西暦199年、袁紹は、公孫サンが籠城する易京城の攻略に成功。公孫サンの兵を吸収した袁紹軍は、冀州、并州、青州、幽州の4州を手中に収め、数十万の兵力を擁する大勢力に成長していた。
その袁紹が曹操の拠点・許都を虎視眈々と狙う中、劉備は、悶々とした生活を送っていた。許都に戻った劉備は、天下が曹操と袁紹に二分されようとしている状況を見ながら、自分が時代に取り残されていると気づいたのだ。
まもなく、劉備に曹操から、左将軍に任命するとの連絡が入ると共に、端午の節句の宴に参内せよとの命令が出た。劉備は、自分がそれほど功績を上げていなかったことから、曹操の異例の大抜擢に首をひねる。その理由を質す劉備に対し、曹操は、劉備の持つ人々を引きつける不思議な魅力が欲しいのだと言う。
そんな折、劉備に驚きの話が伝わった。それは、皇帝・劉協と血縁がある将軍・董承を介して劉備に届いた、『曹操を誅殺せよ』との密勅。暗殺の場所は、端午の節句の宴の席で、劉備は、劉協や曹操の前で剣舞をする手はずになっているのだ。
宴の当日、嵐の気配が漂う会場で舞い始めた劉備は、暗殺の機会があるにもかかわらず、迷い続けた。劉備の心の内を読んで、舞に加わる関羽と張飛。そして、曹操のひと言で計画がバレたと察した劉備は、命がないと見て勅命を実行しようと思った。
その時、「剣を捨てろ!」との曹操の声。劉備が剣を手放すや、そこに鋭い閃光と共に雷鳴が轟いた。黒焦げになった剣を横目に、劉備ら3人の無事を喜ぶ曹操。その大きさを思い知った劉備は、まもなく一族郎党を引き連れ、逃げるように許都