いた張譲が、絶大な力を振るっていた。政府の高官を夢見る袁紹は、曹操に爆裂団と手を切るよう忠告する。だが、曹操は、その言葉をあっさり聞き流した。
そんな中、曹操は、水晶という娘に一目惚れした。水晶は、大陸の西域地方に住む胡人で、茶屋の主人に買われた使用人の子。曹操は、優しく美しい水晶が多くの言葉やギリシャ、ローマ、エジプトなどの物語を知っていたこともあり、強く引かれたのだ。
ところが、この水晶を妻にしようと心に決めた曹操は、茶屋の主人に売られて張譲の屋敷に連れて行かれたと知り、愕然となった。張譲は、宦官ながら女好きで淫猥なことで知られている人物。曹操は、水晶を取り戻すため、すぐに屋敷に乗り込み、結婚したい旨を告げて返すよう求めた。だが、張譲は、曹操の願いを全く受け付けず、逆に衛兵を呼んで追い返そうとした。
曹操の熱い思いを知った水晶は、愛の言葉をつぶやきながら、張譲の刀を抜き、張譲めがけて斬りつける。そんな水晶の体に衛兵の放った2本の矢が突き刺さった。曹操は、襲い掛かる衛兵たちをなぎ倒し、屋敷から脱出する。張譲の追っ手が自分だけに留まらず、一族はおろか係わりのある者全てに及ぶと予想した曹操は、爆裂団に洛陽から離れるよう命じた。
まもなく、水晶の死体が曹家の庭に逆さ吊りにされているのを目の当たりにした曹操は、張譲への復讐を誓った。だが、曹操は、家にやって来た政府の高官・部尉によって捕まってしまい―。