荒れ果てた世界に一人の男が現れた、男の名はラオウ。究極の暗殺拳「北斗神拳」の使い手である彼は、世紀末覇者たらんと己の拳一つで立ち上がる。自らを拳王と名乗り、仲間であるソウガやレイナと鬼王ゴラムの鬼巌城を乗っ取る。ここに拳王軍設立を宣言するラオウ。そして、彼の行動を不敵に笑う一人の女の姿があった…。
拳王軍の破竹の勢いは王たちを震え上がらせた。ある者は戦い散り、ある者は白旗を揚げ降伏をした。その中、拳王精鋭部隊が智王ギオンの策略の前に全滅の報せを聞く。全滅させたのはギオン軍ではなく、漆黒の馬率いる千頭の馬たちであった。ソウガとレイナを引き連れ、黒王谷と呼ばれる場所へ向ったラオウが見たものは…。
黒金城に篭城した我王軍を攻略できずにいるラオウたちの前に一人の女が現れた。女の名はサクヤ。彼女は自分一人で黒金城を一晩で落として見せるとラオウに進言する。単身黒金城に乗り込むサクヤ。そしてソウガの指示のもと、レイナも城に突入するが南斗隼牙拳の使い手ハバキの前に絶体絶命のピンチを迎える。その時…。
新たに拳王軍軍師として加わったサクヤをまだ信用できないレイナとソウガ。そこへ何度処刑をしても死なない男が暴れているとギオンから知らせが入る。急ぎ監獄都市カサンドラへと向うラオウ、ソウガ、レイナ、そしてサクヤ。鎖に縛られてもなお激しく暴れまわる大男ウイグルに向ってラオウがとった行動とは…。
ラオウの覇道成就のためには、弟であるトキの力が必要だと諭すレイナ。彼女は自らトキの村へ説得に向うが、北斗神拳を医術として人のために使うトキにはレイナの願いは無駄に終わる。そして、トキの前に現れたラオウにトキは「暴力で人は支配できない」と言う。そんなトキをカサンドラへ収容するようにラオウは命じて…。
ラオウは、新たなる将を拳王軍に迎え入れるため、南斗の智将と呼ばれた南斗流鴎拳の使い手であるリュウロウを尋ねた。しかし、リュウロウは拳で人を支配するラオウではなく民衆の哀しみを背負う末弟のケンシロウの味方になると言う。さらにリュウロウはラオウに言う「悔い改めろ」と。己の甘さを痛感したラオウは…。
冷酷な鬼へと変貌を遂げたラオウの前に天狼凍牙拳のリュウガが現れた。新たに拳王軍の将として迎え入れられたリュウガに不信感を抱くソウガ。そこへ獅子王軍と雷帝軍が同時に拳王軍に攻め込みに来たと知らせが届く。獅子王軍征伐へ向うソウガとリュウガ。そこでのリュウガの残忍な戦いぶりにソウガの怒りが爆発する…。
ラオウの覇道のために誰かが鬼とならねばならない、その言葉に遂にソウガまでも鬼へと変貌してしまった。サザンクロスタウンの噂を聞き、駆けつけたリュウガとレイナの前に雲のジュウザが姿を現した。「妹ユリアが死んだ」と、ジュウザの口から信じられないことを聞くリュウガ。その報せをリュウガから聞いたラオウは…。
ラオウの役に立とうとレイナは独断で南の新たな勢力へと偵察に赴いた。だがそこで待ち受けていたダガールの罠にはまり、レイナは捕まってしまう。忠誠を誓わせようと拷問をかけようとするダガールとコマク。一方、鉄帝軍との戦いの最中、レイナが捕まったことを聞いたラオウはレイナのもとへと愛馬の黒王号を走らせて…。
砂漠を根城とする冥王軍との戦いに苦戦していた拳王軍は、ソウガを先頭に砂漠の村へと潜入捜査を開始した。村への潜入に成功したソウガであったが、姿を見せない敵により致命傷を負わされる。後を追ったリュウガもまた同じように倒される。姿を見せずに敵を倒す拳法とは? その謎を解明すべくラオウはトキを訪れるが…。
謀反の罪でカサンドラに収容されたサクヤ。真意がつかめないレイナはサクヤの面会に向かう。「聖帝との和議が成り立った時にお開けください」と、サクヤはレイナに袋を渡し、口を閉ざす。いよいよ聖帝の領土に侵攻を開始する拳王軍。そして聖帝との和議が成り立った時、ソウガはレイナから預かった袋の中を確かめるが…。
突如として拳王府の前に現れたユダ率いる聖帝精鋭部隊と拳王府を守るレイナ率いる拳王軍との壮絶な戦いが始まった。ユダの執拗な攻撃に苦しむレイナは裏切り者サクヤをカサンドラから呼び戻す。圧倒的形勢不利の中、レイナやサクヤはラオウが来るまで拳王府を守りきれるのか? 果たしてラオウは間に合うのか?
遂に拳王府の前でラオウとサウザーの両雄が対峙した。レイナ、サクヤの眼前で二人の男の戦いが始まる。北斗神拳対南斗鳳凰拳、二人の拳が交差する! 壮絶な戦いの結末は!? ラオウの覇道はここで潰えるのか、最終決戦の幕が今開ける! 一片の悔いなく生きた男ラオウの生き様を見よ!