暴虐の限りを尽くしながら、長安で、世界征服を夢見る董卓。たぐいまれなる美貌と奏曲の技で宮中に入った貂蝉は、この董卓に近づき暗殺を試みた。だが、攻撃はいとも簡単にかわされ、暗殺は失敗。貂蝉の度胸が気に入った董卓は、なんと妃にすえてしまった。
そんな折、北方の匈奴討伐から戻った呂布は、董卓の妃と紹介された貂蝉に一目惚れ。呂布の思いに気付いた貂蝉は、董卓を倒す手段として利用しようと画策した。手練手管を使って呂布を虜にした貂蝉は、董卓の暗殺を勧める。養父・王允に事情を説明した貂蝉は、董卓を暗殺する大義が欲しい旨を伝える。これを受けた王允は、皇帝・劉協に直訴して説得し、ついに董卓誅殺の詔勅を受けることに成功した。
自分を誅殺するための詔勅が出たと知った董卓は、謀反の張本人が王允だと知り、怒り心頭で剣を握りしめた。隠れていた呂布が躍り出て董卓に斬りつける。“魔王”と“魔神”の互いに死力を尽くした戦いに、宮中内は凍りついた。
死闘の末、生き残ったのは、雑兵の加勢を得た呂布。董卓の眉間は、呂布の剣に貫かれた。董卓の死体が都にさらされ、その一族郎党は皆殺し。董卓の部下に狙われた王允と貂蝉も、すぐに殺されてしまった。
その頃、劉岱の後任としてエン州の牧〈州の長官のこと〉になった曹操は、新たな戦いを始めようとしていた。その敵は、8年前、挙兵した黄巾党の流れをくむ青洲黄巾党の命知らずの兵士たち。この戦いは、多くの困難が予想されたが、曹操はなぜか雄飛の機と感じていた。