曹操と袁紹が黄河を挟んで一触即発の状況になる中、劉備に曹操暗殺の密勅が下されたとの噂が広まった。これを耳にした袁紹は、わずか十数騎で曹操の追っ手から逃げ延びてきた劉備を迎える。
そんな中、許都で、皇帝・劉協の叔父ら漢王朝の重臣たち七百人が皆殺しにされたとの話が伝わった。皇帝の血筋、中山靖王の末裔を自認する劉備は、本営にいる兵士たちを集めて欲しい、と袁紹に頼み込む。そして、見渡す限りの兵士たちに、大義が自分たちにあることを明かした上で、曹操打倒の檄を飛ばした。袁紹の兵士たちは、劉備の熱弁に酔い、袁紹軍の士気は一気に高まった。
まもなく、曹操討伐の先陣となった劉備は、将軍・顔良と共に黄河を渡り、白馬城を攻略することになった。怒涛の勢いの袁紹軍は、たちまち将軍・劉延が守る白馬城の門前に殺到する。
城の陥落が時間の問題だとあきらめかけていた劉延は、曹操軍の旗を掲げて進撃してきた援軍を見て、ホッと胸をなで下ろした。軍の先頭を進む人物を見た劉備、張飛らと顔良軍の兵士は、ア然。その男は、なんとたてがみのある奇獣の面をつけていたのだ。
顔良は、たじろぐ兵士たちにハッパをかけて応戦するが、奇獣面の男は、縦横無尽に兵を動かして、顔良軍をなぎ倒した。男が青龍偃月刀を持っているのを見た顔良は、その見事な太刀さばきに顔色を変える。何かを感じた劉備は、奇獣面の男に襲いかかろうとする張飛を見て、身をもって止めさせた。
やがて、男が顔良を一刀両断にするのを見た劉備と張飛は、それが関羽だと気づいた。