度重なる飢饉に苦しんだ末、エン州へ侵攻した青州黄巾党の兵25万。ロウ城での籠城を決めた曹操は、兵1万で、殺戮と信仰しか知らないこの大軍を迎え撃つことになった。3日の総攻撃で城が全く落ちる気配がないと気付いた黄巾党の長老は、食糧が底をつき、軍馬をも食べざるをえなくなっていたため、焦りを強める。実は、曹操は、ロウ城内に溢れる程の食糧を蓄えている、との噂を流していたのだ。
まもなく、「中黄太乙!」とお題目を唱えながら進む黄巾党の本隊が、エン州に入った。黄巾党の長老は、何としても本隊の到着前に、ロウ城を落城させようと、決死の総攻撃を繰り返す。だが、曹操の采配は冴えわたり、城は全く動じなかった。
曹操は、城の周りに押し寄せた本隊を見て、ア然となった。本隊の大多数は、兵士ではなく、女や子供、老人、病人といった普通の民衆。これに気付いた曹操は、幻術を使うなどして、黄巾党を味方に取り込むことに成功。曹操は、ついに青州黄巾党の兵30万、100万余の民衆を得たのだった。
その頃、冀州では、袁紹軍4万と公孫サン軍6万が対峙していた。公孫サンの援軍として駆けつけた劉備は、両軍に小さな縄張り争いを回避するよう告げるが、全く相手にされない。劉備が、自分の天下取りに欠かせない将軍のひとりとなる趙雲と出会ったのは、その時であった。
乱世の奸雄として広く世に名を知られるようになった曹操の元には、多くの軍師が集まった。また、孫堅と別れた後、新たな兵を獲得して戻った夏侯惇も加わり、その戦力は膨張する。そんな中、曹操の父・曹嵩が山賊に襲われて死亡。護衛役