直木賞作家・重松清の同名小説をドラマ化。人生に絶望した男の再生と家族愛を、ファンタジーテイストを交えて描くヒューマンドラマ。リストラと家庭崩壊により絶望のふちに追い込まれた一雄(西島秀俊)の目の前に、突如ワゴンカーと不思議な親子が現れる。車に乗り込んだ一雄は、なぜか自分と同じ年の姿で現れた父・忠雄(香川照之)と共に、自分の過去を巡る奇妙な旅をすることになる。
一雄(西島秀俊)と若かりしころの一雄の父・忠雄(香川照之)は、リストラされるきっかけとなったタカラベ電機の会長の葬儀にタイムスリップする。リストラを回避するため、二人は上司の藤木常務(木下ほうか)に近づく。以前は断った藤木常務の誘いを受けるが、忠雄は一雄の藤木に対する態度を見てあきれる。
ワゴンは、健太(高木星来)の通っていた小学校へ。そこで一雄(西島秀俊)は、橋本(吉岡秀隆)からドライブが終わるまでに健太を成仏させてほしいと頼まれる。その後、一雄と忠雄(香川照之)が着いた過去では、健太に導かれるまま進むことに。すると、一雄は息子・広樹(横山幸汰)の信じ難い行動を目にする。
一雄(西島秀俊)は、広樹(横山幸汰)の未来を変えるためワゴンを飛び出し自宅に戻る。突然、広樹のために引っ越しをしたいと言う一雄に美代子(井川遥)は困惑する。翌日、美代子を尾行した一雄は、美代子が以前会っていた男性(町田啓太)に現金を渡す現場を目撃。落胆し帰宅すると、忠雄(香川照之)が待っていた。
一雄(西島秀俊)と忠雄(香川照之)は、橋本(吉岡秀隆)と健太(高木星来)の事故現場へ。橋本は、再婚相手の連れ子だった健太と打ち解けるためのドライブで、健太を事故に巻き込み死なせてしまったと悔やんでいた。忠雄は、健太に成仏するよう話すが、もう一度ママに会いたいという健太のため、母親を捜しに向かう。
現実の世界の自分が末期がんで、“大きな後悔”を抱えていると知った忠雄(香川照之)は姿を消す。一雄(西島秀俊)は、タイムスリップした時代の忠雄(香川・2役)に会いに行ったと気付く。橋本(吉岡秀隆)から、忠雄が自分自身に会うと時間にゆがみが生じ、この旅自体がなかったことになると聞かされ一雄は焦る。
一雄(西島秀俊)は、“ここにいる本当の理由”が分かったという忠雄(香川照之)を問いただすが、言葉を濁されてしまう。一方、橋本(吉岡秀隆)がもう一度ママに会いたいと言いだした健太(高木星来)の成仏を願い、一雄らにあらためて頼み込む。その様子から橋本が何かを隠していると確信した忠雄は、真意を確かめる。
一雄(西島秀俊)は、この旅の最後に待つのは自分の死だと悟る。だが、橋本(吉岡秀隆)からは明確な答えを得られぬまま最後の場所へ。そこには、以前と変わらぬ美代子(井川遥)と広樹(横山幸汰)の姿があり、一雄はどうすれば変えられるのか途方に暮れる。忠雄(香川照之)は、二人との絆を取り戻せと一雄を扇動する。
一雄(西島秀俊)は、橋本(吉岡秀隆)から旅の終わりに死が待つと断言される。憤慨する忠雄(香川照之)を制した一雄は、ありのままの思いを伝えるため、もう一度美代子(井川遥)と広樹(横山幸汰)に会わせてほしいと橋本に頼む。一方、橋本は忠雄にこのまま一雄と分かり合えずに死んでもいいのかと問い掛ける。
現実を変えるため、さまざまなことに挑んだ一雄(西島秀俊)と忠雄(香川照之)。旅の始まりでは、忠雄に反発していた一雄だったが、親子以上に“朋輩”として向き合う忠雄に一雄も心を許しつつあった。 そんな中、一雄は現実世界で危篤状態にある忠雄の“大きな後悔”が、自分との仲を取り戻すことだと知る。一雄は忠雄への思いを乗せ、ラストドライブへ!